Lv1の最強勇者

レル

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第四章

【第60話】翌朝

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その後片付けも無事に終わり俺は部屋に戻った 
女将さんとリオは終始信じられないと言った表情で黙々と作業をしていたが大丈夫だろうか?

「なんて、人の事心配してる場合じゃないよな」

俺はベッドに仰向けに寝て目を閉じると大きく深呼吸をした
徐々に呼吸をずらしていきそのズレが明確になった時、身体からもうひとつの身体が浮き出てきた
浮き出た身体の足が床に着くと俺は上半身を起こしベッドに座った

「さて、君は明日どうしたい?」

「そうだな、ギルドに行ってみたいかな」

「よし分かった君には城内の視察をやってもらおう」

すると立っている俺は明らかに不服そうな表情になった

「おかしいな、俺はもっと優しいと思ったんだけど」

「元々俺は結構意地悪なんだよ」

「じゃあアイツらも借りていいかな?」

「いいよ好きに使って」

「それは楽しみだ」

そう言うと立っていた俺は窓から夜の街に消えていった





翌朝、普通に目覚めた俺は朝食を取るために下に降りた

「助けていただきありがとうございます!
お金は絶対に払います!
ですから私はどうなっても構いません!しかし娘だけは自由にして下さい!」

下の階で待ち受けていたのは女将さんの凄まじいほど気迫のこもった謝罪だった
寝起きで頭が正常に動いていない俺は頭の上に?が浮かんでいた

「お金?あぁ、あれか
別に気にしなくてもいいですよ~
そんなに大金でもありませんし宿代だと思ってくださいー」

「でも……」

「いいって言ってるんだから気にしないでよー
それより朝食をお願いします」

そう答えると俺はカウンター席に腰を下ろした

その後、今度家族を連れてきた時にサービスをするという事で女将さんの納得を得られた俺は朝食を受け取るとゆっくりとそれを食べ始めた
少し食べてリオが見当たらない事に気付いた俺は女将さんに聞いてみた

「そう言えば、お嬢さんはどうしたんですか?」

「リオかい?リオなら朝市に買い出しに行かせたよ
そろそろ帰ってくると思うんだけど」

しばらくすると入口が勢いよく開かれリオが帰ってきた

「見てよお母さん!今日はいい鶏肉が買えたのよ!」

そう言って掲げたリオの右手には大きな鳥が吊るされていた
リオも元気そうで何よりだ



俺が朝食を終え食後のミルクを飲んでいると

「今日はどうするつもりなんだい?」
っと、女将さんは空いた食器をさげて洗いながら俺に聞いてきた

「今日はギルドに行ってみようと思います」

「あたしも行きたい!ねぇ、お母さん行ってもいい?」

「ダメだよ、シュウヤさんの迷惑になるだろう?」

「俺は別に構いませんよ?」

「やった!ねぇお母さんシュウヤさんもこう言ってるしいいでしょ?」

「しょうがないね、夕食までには帰ってくるんだよ?」

「そうと決まれば!準備してくるからちょっと待ってて下さいね!」

そう言ってリオは自分の部屋に消えていきました
なんだかこの家族はほのぼのするなぁ






「ひとつ聞いてもいいかな?」

ギルドに向かう途中俺はリオに話しかけた

「はい?いいですよ?」

「俺の事は何も聞かないのかい?普通なら気になると思うのだけど?」

「そりゃあ私だって気になるよー
だけど宿屋は客の詮索はしないものよ?
それにシュウヤさんは私たちを助けてくれたから悪い人じゃないしね!」

いい子だなぁ…
うちの子もリオくらい素直に育って欲しいなぁ
なんて、考えていたらギルドに着いたので扉を開け中へと入った
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