44 / 75
第五章 最後の悪魔四天王「食火のフレイザー」
5 『なるほど! それはわかりやすいね』
しおりを挟む
酒場の時みたいにならぬ様に身分を隠せばすんなり泊まれたな。
あ~疲れた……今日はもう一歩も動きたく――。
「それでは、聞き込みと行きましょうか」
ないのにこのネコ騎士ときたら何故すぐ行動に移しやがるのか。
「……」
「どうかしましたか?」
「我輩、今日は疲れたからこれ以上動きたくない!! もう断固として動かんぞ!」
「な!? 何そんなわがまま言っているんですか!?」
何を言われようが我輩の決意は固いのだ! 無視だ無視!
「これは駄目じゃな、テコでも動きそうにないの。仕方ないベルトラ、わしらで行こう」
「――――ぐぬぬ!! わかりました……行きましょう……エリン、フェリシア留守番をお願いね」
「りょうか~い」
「あ、はい」
「がんばってこいよ~」
「――――!!」
――バゴン!!
なっなんだ!? 地震か!?
「あ、あの……ド、ドアが曲がっちゃっているんですけど……」
ドアを閉めるのならもっと静かにせぬか、まったく。
※
「戻りました、フレイザーについて宿の方に色々と聞いてきましたよ」
「うむ、ご苦労」
「………………何よ偉そうに、仕方なく行っただけなのに……はぁ……もいいや。……まずこれを見てください」
何だ? ベルトラが紙を広げだしたが。
「これは……バルガス周辺の地図か」
「はい、赤い丸がこの村で、そしてこのバツ印がフレイザーの居場所です。バルガスを崩壊させた後このバツ印にある洞窟に1度も外に出ず引きこもっているそうです」
「は?? それは本当なのか?」
1度も外に出ずに洞窟の中に引きこもっているなんてどう考えてもおかしいぞ。
「そうみたいじゃ、村人が交代で見張っているらしくての、洞窟に入ったきり1度も出てきた事はなかったそうだ。逆に中に入る者もいなかったと」
「う~ん? でもさ~ゲートで移動している可能性もあるんじゃないの? それだったらもう中にいないんじゃ……」
え!? エリンがまともな質問をしただと!? 明日は雨、いや嵐かもしれん。
「それもないみたい、火の髪だから洞窟が照らされていて姿が見えるんだって」
「なるほど! それはわかりやすいね」
……フレイザーよ、お前いったい何をしておるのだ? 間抜けにもほどがあるではないか。
そもそもだ、バルガスをマグマで味方ごと派手に滅ぼし、自慢の火の髪のせいで洞窟に隠れているのがバレバレ。我輩の知っているフレイザーとまったく違うのだがどうなっておるのだ?
まぁどうせ必ず戦うはめになるのだからその時にわかるか。
「……でだ、丸見えのフレイザー相手にどう戦うのだ?」
「はい、それですが……このエヴンラルで水の刃を作ります、父様がそれでフレイザーと戦ったそうです」
火には水か、単純だがそれが一番いい戦法ではあるな。
「ですが、フレイザーの火力とエヴンラルの水の刃では相殺が続き、最後は水が切れてしまった父様が……」
「なるほど、無限と有限の差が出たわけだな」
「はい……」
しかしそれだと――。
「じゃあどうするの? それだと結局ベルのお父さんと同じ事になっちゃうじゃん」
そう、そこの問題にぶち当たるよな。
「ん~、じゃあとにかく水をいっぱいもっていけばいいじゃん」
「……その水をどうやってそれを運ぶ気なのだ」
「フレイザーって引きこんだまま動かないんでしょ? だったらその間に水を入れたタルをたっくさんたっくさん! それこそ100個くらい並べとけばいいじゃん!」
エリンの頭の悪いとこが出てきた、そんなもの普通に考えれば不可能だろうが。
「それもありかもしれんが……」
いや! ないだろ! 爺さんもボケだしたか!?
「今は動いてなくても、そんな動きをすれば洞窟から出てきて攻撃を受けると思うがの……そもそもタル100個をどうやって揃えるんじゃ? 見た限りこの村の全てを集めても100個は届かないと思うがの」
それ以前にタルを100個も戦場に置けば戦えないと思うのだが!?
「あ、そっか~いいアイディアだと思ったんだけどな~」
夢物語と現実をいっしょにするなよ……。
「あ! じゃあさ! フェリの植物で水を作り出すとか!」
お、それはまだ現実味があるではないか。
「あ、それは無理です」
即答!?
