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13;転生
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白い部屋
倭子は足を投げ出し、壁にもたれかかるように座っている。
「わこちゃん?」
声を掛けたのは世界を救ってくれと嘆願してきた、神だった。
「・・・ワン!」
「好きに呼んでって言ったけど何故ワン?」
「可愛くてわんこみたいだから」
「・・・・」
「ワン、私ね何回も転生したけど、唯一心残りで、やってないことがあるの・・・」
「?やってないこと?」
「うん、私って自分で子供を産んで育てたことが無いのよ」
「あ・・・・そうだね、女の子のときは不幸だったし早死にしたもんね」
「もう一度転生してお母さんになって幸せな体験したいなぁ・・・」
「・・・・転生する?」
「え?神も転生出来るの?」
「倭子はまだ自分の世界を持っていないから大丈夫だよ、管理者の承認があれば」
「僕の世界でよければ、今世界の調整をしていて、もう直ぐ構築できるんだけど、いい思い出ないよね?”なな”の時の世界だし」
「なな・・・か」
「本当なら勇者として活躍して幸せになる予定だったのに、邪神の影響で運命が変わってしまった」
「・・・・もう一度ななの世界で幸せになりたい・・・」
「うん・・・今度はきっとなれるよ」
そして私が生まれたのは
辺境伯爵の長女、ヴァイオレット・ナナリー・キャヴェンディッシュ伯爵令嬢
代々、子は騎士として王に使える家系、伝説の勇者の子孫と言われている由緒正しい貴族だ。
5つ離れた兄のウィリアム・ベンティンクが居て、
2つ下の腹違いの妹のフランシス・エミリアと
3つ下の弟のデニス・バーナードがいて、
伯爵の父と兄の正妻の母、側室になる私の母と妹と弟の母の8人家族、母たちも含め、皆仲はいい、母たちがつるむと父の威厳は何時も吹き飛んでいた。
1歳の時、母が実家の公爵家から私を連れて帰るとき襲撃にあった、が、それは闇ギルドの逆恨みによる襲撃で、予測されていたので返り討ちにされた、
闇ギルドは私が生まれる前にもう討伐されており、残党に由るものだった。
再構築した世界には前は無かった魔法が使えるようになっていた。
幼少期から騎士としての訓練を男女問わずしている家系のため、私も3歳から訓練を始めた。
魔法と剣技との組み合わせで、兄と対等に戦えるくらいになった15歳の春、王宮から招待状が来た。
「12歳から18歳の婚約者の居ない貴族令嬢全員に招待状が送られて来たようだ」
父が常に情報収集している密偵からの密書を見ながら言った。
「・・・王弟陛下の花嫁さがし?」
「察しが良いなヴァイオレット、王の子息達は母親の身分が低いため王位継承権が無い、王の歳の離れた弟のレオン・クレハドール王弟殿下が王太子に決まったからな、19歳になられるが、浮いた話は多々あるのだが、縁談には至って無いので、王が業を煮やしたらしい」
レオン・クレハドール
調整前は壮年のイケ親父だったが、この世界では若い、
先王が在位中に若い公爵令嬢に一目ぼれして側室に迎え、王が65、側室19歳の時の子供である。
レオンが産まれると、王は王太子に王位をゆずり離宮に隠居、若い側室といちゃいっちゃしてるらしい、隠居してからも、女の子と男の子が生まれている。
隠居後出来た子なので王位継承権は低い、早々に爵位を与えて家臣にすることが決まっていた。
事実上レオンしか跡継ぎが居ない
「レオン・クレハドール様か・・・会うの辛いな・・・あの人じゃないのに同じ名前、脳筋の私が選ばれることはないだろう、観光のつもりで王都へ行こうっと」
複雑な面持ちのヴァイオレットだった。
