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霊感らしきものが芽生えた?
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霊感って、大人になってからも芽生えるんだ???
ってか、出産してからもそんな不思議パワー的余地あるんや???
そんな感想が私を吹き抜けたのは、つい数年前のこと。
少し前から、もうめちゃくちゃに肩首が、痛くて痛くて重たくて、エグい凝りだったので、行きつけの整体に駆け込んだ。
人の肩揉み歴約18年。大学の頃、8ヶ月程だったけれどバイトで揉み屋に勤めていた私が信頼する、整体のおいちゃんの施術を受け、一旦症状は軽くなる。
しかしその日の夜、もう肩の痛みは復活していた。
揉み返し!? いや、この痛み尋常じゃない。明らかにいつもと違う。酷くなってる気がする……!!
その時、はた、と思い出したのは、某オカルト漫画のセルフ徐霊法。
塩を、指三本でひとつまみ口に入れ、コップの水を飲み干す。飲み干すまでコップから手を離さない、というもの。
これで12時間は霊が寄り付かない、らしい。
早速藁にもすがる思いで、やってみた。
ひとつまみ……意外と少ないな。あ、しょっぱ……
で、水を、飲む…… ああ、美味しいな水……
飲み終えた。コップから手を離す。
数秒後。
「……えっっ!!!」
なんと、驚くほど肩が軽い。
何ごと!?
ま さ か
効いたのか。やはり肩に乗っていたのは、なにかしらのそれだったのか。
いやいや、どうせプラシーボ的な効果か、塩分を良い塩梅でとったことでなんか血行促進されたんでしょー? もう、わかってるんだからー。
なんて思いながらも、羽の生えたような肩の軽さに気分はアゲアゲ(死語)。
──だがしかし、その数十分後に襲ってきたのは、立っていられないほどのダルさ。視界の狭さ。
「なん、なんっだこれ……しんどい……う、うええ」
ソファーに倒れ、旦那に心配されながら、塩分関連の情報と、オカルト関連の情報を、スマホで探す。
該当は程なく、オカルト方面で見つかった。
「は……、好転、反応……?」
霊的に急に浄化されると、ビックリして身体が怠くなったり眩暈耳鳴りがすることがあります、的な内容だったと思う。
「あぁー……そういえばこの感じ、清水寺とか伊勢神宮行った時に感じた、吐き気怠さ眩暈に似てる……」
ただの、人酔いだと思っていた。私は海中やエレベーター、ブランコで酔える女だ。
もしくは、私は属性的に水系の寺社仏閣がダメらしいので、そういう相性的なものかと思っていた。
特に伊勢神宮は本当に酷くて、橋を渡って暫く歩くと、手水舎に着く前に、気分が悪くなってへたりこんでしまうこともある。今までの寺社仏閣での気持ち悪さは、好転反応だったのか……?
「好転反応は、しばらくすると収まるので耐えましょう……? マジか……ッ」
だいぶ、キツイ。キツかった。乗り物酔いをずっと堪え忍ぶ感じ。
一応体液を薄めてみよう、と水分を補給する。だが良くはならない。冷や汗がでる。拳を握ってひたすら耐えた。
息絶え絶えに、塩分濃度の線ももう一度調べてみたが、それらしき情報は得られなかった。
そも、ひとつまみほどの塩で異常をきたしていたら、ポテチなんて食べられない。
2時間ほど経った頃、ようやく症状はマシになった。
ふらふらとキッチンへ向かって、再度の水分補給をする──
──キッチンの一角に、すごく、違和感がある。
キッチンの奥、コンロのあたり、隅っこに。
ちょうど、人ひとり分ぐらいの空間が、ものすごく気持ち悪い。
感覚的には、その空間にいるのは、女性。
見えはしない。何かが視えるというわけでは決してない。
こちらを監視するでもなく、ただ突っ立っている。そんな気がした。
かつてない、人の気配。今まで「気のせいだ」と思いつつも薄ぼんやり感じていたような感覚とは、比べ物にならないような、"人"のいる確かな気配。
怖すぎて、その空間は極力視ないようにした。
いや、きっとやっぱり気のせいだ、だって見えないもん。思い込み、思い込み。
そう言い聞かせてその日は寝た。
だが次の日。やっぱり気配は、消えてない。気持ち悪い場所も全然、変わらない。
