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迷宮攻略編

無詠唱

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 一つ、後悔している事がある。

 それは、地球にいた時にしっかり勉強しとくべきだったと言う事だ。
 そうすれば、アルテンシアで、知識無双できたのに……。

 まぁ、過ぎたことを後悔したって仕方がない。切り替えよう。

 幸い俺には、勇者時代に培ってきた経験がある。
 それを活かせば、知識無双は出来なくとも、俺TEEE系にはなれるかもしれない。

 よし!そうと決まれば早速行動開始だ!

 先ずは、魔術についてだ。

 魔術とは、魔力を使ったイメージの具現化だ。
 そしてイメージを言葉にしたのが詠唱になる。
 要は、イメージさえ、完璧であれば詠唱など要らないのだ。
 しかし、階級が高くなると無詠唱も難しくなるがそれでも、詠唱省略くらいはできる。

 俺とリリムは、例の洞窟に向かう道中、死体の振りをしているナイトアーマーを実験台にして、無詠唱の練習をしていた。

 死体の振りをしていた所為で、ナイトアーマー達は、無抵抗だった。
 動かないので、狙いも定めやすく、良い的になってくれたよ。

 そのおかけでナイトアーマーを殲滅できたし、これで例の洞窟に罠を警戒する事なく入れる。

 うん良い事づくしだね!



 そんなこんなで例の洞窟にたどり着いた。

「……」
「どうしたのだ?…まさか今更になって怖じ気付いたのか?」
「なわけ。ちょっと緊張してただけだよ」
「そうか…ならば、一度深呼吸すればいいのだ」
「あぁ、そうするよ……すぅ…はぁ…」
「…どうなのだ?」
「…うん、もう大丈夫だ。ありがとうリリム…じゃあ、いくか!」
「うむ!」

 こうして俺達は、決着をつけるべく、再び洞窟に足を踏み入れた。

 幸い、チョウチン魔物のチョウチン部分が光っているおかげで、すぐに見つける事が出来た。

「キシャアァァア!」

「よお、さっきぶりだな。……残念だがお仲間さんは、来ないぜ!俺が全部倒したからなぁ!」

「ギギュュュアァァア!!」

 俺の言葉を理解しているのか、チョウチン魔物は、俺に怒りの感情をぶつけてくる。

 まぁ、コイツが何を思ってようと俺には関係ない。
 なひせ最下層に向かおうってんだ、コイツ程度で立ち止まっちゃいられない。だから倒して乗り越えるんだ!先へ進むために。

 教えてやるよ!俺は餌じゃないってことを。
 今度はこっちが狩るばんだ!

「さあ、コンティニューといこうか!」




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 ~ディーティアの観察日記~ その1

 いよいよ、ランタン・パオク(チョウチン魔物の名前)と決戦ですね。
 少し緊張していた様子ですが、大丈夫です。貴方なら絶対に勝てます。
 それに今の貴方には、パートナーがいるのですから。

 そうそう、パートナーと言えば、私一つ気づいた事があります。
 あのリリムって子、可愛すぎません?
 照れ隠ししている様子とか、貴方天使ですか?まぁ、悪魔ですけど……。
 とにかく可愛いです。
 見てるとなんだか抱き締めたくなる衝動に駆られます。
 うふふ、彼との再会後の楽しみが一つ増えました。

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