王都はとても繁栄していた
(前の時は王があまり良い政治をしてなかったから、暗かったよな)
「現王は国民を大事にし、他国とも有効を結び、交易も盛んで国民に不満の声は殆ど無いよね」
「とはいえ、貴族の腹の探りあいはあるからな、気をつけろよ」
エスコート役の兄と、王宮に向かう馬車の中、外を眺めながら話していた。
「ところで、お妃に選ばれたらどうする?一応断ってもいいとは言われて居るが、そう言うわけにも行かないぞ」
「こんな真っ黒で筋肉質の、可愛くない女なんて選ばれないわよ」
「いや、お前は十分綺麗で可憐だぞ、筋肉質なんて、ドレスで殆ど分らないし、それくらいの日焼けその辺にごろごろしてるじゃないか」
「いや、それ絶対身内の欲目だわよ」
「・・・・分ってないな、おじさんに達に囲まれて育ったせいか?・・・」
そう言っているうちに王宮に到着した。
馬車から兄のエスコートで降りると、
警備の兵士が何か落ちつかないしぐさをしていた。
「私、何か変?」
「美しい可憐な美少女みれば、誰だってそうなるが・・・警備としては失格だな・・・」
「また、にいさまってば・・・・」
そうなのだ、自分では普通の顔立ちだと思っていたが、普通に健康に育った私は美人らしい、”なな”は栄養状態も悪く、摂関で骨も曲がっていたので、引き取られてからはましになったが、綺麗で可憐ではなかった。元は一緒になっているはずなのだが、栄養と環境でこんなに違うんだと実感した。
王宮は煌びやかで、繁栄がうかがえる豪華な造りになっていた。
ヴァイオレットは
(金ぴか・・・好みじゃないな~目がチカチカするわね)
舞踏会に呼ばれた令嬢は12人、貴族令嬢は小さい時に婚約することが多いので、残っている方が異常なのである、問題ありの令嬢ばかりなのが伺えた
「お兄様、この方々が本当に王太子妃候補なの?」
「・・・そうだね、ヴァイオレットの聡明さが目立って、君しか務まらないと思ってしまうな」
「や・辞めてくださいお兄様・・・」
・おどおどして行動が可笑しい令嬢
・120キロはあると思われる令嬢、真っ先に軽食コーナーに駆け込んでむしゃぶりついている
・ゴテゴテニ着飾って厚化粧の令嬢・・・・「王妃になれば世界中の宝石は私の物」とささやいているのが聞こえた
・どう見ても、10代に見えない年齢詐称の令嬢
・どう見ても7歳くらいにしか見えない令嬢
あと、個性豊かな令嬢が会場に来ていた、
まともなのは、ヴァイオレットと隣国の第2王女の二人だけ
「隣国の王女は、候補じゃないよ、たまたま表敬訪問で来てらしてたから招待しただけらしいよ」
そうお兄様が言ってくる
王太子殿下と令嬢たちのダンスが始まった
12人全員と踊ることになっていた、ヴァイオレットは何故か最後の順番だった。
(くすっ・・・ちょっと嫌そうな顔されたわね、きつかっものあの令嬢の香水、すぐポーカーフェイスを保たれたのはさすがね)
(リードしにくそうね、あの巨漢はきついかな?令嬢も王太子より、食べ物が気になるみたいね)
観察している間に自分の番がやって来た。
前に出て王太子の手を取る、グイッと腰を引き寄せられた
「?王太子殿下?」
「レオンだよレオン・クレハドール、・・・ヴァイオレット・ナナリー、ナナリーって呼んでいいかい?」
「え?あれ?王太子・・・・」
「レオンだよ!」
「レオン殿下?」
(え?え?え?何か可笑しい・・・・さっきまでのポーカーフェイスの王太子と違う)
曲が始まり踊りだす二人
「「「「ほぉぅ・・・・」」」」
何処からかため息が漏れる
「「「絵になりますなぁ」」」」
動揺しながらも、好みの顔が目の前にあるのだ、見ないわけにはいかにと思い顔を上げると、
とろけるような笑顔の王太子が居た
どきどきどきどきどきどきどき!
