誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –【完結】

日下奈緒

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第7部 本気の夜、ふたりの距離

でも、一条さんのこの真っ直ぐな想いも、確かに今、私の胸を打っている。

どうして。

こんなに苦しいんだろう――

「好きだ。」

その瞬間、唇が塞がれた。

驚いて目を見開いた私の背後で、抱えていた書類が床にばらばらと散った。

けれど彼の腕は、私を放そうとはしない。

熱い、真剣なキス。

強引で、でもどこか苦しげなキスだった。

「い、一条さん……やめ……」

放そうとしても、彼の腕は微動だにしない。

「桐生部長のモノになんかなるなよ。」

耳元で囁く声が、熱を帯びている。

その声音に、胸がドクンと鳴った。

「……俺のモノになれよ、紗英。」

切羽詰まったような表情で、私を見つめる一条さん。

まるで、これまで必死に隠してきた想いが、

今にも彼自身を壊してしまいそうな――そんな危うさを孕んでいた。

「ずっと見てた。あんたが、あの男に惹かれていくのを。」

唇が震えた。

声が出せない。

「けど、俺は見てるだけだった。バカみたいに……」

不器用で真っ直ぐな、彼の想いが痛いほど伝わってくる。

私は――

何を選ぶべきなの?

心の奥で、隼人さんの顔が浮かぶ。

でも今、目の前には、一条さんの熱があった。

「紗英、付き合おう。」

一条さんが本気で告白してきた。

「いえ、もう桐生部長と付き合っているので。」

「だから、そんなの遊ぶ為の口実だって!」

「違います!」

すると一条さんは、私のスカートの中に、指を入れて来た。

「俺は、紗英で遊ばない。本気だ。」

「いやあ!」

でも一条さんの指で感じる。

「ああん……」

「可愛い、紗英。俺の指感じて。」

ダメなのに、感じてしまう。

「紗英、俺を感じて。」

そう言って一条さんは、ズボンを脱ぐと私の中に入ってきた。

「ああ……」

「紗英、好きだ。愛してる。」

一条さんは、甘く囁きながら何度も腰を動かした。

「ああ、紗英を抱いている。」

彼の熱が、私を支配する。

「好きな女、抱いてる。俺のモノにしてる。」

一条さんは、熱いキスをすると私の中で果てた。

私は何が起こったのか分からず、その場に崩れ落ちた。

「紗英……」

優しく、でも逃げられないように抱きしめられる。

彼の体温が、直接肌に触れてくるたびに、私は自分を見失っていった。

「いいね……もう俺のモノだからね。」

耳元で囁かれた声に、背筋がゾクリとした。

体が熱いのに、心が冷たい。

「桐生部長と、会わないで。」

その一言が胸を刺した。

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