「え? どうして!?」
「水を貯める能力を持った植物はありますからそこは問題ないですが、ただ自分で水を作るのではなく空気中や地面から水分を吸収して貯めますのです、なので貯蓄量の限度もありますです……」
「結局はタル同様、数が多くなるという事か」
利点があるとすればタルを集めなくていいのとその中に水を入れる手間がない、くらいか?
どっちにしろ邪魔になるだけだな。
「です……すみませんです、お役に立てなくて」
「ダメか~……ん~……お? これって池じゃないの? そうじゃん! ここにフレイザーを誘い込めばいいんじゃない?」
どれどれ? ふむ、確かに洞窟から近い場所に池らしきものがあるな。
「他の案が現状思いつかんし、その池に行ってみるかの?」
「そうですね。明日、朝一で下見に行ってみましょうか」
ええ……何故朝一なのだ? 勘弁してほしい、ゆっくり寝たかったのだが……。
※
「デール殿! 早く登ってください!」
「ぜぇ……ぜぇ……ちょ、ちょっと待て……」
地図ではわからなかったが、まさかこんな急勾配の山の上にあるだなんて……しかも他の山とは違い人によって手を加えられた道もない、道があるとすれば獣道くらい……そんな中を転げ落ちないように登るなんてあまりにも重労働だ。
だから日も昇らぬ朝の内に出発したのか、地図を読めるようにとベルトラに言われておったが面倒くさくてサボっていたのがここに来て仇となるとはな。よっこいしょっ!
「あっ! デール様そのツタの先はもう切れて――」
「え? ――なっ!? 体の、バランスが! おっおち――」
あ……我輩、死んだ……我輩の旅もここで終わりを迎えるか。
「デール様!!」
フェリシアから何か飛び出してきた……あれは何かのツタ、か!?
「ぐえ!!」
くっ首に巻きついて……いっ息が!!
「――ぜぇぜぇ……あっ危なかった……です」
フェリシアの助けがなければ確実に死んでいたかもしれんが――。
「フェリ! デールの首が絞まっちゃってる!!」
こっこれはこれで――死……ぬ。
「え? あっ!!」
「げほ! げほ!」
「すっすみません! 無我夢中で……」
「いっいや、命があっただけ、マシというものだ、助かったぞ」
……一瞬花畑が見えたがな。
あ~疲れた……今日はもう一歩も動きたく――。
「それでは、聞き込みと行きましょうか」
ないのにこのネコ騎士ときたら何故すぐ行動に移しやがるのか。
「……」
「どうかしましたか?」
「我輩、今日は疲れたからこれ以上動きたくない!! もう断固として動かんぞ!」
「な!? 何そんなわがまま言っているんですか!?」
何を言われようが我輩の決意は固いのだ! 無視だ無視!
「これは駄目じゃな、テコでも動きそうにないの。仕方ないベルトラ、わしらで行こう」
「――――ぐぬぬ!! わかりました……行きましょう……エリン、フェリシア留守番をお願いね」
「りょうか~い」
「あ、はい」
「がんばってこいよ~」
「――――!!」
――バゴン!!
なっなんだ!? 地震か!?
「あ、あの……ド、ドアが曲がっちゃっているんですけど……」
ドアを閉めるのならもっと静かにせぬか、まったく。
※
「戻りました、フレイザーについて宿の方に色々と聞いてきましたよ」
「うむ、ご苦労」
「………………何よ偉そうに、仕方なく行っただけなのに……はぁ……もいいや。……まずこれを見てください」
何だ? ベルトラが紙を広げだしたが。
「これは……バルガス周辺の地図か」
「はい、赤い丸がこの村で、そしてこのバツ印がフレイザーの居場所です。バルガスを崩壊させた後このバツ印にある洞窟に1度も外に出ず引きこもっているそうです」
「は?? それは本当なのか?」
1度も外に出ずに洞窟の中に引きこもっているなんてどう考えてもおかしいぞ。
「そうみたいじゃ、村人が交代で見張っているらしくての、洞窟に入ったきり1度も出てきた事はなかったそうだ。逆に中に入る者もいなかったと」
「う~ん? でもさ~ゲートで移動している可能性もあるんじゃないの? それだったらもう中にいないんじゃ……」
え!? エリンがまともな質問をしただと!? 明日は雨、いや嵐かもしれん。
「それもないみたい、火の髪だから洞窟が照らされていて姿が見えるんだって」
「なるほど! それはわかりやすいね」
……フレイザーよ、お前いったい何をしておるのだ? 間抜けにもほどがあるではないか。
そもそもだ、バルガスをマグマで味方ごと派手に滅ぼし、自慢の火の髪のせいで洞窟に隠れているのがバレバレ。我輩の知っているフレイザーとまったく違うのだがどうなっておるのだ?