(静まれ心臓!顔が赤くなる火照る~密着度はんぱないんだけど・・・なに?背中撫でられてる・・・)
「!レオン殿下?離してください、3曲目です、これ以上はダメです」
そうダンスを続けて2曲踊ると、
好意持ってる相手ですよ、でも恋人まで行ってません、
3曲踊ると二人は出来てますよちょっかいかけないでね
と言う意味になる
「放さないよ、私のナナリー(なな)」
「?ん?気のせい?」
腕の中から逃れられず、周りも止めないので結局5曲も踊ってしまった。
「婚約式は3日後、結婚式は半年後でいいかな?」
「はい?ええっと・・・はいぃ?」
「変な返事だけどハイだから了承ね」
「え?え?え?」
「貴方が好きです、結婚してください」
踊り終わったら膝をついて大勢の前で言われた
(しまったぁ・・・嵌められた)
兄の方をみたら、お手上げの仕草をされた
「はい」
それ以外の事はは許されない感じだった。
(疲れた・・・ああ・・・騎士になる夢が)
テラスに手を引かれて来ていた、火照った顔に夜風は心地よかった
長椅子に座ろうとしたら、王太子に持ち上げられ膝の上に座れされた
「あ・・・あの王太子」
「レオン!」
「レオン殿下?椅子に座りますので」
「外だから椅子が冷たいよ、冷えたら大変だ」
「いや、でも私そんなにか弱くないし、軽くも小さくも無いので」
「可愛いよ、私のナナリー」
(デジャブ?何の抵抗も無く膝に乗せるのは?無意識?もしかして魂違っても設定同じ?)
この世界に転生するとき、鑑定は封印しておいた、もともと魔法の無かった世界だし、解らない方が良いと思ったけど、今回だけは鑑定が欲しいと思った。
コトリ
テーブルにワインが置かれた
「君の為に取り寄せたんだ、飲んでみて、凄くのみやすいよ」
「え?お酒は・・・」
「飲まないの?」
「いえ、食事の時に3口くらいなら、あまり強くないみたいなので飲まないようにしてます」
「じゃあ、3口飲んでみて」
そう言われて、グラスをわたされる
「!美味しい!」
「そうだろう?・・・え?そんなに飲んだら」
美味しくて、ついグラス全部のワインを飲んでしまう、ヴァイオレットだった
チュンチュんチュン
(・・・・・朝チュン・・・・どうしよう・・・・王太子にお持ち帰りされてしまった)
ヴァイオレットは裸のまま、レオン王太子の腕の中に居た。
レオン王太子の寝顔を見てるととても愛しくてたまらなくなった。
そっと、動く手で綺麗な金髪の髪を触る。
「ん?ナナリー?」
レオンの腕に力が入る、そして口付け
「んっ、レオン殿下」
そのまま、また絡み合う二人。
そのまま、王宮のとどまり、毎日愛され続けた。
一応、結婚式に大きいお腹は困るので、避妊はしてくれてた。
婚約式では、人前ではきりっと辺境伯爵していた父も大泣き、結婚式はどうなるのだろうか?
母たちには、自分の気持ちを再確認、兄から舞踏会の話を聞いていたので、流されたのでは?意に沿わないのに無理やりなのではと心配された、横にレオンが居るのにもかかわらず・・・
「大丈夫ですわ、レオン殿下のこと、愛おしく思っております、一目ぼれです」
そう言ったら皆、横のレオン殿下もほっとしたようだった。
婚約式は、身内と高位貴族のみで王宮で行われたが、
結婚式は盛大に、行われた、
「魔王陛下も来られるんですね」
招待客の説明を受けていてびっくりした、周辺国だけではなく、星の真裏の魔国の王までも来るというのだ
「魔国とは、貿易してるからねあの国でしか取れない魔物の素材があるから」
はい、なんとなく気がつきました、たぶん記憶は無いけどレオン殿下は転生者、すると魔王も?
「まさかね」
「何か言ったかい?」
「いえ・・・・」
ええ、多分魔王はあの魔王だと思う、記憶は無いようだけど、熱い視線感じた
「このまま、さらって行きたい」
なんて、披露宴の後の舞踏会で踊ったら言われたし・・・
結婚式の後しばらくして妊娠が発覚!国中お祭り騒ぎ
生まれたのは双子の、男の子と女の子、お願いして自分で育てている。
天気の良い、日差しの優しい日、お城の中庭で、双子がボールで遊んでいる横でソファに座りまったりと紅茶を飲んでいる、王妃になって6年、魔物討伐にも参加したり、他国との交渉にもついて言った、充実した日々久しぶりにのんびりと子供たちと触れ合っていた。
「お母様!見てみて!」
魔法でボールを浮かせて遊んでいた
「王妃様、私達もご一緒してもよろしいでしょうか?」
そう言って来たのは王宮で文官の仕事をしている侯爵、
「どうぞ、」
そう言ううと、メイドと従者が、机と椅子を運んで来る。
「?あれ?」
いつの間にか中庭が賑わっていた。
双子は膝の上で寝息を立てていた。
だれが、媚びるわけも無く、日常のたわいもない話をする中庭に集まった人達
(皆仕事は?)
