72 / 99
第8章 二人きりの時間が、なによりも幸せで
②
しおりを挟む
風情たっぷりの空間に、心がほどけていく。
「玲央さん、一緒に入りま……」
そう言いかけて振り向くと、玲央さんはベッドの一番端で、スーツのままうたた寝していた。
「疲れたんですね……」
私はそっと彼の隣に座り、そのまま玲央さんの頭を、自分の膝の上にのせてあげた。
髪を撫でながら、小さく声をかける。
「……ひより?」
玲央さんがまどろみの中で、かすかに目を開ける。
「このまま寝ててください。ゆっくり休んでくださいね。」
優しい声でそう言うと、玲央さんは「ん……」と、安心したように目を閉じた。
静かな部屋に、虫の声と、遠くで湯が流れる音だけが響いていた。
無防備に眠る玲央さんの顔を見つめていると、胸の奥から温かいものが湧いてくる。
静かな寝息。わずかに揺れるまつ毛。
大人なのに、こんなにも無邪気な寝顔があるなんて。
「このままずっと一緒にいられたらいいのに……」
私は小さく呟いて、玲央さんの髪をそっと撫でた。
すると、まどろみの中の彼が、かすかに唇を動かす。
「……ずっと一緒だよ」
その声はかすれていたけれど、確かに聞こえた。
「君を放さない。ずっと側におく。」
目を閉じたまま、それだけを言って、再び深く眠りに落ちていく。
私は胸がきゅっと締めつけられるような、幸福に包まれた。
こんなに愛されているなんて、奇跡のようだ。
ゆっくりと頭を下げて、玲央さんの頬にキスを落とす。
「うん。今日見た二つ岩のように……寄り添って、生きていこうね。」
外では夜風がそっと吹いて、竹の葉が揺れる音がした。
静かな、特別な夜だった。
その日の夜は特別になった。
「ああ、ひより……」
肌と一緒に、何度も唇を重ねて来る玲央さん。
私を見ながら、まるで私の快楽の表情を味わうかのように抱いてくれた。
私達の吐息が漏れ、肌は滑らかに湿る。
やがて玲央さんの熱が私の体の中に押し寄せた瞬間。
「ぁぁ……」
その熱い情熱に体を反らす私がいた。
「ひより、もう一度抱く。」
荒い息遣いでうんと頷くと、玲央さんの切ない吐息が届いた。
「ひより、何度も欲しいよ。」
そう言うと玲央さんはベッドの上に座り、私を腰の上に座らせた。
「あぁ……」
また快感が押し寄せる。今度は、下から突き上げるように。
「……自分で動ける?」
玲央さんの言葉に、抗うことができない。
下手だけど、自分から玲央さんの上で動いてみた。
「ああ、上手だよ。ひより。」
玲央さんの悶える顔が見える。
ああ、私。玲央さんを抱いている。
そう思う度に、玲央さんの体の深く深くへ、自分の体を沈ませた。
「ああ、玲央さん……私……」
たまりかねて玲央さんが、私の体を抱きしめてくれた。
「玲央さん、一緒に入りま……」
そう言いかけて振り向くと、玲央さんはベッドの一番端で、スーツのままうたた寝していた。
「疲れたんですね……」
私はそっと彼の隣に座り、そのまま玲央さんの頭を、自分の膝の上にのせてあげた。
髪を撫でながら、小さく声をかける。
「……ひより?」
玲央さんがまどろみの中で、かすかに目を開ける。
「このまま寝ててください。ゆっくり休んでくださいね。」
優しい声でそう言うと、玲央さんは「ん……」と、安心したように目を閉じた。
静かな部屋に、虫の声と、遠くで湯が流れる音だけが響いていた。
無防備に眠る玲央さんの顔を見つめていると、胸の奥から温かいものが湧いてくる。
静かな寝息。わずかに揺れるまつ毛。
大人なのに、こんなにも無邪気な寝顔があるなんて。
「このままずっと一緒にいられたらいいのに……」
私は小さく呟いて、玲央さんの髪をそっと撫でた。
すると、まどろみの中の彼が、かすかに唇を動かす。
「……ずっと一緒だよ」
その声はかすれていたけれど、確かに聞こえた。
「君を放さない。ずっと側におく。」
目を閉じたまま、それだけを言って、再び深く眠りに落ちていく。
私は胸がきゅっと締めつけられるような、幸福に包まれた。
こんなに愛されているなんて、奇跡のようだ。
