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その黒い固まりは、今、夢魅姫の前で雨にうたれていた。
その全身から、どす黒い気をにじませながら。かぎ爪とも、触手ともつかぬ無数の器官をうごめかせながら。
「どうやら、抜け出せたようですね」
夢魅姫が言う。
「良く出来ていたでしょう?私の造った夢時空は。鰍の夢だと、信じて疑わなかったのでしょう?あなたの造る悪夢などとは、比べものにならないでしょう?」
返事はない。返事出来ないのだ。
「その様子では、体の大半をむこうに置いてきてしまったようですね。空間を閉じるのが、少し早すぎましたか?」
返事のかわりに、低いうなり声。
「早急にこの場から立ち去りなさい。さもなくば、もっと痛い目を見ますよ。それでも……」
言い終わるより先に、奴が動いた。
一瞬、奴は自爆したかに見えた。その実、奴は、無数の触手を四方八方へと延ばしていた。
付近の家々が崩れ、電柱が倒れた。
リンカーンのリムジンも、呆っ気なく串差しにされた。矢部氏は、その時、死を覚悟していた。固くつむった目を、おそるおそる開ける。と、少し離れた所にもはや鉄クズと化したリムジンがころがっている。あわてて周りを見まわすと、どうやら姫の従者が自分をかかえて躍んだらしい事に気付いた。
やっとの思いで胸をなで下ろした矢部氏は、しかし、何かが不自然な事にも気付いた。
よく見れば、車も、周りの家も、火災はおろか煙一つ、いや悲鳴すら聞こえないのだ。
「未だ気付かないのですか?」
自分の目前の触手を、念障壁で押さえつつ、姫が言った。
「ここも、私の幽閉空間にすぎないのですよ」
さっきまで、清滝、いや蘭姉妹のいたはずのアパートの瓦礫が、わずかにゆらいだ。途端に、その下から栗色の弾丸が二つ跳び出した。
「な、何ィ?」
矢部氏は思わず我が目を疑った。
それは、熊ほどもあろうかという、巨大な狼と、半獣半人の小柄な少女だった。
――美しい……――
常識を超えた所で、矢部氏はそう思った。その、躍動する筋肉の一つ一つが、身をかわし、又、スキをついて爪と牙をふるうしぐさの一つ一つが。
そう。この二匹は、瓦礫の下から跳び出すが早いか、奴におどりかかって行ったのだ。正体など聞くだけヤボである。
呆けたように人外の斗いに見とれていた矢部氏の横に、いつのまにか姫がたたずんでいた。
「御覧になりまして?」
「え?あ、ああ。あれが……」
「そう。あれが蘭の娘達です」
「すごい……圧倒的じゃないか」
「ええ。しかし、奴を倒すことはかないません」
「?」
「圧倒的に見えますが、それは奴の力が殆んど失われているからですし、第一、奴は物理的ダメージだけでは封じられません」
何故?と、矢部氏が問おうとした刹那、再び、瓦礫が崩れた。
「鰍あ、馨う……」
矢部氏の期待をよそに、出来たのは巴――全く普通の人間とかわって見えない、栗色の髪の美少女だった。
「あれは……」
「長女の巴です」
「彼女は蘭ではないのですか?」
「いえ、彼女の半分は蘭ですし、事実、封印も解かれています。栗色の髪が何よりの証拠」
確かに、事前の書類と写真では、三人とも黒髪だった。
「とはいえ、実の所、巴のもう半分の血が何かは、私も知らないのです……そうですね、確かめるなら、今、でしょうね」
言って、姫は従者にめくばせする。およそ五十メートルほどの距離を従者は一気に躍び、再び一飛びで巴を抱えて帰って来た。
姫の前に出されて初めて巴は自分が抱きかかえられて飛んだ事に気付いたらしい。が、
「……夢魅姫……」
とりみだすより先に、そうつぶやいた。
「そう。私は夢魅姫と呼ばれる魔物。あなたは?」
「あたしは……私は、巴。清滝の、巴」
「やはり……」
「?。どういう事なんです?」
ややじれたらしい矢部氏が聞く。
「つまり、巴は、蘭の他に清滝の封印がなされていたのです。私は、蘭の封印を解く事は許されていますが、清滝の封印は麻那姫にしか解けません……御覧なさい、巴」
