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鰯の頭も信心から
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「鰯の頭も信心から」
あれはある晴れた日の午後のこと。
蝉がミンミン騒ぐ暑い夏。
私は夏休みで、おばあちゃん家で過ごしていた。
「いわしいわし~~いわしじゃ~~~!!」
私のおばあちゃんはちょっと変わっていて、なんでも占いや迷信をすぐ信じてしまう人だ。
聞くだけならまだしも、それを実践しようとするのだから、まあ、変わっていると言われるのも無理はない。
ていうか、鰯って…。
こんな蒸し暑い時に何もわざわざ七輪持ってきて焼かなくても…。
「この程度で暑いなんて、都会っ子もまだまだじゃな」
都会っ子じゃなくてもこの天然暑さと鰯の生臭い匂い&蒸し暑さに耐えれるのはおばあちゃんくらいですっ!
「ぎゃんぎゃんとうるさいわい。ふぅ~。こんなもんかの」
パタパタ仰ぐのをやめたと思ったら、どこからか数珠を2つ取り出したおばあちゃん。
一体これは……?
「ほれ、願い事じゃ」
???
願い事って……??
「あるじゃろ!!願い事の一つや二つ。それともあれか。ありすぎて選べないやつか?」
いや、そんな選べないほどはないけど……。
「全く最近の若者は無欲じゃな!!
わしなんて呪文になるくらい願い事しかないわい!!」
無欲っていうか、いざ「願い事は?」って聞かれるとすぐ出てこないことって、ない?
「ええい!ごちゃごちゃうるさいのう!!もう鰯も頃合いじゃ!さっさとせんと叶うもんも叶わんぞ!!」
分かりましたっっ!!えっとえっと…願い事………ほんとに何も思いつかないな……。
えっと……神様神様…どうか末代までお金持ちでありますように………ってこれは努力次第だし流石に神様も困っちゃうか………えっと…あっ!恋愛!!恋愛面でぜひ叶えて欲しいことがありますっ!!今プレイしてる乙女ゲーム「Princess Heart」の推し"白馬王子"様みたいな男の子と運命的に出会えますように!!………欲を言えばもし転生できるのなら来世は「Princess Heart」のヒロインちゃんとして生まれたいですっっ!!神様!!よろしくお願いしますっっっ!!!!
「終わったか?長い願い事じゃったが……」
そういうおばあちゃんこそ、長々言ってた割に早かったような?
「色々あるがやっぱり家内の健康が第一じゃ。それ以外はなにも望まん」
おばあちゃん……。
うっ……なのに私はなんて自分本意な願い事を……。
でもこの儀式(?)もいつもと同じで、多分近所の会合で吹き込まれたまじないでしょ?
効力なんてあるわけ……、
え。
「おい………お前さんのその足元………」
え?足元??
って、消えてる!!??私いま上半身しかない!??エッッなんで!!??
『そなたの願い、この鰯神が、叶えてしんぜよう』
え?願い??なんの……?
『自ら頼んでおいて覚えておらんとは。ふぉっふぉっ愉快愉快。』
私が…頼んだ…??鰯神…??
あーっっっ!!さ、さささっきの!!??
じゃあ願いって………
『そうじゃ。来世は「Princess Heart」のヒロインになりたいのじゃろう?わしは今世限りの命。来世はどうやら左遷されそうでな。叶えるなら「今じゃよ!!」なんつってな!ふぉっふぉっふぉっ』
「今でしょ!」のもじりですか……さ、寒い…。
『とまあこんなわけでな、来世まで待ちきれんから、いまお主を現世から来世へと飛ばすことで願いを叶えるというわけじゃ』
ってことはもうおばあちゃんとは、この時代の人とはお別れってこと?
『そうじゃ。お前さんが消えた後、お前さんは鰯の儀式の最中にその匂いに耐えきれなくなり疾走…もとい失踪した娘、として皆の記憶に残る』
なんと意味不明な死(?)因……。
『あまりに可哀相なお前さんに、最後に一つだけ、情けをかけてやろう。わしは優しい神で有名じゃからな』
は、はぁ……来世は左遷、という理由だけで人間を失踪させる時点で優しいかどうか微妙ですけど。
『なにか文句でも?』
いやっ!なんでもありませんっっ!!
