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第2話
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恐怖と自責に襲われ、綾瀬は狭い廊下にへたり込んだまま動けずにいた。どのくらい時間が経ったのか、視界が暗くなったことに気づき、軽く顔を上げる。いつの間にか日が落ち、夜が訪れた。
ぼんやりとしている間に、スマホのバイブ音が聞こえたと思い出した。なんとか起き上がる。足を引き摺って部屋に戻り、学生鞄からスマホを探し出す。
『理人、先生から連絡が来たけど、お身体の調子はどう? 無理して学校に行かなくてもいいからね』
保護者の叔母からの着信とメッセージだった。
やさしい言葉に、素直に甘えることができない。叔母の庇護からひとり立ちすると決意した日から、もう心配はかけまいと決めたのだ。
翌朝。綾瀬はいくつかの錠剤を飲み、空が白み始めた頃に家を出た。
いつ、どこでケーキと出会すかわからない。自分の中に潜むケダモノが誰かを怪我させるのが怖い。だから毎日こうして、人通りが少ない時間帯に通学する。
スマホに夢中な女性、頭を仰げて熟睡するサラリーマン、だるそうに両足を伸ばして座る青年。早朝の車内は、綾瀬を含めてたった四人だけ。
ドアの近くに立ち、車窓の外に眼を向ける。ふいに、ぐーとお腹が鳴った。その音がやけに大きく感じる。綾瀬はとっさにお腹を押さえた。どうして、と不安が込み上げてきた。
ケーキの味を知ってから、身体がおかしくなった。
今まで失った食欲を思い出したかのように、お腹が空く。食パン、クッキー、野菜ジュース……家にあるものをひと通り食べてみた。なにを食べても味がしなかった。今まで通りだ。
ただ、変わったことがある。
なにを食べても満たされず、飢餓感を覚えた身体が欲しているのはたったひとつ――なめらかな口当たりとまろやかな甘い味が口の中に蘇った。
身体は味があるものを求めている――食べたい、ケーキを。無意識に脳裏に浮かんだ、フォークとしての自分の恐ろしい考えに気づき、それを頭から追いやろうと、慌ててペットボトルの水を半分ほど飲み干す。
ふいに、誰かに見られているような気がした。。
弾かれたように顔を上げ、車内を見回す。眼に映った景色は、さっきとなにも変わらない。ただの気のせいだった。ペットボトルを学生鞄に入れる。
顔を逸らすと、また強い視線を感じた。それはまるで、綾瀬が必死に隠している正体を見破ろうと、あるいは、本能に支配された綾瀬をなじっているようなもの。
(大丈夫……もう、もうあんなことしない)
そう自分に言い聞かせながら、学生鞄の持ち手をぎゅっと握った。
昼休み。教室の騒がしさをぼんやりと聞きながら、綾瀬は黙々とおにぎりを食べる。通学途中に買ったおかか味とツナマヨ味。いつもはひとつだが、今日はふたつにしてみた。
味がわからないまま、咀嚼して、呑み込む。
量を増やしたところで意味がない。この食欲は、食べ物では満たされないとわかっている。
(でも、食べないと……)
食べたくなくても、綾瀬はのりに包まれたおにぎりを口に押し込む。空腹が怖い。食欲が満たされなくても、お腹になにかを入れておけば、安心を感じられる。
ひとつ目を食べ終えた頃、購買から中島が戻ってきた。ふたつ目のおにぎりを食べ始める綾瀬に眼を丸くした。
「二個目?」
「うん……なんか、お腹が空いて」
食べ盛りの年頃なのに、いつもおにぎりかパンひとつで済ませる綾瀬をすっかり少食キャラだと認識している中島は、「珍しいね」と言った。