胸元に抱きよせ、顔は奴の方を向いたまま、
「あなたの妹達が斗っています。あなたも、斗うつもりでしょう?」
巴がうなずく。小さく、しかし、しっかりと。
「ならば、左手を出しなさい」
半ば機械的に差し出された左手の掌に、姫の右手の掌が合わさる。
どっくん。巴の体が硬直した。
何か、熱くて、堅い物が体内に侵入してくる。
「今のあなたの力は、殆ど封じされているも同然。ですから、これを貸しましょう」
掌から掌へ。それは自らの意思をもって侵入して行く。
「使い方はそれが教えてくれます。あなたなら、使えるはずです」
掌が離れた。ゆっくり、巴は歩みだした。奴に向かって。
その巨大な気を感じて、鰍と、馨と、そして奴までもが巴を見た。
巴は、ゆっくり近付きながら、右手と左手を合わせた。握った右手の中にあるのは、木の棒に見えた。
一気に左手から引き抜いたそれは、使い込まれ、黒づんだ一ふりの木刀だった。
「印を結びなさい、鰍」
姫が声をかけた。
「巴の太刀と、馨の牙と、あなたの印を同調させるのです」
うなずいて、鰍と呼ばれた半獣の少女は一歩後じさると、印を結び、言魂を吐き始める。
だしぬけに、狼が奴へと飛ぶ。その白い牙が、深く、奴の体へ突き立つ。
巴の太刀が一閃した。大気が裂けた。
太刀から放たれた念は、馨をアンプに、牙をアースにして奴の体内をかけめぐる。
馨が離れるのと、鰍が印を結び終えるのが同時だった。体内をかけめぐる念に苦しみもだえながら、奴は裂けた大気の間に消えていった……
あれから六年。鰍はもとより馨も、今ではナイトメアハンターとして相応の働きをしている。もっとも、馨自身は夢に入れないので、もっぱら現世の魔物が相手であるが。
鰍と馨は、あれ以来、蘭の姓を名乗っている。巴は清滝のままだ。その事自体、ほんのちょっとしたこだわりだとしか本人も、周りも、思ってはいない。だが。
何となく、鰍には判るような気がした。
あの夢の中に、ヒントがあるように思えた。
――……アイツ……――
外の雨をながめながら、鰍は思った。
――今度は、必ず、封じてやる……――
そのために、夢魔狩人になったのだ。あの時は、奴を夢時空の間に吹きとばすのが精いっぱいだった。だが、今は違う。この六年は、無駄になってはいないはず。
――見ててね、パパ、ママ……――
月に一度。両親の命日の夜。普段は離れて暮らす姉妹が昔、両親と住んだ家屋で再び共に過ごす夜。鰍は、改めて決心するのだった。
「……にしても遅いなあ、あのバカどこほっつきあるいてんだか……」
「どーせ馨お姉の事だもん、山田君とこにしけ込んでんでしょ」
「ったく……高校生だっちゅーのにあの娘は……」
「山田君てば純血だもん、しょーがないっしょ」
「……ま、いーけどね……」
「ねェ巴お姉、先に始めちゃおうよォ、あたしお腹すいたァ」
「そーすっかなあ……あ?」
「あ!帰って来た!」
雨音の向こうから、BEETのクロスチャンバー付きのRZ350の排気音が近付いてくる。窓の下で、一発空ブカシをくれてからスイッチを切る。スチールの階段をかけ上がるリーガルのデッキシューズ。
「ひゃあーっ降られたあっ!」
ドアを開けて、長身の少女がすべり込んでくる。
「遅かったじゃないのォ」
「何よアンタ、そのカッコでバイクとばして来たの?」
「だって制服だもん、仕方ないじゃん」
「仕方ないったって、あ、こら、はしたない!」
「いーじゃん、自分ン家なんだから脱いだって」
「カーテンくらい閉めろ!」
「もー馨お姉ってば脱ぎちらかすから」
「お、美味そーなニオイ!」
「早くなんか着ろ!」
「わあ、タタミがビショぬれになる!」
ぶらとぱんつのみといういでたちのまま、早速つまみ喰いしようとする馨と、たしなめつつ馨の腰までもある濡れた栗毛をバスタオルでわしゃわしゃとふいてやっている巴。脱ぎちらかしの制服をひろい集めながら、それでも鰍は、ささやかな幸せを満喫していた。
