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4、酔ったふりで、彼を誘った夜
朝、境界線のない関係
朝、オフィスに入ると、彼の声がすぐに届いた。
「佐伯チーフ」
昨夜のことがまるで夢だったように、彼はいつも通りの声で私を呼んだ。
「……ああ。私、これから外回りだから」
「お伴します」
即答された上に、私が止めようとした時には、彼はさっさと自分のカバンと私の資料を持って、颯爽とオフィスを出ていく。
「ちょ、片瀬君……!」
追いかけるように私も廊下に出る。
その背中が、なんだか頼もしく見えた。
昨夜までは、ただの同僚。
部下として、信頼できる営業マン。
でも、今の私は――彼を男として見てしまっている。
背広越しの肩幅、スマートな歩き方、そして……あの熱い視線。
全部、思い出すたびに心臓が忙しい。
でも、私はチーフ。
それにこれは、仕事。
今は、私情なんて持ち込んじゃいけない。
「……佐伯チーフ?行きますよ?」
振り向いた彼の目が、昨日と同じ熱を湛えていた。
やっぱりダメだ。
今朝からずっと、仕事に集中できそうにない――。
そして、乗り込んだのは片瀬君の車。私は当たり前のように助手席へ。
シートベルトを締めながら言う。
「あのさ、片瀬君……」
話しかけた瞬間、顔が近づき、唇を奪われた。
「んっ……!」
唐突なキスに驚く暇もなかった。
「……もう、我慢できないんだよ、俺。」
熱を帯びた声が耳に残る。
まさか、あの頼れる営業マン・片瀬悠が、私にこんなにも――?
「今夜、空いてる?」
「ええ⁉」思わず声が裏返った。
“昨夜”の次に、“今夜”もって……そんなに⁉
戸惑う私をよそに、彼は真剣な目で見つめてくる。
「玲奈……ずっと一緒にいよう。」
それは、同僚として? それとも、男と女として?
私はとっさに言葉を濁す。
「うん。……外回りだからね。」
その瞬間、片瀬君は目に見えてがくっと肩を落とした。
「……そっちの“一緒”か……」
落ち込む彼を見て、思わず吹き出しそうになった。
「あのさ、これからも……同僚として——」
そう切り出そうとした瞬間、運転席の彼が遮った。
「もう、同僚じゃない」
低く落ち着いた声。横顔すら見惚れるほどかっこよくて、言葉が詰まる。
「……好きな女、一度抱いたら。同僚には戻れないでしょ?」
はっきり言われたその言葉に、胸の奥がざわついた。
「……はっきり言って、困るよ。片瀬君」
「うん。困らせる気しかないよ、俺」
いたずらっぽく笑いながらも、その目はどこまでも真剣だった。
やがて車が赤信号で停まり、片瀬君が私の方を向いた。
「玲奈さん。……俺の彼女になってください」
まっすぐに、まるで営業先にプレゼンをかける時よりも真剣な目で。
昨日まで、ただの同僚だった彼が、こんな風に恋を仕掛けてくるなんて。
車のエンジンの音だけが響く中、私はそっと頷いた。
この恋は、もう“過ち”じゃない。
これからも続いていく恋になる。
「佐伯チーフ」
昨夜のことがまるで夢だったように、彼はいつも通りの声で私を呼んだ。
「……ああ。私、これから外回りだから」
「お伴します」
即答された上に、私が止めようとした時には、彼はさっさと自分のカバンと私の資料を持って、颯爽とオフィスを出ていく。
「ちょ、片瀬君……!」
追いかけるように私も廊下に出る。
その背中が、なんだか頼もしく見えた。
昨夜までは、ただの同僚。
部下として、信頼できる営業マン。
でも、今の私は――彼を男として見てしまっている。
背広越しの肩幅、スマートな歩き方、そして……あの熱い視線。
全部、思い出すたびに心臓が忙しい。
でも、私はチーフ。
それにこれは、仕事。
今は、私情なんて持ち込んじゃいけない。
「……佐伯チーフ?行きますよ?」
振り向いた彼の目が、昨日と同じ熱を湛えていた。
やっぱりダメだ。
今朝からずっと、仕事に集中できそうにない――。
そして、乗り込んだのは片瀬君の車。私は当たり前のように助手席へ。
シートベルトを締めながら言う。
「あのさ、片瀬君……」
話しかけた瞬間、顔が近づき、唇を奪われた。
「んっ……!」
唐突なキスに驚く暇もなかった。
「……もう、我慢できないんだよ、俺。」
熱を帯びた声が耳に残る。
まさか、あの頼れる営業マン・片瀬悠が、私にこんなにも――?
「今夜、空いてる?」
「ええ⁉」思わず声が裏返った。
“昨夜”の次に、“今夜”もって……そんなに⁉
戸惑う私をよそに、彼は真剣な目で見つめてくる。
「玲奈……ずっと一緒にいよう。」
それは、同僚として? それとも、男と女として?
私はとっさに言葉を濁す。
「うん。……外回りだからね。」
その瞬間、片瀬君は目に見えてがくっと肩を落とした。
「……そっちの“一緒”か……」
落ち込む彼を見て、思わず吹き出しそうになった。
「あのさ、これからも……同僚として——」
そう切り出そうとした瞬間、運転席の彼が遮った。
「もう、同僚じゃない」
低く落ち着いた声。横顔すら見惚れるほどかっこよくて、言葉が詰まる。
「……好きな女、一度抱いたら。同僚には戻れないでしょ?」
はっきり言われたその言葉に、胸の奥がざわついた。
「……はっきり言って、困るよ。片瀬君」
「うん。困らせる気しかないよ、俺」
いたずらっぽく笑いながらも、その目はどこまでも真剣だった。
やがて車が赤信号で停まり、片瀬君が私の方を向いた。
「玲奈さん。……俺の彼女になってください」
まっすぐに、まるで営業先にプレゼンをかける時よりも真剣な目で。
昨日まで、ただの同僚だった彼が、こんな風に恋を仕掛けてくるなんて。
車のエンジンの音だけが響く中、私はそっと頷いた。
この恋は、もう“過ち”じゃない。
これからも続いていく恋になる。
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