いつも友だちのところに行く中島は今日、自分の席でご飯を食べ始めた。「珍しいね」と同じ言葉を返すと、中島は「たまにはいいんじゃない」とニッと笑った。
それから、なにげなしにポツリポツリと話す。漫画の話だったり、授業でわからなかったことだったり。中島の話に相槌を打ちながら、最後のひと口まで呑み込んだあと、綾瀬はサプリメントの錠剤を口に入れる。
中島の視線が、綾瀬の手元にある薬ケースに止まった。
「それ、いつも飲んでるね」
「……うん、ちょっとね」
小さく頷き、ペットボトルの蓋を締める。百均で買った、特徴ひとつない透明ケースだ。これだけではフォーク専用の薬だと気づかれるはずがない。それでも、急いで薬ケースを仕舞う。
挙動不審だと思われていないか。もしフォークだとバレたら、と想像するだけで息が詰まりそうだ。緊張感と焦りで自然と無口になった綾瀬は俯いて机をじっと見つめる。
中島はそれ以上追及してこなかった。お弁当を平らげたあと、いつもの調子で「次日本史だ。絶対寝るよ」とあくびを嚙み殺す。
綾瀬は発声の仕方をまるで忘れたように、返事が喉に支える。乾いた咳をこぼしてから、「そうだね」とぎごちなく返した。
昨日出会った少年の名前もクラスも知らない。いつ、どこかで彼とすれ違うのが怖くて、綾瀬は移動教室やトイレに行くとき以外、自分の席から離れなかった。
見えない恐怖に堪え、ようやく校内に響き渡る下校のチャイムに肩の力が抜けたところ、よりによって今日が掃除当番だと思い出す。
できたらこのまま帰りたい。でも、生来生真面目な性格がそれを許さない。誰かに迷惑をかけてしまうと考えると、違うストレスが重く心にのしかかる。
自分のすべきことを終わらせたら、すぐ帰ろう。そう決めたら行動が早い。綾瀬はほかの当番と一緒に席を後方へ移動させたあと、響いてくる同級生の話し声をなにげなく聞きながら、モップをかける。
「昨日のドラマ観た? 夕方再放送のやつ」
「ん? 観てないよ」
「そのドラマに出てる女優さ、綾瀬と結構似てんだよね」
「あー……」
不自然な沈黙が背後に広がる。
(きっと、母さんだ)
綾瀬はそう考えながら、背中にふたり分の視線を感じる。
予想せぬところで母のことを思い出され、視界が赤く塗りつぶされた。理香子の生気を失っていく眼が頭によぎった。モップを握っている手が震え出す。
「てかさ、このあとみんなでカラオケ行かない?」
「いいね! 行こうぜ」
元々、気になっている女の子と話したくて話題を振ってみただけ。まさか突然誘われると思わなかった男子はすぐに食いついた。強引に話題を変えた彼女の行動に隠された意図を気づくこともなく。
わちゃわちゃしている彼らは、綾瀬への関心をすっかり失った。背に突き刺す視線がなくなったが、それでも綾瀬は蛇に睨まれたカエルのように動くことができなかった。
視線を床に落としたまま。さっきまで見えていた黒ずみがついたフローリングが消えた。眼に映ったのは、あのとき見たアスファルト。灰色の地面を、血が徐々に侵蝕していく。
ふいに石化の呪いが解かれ、ようやく動けたと思ったら、モップで地面を擦り始めた。擦っても擦っても、血の色が取れない。蛇のように流れてくる血に、綾瀬は自分まで染められてしまうと怖くなった。
「綾瀬くん? 大丈夫?」
ハッとして、眼を瞬かせる。幻影が消え、見慣れたフローリングが戻ってきた。なかなか取れない黒ずみがだいぶ薄くなっている。
顔を上げる。声をかけてきたのは隣席の栗原だった。同じモップかけ担当の彼女の薄く化粧を施した眼に心配の色が滲んでいる。
「……大丈夫」
「顔が真っ青だよ。昨日も早退したよね? 残りは私がやるから、先に帰っていいよ」
「でも……」
