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幽体離脱に憧れていた時の体験
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大学生になっても、いまだ私は中二病だった。
いや、中二病というのは、そもそも不治の病なのだろう──そう思う。
不思議netだったか何かを見て、私は【幽体離脱】に興味を持った。
二十歳を過ぎたころには、私は【悪夢キャンセル】ができるようになっていた。
必要なアイテムを取り寄せたり、迫る化物を消したり、怖い流れを覆すといったことをできるのだ。【明晰夢】である。
また、自己催眠のCDも、自己啓発好きの父からもらっていて、瞑想状態を作るのはまぁまぁできていた。なので…
私、案外できんじゃね?? いっぺんやってみよ!!
と軽いノリで幽体離脱にチャレンジしてみたのである──
一度目の挑戦。夜寝る前にやってしまったため、普通に寝てしまった。
二度目の挑戦。また寝てしまった。朝まで爆睡である。
三度目の挑戦。昼間にやってみることにした。
部屋を片付け、自室のベッドに仰向けで寝る。
目をつぶって、自己催眠の時と同じく、身体から力を抜いていく。心を無にして、瞑想状態に近くする。
自分のアストラル体を──エネルギーを、寝そべる身体の上に浮かべるイメージ。
前回まではここで、普通に寝てしまった。
だが三度目の挑戦では──眼前に広がる瞼の闇が、何故かぼんやりと晴れる。
目をつぶっているはずなのに、部屋の天井が、照明が見える。視界は狭い。中央部分にだけ、部屋のようすがぼんやりと写って見えていた。
けれどそれが、ちっとも不思議に感じない。
身体は動かせない。いや、動きたくない。
なのに身体が突如、振動し始めた。
足の先から頭のてっぺんまで、ものすごく細かく、ブブブブブブブブブブブと大きく振動している。
同時に、頭部全体を、ゴウゴウゴウゴウと何かが渦巻き始めた。なにか黒いエネルギーが逆巻いているように見えた。
かなりうるさい。それがたぶん1分ほど続いた。繰り返しになるが、ゴウゴウゴウゴウとめちゃくちゃうるさかった。まさに顔回りだけ台風のよう。
ヤッベェ!! キタコレ!!! ネットに書いてた通りやん!!!
興奮した。少し怖かった。けれどもここで"それら"に興奮しすぎたり、拒否したりすると、先に進めなくなってしまう。
意識を平らにする──
少しの恐怖心を抱えながらも、振動する身体から、上半身をエイッと起こすイメージをする。
起こせない。まだ重い。身体が重い。
もう一度起こす……!!
離脱できない。
ゴウゴウゴウゴウと顔回りを渦巻いていた音は、気付けばやんでいた。
ピロリ
うるさいのが取れて、突然聞こえた、電子音。
ああ、『この段階は幻聴幻視が起こることがある』って書いてたな。
ピロリ ピロリ
はぁ良かったー、電子音で!
しかし電子音てw ゲームのしすぎかてww
ピロリ ピロリ ピロリ ピロリ
幽霊とか化物とか笑い声とかじゃなくて本当によかっ……
ピロリ ピロリ ピロリ ピロリ ピロリピロピロピロピロピロピロ
電子音は、部屋の外から。
自室の扉は閉めていたはずなのに。頭を横になんとか向けると、扉が開け放たれているのが見えた。
ピロリ ピロリ ピロリ ピロリ ピロリピロピロ 音が、ピロリ近づく。大きくなる。ピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロリピロピロピ ハッキリと、してくる ロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロロピロピロピロピロピロ 確かな存在感ピロリピロリピロリピロリ廊下からピロピロピロピロピロピロピピロピロピロ どんどん近づく。音が怒っている、ロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロ
──怖い。開いた扉からこの部屋に入ってこられたくない。
離脱のことなんか、頭から完全に無くなっていた。
思えばもうこのとき、明晰夢に入ってしまっていたのだろう。
私は生身の身体に、本気で起きるよう、動くように命令し、力をいれた。
身体を起こして、ベッドから飛び起きる。開け放たれた扉から部屋の外に出て、廊下に出てピロリ音の迫ってきていた方を向く。
ピロリ音は、止んでいた。
そこにいたのはフツーの、明るい表情をしていた母だった。
そのまま私の意識は夢に融けた────
──夕方まで、爆睡である。
当時これを、体験後に不思議ちゃん日記として書いてアップしたら、友達から「もう絶対ヤメロ!」「危ない!!」「こわいこわい!!」とめちゃくちゃ怒られたので、以降チャレンジはしていない。
いや、中二病というのは、そもそも不治の病なのだろう──そう思う。
不思議netだったか何かを見て、私は【幽体離脱】に興味を持った。
二十歳を過ぎたころには、私は【悪夢キャンセル】ができるようになっていた。
必要なアイテムを取り寄せたり、迫る化物を消したり、怖い流れを覆すといったことをできるのだ。【明晰夢】である。
また、自己催眠のCDも、自己啓発好きの父からもらっていて、瞑想状態を作るのはまぁまぁできていた。なので…
私、案外できんじゃね?? いっぺんやってみよ!!