まぁどうせ必ず戦うはめになるのだからその時にわかるか。
「……でだ、丸見えのフレイザー相手にどう戦うのだ?」
「はい、それですが……このエヴンラルで水の刃を作ります、父様がそれでフレイザーと戦ったそうです」
火には水か、単純だがそれが一番いい戦法ではあるな。
「ですが、フレイザーの火力とエヴンラルの水の刃では相殺が続き、最後は水が切れてしまった父様が……」
「なるほど、無限と有限の差が出たわけだな」
「はい……」
しかしそれだと――。
「じゃあどうするの? それだと結局ベルのお父さんと同じ事になっちゃうじゃん」
そう、そこの問題にぶち当たるよな。
「ん~、じゃあとにかく水をいっぱいもっていけばいいじゃん」
「……その水をどうやってそれを運ぶ気なのだ」
「フレイザーって引きこんだまま動かないんでしょ? だったらその間に水を入れたタルをたっくさんたっくさん! それこそ100個くらい並べとけばいいじゃん!」
エリンの頭の悪いとこが出てきた、そんなもの普通に考えれば不可能だろうが。
「それもありかもしれんが……」
いや! ないだろ! 爺さんもボケだしたか!?
「今は動いてなくても、そんな動きをすれば洞窟から出てきて攻撃を受けると思うがの……そもそもタル100個をどうやって揃えるんじゃ? 見た限りこの村の全てを集めても100個は届かないと思うがの」
それ以前にタルを100個も戦場に置けば戦えないと思うのだが!?
「あ、そっか~いいアイディアだと思ったんだけどな~」
夢物語と現実をいっしょにするなよ……。
「あ! じゃあさ! フェリの植物で水を作り出すとか!」
お、それはまだ現実味があるではないか。
「あ、それは無理です」
即答!?
「え? どうして!?」
「水を貯める能力を持った植物はありますからそこは問題ないですが、ただ自分で水を作るのではなく空気中や地面から水分を吸収して貯めますのです、なので貯蓄量の限度もありますです……」
「結局はタル同様、数が多くなるという事か」
利点があるとすればタルを集めなくていいのとその中に水を入れる手間がない、くらいか?
どっちにしろ邪魔になるだけだな。
「です……すみませんです、お役に立てなくて」
「ダメか~……ん~……お? これって池じゃないの? そうじゃん! ここにフレイザーを誘い込めばいいんじゃない?」
どれどれ? ふむ、確かに洞窟から近い場所に池らしきものがあるな。
「他の案が現状思いつかんし、その池に行ってみるかの?」
「そうですね。明日、朝一で下見に行ってみましょうか」
ええ……何故朝一なのだ? 勘弁してほしい、ゆっくり寝たかったのだが……。
※
「デール殿! 早く登ってください!」
「ぜぇ……ぜぇ……ちょ、ちょっと待て……」
地図ではわからなかったが、まさかこんな急勾配の山の上にあるだなんて……しかも他の山とは違い人によって手を加えられた道もない、道があるとすれば獣道くらい……そんな中を転げ落ちないように登るなんてあまりにも重労働だ。
だから日も昇らぬ朝の内に出発したのか、地図を読めるようにとベルトラに言われておったが面倒くさくてサボっていたのがここに来て仇となるとはな。よっこいしょっ!
「あっ! デール様そのツタの先はもう切れて――」
「え? ――なっ!? 体の、バランスが! おっおち――」
あ……我輩、死んだ……我輩の旅もここで終わりを迎えるか。
「デール様!!」
フェリシアから何か飛び出してきた……あれは何かのツタ、か!?
「ぐえ!!」
くっ首に巻きついて……いっ息が!!
「――ぜぇぜぇ……あっ危なかった……です」
フェリシアの助けがなければ確実に死んでいたかもしれんが――。
「フェリ! デールの首が絞まっちゃってる!!」
こっこれはこれで――死……ぬ。
「え? あっ!!」
「げほ! げほ!」
「すっすみません! 無我夢中で……」
「いっいや、命があっただけ、マシというものだ、助かったぞ」
……一瞬花畑が見えたがな。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる