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19.5 ギフトとごはん 2
しおりを挟むそうこうしているうちにオリビア様が両手のトレーに山程料理を乗せて、部屋に戻ってきた。
「ちょっと! 朝食も食べてないんだって? さ! 何はともあれ食べよう!」
机にドンドンっとトレーごと置いてから、私の方に向き直り、駆け寄るとぎゅうと抱きしめてきた。
「フローラ本当にありがとう! パールはもう大丈夫だ。みんなフローラのおかげだよ。後でパールにも顔見せてやって」
そう言ってから机に戻り「さあ、ごはんにしよう」と準備を始めた。
オリビア様の目元は赤く腫れていて、かなり泣いたんだろうなと思うけど……それには触れずに、みんなでごはんにすることにした。
シンプルな肉や野菜を挟んであるサンドイッチの様なパンにふんわりしたパン、固めのバゲットの様なパンの山にジャム、それから人数分のスープ。そしてコーヒーや紅茶が配られそれぞれの前に並んで、四人で机を囲んで食事する。
簡単な祈りをしてから、三人は一斉に食べ出す。
……綺麗に食べているのに、ものすごい速さでパンが無くなっていく。オリビア様なんて口元の乱れもなく、どんどん消えて……いや、食べていっている。すごい。
アレックス様のフルーツサンドをオリビア様が食べたと、パンの奪い合いをしたり言い合いをしたり……賑やかな朝食になった。
気がつくとアレックス様とトラビス様が最後のサンドイッチを食べきり、優雅にコーヒーを飲み始めていた。
その食べるスピードにも圧倒されたけれど……こうやって、ごはんを食べるのは今世初めてかもしれない。ほとんど乳母と二人きりだったし、食事会という名目の顔見せは何かを食べた気がしなかった。
ああ、楽しくて、美味しいなぁ……。
「どうした! フローラ! 何か食べたい物があったのか? それとも嫌いな物があったか? は? それしか食べて無いだと!?」
アレックス様が「俺達が食べたい物を食べてしまったのか?」と慌てている。
「あんた達がフローラの分も食べちゃうから! フローラごめんね! 買ってくる?」
「天使様! 私達に何か粗相が!?」
?? あ、涙……?
「違っ……なんか、嬉しくて、家族みたいで……家族の一員になったみたいで……だから違くて」
前世の家族とごはんを囲んでいたのを思い出してしまう。こうやって、毎朝ごはんを囲んで食べたなって。涙は悲しくないのにポロポロ流れて止まらなくなってしまう。
「「「…………」」」
「……フローラは、もう俺達の家族だろ? みたいじゃなくて家族だよ」
「そうだよ! もう嫌がられても私達の家族だよ」
なんだろう。ただ、朝ごはんを一緒に食べただけなのに。
私を家族に入れてくれて、嬉しい。
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