と軽いノリで幽体離脱にチャレンジしてみたのである──
一度目の挑戦。夜寝る前にやってしまったため、普通に寝てしまった。
二度目の挑戦。また寝てしまった。朝まで爆睡である。
三度目の挑戦。昼間にやってみることにした。
部屋を片付け、自室のベッドに仰向けで寝る。
目をつぶって、自己催眠の時と同じく、身体から力を抜いていく。心を無にして、瞑想状態に近くする。
自分のアストラル体を──エネルギーを、寝そべる身体の上に浮かべるイメージ。
前回まではここで、普通に寝てしまった。
だが三度目の挑戦では──眼前に広がる瞼の闇が、何故かぼんやりと晴れる。
目をつぶっているはずなのに、部屋の天井が、照明が見える。視界は狭い。中央部分にだけ、部屋のようすがぼんやりと写って見えていた。
けれどそれが、ちっとも不思議に感じない。
身体は動かせない。いや、動きたくない。
なのに身体が突如、振動し始めた。
足の先から頭のてっぺんまで、ものすごく細かく、ブブブブブブブブブブブと大きく振動している。
同時に、頭部全体を、ゴウゴウゴウゴウと何かが渦巻き始めた。なにか黒いエネルギーが逆巻いているように見えた。
かなりうるさい。それがたぶん1分ほど続いた。繰り返しになるが、ゴウゴウゴウゴウとめちゃくちゃうるさかった。まさに顔回りだけ台風のよう。
ヤッベェ!! キタコレ!!! ネットに書いてた通りやん!!!
興奮した。少し怖かった。けれどもここで"それら"に興奮しすぎたり、拒否したりすると、先に進めなくなってしまう。
意識を平らにする──
少しの恐怖心を抱えながらも、振動する身体から、上半身をエイッと起こすイメージをする。
起こせない。まだ重い。身体が重い。
もう一度起こす……!!
離脱できない。
ゴウゴウゴウゴウと顔回りを渦巻いていた音は、気付けばやんでいた。
ピロリ
うるさいのが取れて、突然聞こえた、電子音。
ああ、『この段階は幻聴幻視が起こることがある』って書いてたな。
ピロリ ピロリ
はぁ良かったー、電子音で!
しかし電子音てw ゲームのしすぎかてww
ピロリ ピロリ ピロリ ピロリ
幽霊とか化物とか笑い声とかじゃなくて本当によかっ……
ピロリ ピロリ ピロリ ピロリ ピロリピロピロピロピロピロピロ
電子音は、部屋の外から。
自室の扉は閉めていたはずなのに。頭を横になんとか向けると、扉が開け放たれているのが見えた。
ピロリ ピロリ ピロリ ピロリ ピロリピロピロ 音が、ピロリ近づく。大きくなる。ピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロリピロピロピ ハッキリと、してくる ロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロロピロピロピロピロピロ 確かな存在感ピロリピロリピロリピロリ廊下からピロピロピロピロピロピロピピロピロピロ どんどん近づく。音が怒っている、ロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロ
──怖い。開いた扉からこの部屋に入ってこられたくない。
離脱のことなんか、頭から完全に無くなっていた。
思えばもうこのとき、明晰夢に入ってしまっていたのだろう。
私は生身の身体に、本気で起きるよう、動くように命令し、力をいれた。
身体を起こして、ベッドから飛び起きる。開け放たれた扉から部屋の外に出て、廊下に出てピロリ音の迫ってきていた方を向く。
ピロリ音は、止んでいた。
そこにいたのはフツーの、明るい表情をしていた母だった。
そのまま私の意識は夢に融けた────
──夕方まで、爆睡である。
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