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終章 二人の書~ケビンとコレット~
二人の書~ケビンと【コレット】・3~
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まさか、マークさんにそんな力があったなんて思いもしなかった。
死霊魔術師、ゾンビやスケルトンを生み出して操れる魔術師か……う~ん、マークさんのキャラのせいか、その死霊魔術師のイメージと全く似合わない。
「……俺には、マークの奴が死霊魔術師ってのはとても信られないんだが……」
『俺もマークって奴の事はわからんが……見た目からして、死霊魔術師って感じには思えないな……』
2人も同じことを思っていたみたい。
「その反応わからんでもないっスよ。俺もこいつを乗っ取った時に、記憶を読み取ってビックリしたっスからね……」
乗っ取った本人からも言われる始末。
「でも、こいつがストレイト家の血筋と言ったら信じるっスか?」
ストレイト家?
全然知らない……。
「『ストレイトだと!?』」
2人のこの驚きっぷりからして、有名な死霊魔術師の家系みたいね。
うん、無事に帰れたらちゃんと勉強しよう……。
「嘘じゃないっスよ。証拠もここに……ほらっ」
ファルベインが袖をめくって左肩をこっちに見せて来た。
その左肩には、角が2本生えている髑髏が逆さまになっている変な刻印がある……。
「あれは、ストレイト家の刻印じゃないか」
どうやら本当の事らしい。
へぇ~マークさんの出生ってすごかったんだ。
「……あれ? でも、マークさんはバウティスタって……」
「そうっス、生まれはストレイト家っス。しかし、成長しても魔力の使い方が分からず死霊魔術が扱えなかったっス。そのせいで、マークはストレイト家では邪魔者扱い……それを不憫に思った死霊魔術師の力が無い分家のバウティスタ家が、マークを養子にしたわけっス」
重い、マークさんの過去が重すぎる。
それにしても力が使えなかっただけで、邪魔者扱いって……ひどい話だわ。
「まあ本人はゾンビやスケルトンに囲まれた生活が嫌で嫌で、バウティスタ家に養子に行った時は大喜びだったみたいっス。そのまま死霊魔術師のネの字も忘れて自由気ままに育ち、冒険者になったみたいっス」
確かに、ゾンビやスケルトンに囲まれた生活は嫌だ。
私でもその家から出て行けるのなら喜んだかもしれない……。
「何故、マークの奴がずっと一つ星だったのかわかったぜ。ストレイト家が裏で妨害してたって事か」
あ~そういう事だったのね。
そうだよね、さすがに5年も一つ星だなんて……。
「いや、本当にこいつの実力が無かっただけっス」
「……」
グレイさんが恥ずかしそうに俯いちゃった。
にしても……マークさんって、冒険者として向いていない気がするのは私だけだろうか。
「よーし! マークの事は話したっス。次はこの俺、ファルベイン様の事について話してやるっスよ! 光栄に思うっスよ!」
『えっ? いやいや、別に聞きたくも……』
「そう……あれは200年前のあの日……」
今度はファルベインの過去話が始まっちゃった。
『人の話を聞けっての!』
思い返せば、正体がバレたのはしゃべりすぎたせいだし、自分でファルベインって名乗っていたし、さっきからずっとしゃべり続けているし、どうもかなりのおしゃべり好きみたいね。
これはマークさんを偽っていたからそうなったのか、ファルベイン自身がおしゃべりなだけなのか……今までの流れから考えると前者な気がするかな。
「……」
で、自分の話を聞いてほしいのか、しゃべるのに集中しているのか、さっきから囲んでいるゾンビとスケルトンの動きが完全に止まっているのよね。
おかげで襲われずに済んでいるけど……こう囲まれちゃうと逃げ出すのも難しいな~。
グレイさんもケビンさんも動こうとしないし……ん~ここは大人しく話を聞いてチャンスを待つべきなのかな?