『よろしい。最後にそこにいるお前さんの祖母に一言だけ、何かあるか?わしが届けてやる』
最後に一言……??
こういうときやっぱり何も出てこないんだよね……ありがとう?今までお世話になりました??いや夏休みくらいしか帰省してなかったし……あっ!
「その鰯ほんっっと臭いから、ちゃんと片付けてね!」
『ふぉっふぉっ面白い娘じゃ』
別れの挨拶とか、辛気臭いの好きじゃないしね。
えーっと、じゃあ鰯神様っ!!私を乙女ゲームのメインヒロインにしてくださいっっ!!
……………………
「弟!!OTOUTO!!?勿論義弟です」
私立名門苫小前学園。のびのびとした大地にぽつんと、けれど他を寄せ付けないような寮設備完備の、豪華な学園がそこにはそびえたっていた。
私が転生したのは由緒正しき七瀬家の一人娘、七瀬奈々。
転生前の私も七菜(なな)って名前で、嬉しかったんだよね。
基本乙女ゲーってヒロインちゃんの名前以外(デフォルト以外)だとボイスは付かないんだけど、元々設定されてる名前だとフルボイスでイケメン&イケボ…もとい、攻略キャラクター達に名前を呼んでもらえるっ!
勿論例外もあって「胸キュン!メモリアル Girls Version」シリーズはどんな名前にしても呼んでもらえるんだけど……。
でもそんな乙女ゲーは滅多になくって、大体がヒロインちゃんの名前じゃないと呼んでもらえないから、周りの乙女ゲーマー皆泣いてたなあ……「なんで私の名前『美琴』じゃないのよっっ!!」とか。
この「Princess Heart」のメイン攻略キャラクター「白馬王子」の声優がちょうど私の推し声優「倉橋隼人」さんが担当されてて、推しに名前呼ばれる度に舞い上がってたなあ……。懐かしい。
ってそんなことはどうでも良くって。
私が転生したのはどうやらその「七瀬奈々」が高校に入学する一日前だったらしく、今日はなんと早速入学式初日、乙女ゲーム「Princess Heart」のエピローグ部分というわけだ。
ちなみにこの「Princess Heart」だけど、大事な点が二つある。
一つ、人が死なない乙女ゲーム。
二つ、バッドエンドのない乙女ゲーム。
ということ。
まず一つ目だけど、「人が死なない乙女ゲーム」。このゲームの発売前に公式が『このゲームは人が!!死にません!!安心してください!!死にません!!!!』と声を大にしてSNSで叫んでいたことで有名で。
今の乙女ゲームってね…普通に人が死ぬんだよね……。
むしろ、レーディングマークに銃やナイフが表記されてないゲームの方が珍しいってくらい、人がお亡くなりになる。
なんなら、エピローグで普通に死ぬ。
結婚式で乱入した罪人が暴れてシャンデリアが落下して花婿が死んだり、「これからデスゲームを始めます!!」って恋とサスペンスのドキドキが体感できる乙女ゲーだったり……。
最近の乙女ゲーム怖いよ………!!(※個人の感想です。)普通に学園ラブコメでキャッキャウフフしたいよ………!!!!(切実)
というわけで、この「Princess Heart」は、たまには人が死なない乙女ゲームやりたいよな層からの支持がとにかく厚かった。
次に二つ目!!「バッドエンドのない乙女ゲーム!」
これも公式が声を大にして言っていた。
このゲームにはエンディングが大きく三種類あって、「わたあめみたく甘~いハッピーエンド」「両片想いは続くよどこまでもエンド」「勤勉!親交!優勝!俺達ズッ友だよなエンド」である。
まあ簡単に説明すると「超恋愛エンド」「恋愛エンド」「友情エンド」って感じかな。
こんな感じで、一番下のエンドが友情止まりなだけで、誰かが死んだり、監禁だったり、ストーカーだったり…そんな悲しい結末にはならないよというわけだ。
ここまで延々たらたらと説明をしてきたわけだけど、つまり何が言いたいかというと!!