と心で思いながら、自分もうとうとしてきていつの間にか眠ってしまっていた
『幸せそうだね・・・・』
『本当に、良かった』
皆がヴァイオレットを優しい目で見ている。
ヴァイオレットはその後も3人子供を産み、孫にも恵まれ、幸せな人生を送った。
「お帰りわこ!」
白い部屋、人生を終えたわこがぼーとしている
「なんか、騙された気分」
「皆がわこを幸せにしたいって言うから、記憶は皆無いよ、本能でわこを幸せにしてたんだ、皆幸せにしたいって言うから・・・・」
「はぁ~・・・・ま、幸せだったけど・・・・」
「で、これからどうする?暫く神域でぼーとしてる?新しい世界作る?また、転生する?」
「選択肢いっぱいあるね・・・・転生しようかな?原点に戻って、わこやろうかな?」
「そう言うのも良いかもね、あの世界のあの時代のあの場所に戻れるよ」
「記憶今度は無でお願い、さらで人生送りたい、他の連中は連れてこないでね」
「皆は世界の輪廻の輪に入って行ったよ、もうわこの事を思い出すことは無いと思う」
「戻っても事故は起きないよじゃ、いってらっしゃい」
パッパー
クラクションが鳴る交差点、信号が青に変わり皆が何事も無く横断歩道を歩いて行く
「あのやろう・・・・記憶は無しって言ったのに・・・」
そう言いながら横断歩道を渡る
「今度神域に行ったら!〆る!・・・」
神域では、ワンがあたふたと間違えたことに気が付き慌てていた。
原点にせっかく戻ったのに、力も記憶もそのままで大変困った人生を送ることになる、わこだった。
おわり
--------
これで終わります。
読んで頂いてありがとうございました。
倭子は足を投げ出し、壁にもたれかかるように座っている。
「わこちゃん?」
声を掛けたのは世界を救ってくれと嘆願してきた、神だった。
「・・・ワン!」
「好きに呼んでって言ったけど何故ワン?」
「可愛くてわんこみたいだから」
「・・・・」
「ワン、私ね何回も転生したけど、唯一心残りで、やってないことがあるの・・・」
「?やってないこと?」
「うん、私って自分で子供を産んで育てたことが無いのよ」
「あ・・・・そうだね、女の子のときは不幸だったし早死にしたもんね」
「もう一度転生してお母さんになって幸せな体験したいなぁ・・・」
「・・・・転生する?」
「え?神も転生出来るの?」
「倭子はまだ自分の世界を持っていないから大丈夫だよ、管理者の承認があれば」
「僕の世界でよければ、今世界の調整をしていて、もう直ぐ構築できるんだけど、いい思い出ないよね?”なな”の時の世界だし」
「なな・・・か」
「本当なら勇者として活躍して幸せになる予定だったのに、邪神の影響で運命が変わってしまった」
「・・・・もう一度ななの世界で幸せになりたい・・・」
「うん・・・今度はきっとなれるよ」
そして私が生まれたのは
辺境伯爵の長女、ヴァイオレット・ナナリー・キャヴェンディッシュ伯爵令嬢
代々、子は騎士として王に使える家系、伝説の勇者の子孫と言われている由緒正しい貴族だ。
5つ離れた兄のウィリアム・ベンティンクが居て、
2つ下の腹違いの妹のフランシス・エミリアと
3つ下の弟のデニス・バーナードがいて、
伯爵の父と兄の正妻の母、側室になる私の母と妹と弟の母の8人家族、母たちも含め、皆仲はいい、母たちがつるむと父の威厳は何時も吹き飛んでいた。
1歳の時、母が実家の公爵家から私を連れて帰るとき襲撃にあった、が、それは闇ギルドの逆恨みによる襲撃で、予測されていたので返り討ちにされた、
闇ギルドは私が生まれる前にもう討伐されており、残党に由るものだった。
再構築した世界には前は無かった魔法が使えるようになっていた。
幼少期から騎士としての訓練を男女問わずしている家系のため、私も3歳から訓練を始めた。
魔法と剣技との組み合わせで、兄と対等に戦えるくらいになった15歳の春、王宮から招待状が来た。
「12歳から18歳の婚約者の居ない貴族令嬢全員に招待状が送られて来たようだ」
父が常に情報収集している密偵からの密書を見ながら言った。
「・・・王弟陛下の花嫁さがし?」
「察しが良いなヴァイオレット、王の子息達は母親の身分が低いため王位継承権が無い、王の歳の離れた弟のレオン・クレハドール王弟殿下が王太子に決まったからな、19歳になられるが、浮いた話は多々あるのだが、縁談には至って無いので、王が業を煮やしたらしい」
レオン・クレハドール