もしこの気持ち悪い空間が、霊的なナニカであるのなら。違和感自身に、"存在に気づいていること"を気づかれたくない。だって、襲われたり何か要求されたら嫌だ……
ので、その空間に触れないように意識して、家事をする。兼業主婦はつらい。キッチンとの縁は切れることはない。
だが恐ろしいので、セルフ除霊は続けて過ごす。まじない後に、わざとその気配のある空間へ近寄ってみる。
すると人の気配は壁へめり込んでいって感じにくくなって、けれど朝になれば定位置に帰ってきていた。
徐霊に効くとされるファブリーズは家になかったので、リセッシュを吹き掛けてみる。私はリセッシュ派なのだ。
少し違和感が薄くなった気がしたが、そんなに変わらず、やはり時が経てば元の濃さに戻っていた。
こういう時、盛り塩は良くない。逆に閉じ込めてしまう可能性があるからだ。盛り塩は追い出してから、もうこないように、と結界のためにするものなのだ。
まぁでも、数週間も経てば、少し気にならなくなってきた。問題なのは、【見えない気配、気持ち悪さ】なだけ。
【人ひとり分の気持ち悪い空間】自体は定位置からほぼ動かない。実害もない。
蜘蛛みたいな害虫が、巣張っちゃってるようなのと同じ……いや、アカンやろ、害虫は追い出さないと。うーん、うーん。
そんな日が続いて、いい加減気持ち悪くて、お祓いも考えてみた。今の世の中わりと小額で、遠隔お祓いなんかもできる。
けれどそれで本当に、この気持ち悪さが消えるのだろうか。センセイが「徐霊しました」と言ったとして、それを信じられるのかといえば、無理だった。
見ないふり、知らんぷりを続けていたのだが、ある日父母が我が家へ遊びに来ることになった。
ちょうど良いや、と自称・霊感アリの母に相談する。
来訪してすぐ、興味津々と言ったようにキッチンを見る! と言う母。母強い。
母を前衛にしてキッチンに入る。
「うわ、」
「え、なに!? やっぱ何かいる?」
「いや、ここ入った途端、鳥肌がビリってして、ああ、あそこやね、気持ち悪いわ」
指を指す場所は、やはり人ひとり分の気持ち悪い空間。
お、おお……同じ場所に母も違和感を、ん? あれ……?
気持ち悪い空間が、初めて大きく場所を変えた。ファミリータイプの大きめの冷蔵庫の上だ。私のすぐ横の、上方。
なんとなく目で追う。
見えないのだけれど、感覚的には、女が四つ足でピョーンと動物のように逃げて、四つ足のまま冷蔵庫に乗っているようなイメージ。違和感は母を、見ている気がした。
「あ、今そっちいった……」
「えっ」
視線を前に戻せば、母も冷蔵庫の上を見ていた。
マジか。この感覚はやっぱり霊感……!!?
「あれっまた……?」
再び、場所を変える気持ち悪い空間。母の前、キッチンの奥、下方に行く。
「あ、また移動し、キャアッ」
「ヒッ、ギャアァッ!?」
違和感の空間は、小さく凝縮された違和感になって、びゃびゃびゃっとキッチンを暴れまわった、気がした。母もそう感じたのか、二人してギャァギャアと叫ぶ。
まるで、キッチンに元気のいいゴキブリが出て、女二人で叫んでいるよう。ほんとまさに、そんな状態。だって気持ち悪いモノがジグザグに、勢いよく移動するんだもの。
最終的にその違和感は、びゅう! と私たち二人を通りすぎて、どこかへ行った。
は、母、すご……
(何かに)護られてる……
だいぶ前のダ○ワハウスのCMみたいな感想をもって、この家には平和が訪れた。かに思われた。
「いや帰ってくるんかい!!」
害虫は消えたぜハッハー!! と喜んだのはたった1日。母の来た日の翌々日には、違和感の空間がもとに戻ってきていた。
ええ、キミここ好きやな!?
違和感は、私のことは怖くないらしい。
この前と少しだけ立ち位置を変えているのか、気持ち悪い空間は少しだけ従来の位置と違った。
やはり見えはしないが、なんだかちょっと、ボロッとくたびれているように感じた。そしてなんか怨めしげに、見られている気がした。
だがもうそんなに怖くなかった。こいつは害虫だ。
その後、害虫とは波動的なチャンネルが合わなくなったのか、それとも逃げていったのか……
気持ち悪さは日に日に薄まっていって、最終的に全く感じなくなったのだった。
ってか、出産してからもそんな不思議パワー的余地あるんや???