その全身から、どす黒い気をにじませながら。かぎ爪とも、触手ともつかぬ無数の器官をうごめかせながら。
「どうやら、抜け出せたようですね」
夢魅姫が言う。
「良く出来ていたでしょう?私の造った夢時空は。鰍の夢だと、信じて疑わなかったのでしょう?あなたの造る悪夢などとは、比べものにならないでしょう?」
返事はない。返事出来ないのだ。
「その様子では、体の大半をむこうに置いてきてしまったようですね。空間を閉じるのが、少し早すぎましたか?」
返事のかわりに、低いうなり声。
「早急にこの場から立ち去りなさい。さもなくば、もっと痛い目を見ますよ。それでも……」
言い終わるより先に、奴が動いた。
一瞬、奴は自爆したかに見えた。その実、奴は、無数の触手を四方八方へと延ばしていた。
付近の家々が崩れ、電柱が倒れた。
リンカーンのリムジンも、呆っ気なく串差しにされた。矢部氏は、その時、死を覚悟していた。固くつむった目を、おそるおそる開ける。と、少し離れた所にもはや鉄クズと化したリムジンがころがっている。あわてて周りを見まわすと、どうやら姫の従者が自分をかかえて躍んだらしい事に気付いた。
やっとの思いで胸をなで下ろした矢部氏は、しかし、何かが不自然な事にも気付いた。
よく見れば、車も、周りの家も、火災はおろか煙一つ、いや悲鳴すら聞こえないのだ。
「未だ気付かないのですか?」
自分の目前の触手を、念障壁で押さえつつ、姫が言った。
「ここも、私の幽閉空間にすぎないのですよ」
さっきまで、清滝、いや蘭姉妹のいたはずのアパートの瓦礫が、わずかにゆらいだ。途端に、その下から栗色の弾丸が二つ跳び出した。
「な、何ィ?」
矢部氏は思わず我が目を疑った。
それは、熊ほどもあろうかという、巨大な狼と、半獣半人の小柄な少女だった。
――美しい……――
常識を超えた所で、矢部氏はそう思った。その、躍動する筋肉の一つ一つが、身をかわし、又、スキをついて爪と牙をふるうしぐさの一つ一つが。
そう。この二匹は、瓦礫の下から跳び出すが早いか、奴におどりかかって行ったのだ。正体など聞くだけヤボである。
呆けたように人外の斗いに見とれていた矢部氏の横に、いつのまにか姫がたたずんでいた。
「御覧になりまして?」
「え?あ、ああ。あれが……」
「そう。あれが蘭の娘達です」
「すごい……圧倒的じゃないか」
「ええ。しかし、奴を倒すことはかないません」
「?」
「圧倒的に見えますが、それは奴の力が殆んど失われているからですし、第一、奴は物理的ダメージだけでは封じられません」
何故?と、矢部氏が問おうとした刹那、再び、瓦礫が崩れた。
「鰍あ、馨う……」
矢部氏の期待をよそに、出来たのは巴――全く普通の人間とかわって見えない、栗色の髪の美少女だった。
「あれは……」
「長女の巴です」
「彼女は蘭ではないのですか?」
「いえ、彼女の半分は蘭ですし、事実、封印も解かれています。栗色の髪が何よりの証拠」
確かに、事前の書類と写真では、三人とも黒髪だった。
「とはいえ、実の所、巴のもう半分の血が何かは、私も知らないのです……そうですね、確かめるなら、今、でしょうね」
言って、姫は従者にめくばせする。およそ五十メートルほどの距離を従者は一気に躍び、再び一飛びで巴を抱えて帰って来た。
姫の前に出されて初めて巴は自分が抱きかかえられて飛んだ事に気付いたらしい。が、
「……夢魅姫……」
とりみだすより先に、そうつぶやいた。
「そう。私は夢魅姫と呼ばれる魔物。あなたは?」
「あたしは……私は、巴。清滝の、巴」
「やはり……」
「?。どういう事なんです?」
ややじれたらしい矢部氏が聞く。
「つまり、巴は、蘭の他に清滝の封印がなされていたのです。私は、蘭の封印を解く事は許されていますが、清滝の封印は麻那姫にしか解けません……御覧なさい、巴」
胸元に抱きよせ、顔は奴の方を向いたまま、
「あなたの妹達が斗っています。あなたも、斗うつもりでしょう?」
巴がうなずく。小さく、しかし、しっかりと。