調整前は壮年のイケ親父だったが、この世界では若い、
先王が在位中に若い公爵令嬢に一目ぼれして側室に迎え、王が65、側室19歳の時の子供である。
レオンが産まれると、王は王太子に王位をゆずり離宮に隠居、若い側室といちゃいっちゃしてるらしい、隠居してからも、女の子と男の子が生まれている。
隠居後出来た子なので王位継承権は低い、早々に爵位を与えて家臣にすることが決まっていた。
事実上レオンしか跡継ぎが居ない
「レオン・クレハドール様か・・・会うの辛いな・・・あの人じゃないのに同じ名前、脳筋の私が選ばれることはないだろう、観光のつもりで王都へ行こうっと」
複雑な面持ちのヴァイオレットだった。
王都はとても繁栄していた
(前の時は王があまり良い政治をしてなかったから、暗かったよな)
「現王は国民を大事にし、他国とも有効を結び、交易も盛んで国民に不満の声は殆ど無いよね」
「とはいえ、貴族の腹の探りあいはあるからな、気をつけろよ」
エスコート役の兄と、王宮に向かう馬車の中、外を眺めながら話していた。
「ところで、お妃に選ばれたらどうする?一応断ってもいいとは言われて居るが、そう言うわけにも行かないぞ」
「こんな真っ黒で筋肉質の、可愛くない女なんて選ばれないわよ」
「いや、お前は十分綺麗で可憐だぞ、筋肉質なんて、ドレスで殆ど分らないし、それくらいの日焼けその辺にごろごろしてるじゃないか」
「いや、それ絶対身内の欲目だわよ」
「・・・・分ってないな、おじさんに達に囲まれて育ったせいか?・・・」
そう言っているうちに王宮に到着した。
馬車から兄のエスコートで降りると、
警備の兵士が何か落ちつかないしぐさをしていた。
「私、何か変?」
「美しい可憐な美少女みれば、誰だってそうなるが・・・警備としては失格だな・・・」
「また、にいさまってば・・・・」
そうなのだ、自分では普通の顔立ちだと思っていたが、普通に健康に育った私は美人らしい、”なな”は栄養状態も悪く、摂関で骨も曲がっていたので、引き取られてからはましになったが、綺麗で可憐ではなかった。元は一緒になっているはずなのだが、栄養と環境でこんなに違うんだと実感した。
王宮は煌びやかで、繁栄がうかがえる豪華な造りになっていた。
ヴァイオレットは
(金ぴか・・・好みじゃないな~目がチカチカするわね)
舞踏会に呼ばれた令嬢は12人、貴族令嬢は小さい時に婚約することが多いので、残っている方が異常なのである、問題ありの令嬢ばかりなのが伺えた
「お兄様、この方々が本当に王太子妃候補なの?」
「・・・そうだね、ヴァイオレットの聡明さが目立って、君しか務まらないと思ってしまうな」
「や・辞めてくださいお兄様・・・」
・おどおどして行動が可笑しい令嬢
・120キロはあると思われる令嬢、真っ先に軽食コーナーに駆け込んでむしゃぶりついている
・ゴテゴテニ着飾って厚化粧の令嬢・・・・「王妃になれば世界中の宝石は私の物」とささやいているのが聞こえた
・どう見ても、10代に見えない年齢詐称の令嬢
・どう見ても7歳くらいにしか見えない令嬢
あと、個性豊かな令嬢が会場に来ていた、
まともなのは、ヴァイオレットと隣国の第2王女の二人だけ
「隣国の王女は、候補じゃないよ、たまたま表敬訪問で来てらしてたから招待しただけらしいよ」
そうお兄様が言ってくる
王太子殿下と令嬢たちのダンスが始まった
12人全員と踊ることになっていた、ヴァイオレットは何故か最後の順番だった。
(くすっ・・・ちょっと嫌そうな顔されたわね、きつかっものあの令嬢の香水、すぐポーカーフェイスを保たれたのはさすがね)
(リードしにくそうね、あの巨漢はきついかな?令嬢も王太子より、食べ物が気になるみたいね)
観察している間に自分の番がやって来た。
前に出て王太子の手を取る、グイッと腰を引き寄せられた
「?王太子殿下?」
「レオンだよレオン・クレハドール、・・・ヴァイオレット・ナナリー、ナナリーって呼んでいいかい?」
「え?あれ?王太子・・・・」
「レオンだよ!」
「レオン殿下?」
(え?え?え?何か可笑しい・・・・さっきまでのポーカーフェイスの王太子と違う)
曲が始まり踊りだす二人
「「「「ほぉぅ・・・・」」」」
何処からかため息が漏れる
「「「絵になりますなぁ」」」」
動揺しながらも、好みの顔が目の前にあるのだ、見ないわけにはいかにと思い顔を上げると、
とろけるような笑顔の王太子が居た
どきどきどきどきどきどきどき!