そんな感想が私を吹き抜けたのは、つい数年前のこと。
少し前から、もうめちゃくちゃに肩首が、痛くて痛くて重たくて、エグい凝りだったので、行きつけの整体に駆け込んだ。
人の肩揉み歴約18年。大学の頃、8ヶ月程だったけれどバイトで揉み屋に勤めていた私が信頼する、整体のおいちゃんの施術を受け、一旦症状は軽くなる。
しかしその日の夜、もう肩の痛みは復活していた。
揉み返し!? いや、この痛み尋常じゃない。明らかにいつもと違う。酷くなってる気がする……!!
その時、はた、と思い出したのは、某オカルト漫画のセルフ徐霊法。
塩を、指三本でひとつまみ口に入れ、コップの水を飲み干す。飲み干すまでコップから手を離さない、というもの。
これで12時間は霊が寄り付かない、らしい。
早速藁にもすがる思いで、やってみた。
ひとつまみ……意外と少ないな。あ、しょっぱ……
で、水を、飲む…… ああ、美味しいな水……
飲み終えた。コップから手を離す。
数秒後。
「……えっっ!!!」
なんと、驚くほど肩が軽い。
何ごと!?
ま さ か
効いたのか。やはり肩に乗っていたのは、なにかしらのそれだったのか。
いやいや、どうせプラシーボ的な効果か、塩分を良い塩梅でとったことでなんか血行促進されたんでしょー? もう、わかってるんだからー。
なんて思いながらも、羽の生えたような肩の軽さに気分はアゲアゲ(死語)。
──だがしかし、その数十分後に襲ってきたのは、立っていられないほどのダルさ。視界の狭さ。
「なん、なんっだこれ……しんどい……う、うええ」
ソファーに倒れ、旦那に心配されながら、塩分関連の情報と、オカルト関連の情報を、スマホで探す。
該当は程なく、オカルト方面で見つかった。
「は……、好転、反応……?」
霊的に急に浄化されると、ビックリして身体が怠くなったり眩暈耳鳴りがすることがあります、的な内容だったと思う。
「あぁー……そういえばこの感じ、清水寺とか伊勢神宮行った時に感じた、吐き気怠さ眩暈に似てる……」
ただの、人酔いだと思っていた。私は海中やエレベーター、ブランコで酔える女だ。
もしくは、私は属性的に水系の寺社仏閣がダメらしいので、そういう相性的なものかと思っていた。
特に伊勢神宮は本当に酷くて、橋を渡って暫く歩くと、手水舎に着く前に、気分が悪くなってへたりこんでしまうこともある。今までの寺社仏閣での気持ち悪さは、好転反応だったのか……?
「好転反応は、しばらくすると収まるので耐えましょう……? マジか……ッ」
だいぶ、キツイ。キツかった。乗り物酔いをずっと堪え忍ぶ感じ。
一応体液を薄めてみよう、と水分を補給する。だが良くはならない。冷や汗がでる。拳を握ってひたすら耐えた。
息絶え絶えに、塩分濃度の線ももう一度調べてみたが、それらしき情報は得られなかった。
そも、ひとつまみほどの塩で異常をきたしていたら、ポテチなんて食べられない。
2時間ほど経った頃、ようやく症状はマシになった。
ふらふらとキッチンへ向かって、再度の水分補給をする──
──キッチンの一角に、すごく、違和感がある。
キッチンの奥、コンロのあたり、隅っこに。
ちょうど、人ひとり分ぐらいの空間が、ものすごく気持ち悪い。
感覚的には、その空間にいるのは、女性。
見えはしない。何かが視えるというわけでは決してない。
こちらを監視するでもなく、ただ突っ立っている。そんな気がした。
かつてない、人の気配。今まで「気のせいだ」と思いつつも薄ぼんやり感じていたような感覚とは、比べ物にならないような、"人"のいる確かな気配。
怖すぎて、その空間は極力視ないようにした。
いや、きっとやっぱり気のせいだ、だって見えないもん。思い込み、思い込み。
そう言い聞かせてその日は寝た。
だが次の日。やっぱり気配は、消えてない。気持ち悪い場所も全然、変わらない。
もしこの気持ち悪い空間が、霊的なナニカであるのなら。違和感自身に、"存在に気づいていること"を気づかれたくない。だって、襲われたり何か要求されたら嫌だ……