どのルートを選んでもヒロイン(私)は死なないということ!!!!
わ~~~ッッッ!!!わ~~~~ッッッッッッ!!(祝福)(称賛)(大優勝)
あのとき神様にバッドエンドまみれのゲームへの転生をお願いしなくて良かった…本当に………。
なので今日は!!今日からは!!ルンルンで楽しい乙女ゲーム生活(リアル)を過ごそ~っと!!
「なにニヤけてるの、姉さん」
湊っ!!いたの!!??いつの間に!!???
「さっきから百面相してたの全部見てた」
アハハ……我ながら恥ずかしい姉だな……。
「全くだよ。ていうか、昨日から様子がおかしいけど、何か変なものでも食べた?
それとも、いつもみたく変な実験で生まれた薬とか?」
どうやら、というか私も今の今まですっかり忘れていたことなんだけど、このゲームのヒロインである「七瀬奈々」は冷静沈着、少しのことでは動じない超清純無口美少女。
つまり………私とは正反対ってこと。
まあこの世界にバッドエンドはないわけだし?今さらヒロインの性格や口調の一つや二つ変わったって、別に大丈夫だろう。
というわけで!!私は好きにやらせてもらう!!
でもそんなこと弟には口が裂けても言えないわけで。
「ホラ、高校デビュー的な?今までも、本当はもう少し羽目外したりしたかったんだけど…急に変わるとホラ!びっくりさせちゃうし!!高校から心機一転しちゃおうぜ!的な!!」
なんて口からでまかせで誤魔化しておいた。
うお~~信じてくれ~~~!!信じてくれないと困る~~~!!!!姉!困るから!!
「……………まあ、何でもいいけど」
いいんかい!!姉の高校デビューを"何でも"で済ませていいんかい!!!
私的にはそっちの方が助かるし、有難いんだけどね。
あっと、ここで湊の紹介をしとこうかな。
七瀬湊(みなと)、16歳。
弟……といっても、血は繋がってなくて、父さんの妹が理由あって引き取った子供。けれどその出自を七瀬家は知らない(………ゲームをプレイしたから私は知ってるはず……なんだけど、何故か今はその部分が曖昧な記憶になっている)。
妹夫婦が湊を育てていたんだけど、仕事で海外への転勤が多くなったのをきっかけに、七瀬家が湊を家族として迎えることになった。
湊が七瀬家に来たのは9年前。
ちょうど「七瀬奈々」が小学校にあがる前だ。
弟とはいっても、同い年だから学年は同じで、確か同じ小学校だったんだよね。
周りの環境が大きく変化して、精神的にも不安定だった湊を、ヒロインの「七瀬奈々」は必要以上に弟に干渉することなく、間違えたときには正しく道を示していった……ってとっても素敵な話なんだよね……。
で、そんな姉の姿に、尊敬心がいつの間にか恋心に変わっていった…っていう。
高校入学時は、まだ恋心なのかただ慕っているだけなのか分からなくて、ヒロインにちょっとツンツンしちゃうんだよね……その姿がまた可愛いってうか、ちょっとした反抗期っていうか、そこからデレたときのギャップが可愛いって人気だったなあ……。
「人の顔ジロジロ見て、なに?」
そうそうこんな感じでツンツンしてて……。
「ほら、そろそろ入学式始まるよ」
そう言って差し出された右手。
これは……。
「姉さん歩くの遅いから……って、何照れてるの。
いつもやってるでしょ」
い、いつものやつ!!??「大将、いつもの」「……あいよ」って居酒屋みたいなノリで言われても……。
「ほんとに遅れるからねっ」
じたばたしてる私を気にせず、ガッと手を取って歩き出す湊。
神様~~~!!画面1枚越しに手を繋ぐ(モーション)だけでもドキドキする私に、現実(リアル)で、しかもこんなシチュエーションで手を繋ぐなんて身が持ちませんっっ!!!!
『ふぉっふぉっふぉっまこと愉快じゃ』
なんて、そんな笑い声が聞こえた気がした。
あれはある晴れた日の午後のこと。
蝉がミンミン騒ぐ暑い夏。
私は夏休みで、おばあちゃん家で過ごしていた。
「いわしいわし~~いわしじゃ~~~!!」
私のおばあちゃんはちょっと変わっていて、なんでも占いや迷信をすぐ信じてしまう人だ。
聞くだけならまだしも、それを実践しようとするのだから、まあ、変わっていると言われるのも無理はない。
ていうか、鰯って…。
こんな蒸し暑い時に何もわざわざ七輪持ってきて焼かなくても…。
「この程度で暑いなんて、都会っ子もまだまだじゃな」
都会っ子じゃなくてもこの天然暑さと鰯の生臭い匂い&蒸し暑さに耐えれるのはおばあちゃんくらいですっ!
「ぎゃんぎゃんとうるさいわい。ふぅ~。こんなもんかの」
パタパタ仰ぐのをやめたと思ったら、どこからか数珠を2つ取り出したおばあちゃん。
一体これは……?
「ほれ、願い事じゃ」
???
願い事って……??
「あるじゃろ!!願い事の一つや二つ。それともあれか。ありすぎて選べないやつか?」
いや、そんな選べないほどはないけど……。
「全く最近の若者は無欲じゃな!!
わしなんて呪文になるくらい願い事しかないわい!!」
無欲っていうか、いざ「願い事は?」って聞かれるとすぐ出てこないことって、ない?
「ええい!ごちゃごちゃうるさいのう!!もう鰯も頃合いじゃ!さっさとせんと叶うもんも叶わんぞ!!」
分かりましたっっ!!えっとえっと…願い事………ほんとに何も思いつかないな……。
えっと……神様神様…どうか末代までお金持ちでありますように………ってこれは努力次第だし流石に神様も困っちゃうか………えっと…あっ!恋愛!!恋愛面でぜひ叶えて欲しいことがありますっ!!今プレイしてる乙女ゲーム「Princess Heart」の推し"白馬王子"様みたいな男の子と運命的に出会えますように!!………欲を言えばもし転生できるのなら来世は「Princess Heart」のヒロインちゃんとして生まれたいですっっ!!神様!!よろしくお願いしますっっっ!!!!
「終わったか?長い願い事じゃったが……」
そういうおばあちゃんこそ、長々言ってた割に早かったような?
「色々あるがやっぱり家内の健康が第一じゃ。それ以外はなにも望まん」
おばあちゃん……。
うっ……なのに私はなんて自分本意な願い事を……。
でもこの儀式(?)もいつもと同じで、多分近所の会合で吹き込まれたまじないでしょ?
効力なんてあるわけ……、
え。
「おい………お前さんのその足元………」
え?足元??
って、消えてる!!??私いま上半身しかない!??エッッなんで!!??
『そなたの願い、この鰯神が、叶えてしんぜよう』
え?願い??なんの……?
『自ら頼んでおいて覚えておらんとは。ふぉっふぉっ愉快愉快。』
私が…頼んだ…??鰯神…??
あーっっっ!!さ、さささっきの!!??
じゃあ願いって………
『そうじゃ。来世は「Princess Heart」のヒロインになりたいのじゃろう?わしは今世限りの命。来世はどうやら左遷されそうでな。叶えるなら「今じゃよ!!」なんつってな!ふぉっふぉっふぉっ』
「今でしょ!」のもじりですか……さ、寒い…。
『とまあこんなわけでな、来世まで待ちきれんから、いまお主を現世から来世へと飛ばすことで願いを叶えるというわけじゃ』
ってことはもうおばあちゃんとは、この時代の人とはお別れってこと?
『そうじゃ。お前さんが消えた後、お前さんは鰯の儀式の最中にその匂いに耐えきれなくなり疾走…もとい失踪した娘、として皆の記憶に残る』
なんと意味不明な死(?)因……。
『あまりに可哀相なお前さんに、最後に一つだけ、情けをかけてやろう。わしは優しい神で有名じゃからな』
は、はぁ……来世は左遷、という理由だけで人間を失踪させる時点で優しいかどうか微妙ですけど。
『なにか文句でも?』
いやっ!なんでもありませんっっ!!