「人間共に倒されてしまい、その悔しさで死ぬに死にきれず……俺は魂だけの存在になって生き延びたっス」
果たして、その状態を生き延びたって言えるのかしら。
「そして、いつか必ず肉体を手に入れ復活し復讐をすると心に決め、チャンスをうかがっていたっスが……数年前に俺が見える人間が目の前に現れたっス」
それが死霊魔術師、ストレイト家ってわけね。
「そいつ等は俺に肉体を与える代わりに絶対服従を迫ってきたっス。確かにチャンスとは思ったっスが……人間に絶対服従するなんてまっぴらごめんっスからね、当然断ったっわけス! そうしたら、ツボの中に封印されてしまったっス」
はは~ん、何となく話が見えて来た。
このパターンから察するに……。
「わかったぜ、封印されいたそのツボをマークが見つけて、お前が中から甘い言葉でもかけて封印を解かせたってとこか」
だよね、としか考えられないわ。
マークさんなら、簡単に引っかかりそうだし。
「いや、一年ほど前にこいつが金に困っていてストレイト家のお宝を思い出し、こっそり忍び込んだっス。で、俺が入っていたツボを見つけて売り飛ばそうとしたっス」
「……マークさん……」
『何をやってんだ……』
なに、本家に泥棒として入り込んでいるのよ!
しかも、よりもよってそのツボを見つけるなんて!
「……」
って。またグレイさんが俯いちゃったし!
「それから急いで逃げようとしたらコケてしまい、頭からツボに突っ込んで来て気絶したっス。そのおかげで俺は簡単に出られたし、こいつを乗っ取り肉体を手に入れたわけっス」
「……マークさん……」
『何をやってんだ……』
「そりゃ万年一つ星のはずだ……」
乗っ取られたのも、自業自得というかなんというか……。
ただ、私的にそんなくだらない理由で封印の解けただなんて納得がいかないんですけど!
「ただ乗っ取れたのはよかったスけど、こいつの体から出られなくなったっスよね……まぁでも、俺は魔力の使い方が分かっていたから死霊魔術を使える事が出来たのはラッキーだったス」
今の話で分かった事は……ファルベインがすごいんじゃなくて、マークさんが色々とすごかったっていうのがよ―――く分かったわ。
死霊魔術師、ゾンビやスケルトンを生み出して操れる魔術師か……う~ん、マークさんのキャラのせいか、その死霊魔術師のイメージと全く似合わない。
「……俺には、マークの奴が死霊魔術師ってのはとても信られないんだが……」
『俺もマークって奴の事はわからんが……見た目からして、死霊魔術師って感じには思えないな……』
2人も同じことを思っていたみたい。
「その反応わからんでもないっスよ。俺もこいつを乗っ取った時に、記憶を読み取ってビックリしたっスからね……」
乗っ取った本人からも言われる始末。
「でも、こいつがストレイト家の血筋と言ったら信じるっスか?」
ストレイト家?
全然知らない……。
「『ストレイトだと!?』」
2人のこの驚きっぷりからして、有名な死霊魔術師の家系みたいね。
うん、無事に帰れたらちゃんと勉強しよう……。
「嘘じゃないっスよ。証拠もここに……ほらっ」
ファルベインが袖をめくって左肩をこっちに見せて来た。
その左肩には、角が2本生えている髑髏が逆さまになっている変な刻印がある……。
「あれは、ストレイト家の刻印じゃないか」
どうやら本当の事らしい。
へぇ~マークさんの出生ってすごかったんだ。
「……あれ? でも、マークさんはバウティスタって……」
「そうっス、生まれはストレイト家っス。しかし、成長しても魔力の使い方が分からず死霊魔術が扱えなかったっス。そのせいで、マークはストレイト家では邪魔者扱い……それを不憫に思った死霊魔術師の力が無い分家のバウティスタ家が、マークを養子にしたわけっス」
重い、マークさんの過去が重すぎる。
それにしても力が使えなかっただけで、邪魔者扱いって……ひどい話だわ。
「まあ本人はゾンビやスケルトンに囲まれた生活が嫌で嫌で、バウティスタ家に養子に行った時は大喜びだったみたいっス。そのまま死霊魔術師のネの字も忘れて自由気ままに育ち、冒険者になったみたいっス」
確かに、ゾンビやスケルトンに囲まれた生活は嫌だ。
私でもその家から出て行けるのなら喜んだかもしれない……。
「何故、マークの奴がずっと一つ星だったのかわかったぜ。ストレイト家が裏で妨害してたって事か」
あ~そういう事だったのね。
そうだよね、さすがに5年も一つ星だなんて……。
「いや、本当にこいつの実力が無かっただけっス」
「……」
グレイさんが恥ずかしそうに俯いちゃった。
にしても……マークさんって、冒険者として向いていない気がするのは私だけだろうか。
「よーし! マークの事は話したっス。次はこの俺、ファルベイン様の事について話してやるっスよ! 光栄に思うっスよ!」
『えっ? いやいや、別に聞きたくも……』
「そう……あれは200年前のあの日……」
今度はファルベインの過去話が始まっちゃった。
『人の話を聞けっての!』
思い返せば、正体がバレたのはしゃべりすぎたせいだし、自分でファルベインって名乗っていたし、さっきからずっとしゃべり続けているし、どうもかなりのおしゃべり好きみたいね。
これはマークさんを偽っていたからそうなったのか、ファルベイン自身がおしゃべりなだけなのか……今までの流れから考えると前者な気がするかな。
「……」
で、自分の話を聞いてほしいのか、しゃべるのに集中しているのか、さっきから囲んでいるゾンビとスケルトンの動きが完全に止まっているのよね。
おかげで襲われずに済んでいるけど……こう囲まれちゃうと逃げ出すのも難しいな~。
グレイさんもケビンさんも動こうとしないし……ん~ここは大人しく話を聞いてチャンスを待つべきなのかな?
「人間共に倒されてしまい、その悔しさで死ぬに死にきれず……俺は魂だけの存在になって生き延びたっス」
果たして、その状態を生き延びたって言えるのかしら。
「そして、いつか必ず肉体を手に入れ復活し復讐をすると心に決め、チャンスをうかがっていたっスが……数年前に俺が見える人間が目の前に現れたっス」
それが死霊魔術師、ストレイト家ってわけね。
「そいつ等は俺に肉体を与える代わりに絶対服従を迫ってきたっス。確かにチャンスとは思ったっスが……人間に絶対服従するなんてまっぴらごめんっスからね、当然断ったっわけス! そうしたら、ツボの中に封印されてしまったっス」
はは~ん、何となく話が見えて来た。
このパターンから察するに……。
「わかったぜ、封印されいたそのツボをマークが見つけて、お前が中から甘い言葉でもかけて封印を解かせたってとこか」
だよね、としか考えられないわ。
マークさんなら、簡単に引っかかりそうだし。
「いや、一年ほど前にこいつが金に困っていてストレイト家のお宝を思い出し、こっそり忍び込んだっス。で、俺が入っていたツボを見つけて売り飛ばそうとしたっス」
「……マークさん……」
『何をやってんだ……』
なに、本家に泥棒として入り込んでいるのよ!
しかも、よりもよってそのツボを見つけるなんて!
「……」
って。またグレイさんが俯いちゃったし!
「それから急いで逃げようとしたらコケてしまい、頭からツボに突っ込んで来て気絶したっス。そのおかげで俺は簡単に出られたし、こいつを乗っ取り肉体を手に入れたわけっス」
「……マークさん……」
『何をやってんだ……』
「そりゃ万年一つ星のはずだ……」
乗っ取られたのも、自業自得というかなんというか……。
ただ、私的にそんなくだらない理由で封印の解けただなんて納得がいかないんですけど!
「ただ乗っ取れたのはよかったスけど、こいつの体から出られなくなったっスよね……まぁでも、俺は魔力の使い方が分かっていたから死霊魔術を使える事が出来たのはラッキーだったス」
今の話で分かった事は……ファルベインがすごいんじゃなくて、マークさんが色々とすごかったっていうのがよ―――く分かったわ。
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