御曹司との交際0日婚なんて、聞いてません!──10年の恋に疲れた私が、突然プロポーズされました【完結】

日下奈緒

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第8章 遅れた新婚旅行

「……っ!」律さんの体がぴくんと跳ねる。

「だめ、触ったら興奮するから。」

「いいよってば。」

私は律さんを抱き寄せた。

「ほら……」私は大胆に足をあげた。

「……千尋、ほんとに……ここで?」

律さんの声はかすれていて、息が熱を帯びている。

「うん……ここでも、律さんとなら……」

私が足を絡めると、律さんの喉がごくりと鳴った。

彼の両手が私の腰を支え、そっと持ち上げるように引き寄せる。

「そんなにされたら……もう、我慢できないよ。」

唇が重なり、指先が肌の上をゆっくりと滑っていく。

お湯のせいでいつもより敏感になった肌が、律さんの指を感じ取って震える。

「かわいい……全部が、愛しい。」

私の耳元で囁かれた声に、心まで蕩けそうになる。

腰を引き寄せられ、彼の熱が私に触れる──

「千尋……入れるよ……?」

私は小さく頷いた。

その瞬間、身体が律さんに包まれて、奥まで熱が差し込んでくる。
「……んっ……あぁ……」

思わず声が漏れてしまう。けれど律さんはその声すら、唇でふさぐようにキスしてくれた。

「痛くない?……大丈夫?」

「うん……律さんが優しいから……」

キスを重ねながら、律さんの動きがゆっくりと始まる。

まるで大切に、私の全部を抱きしめるように──

「千尋……気持ちいい……」

「私も……律さんの全部が……好き……」

お湯の音と、ふたりの重なる吐息だけが響く空間。

「ああ……」

律さんの熱を帯びた視線が、私の体に注がれる。

「ごめん、いつもよりも感じてる。」

律さんの切ない声。それだけで私は心が満たされる。

「こんなところで……ああ……千尋を味わってる……」

立ったまま、二人で抱きしめ合ったまま、二人の体が一つになっている。

「律さん、来て……」

私のその一言に、律さんの動きが深く、そして強くなった。

立ったまま、バスルームの壁に支えられながら、私達は何度も重なっていく。

「ああ……千尋……可愛すぎて……」

熱を孕んだ声が耳元をくすぐる。

律さんの中にある感情が、全部私に注がれてくるようで──

「もう……限界……行くよ、千尋……!」

律さんの体が震え、次の瞬間、私の奥に彼の熱が流れ込む。

全身が熱くて、溶けてしまいそう。

「んっ……あ……ああ……」

私も一緒に達して、力が抜けていく。

律さんの腕に全体重を預けると、そっと抱きしめられた。

「大丈夫?……辛くなかった?」

「ううん……嬉しかったよ……律さんと、ちゃんと繋がれて……」

お湯の音だけが静かに響く中、二人で額を寄せ合う。

「千尋。」

唇が重なり、さっきよりも穏やかなキスを交わす。

「ありがとう……俺を、選んでくれて。」

泣きそうなくらいに、結婚相手が律さんでよかったと思える夜だった。
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