「ならば、左手を出しなさい」
半ば機械的に差し出された左手の掌に、姫の右手の掌が合わさる。
どっくん。巴の体が硬直した。
何か、熱くて、堅い物が体内に侵入してくる。
「今のあなたの力は、殆ど封じされているも同然。ですから、これを貸しましょう」
掌から掌へ。それは自らの意思をもって侵入して行く。
「使い方はそれが教えてくれます。あなたなら、使えるはずです」
掌が離れた。ゆっくり、巴は歩みだした。奴に向かって。
その巨大な気を感じて、鰍と、馨と、そして奴までもが巴を見た。
巴は、ゆっくり近付きながら、右手と左手を合わせた。握った右手の中にあるのは、木の棒に見えた。
一気に左手から引き抜いたそれは、使い込まれ、黒づんだ一ふりの木刀だった。
「印を結びなさい、鰍」
姫が声をかけた。
「巴の太刀と、馨の牙と、あなたの印を同調させるのです」
うなずいて、鰍と呼ばれた半獣の少女は一歩後じさると、印を結び、言魂を吐き始める。
だしぬけに、狼が奴へと飛ぶ。その白い牙が、深く、奴の体へ突き立つ。
巴の太刀が一閃した。大気が裂けた。
太刀から放たれた念は、馨をアンプに、牙をアースにして奴の体内をかけめぐる。
馨が離れるのと、鰍が印を結び終えるのが同時だった。体内をかけめぐる念に苦しみもだえながら、奴は裂けた大気の間に消えていった……
あれから六年。鰍はもとより馨も、今ではナイトメアハンターとして相応の働きをしている。もっとも、馨自身は夢に入れないので、もっぱら現世の魔物が相手であるが。
鰍と馨は、あれ以来、蘭の姓を名乗っている。巴は清滝のままだ。その事自体、ほんのちょっとしたこだわりだとしか本人も、周りも、思ってはいない。だが。
何となく、鰍には判るような気がした。
あの夢の中に、ヒントがあるように思えた。
――……アイツ……――
外の雨をながめながら、鰍は思った。
――今度は、必ず、封じてやる……――
そのために、夢魔狩人になったのだ。あの時は、奴を夢時空の間に吹きとばすのが精いっぱいだった。だが、今は違う。この六年は、無駄になってはいないはず。
――見ててね、パパ、ママ……――
月に一度。両親の命日の夜。普段は離れて暮らす姉妹が昔、両親と住んだ家屋で再び共に過ごす夜。鰍は、改めて決心するのだった。
「……にしても遅いなあ、あのバカどこほっつきあるいてんだか……」
「どーせ馨お姉の事だもん、山田君とこにしけ込んでんでしょ」
「ったく……高校生だっちゅーのにあの娘は……」
「山田君てば純血だもん、しょーがないっしょ」
「……ま、いーけどね……」
「ねェ巴お姉、先に始めちゃおうよォ、あたしお腹すいたァ」
「そーすっかなあ……あ?」
「あ!帰って来た!」
雨音の向こうから、BEETのクロスチャンバー付きのRZ350の排気音が近付いてくる。窓の下で、一発空ブカシをくれてからスイッチを切る。スチールの階段をかけ上がるリーガルのデッキシューズ。
「ひゃあーっ降られたあっ!」
ドアを開けて、長身の少女がすべり込んでくる。
「遅かったじゃないのォ」
「何よアンタ、そのカッコでバイクとばして来たの?」
「だって制服だもん、仕方ないじゃん」
「仕方ないったって、あ、こら、はしたない!」
「いーじゃん、自分ン家なんだから脱いだって」
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「もー馨お姉ってば脱ぎちらかすから」
「お、美味そーなニオイ!」
「早くなんか着ろ!」
「わあ、タタミがビショぬれになる!」
ぶらとぱんつのみといういでたちのまま、早速つまみ喰いしようとする馨と、たしなめつつ馨の腰までもある濡れた栗毛をバスタオルでわしゃわしゃとふいてやっている巴。脱ぎちらかしの制服をひろい集めながら、それでも鰍は、ささやかな幸せを満喫していた。
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