「いいから! 無理しちゃダメだよ」
モップを奪われ、「もう帰って」と促され、そのやさしさに素直に甘えることにした。
校舎を出たところ、俯いていた綾瀬は顔を上げた。
開けた視界の端に、昨日の少年を捉えた。距離があって、彼は綾瀬に気づいていない。彼は横にいる友人と楽しげに話している。笑い声が風に乗ってこっちにまで届いた。
たったそれだけのこと。
それでも、口の中に唾液が分泌された。ケーキのいいにおいが、心なしかここまで漂ってきた。
――美味しそうだ。
半瞬後。自分の反応に気づいて気分がさらに重くなった。
彼から顔を逸らし、駆け足で学校を出て、駅まで走った。
電車に乗っている間は、なにか堪えているように両手で学生鞄を抱き締める。最寄り駅で降りたあとも、歩調を緩めなかった。
早く、早く家に帰らなきゃ。
走り出した勢いで知らない男にぶつかった。「ごめん」と呟き、また走り出す。
マンションのエントランスからエレベーター、外廊下へ。
自宅の扉が見えたとたん、ほっと安堵する。
中に入ると、足から力が抜け、そのまま玄関に座り込んだ。
「はぁ、はぁ……」
ようやく、家に帰った。ここならケーキがいない。自分だけだ。誰かを傷つけてしまうことはきっとない。
浅い呼吸を繰り返す。高ぶった感情を落ち着かせたあと、今度はこの理不尽な運命に対する苛立ちが込み上げてきた。
「どうして……どうして俺がフォークなんだ……」
ケーキの味を知ってしまってから、飢餓感を思い出した。今なら捕食事件を起こすフォークの気持ちが、わかったような気がする。
もう二度と戻ってこないと覚悟した味覚。しかしケーキの甘さは、想像以上に美味しかった。なにより、いくら食べても満たされない心は、その一滴の血で潤された。
喉がカラカラに渇いている。
脳に刻まれた甘美を思い出すと、この飢餓感はケーキにしか満たされないと実感して絶望した。
ぼんやりとしている間に、スマホのバイブ音が聞こえたと思い出した。なんとか起き上がる。足を引き摺って部屋に戻り、学生鞄からスマホを探し出す。
『理人、先生から連絡が来たけど、お身体の調子はどう? 無理して学校に行かなくてもいいからね』
保護者の叔母からの着信とメッセージだった。
やさしい言葉に、素直に甘えることができない。叔母の庇護からひとり立ちすると決意した日から、もう心配はかけまいと決めたのだ。
翌朝。綾瀬はいくつかの錠剤を飲み、空が白み始めた頃に家を出た。
いつ、どこでケーキと出会すかわからない。自分の中に潜むケダモノが誰かを怪我させるのが怖い。だから毎日こうして、人通りが少ない時間帯に通学する。
スマホに夢中な女性、頭を仰げて熟睡するサラリーマン、だるそうに両足を伸ばして座る青年。早朝の車内は、綾瀬を含めてたった四人だけ。
ドアの近くに立ち、車窓の外に眼を向ける。ふいに、ぐーとお腹が鳴った。その音がやけに大きく感じる。綾瀬はとっさにお腹を押さえた。どうして、と不安が込み上げてきた。
ケーキの味を知ってから、身体がおかしくなった。
今まで失った食欲を思い出したかのように、お腹が空く。食パン、クッキー、野菜ジュース……家にあるものをひと通り食べてみた。なにを食べても味がしなかった。今まで通りだ。
ただ、変わったことがある。
なにを食べても満たされず、飢餓感を覚えた身体が欲しているのはたったひとつ――なめらかな口当たりとまろやかな甘い味が口の中に蘇った。
身体は味があるものを求めている――食べたい、ケーキを。無意識に脳裏に浮かんだ、フォークとしての自分の恐ろしい考えに気づき、それを頭から追いやろうと、慌ててペットボトルの水を半分ほど飲み干す。