(静まれ心臓!顔が赤くなる火照る~密着度はんぱないんだけど・・・なに?背中撫でられてる・・・)
「!レオン殿下?離してください、3曲目です、これ以上はダメです」
そうダンスを続けて2曲踊ると、
好意持ってる相手ですよ、でも恋人まで行ってません、
3曲踊ると二人は出来てますよちょっかいかけないでね
と言う意味になる
「放さないよ、私のナナリー(なな)」
「?ん?気のせい?」
腕の中から逃れられず、周りも止めないので結局5曲も踊ってしまった。
「婚約式は3日後、結婚式は半年後でいいかな?」
「はい?ええっと・・・はいぃ?」
「変な返事だけどハイだから了承ね」
「え?え?え?」
「貴方が好きです、結婚してください」
踊り終わったら膝をついて大勢の前で言われた
(しまったぁ・・・嵌められた)
兄の方をみたら、お手上げの仕草をされた
「はい」
それ以外の事はは許されない感じだった。
(疲れた・・・ああ・・・騎士になる夢が)
テラスに手を引かれて来ていた、火照った顔に夜風は心地よかった
長椅子に座ろうとしたら、王太子に持ち上げられ膝の上に座れされた
「あ・・・あの王太子」
「レオン!」
「レオン殿下?椅子に座りますので」
「外だから椅子が冷たいよ、冷えたら大変だ」
「いや、でも私そんなにか弱くないし、軽くも小さくも無いので」
「可愛いよ、私のナナリー」
(デジャブ?何の抵抗も無く膝に乗せるのは?無意識?もしかして魂違っても設定同じ?)
この世界に転生するとき、鑑定は封印しておいた、もともと魔法の無かった世界だし、解らない方が良いと思ったけど、今回だけは鑑定が欲しいと思った。
コトリ
テーブルにワインが置かれた
「君の為に取り寄せたんだ、飲んでみて、凄くのみやすいよ」
「え?お酒は・・・」
「飲まないの?」
「いえ、食事の時に3口くらいなら、あまり強くないみたいなので飲まないようにしてます」
「じゃあ、3口飲んでみて」
そう言われて、グラスをわたされる
「!美味しい!」
「そうだろう?・・・え?そんなに飲んだら」
美味しくて、ついグラス全部のワインを飲んでしまう、ヴァイオレットだった
チュンチュんチュン
(・・・・・朝チュン・・・・どうしよう・・・・王太子にお持ち帰りされてしまった)
ヴァイオレットは裸のまま、レオン王太子の腕の中に居た。
レオン王太子の寝顔を見てるととても愛しくてたまらなくなった。
そっと、動く手で綺麗な金髪の髪を触る。
「ん?ナナリー?」
レオンの腕に力が入る、そして口付け
「んっ、レオン殿下」
そのまま、また絡み合う二人。
そのまま、王宮のとどまり、毎日愛され続けた。
一応、結婚式に大きいお腹は困るので、避妊はしてくれてた。
婚約式では、人前ではきりっと辺境伯爵していた父も大泣き、結婚式はどうなるのだろうか?
