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7:試験

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商業者ギルドは本と羽ペンの看板が大きく飾られていた

入り口の扉は大きく開け放たれており、ウエルカムな感じがした

受付の表示を見つけ其処に向かった、受付は幾つもあり、その中であいている所があった

空いている理由は、いかにも怖そうで偏屈そうなおばあさんが座っていた、他は若いお姉さんばかりなので、違和感半端ない、でも私的には他が空いていてもここに行った気がする



「よろしいですか」

「・・・何か用かい、見ない顔だね」

「今日この町に着いたので、ここで身分証明書の発行をおねがいしたい」

「他のギルドでの登録はあるかい?」

「ありません」

「・・・・この紙に必要事項を書きな、字が書けないってことはないだろね」

「大丈夫です」

にらみつけるように言うおばあさん、商売人が字が書けない、計算が出来ないのは致命的だ、この国の識字率は庶民は40パーセント、18世紀(江戸時代)のロンドンの識字率は20パーセントなのでそれよりも高いがそれでも読めない人の方が多い



おばあさんは(書けないってことはないよね)と言っているが、字が書けなくても見習い制度があり自分で商売は出来ないが、正規ギルド会員の下で働くことが出来る仕組みになっている、見習い期間に字や計算を覚え正規会員試験を受ける者も多いのだった

たまに、死ぬまで見習いだった人間もいる、計算がいつまでも出来なかったらしい



「これでいいですか」

書類を出すと、まじまじと見ているおばあさん



「・・・ポーション・・・・」

販売するものの欄に

ポーション類とアクセサリー、小物、洋服と書いていた

前世の私は藍染職人で、藍染のアクセサリーや小物、洋服等を作っていた、そして趣味で薬草茶を飲んでいた、それをしたいと思っている、まあ今生では染は藍染にこだわらすいろいろやってみたいとも思う



「今出せるポーションはあるかい」

「容器があまり作れなかったので、ランクC治癒ポーション50cc20本あります」

「容器も自作かい・・・見せてくれないか」

「はい」

私はポーションをとりあえず3本だした



「ガ・・ガラスの容器・・・ふむ・・・上質だねC+か・・・」

私のラノベの知識でポーションの容器はガラスだったが、ガラスで成形された容器は貴重で普通は焼き物の容器らしかった、後でおばあさんが言っていた



「いいだろう、試験はすぐ受けるかい、問題集を貸しだしているから、それで勉強してからでも構わないが」

「問題集見せてもらいますか」

「・・・・ほい」

すっと、ぶ厚い本を渡してくるおばあさん



「・・・ぶ厚・・・」

本を受け取ると、私は本をさらさらっと1分ほど見た



「今から受けれますか?」

「ああ、大丈夫だよ、あっちのボックス席で待ってな」

みると壁に囲まれた所に小さい机と2脚の椅子があるのが見えたのでそこに向かった



「あんなに簡単でいいのだろうか・・・掛け算割り算無いし・・・そういえば習わなかったな」

一応貴族になってから勉強はしていた、学園でも、掛け算割り算は習わなかった



「え、無いのかな・・・計算大変じゃない?」

何のことはない、商売人は掛け算使ってました、でも一般的な教養じゃないらしい



目の前にどっかと座ったおなあさん、試験中もずっと見られたいた、監視されていた、かなり前だがカンニングしてた者がいたらしい、それ以来受付した人間か職員が目の前で監視することになったらしい

、緊張したわ、試験は・・・満点でした、いや単純な3桁の掛け算引き算だもの

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