ふいに、誰かに見られているような気がした。。
弾かれたように顔を上げ、車内を見回す。眼に映った景色は、さっきとなにも変わらない。ただの気のせいだった。ペットボトルを学生鞄に入れる。
顔を逸らすと、また強い視線を感じた。それはまるで、綾瀬が必死に隠している正体を見破ろうと、あるいは、本能に支配された綾瀬をなじっているようなもの。
(大丈夫……もう、もうあんなことしない)
そう自分に言い聞かせながら、学生鞄の持ち手をぎゅっと握った。
昼休み。教室の騒がしさをぼんやりと聞きながら、綾瀬は黙々とおにぎりを食べる。通学途中に買ったおかか味とツナマヨ味。いつもはひとつだが、今日はふたつにしてみた。
味がわからないまま、咀嚼して、呑み込む。
量を増やしたところで意味がない。この食欲は、食べ物では満たされないとわかっている。
(でも、食べないと……)
食べたくなくても、綾瀬はのりに包まれたおにぎりを口に押し込む。空腹が怖い。食欲が満たされなくても、お腹になにかを入れておけば、安心を感じられる。
ひとつ目を食べ終えた頃、購買から中島が戻ってきた。ふたつ目のおにぎりを食べ始める綾瀬に眼を丸くした。
「二個目?」
「うん……なんか、お腹が空いて」
食べ盛りの年頃なのに、いつもおにぎりかパンひとつで済ませる綾瀬をすっかり少食キャラだと認識している中島は、「珍しいね」と言った。
いつも友だちのところに行く中島は今日、自分の席でご飯を食べ始めた。「珍しいね」と同じ言葉を返すと、中島は「たまにはいいんじゃない」とニッと笑った。
それから、なにげなしにポツリポツリと話す。漫画の話だったり、授業でわからなかったことだったり。中島の話に相槌を打ちながら、最後のひと口まで呑み込んだあと、綾瀬はサプリメントの錠剤を口に入れる。
中島の視線が、綾瀬の手元にある薬ケースに止まった。
「それ、いつも飲んでるね」
「……うん、ちょっとね」
小さく頷き、ペットボトルの蓋を締める。百均で買った、特徴ひとつない透明ケースだ。これだけではフォーク専用の薬だと気づかれるはずがない。それでも、急いで薬ケースを仕舞う。
挙動不審だと思われていないか。もしフォークだとバレたら、と想像するだけで息が詰まりそうだ。緊張感と焦りで自然と無口になった綾瀬は俯いて机をじっと見つめる。
中島はそれ以上追及してこなかった。お弁当を平らげたあと、いつもの調子で「次日本史だ。絶対寝るよ」とあくびを嚙み殺す。
綾瀬は発声の仕方をまるで忘れたように、返事が喉に支える。乾いた咳をこぼしてから、「そうだね」とぎごちなく返した。
昨日出会った少年の名前もクラスも知らない。いつ、どこかで彼とすれ違うのが怖くて、綾瀬は移動教室やトイレに行くとき以外、自分の席から離れなかった。
見えない恐怖に堪え、ようやく校内に響き渡る下校のチャイムに肩の力が抜けたところ、よりによって今日が掃除当番だと思い出す。
できたらこのまま帰りたい。でも、生来生真面目な性格がそれを許さない。誰かに迷惑をかけてしまうと考えると、違うストレスが重く心にのしかかる。
自分のすべきことを終わらせたら、すぐ帰ろう。そう決めたら行動が早い。綾瀬はほかの当番と一緒に席を後方へ移動させたあと、響いてくる同級生の話し声をなにげなく聞きながら、モップをかける。
「昨日のドラマ観た? 夕方再放送のやつ」
「ん? 観てないよ」
「そのドラマに出てる女優さ、綾瀬と結構似てんだよね」
「あー……」
不自然な沈黙が背後に広がる。
(きっと、母さんだ)
綾瀬はそう考えながら、背中にふたり分の視線を感じる。
