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王都学園編

実戦訓練①

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 授業初日から四ヶ月が経過した。

 この四ヶ月間、魔術や武芸など色々な訓練を行って来た事により、それなりの力を身に付けた。

 これが今の俺のステータスだ。

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 アルス (人族) Lv8

  【体力】 800

  【魔力】 400

  【技能】 《????》 《?????》 《飛剣》

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 《飛剣》と言うのは、斬撃を飛ばすことが出来る【技能】で、武芸の中でも剣術の道を志すのならば必ず修得出来る、基礎技能だ。

 閑話休題

 現在俺達一年A組は、実戦訓練を行う為、王都から南側にある勇者が造ったと言われている迷宮に来ている。

  「これから皆んなには、この迷宮で実戦訓練を行ってもらう。その際に五人で一組のパーティーを組んでもおうと思っていたが……既に決まっていたようだな」

 ヴァイオレット先生が言ったように、皆んな組むパーティーは既に決まっており、俺のパーティーは、俺、エリナ、マルコ、リゼ、ケインの五人だ。

 因みに俺達の手元には、学園で支給された武器を持っている。
 俺とマルコは、鉄で出来た片手剣。
 エリナは、槍。
 リゼは、弓。
 ケインは、ガンドレットだ。


 そしてエリナ達の背後には、先程からエリナ達が召喚した《天使》が浮いている。
 エリナが召喚したのは、ヴァイオレット先生と同じ《中位天使》で、確か名前は、アンリエッタ。
 その見た目は、リリムと同じくらいの身長で、橙色の髪をエリナと同じ様にツインテールにしており、側から見たら姉妹みたいだ。
 そしてマルコ、リゼ、ケインの三人が召喚したのは、《下位天使》で、ヴァイオレット先生のルークやエリナのアンリエッタとは違い、人型ではなく、卵型の球体に小さな手脚と羽が生えており、マスコットキャラみたいな見た目をしている。

  「では、先ずは迷宮の説明からしていぐぞ。
 この迷宮は、勇者 が造ったと言われる迷宮で、この場所に造った理由や目的は、未だ不明だ。
 そんな迷宮の現在の最高突破階層は、二十四階層で、冒険者や調査隊の中では、百階層まであるのではないかと予想されている。
 今回皆んなには、己の実力を測るために迷宮へ潜ってもらうが、十階層までは、自由に進んでもらって構わないが、十階層から先の階層へは、進まないように。ここまでで何か質問はある奴はいるか?……居ないな。
 ……では、準備が出来たパーティーから順に迷宮へ向かってくれ」

 ヴァイオレット先生の話が終わると、迷宮へ向かう準備を始めるクラスメイト達。
 俺もそれにならい、支給された武器の調整や魔導袋(空間魔術が付与された袋で、道具やお金などを中に入れることが出来る。許容量は、自身の魔力で決まり、魔力が高いもの程、許容量は大きい)に入っている回復薬の有無の確認など、迷宮へ向かう準備をしていたら、唐突にケインが話しかけてきた。

  「アルス、紋無しだからって脚を引っ張るなよ」
  「心配しなくても分かってるよ」
  「別に心配してる訳じゃねーよ。分かってるなら良いんだよ」

 この四ヶ月間何故かケインはこうやって何かと俺に突っかかって来るが、別に嫌味とかそう言った類は感じなかったから、そこまで本心と言うわけでも無いと思い、俺もそれに対して普通に対応するようにしている。

  「大丈夫だよ!アル君は、私が守るから!ね?アンリ!」
  「エリナがそう言うなら仕方がないわね!アルス感謝しなさい!」
  「ははは、其れは頼もしいな」

  『主よ』
  『どうしたリリム?』
  『本当に妾は出なくて良いのか?』

 霊体化しているリリムが俺の事を心配してなのかそう言ってきた。

  『あぁ、《天使》でないリリムの存在を知られると色々と面倒事が起きる気がするからな』
『此奴らなら大丈夫ではないか?』

 確かにこの四ヶ月間、共に時間を過ごす内に、俺と彼等の間には、絆とまではいかなくとも、信頼と言えるものが出来上がっていたと思う。

  『確かに大丈夫かも知れないけど、今は、言うべきではないと思う。……でも、もしなんかあったら頼るかもしれないから、その時はよろしくな』
  『そうか.....分かったのだ』




  「アル君、ぼうっとしてるけど、どうかしたの?」
  「え?あ、あぁ、何でもないよ」
  「そう?ならいいけど…」
  「おいおい、これから迷宮へ向かうってのに、しっかりしてくれよ」
  「はは、悪い悪い」



  「よし!皆んな準備はいいか?じゃあ行くか迷宮へ!」
「「「「オォー!」」」」

 準備を終えた事を確認した俺達は、これから起こる迷宮での冒険に期待に胸を膨らませ、軽い足取りで迷宮へと向かった。


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