ので、その空間に触れないように意識して、家事をする。兼業主婦はつらい。キッチンとの縁は切れることはない。
だが恐ろしいので、セルフ除霊は続けて過ごす。まじない後に、わざとその気配のある空間へ近寄ってみる。
すると人の気配は壁へめり込んでいって感じにくくなって、けれど朝になれば定位置に帰ってきていた。
徐霊に効くとされるファブリーズは家になかったので、リセッシュを吹き掛けてみる。私はリセッシュ派なのだ。
少し違和感が薄くなった気がしたが、そんなに変わらず、やはり時が経てば元の濃さに戻っていた。
こういう時、盛り塩は良くない。逆に閉じ込めてしまう可能性があるからだ。盛り塩は追い出してから、もうこないように、と結界のためにするものなのだ。
まぁでも、数週間も経てば、少し気にならなくなってきた。問題なのは、【見えない気配、気持ち悪さ】なだけ。
【人ひとり分の気持ち悪い空間】自体は定位置からほぼ動かない。実害もない。
蜘蛛みたいな害虫が、巣張っちゃってるようなのと同じ……いや、アカンやろ、害虫は追い出さないと。うーん、うーん。
そんな日が続いて、いい加減気持ち悪くて、お祓いも考えてみた。今の世の中わりと小額で、遠隔お祓いなんかもできる。
けれどそれで本当に、この気持ち悪さが消えるのだろうか。センセイが「徐霊しました」と言ったとして、それを信じられるのかといえば、無理だった。
見ないふり、知らんぷりを続けていたのだが、ある日父母が我が家へ遊びに来ることになった。
ちょうど良いや、と自称・霊感アリの母に相談する。
来訪してすぐ、興味津々と言ったようにキッチンを見る! と言う母。母強い。
母を前衛にしてキッチンに入る。
「うわ、」
「え、なに!? やっぱ何かいる?」
「いや、ここ入った途端、鳥肌がビリってして、ああ、あそこやね、気持ち悪いわ」
指を指す場所は、やはり人ひとり分の気持ち悪い空間。
お、おお……同じ場所に母も違和感を、ん? あれ……?
気持ち悪い空間が、初めて大きく場所を変えた。ファミリータイプの大きめの冷蔵庫の上だ。私のすぐ横の、上方。
なんとなく目で追う。
見えないのだけれど、感覚的には、女が四つ足でピョーンと動物のように逃げて、四つ足のまま冷蔵庫に乗っているようなイメージ。違和感は母を、見ている気がした。
「あ、今そっちいった……」
「えっ」
視線を前に戻せば、母も冷蔵庫の上を見ていた。
マジか。この感覚はやっぱり霊感……!!?
「あれっまた……?」
再び、場所を変える気持ち悪い空間。母の前、キッチンの奥、下方に行く。
「あ、また移動し、キャアッ」
「ヒッ、ギャアァッ!?」
違和感の空間は、小さく凝縮された違和感になって、びゃびゃびゃっとキッチンを暴れまわった、気がした。母もそう感じたのか、二人してギャァギャアと叫ぶ。
まるで、キッチンに元気のいいゴキブリが出て、女二人で叫んでいるよう。ほんとまさに、そんな状態。だって気持ち悪いモノがジグザグに、勢いよく移動するんだもの。
最終的にその違和感は、びゅう! と私たち二人を通りすぎて、どこかへ行った。
は、母、すご……
(何かに)護られてる……
だいぶ前のダ○ワハウスのCMみたいな感想をもって、この家には平和が訪れた。かに思われた。
「いや帰ってくるんかい!!」
害虫は消えたぜハッハー!! と喜んだのはたった1日。母の来た日の翌々日には、違和感の空間がもとに戻ってきていた。
ええ、キミここ好きやな!?
違和感は、私のことは怖くないらしい。
この前と少しだけ立ち位置を変えているのか、気持ち悪い空間は少しだけ従来の位置と違った。
やはり見えはしないが、なんだかちょっと、ボロッとくたびれているように感じた。そしてなんか怨めしげに、見られている気がした。
だがもうそんなに怖くなかった。こいつは害虫だ。
その後、害虫とは波動的なチャンネルが合わなくなったのか、それとも逃げていったのか……
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