予想せぬところで母のことを思い出され、視界が赤く塗りつぶされた。理香子の生気を失っていく眼が頭によぎった。モップを握っている手が震え出す。
「てかさ、このあとみんなでカラオケ行かない?」
「いいね! 行こうぜ」
元々、気になっている女の子と話したくて話題を振ってみただけ。まさか突然誘われると思わなかった男子はすぐに食いついた。強引に話題を変えた彼女の行動に隠された意図を気づくこともなく。
わちゃわちゃしている彼らは、綾瀬への関心をすっかり失った。背に突き刺す視線がなくなったが、それでも綾瀬は蛇に睨まれたカエルのように動くことができなかった。
視線を床に落としたまま。さっきまで見えていた黒ずみがついたフローリングが消えた。眼に映ったのは、あのとき見たアスファルト。灰色の地面を、血が徐々に侵蝕していく。
ふいに石化の呪いが解かれ、ようやく動けたと思ったら、モップで地面を擦り始めた。擦っても擦っても、血の色が取れない。蛇のように流れてくる血に、綾瀬は自分まで染められてしまうと怖くなった。
「綾瀬くん? 大丈夫?」
ハッとして、眼を瞬かせる。幻影が消え、見慣れたフローリングが戻ってきた。なかなか取れない黒ずみがだいぶ薄くなっている。
顔を上げる。声をかけてきたのは隣席の栗原だった。同じモップかけ担当の彼女の薄く化粧を施した眼に心配の色が滲んでいる。
「……大丈夫」
「顔が真っ青だよ。昨日も早退したよね? 残りは私がやるから、先に帰っていいよ」
「でも……」
「いいから! 無理しちゃダメだよ」
モップを奪われ、「もう帰って」と促され、そのやさしさに素直に甘えることにした。
校舎を出たところ、俯いていた綾瀬は顔を上げた。
開けた視界の端に、昨日の少年を捉えた。距離があって、彼は綾瀬に気づいていない。彼は横にいる友人と楽しげに話している。笑い声が風に乗ってこっちにまで届いた。
たったそれだけのこと。
それでも、口の中に唾液が分泌された。ケーキのいいにおいが、心なしかここまで漂ってきた。
――美味しそうだ。
半瞬後。自分の反応に気づいて気分がさらに重くなった。
彼から顔を逸らし、駆け足で学校を出て、駅まで走った。
電車に乗っている間は、なにか堪えているように両手で学生鞄を抱き締める。最寄り駅で降りたあとも、歩調を緩めなかった。
早く、早く家に帰らなきゃ。
走り出した勢いで知らない男にぶつかった。「ごめん」と呟き、また走り出す。
マンションのエントランスからエレベーター、外廊下へ。
自宅の扉が見えたとたん、ほっと安堵する。
中に入ると、足から力が抜け、そのまま玄関に座り込んだ。
「はぁ、はぁ……」
ようやく、家に帰った。ここならケーキがいない。自分だけだ。誰かを傷つけてしまうことはきっとない。
浅い呼吸を繰り返す。高ぶった感情を落ち着かせたあと、今度はこの理不尽な運命に対する苛立ちが込み上げてきた。
「どうして……どうして俺がフォークなんだ……」
ケーキの味を知ってしまってから、飢餓感を思い出した。今なら捕食事件を起こすフォークの気持ちが、わかったような気がする。
もう二度と戻ってこないと覚悟した味覚。しかしケーキの甘さは、想像以上に美味しかった。なにより、いくら食べても満たされない心は、その一滴の血で潤された。
喉がカラカラに渇いている。
脳に刻まれた甘美を思い出すと、この飢餓感はケーキにしか満たされないと実感して絶望した。
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✤✤
「推し」「高校生BL」をテーマに書いたお話です。
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