母たちには、自分の気持ちを再確認、兄から舞踏会の話を聞いていたので、流されたのでは?意に沿わないのに無理やりなのではと心配された、横にレオンが居るのにもかかわらず・・・
「大丈夫ですわ、レオン殿下のこと、愛おしく思っております、一目ぼれです」
そう言ったら皆、横のレオン殿下もほっとしたようだった。
婚約式は、身内と高位貴族のみで王宮で行われたが、
結婚式は盛大に、行われた、
「魔王陛下も来られるんですね」
招待客の説明を受けていてびっくりした、周辺国だけではなく、星の真裏の魔国の王までも来るというのだ
「魔国とは、貿易してるからねあの国でしか取れない魔物の素材があるから」
はい、なんとなく気がつきました、たぶん記憶は無いけどレオン殿下は転生者、すると魔王も?
「まさかね」
「何か言ったかい?」
「いえ・・・・」
ええ、多分魔王はあの魔王だと思う、記憶は無いようだけど、熱い視線感じた
「このまま、さらって行きたい」
なんて、披露宴の後の舞踏会で踊ったら言われたし・・・
結婚式の後しばらくして妊娠が発覚!国中お祭り騒ぎ
生まれたのは双子の、男の子と女の子、お願いして自分で育てている。
天気の良い、日差しの優しい日、お城の中庭で、双子がボールで遊んでいる横でソファに座りまったりと紅茶を飲んでいる、王妃になって6年、魔物討伐にも参加したり、他国との交渉にもついて言った、充実した日々久しぶりにのんびりと子供たちと触れ合っていた。
「お母様!見てみて!」
魔法でボールを浮かせて遊んでいた
「王妃様、私達もご一緒してもよろしいでしょうか?」
そう言って来たのは王宮で文官の仕事をしている侯爵、
「どうぞ、」
そう言ううと、メイドと従者が、机と椅子を運んで来る。
「?あれ?」
いつの間にか中庭が賑わっていた。
双子は膝の上で寝息を立てていた。
だれが、媚びるわけも無く、日常のたわいもない話をする中庭に集まった人達
(皆仕事は?)
と心で思いながら、自分もうとうとしてきていつの間にか眠ってしまっていた
『幸せそうだね・・・・』
『本当に、良かった』
皆がヴァイオレットを優しい目で見ている。
ヴァイオレットはその後も3人子供を産み、孫にも恵まれ、幸せな人生を送った。
「お帰りわこ!」
白い部屋、人生を終えたわこがぼーとしている
「なんか、騙された気分」
「皆がわこを幸せにしたいって言うから、記憶は皆無いよ、本能でわこを幸せにしてたんだ、皆幸せにしたいって言うから・・・・」
「はぁ~・・・・ま、幸せだったけど・・・・」
「で、これからどうする?暫く神域でぼーとしてる?新しい世界作る?また、転生する?」
「選択肢いっぱいあるね・・・・転生しようかな?原点に戻って、わこやろうかな?」
「そう言うのも良いかもね、あの世界のあの時代のあの場所に戻れるよ」
「記憶今度は無でお願い、さらで人生送りたい、他の連中は連れてこないでね」
「皆は世界の輪廻の輪に入って行ったよ、もうわこの事を思い出すことは無いと思う」
「戻っても事故は起きないよじゃ、いってらっしゃい」
パッパー
クラクションが鳴る交差点、信号が青に変わり皆が何事も無く横断歩道を歩いて行く
「あのやろう・・・・記憶は無しって言ったのに・・・」
そう言いながら横断歩道を渡る
「今度神域に行ったら!〆る!・・・」
神域では、ワンがあたふたと間違えたことに気が付き慌てていた。
原点にせっかく戻ったのに、力も記憶もそのままで大変困った人生を送ることになる、わこだった。
おわり
--------
これで終わります。
読んで頂いてありがとうございました。
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兄たちの継承争いに巻き込まれないよう、誰も欲しがらない荒れ地を引き受けた。
静かに暮らすつもりだった。
だが、彼には「構造把握」という能力があった。
物事の問題点が、図解のように見える力。
井戸が枯れた。見て見ぬふりができなかった。
作物が育たない。見て見ぬふりができなかった。
気づけば——領地が勝手に発展していた。
「俺ののんびりライフ、どこ行った……」
これは、静かに暮らしたかった男が、なぜか成り上がっていく物語。
【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています
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三十年後に届いた白い手紙
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