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第7章 本当の
②
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お母さんは、私の背中を摩ってくれた。
「大丈夫よ。いつか偽装じゃなくて、本当の夫婦になる時が来るわ。」
「本当の……夫婦?」
「ええ。だから、このまま。このままでいいのよ。」
お母さんは、にっこりと笑ってくれた。
その笑顔に、私は元気をもらった。
そうか。
そのままでいいんだね。
私は、門馬の事が好き。
それは、何があっても疑いようのない真実だもの。
好きなら、好きでいいじゃない。
そして、お母さんが言った通り、本当の夫婦になれるように、がんばろう。
うん。
「お母さん、ありがとう。なんだか、元気が出た。」
「そう?ならよかった。」
そこへ門馬が、帰って来た。
「お帰りなさい。」
「ただいま。」
お母さんの手前で、夫婦の役を演じていても、それでいいって思えるようになった。
この後、3人でお昼ご飯を食べて、お母さんは帰って行った。
「よし!」
私は背筋を伸ばして、気合を入れた。
「なんだか、元気になったね。」
門馬も、私の気持ちの変化に、気づいたみたいだ。
「お母さんの顔を見たからかな。」
「うーん。どうかな。」
そう言って、私は笑った。
そんな私の笑顔を見て、門馬も笑ってくれる。
幸せだ。
二人で笑い合って、休日を過ごせるなんて。
「そうだ。今日、天気いいから、布団干さなきゃね。」
「そうだな。」
今日も天気は快晴だ。
翌日、私は早速エレベーターの中で、清水係長に会った。
「おはようございます。」
「おはよう。」
清水係長は、いつものように余裕だ。
「そうだ、係長。この前のお話ですが。」
「この前の話?」
「ライバル宣言、受けて立ちます。」
清水係長が、急にこっちを見た。
「そう……ようやく、自分の気持ちに、気づいたのかしら。」
「はい。」
私も、清水係長の方をちらっと見た。
「ええ。受けて立つわ。お互い、頑張りましょう。」
「はい。」
エレベーターを降りた私は、清々しい気分だった。
「あれ?夏海、今日なんだか違うね。」
「そう?」
私は、秋香に近づいた。
「まあ、吹っ切れた感じ?」
そして秋香と一緒に、笑った。
人間、一つの事が吹っ切れると、もう一つの事も上手くいく。
「市川。」
門馬に呼ばれ、私は門馬の席に移動した。
「この話、聞いたか?」
見ると、私が出したお店の企画書だった。
「新しいブランドの立ち上げ、部長からOKが出たぞ。」
「ええ?本当に?」
私は、手を叩いて喜んだ。
「やったね。」
私は門馬に、手を差し出した。
「ああ。」
門馬は、私の手と自分の手を合わせてくれる。
遠くから清水係長の視線を感じるけれど、今はそんな事、どうでもいい。
この瞬間、幸せであればいいのだ。
「次は、計画書持って、あの店に行かなきゃね。」
「そうだな。」
門馬と話していると、楽しい。
これが恋の力なのかな。
「じゃあ、また進展あったら、呼ぶから。」
「お願いね。」
私が席に戻ると、秋香が顔を寄せて来た。
「悩み、解決した?」
「した。したって言うか、このままでいいと思ってね。」
「そっか。」
秋香にも、すっきりした顔を見せる事ができたし、心も軽くなった。
「じゃあ、そんなところで、合コン行こうか。」
「行きません。好きな人がいるのに、行く訳ないでしょ。」
「そうでした。」
秋香と一緒に笑っていた時だ。
新商品の企画の募集が、私のところに周ってきた。
「応募してみようかな。」
「おっ!恋する女は、前向きだね。」
秋香も、賛成してくれたようだし、門馬にも言ってみようかな。
「大丈夫よ。いつか偽装じゃなくて、本当の夫婦になる時が来るわ。」
「本当の……夫婦?」
「ええ。だから、このまま。このままでいいのよ。」
お母さんは、にっこりと笑ってくれた。
その笑顔に、私は元気をもらった。
そうか。
そのままでいいんだね。
私は、門馬の事が好き。
それは、何があっても疑いようのない真実だもの。
好きなら、好きでいいじゃない。
そして、お母さんが言った通り、本当の夫婦になれるように、がんばろう。
うん。
「お母さん、ありがとう。なんだか、元気が出た。」
「そう?ならよかった。」
そこへ門馬が、帰って来た。
「お帰りなさい。」
「ただいま。」
お母さんの手前で、夫婦の役を演じていても、それでいいって思えるようになった。
この後、3人でお昼ご飯を食べて、お母さんは帰って行った。
「よし!」
私は背筋を伸ばして、気合を入れた。
「なんだか、元気になったね。」
門馬も、私の気持ちの変化に、気づいたみたいだ。
「お母さんの顔を見たからかな。」
「うーん。どうかな。」
そう言って、私は笑った。
そんな私の笑顔を見て、門馬も笑ってくれる。
幸せだ。
二人で笑い合って、休日を過ごせるなんて。
「そうだ。今日、天気いいから、布団干さなきゃね。」
「そうだな。」
今日も天気は快晴だ。
翌日、私は早速エレベーターの中で、清水係長に会った。
「おはようございます。」
「おはよう。」
清水係長は、いつものように余裕だ。
「そうだ、係長。この前のお話ですが。」
「この前の話?」
「ライバル宣言、受けて立ちます。」
清水係長が、急にこっちを見た。
「そう……ようやく、自分の気持ちに、気づいたのかしら。」
「はい。」
私も、清水係長の方をちらっと見た。
「ええ。受けて立つわ。お互い、頑張りましょう。」
「はい。」
エレベーターを降りた私は、清々しい気分だった。
「あれ?夏海、今日なんだか違うね。」
「そう?」
私は、秋香に近づいた。
「まあ、吹っ切れた感じ?」
そして秋香と一緒に、笑った。
人間、一つの事が吹っ切れると、もう一つの事も上手くいく。
「市川。」
門馬に呼ばれ、私は門馬の席に移動した。
「この話、聞いたか?」
見ると、私が出したお店の企画書だった。
「新しいブランドの立ち上げ、部長からOKが出たぞ。」
「ええ?本当に?」
私は、手を叩いて喜んだ。
「やったね。」
私は門馬に、手を差し出した。
「ああ。」
門馬は、私の手と自分の手を合わせてくれる。
遠くから清水係長の視線を感じるけれど、今はそんな事、どうでもいい。
この瞬間、幸せであればいいのだ。
「次は、計画書持って、あの店に行かなきゃね。」
「そうだな。」
門馬と話していると、楽しい。
これが恋の力なのかな。
「じゃあ、また進展あったら、呼ぶから。」
「お願いね。」
私が席に戻ると、秋香が顔を寄せて来た。
「悩み、解決した?」
「した。したって言うか、このままでいいと思ってね。」
「そっか。」
秋香にも、すっきりした顔を見せる事ができたし、心も軽くなった。
「じゃあ、そんなところで、合コン行こうか。」
「行きません。好きな人がいるのに、行く訳ないでしょ。」
「そうでした。」
秋香と一緒に笑っていた時だ。
新商品の企画の募集が、私のところに周ってきた。
「応募してみようかな。」
「おっ!恋する女は、前向きだね。」
秋香も、賛成してくれたようだし、門馬にも言ってみようかな。
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