『よろしい。最後にそこにいるお前さんの祖母に一言だけ、何かあるか?わしが届けてやる』
最後に一言……??
こういうときやっぱり何も出てこないんだよね……ありがとう?今までお世話になりました??いや夏休みくらいしか帰省してなかったし……あっ!
「その鰯ほんっっと臭いから、ちゃんと片付けてね!」
『ふぉっふぉっ面白い娘じゃ』
別れの挨拶とか、辛気臭いの好きじゃないしね。
えーっと、じゃあ鰯神様っ!!私を乙女ゲームのメインヒロインにしてくださいっっ!!
……………………
「弟!!OTOUTO!!?勿論義弟です」
私立名門苫小前学園。のびのびとした大地にぽつんと、けれど他を寄せ付けないような寮設備完備の、豪華な学園がそこにはそびえたっていた。
私が転生したのは由緒正しき七瀬家の一人娘、七瀬奈々。
転生前の私も七菜(なな)って名前で、嬉しかったんだよね。
基本乙女ゲーってヒロインちゃんの名前以外(デフォルト以外)だとボイスは付かないんだけど、元々設定されてる名前だとフルボイスでイケメン&イケボ…もとい、攻略キャラクター達に名前を呼んでもらえるっ!
勿論例外もあって「胸キュン!メモリアル Girls Version」シリーズはどんな名前にしても呼んでもらえるんだけど……。
でもそんな乙女ゲーは滅多になくって、大体がヒロインちゃんの名前じゃないと呼んでもらえないから、周りの乙女ゲーマー皆泣いてたなあ……「なんで私の名前『美琴』じゃないのよっっ!!」とか。
この「Princess Heart」のメイン攻略キャラクター「白馬王子」の声優がちょうど私の推し声優「倉橋隼人」さんが担当されてて、推しに名前呼ばれる度に舞い上がってたなあ……。懐かしい。
ってそんなことはどうでも良くって。
私が転生したのはどうやらその「七瀬奈々」が高校に入学する一日前だったらしく、今日はなんと早速入学式初日、乙女ゲーム「Princess Heart」のエピローグ部分というわけだ。
ちなみにこの「Princess Heart」だけど、大事な点が二つある。
一つ、人が死なない乙女ゲーム。
二つ、バッドエンドのない乙女ゲーム。
ということ。
まず一つ目だけど、「人が死なない乙女ゲーム」。このゲームの発売前に公式が『このゲームは人が!!死にません!!安心してください!!死にません!!!!』と声を大にしてSNSで叫んでいたことで有名で。
今の乙女ゲームってね…普通に人が死ぬんだよね……。
むしろ、レーディングマークに銃やナイフが表記されてないゲームの方が珍しいってくらい、人がお亡くなりになる。
なんなら、エピローグで普通に死ぬ。
結婚式で乱入した罪人が暴れてシャンデリアが落下して花婿が死んだり、「これからデスゲームを始めます!!」って恋とサスペンスのドキドキが体感できる乙女ゲーだったり……。
最近の乙女ゲーム怖いよ………!!(※個人の感想です。)普通に学園ラブコメでキャッキャウフフしたいよ………!!!!(切実)
というわけで、この「Princess Heart」は、たまには人が死なない乙女ゲームやりたいよな層からの支持がとにかく厚かった。
次に二つ目!!「バッドエンドのない乙女ゲーム!」
これも公式が声を大にして言っていた。
このゲームにはエンディングが大きく三種類あって、「わたあめみたく甘~いハッピーエンド」「両片想いは続くよどこまでもエンド」「勤勉!親交!優勝!俺達ズッ友だよなエンド」である。
まあ簡単に説明すると「超恋愛エンド」「恋愛エンド」「友情エンド」って感じかな。
こんな感じで、一番下のエンドが友情止まりなだけで、誰かが死んだり、監禁だったり、ストーカーだったり…そんな悲しい結末にはならないよというわけだ。
ここまで延々たらたらと説明をしてきたわけだけど、つまり何が言いたいかというと!!
どのルートを選んでもヒロイン(私)は死なないということ!!!!
わ~~~ッッッ!!!わ~~~~ッッッッッッ!!(祝福)(称賛)(大優勝)
あのとき神様にバッドエンドまみれのゲームへの転生をお願いしなくて良かった…本当に………。
なので今日は!!今日からは!!ルンルンで楽しい乙女ゲーム生活(リアル)を過ごそ~っと!!
「なにニヤけてるの、姉さん」
湊っ!!いたの!!??いつの間に!!???
「さっきから百面相してたの全部見てた」
アハハ……我ながら恥ずかしい姉だな……。
「全くだよ。ていうか、昨日から様子がおかしいけど、何か変なものでも食べた?
それとも、いつもみたく変な実験で生まれた薬とか?」
どうやら、というか私も今の今まですっかり忘れていたことなんだけど、このゲームのヒロインである「七瀬奈々」は冷静沈着、少しのことでは動じない超清純無口美少女。
つまり………私とは正反対ってこと。
まあこの世界にバッドエンドはないわけだし?今さらヒロインの性格や口調の一つや二つ変わったって、別に大丈夫だろう。
というわけで!!私は好きにやらせてもらう!!
でもそんなこと弟には口が裂けても言えないわけで。
「ホラ、高校デビュー的な?今までも、本当はもう少し羽目外したりしたかったんだけど…急に変わるとホラ!びっくりさせちゃうし!!高校から心機一転しちゃおうぜ!的な!!」
なんて口からでまかせで誤魔化しておいた。
うお~~信じてくれ~~~!!信じてくれないと困る~~~!!!!姉!困るから!!
「……………まあ、何でもいいけど」
いいんかい!!姉の高校デビューを"何でも"で済ませていいんかい!!!
私的にはそっちの方が助かるし、有難いんだけどね。
あっと、ここで湊の紹介をしとこうかな。
七瀬湊(みなと)、16歳。
弟……といっても、血は繋がってなくて、父さんの妹が理由あって引き取った子供。けれどその出自を七瀬家は知らない(………ゲームをプレイしたから私は知ってるはず……なんだけど、何故か今はその部分が曖昧な記憶になっている)。
妹夫婦が湊を育てていたんだけど、仕事で海外への転勤が多くなったのをきっかけに、七瀬家が湊を家族として迎えることになった。
湊が七瀬家に来たのは9年前。
ちょうど「七瀬奈々」が小学校にあがる前だ。
弟とはいっても、同い年だから学年は同じで、確か同じ小学校だったんだよね。
周りの環境が大きく変化して、精神的にも不安定だった湊を、ヒロインの「七瀬奈々」は必要以上に弟に干渉することなく、間違えたときには正しく道を示していった……ってとっても素敵な話なんだよね……。
で、そんな姉の姿に、尊敬心がいつの間にか恋心に変わっていった…っていう。
高校入学時は、まだ恋心なのかただ慕っているだけなのか分からなくて、ヒロインにちょっとツンツンしちゃうんだよね……その姿がまた可愛いってうか、ちょっとした反抗期っていうか、そこからデレたときのギャップが可愛いって人気だったなあ……。
「人の顔ジロジロ見て、なに?」
そうそうこんな感じでツンツンしてて……。
「ほら、そろそろ入学式始まるよ」
そう言って差し出された右手。
これは……。
「姉さん歩くの遅いから……って、何照れてるの。
いつもやってるでしょ」
い、いつものやつ!!??「大将、いつもの」「……あいよ」って居酒屋みたいなノリで言われても……。
「ほんとに遅れるからねっ」
じたばたしてる私を気にせず、ガッと手を取って歩き出す湊。
神様~~~!!画面1枚越しに手を繋ぐ(モーション)だけでもドキドキする私に、現実(リアル)で、しかもこんなシチュエーションで手を繋ぐなんて身が持ちませんっっ!!!!
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