ゆっくりと頭を下げて、玲央さんの頬にキスを落とす。
「うん。今日見た二つ岩のように……寄り添って、生きていこうね。」
外では夜風がそっと吹いて、竹の葉が揺れる音がした。
静かな、特別な夜だった。
その日の夜は特別になった。
「ああ、ひより……」
肌と一緒に、何度も唇を重ねて来る玲央さん。
私を見ながら、まるで私の快楽の表情を味わうかのように抱いてくれた。
私達の吐息が漏れ、肌は滑らかに湿る。
やがて玲央さんの熱が私の体の中に押し寄せた瞬間。
「ぁぁ……」
その熱い情熱に体を反らす私がいた。
「ひより、もう一度抱く。」
荒い息遣いでうんと頷くと、玲央さんの切ない吐息が届いた。
「ひより、何度も欲しいよ。」
そう言うと玲央さんはベッドの上に座り、私を腰の上に座らせた。
「あぁ……」
また快感が押し寄せる。今度は、下から突き上げるように。
「……自分で動ける?」
玲央さんの言葉に、抗うことができない。
下手だけど、自分から玲央さんの上で動いてみた。
「ああ、上手だよ。ひより。」
玲央さんの悶える顔が見える。
ああ、私。玲央さんを抱いている。
そう思う度に、玲央さんの体の深く深くへ、自分の体を沈ませた。
「ああ、玲央さん……私……」
たまりかねて玲央さんが、私の体を抱きしめてくれた。
12
あなたにおすすめの小説
【完結】あなた専属になります―借金OLは副社長の「専属」にされた―
七転び八起き
恋愛
『借金を返済する為に働いていたラウンジに現れたのは、勤務先の副社長だった。
彼から出された取引、それは『専属』になる事だった。』
実家の借金返済のため、昼は会社員、夜はラウンジ嬢として働く優美。
ある夜、一人でグラスを傾ける謎めいた男性客に指名される。
口数は少ないけれど、なぜか心に残る人だった。
「また来る」
そう言い残して去った彼。
しかし翌日、会社に現れたのは、なんと店に来た彼で、勤務先の副社長の河内だった。
「俺専属の嬢になって欲しい」
ラウンジで働いている事を秘密にする代わりに出された取引。
突然の取引提案に戸惑う優美。
しかし借金に追われる現状では、断る選択肢はなかった。
恋愛経験ゼロの優美と、完璧に見えて不器用な副社長。
立場も境遇も違う二人が紡ぐラブストーリー。
【完結】エリート産業医はウブな彼女を溺愛する。
花澤凛
恋愛
第17回 恋愛小説大賞 奨励賞受賞
皆さまのおかげで賞をいただくことになりました。
ありがとうございます。
今好きな人がいます。
相手は殿上人の千秋柾哉先生。
仕事上の関係で気まずくなるぐらいなら眺めているままでよかった。
それなのに千秋先生からまさかの告白…?!
「俺と付き合ってくれませんか」
どうしよう。うそ。え?本当に?
「結構はじめから可愛いなあって思ってた」
「なんとか自分のものにできないかなって」
「果穂。名前で呼んで」
「今日から俺のもの、ね?」
福原果穂26歳:OL:人事労務部
×
千秋柾哉33歳:産業医(名門外科医家系御曹司出身)
腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~
有木珠乃
恋愛
両親を亡くし、二人だけの姉妹になった一ノ瀬栞と琴美。
ある日、栞は轢き逃げ事故に遭い、姉の琴美が務める病院に入院することになる。
そこで初めて知る、琴美の婚約者の存在。
彼らの逢引きを確保するために利用される栞と外科医の岡。
「二人で自由にならないか?」を囁かれて……。
一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
椿蛍
恋愛
念願のデザイナーとして働き始めた私に、『家のためにお見合いしろ』と言い出した父と継母。
断りたかったけれど、病弱な妹を守るため、好きでもない相手と結婚することになってしまった……。
夢だったデザイナーの仕事を諦められない私――そんな私の前に現れたのは、有名な美女モデル、【リセ】だった。
パリで出会ったその美人モデル。
女性だと思っていたら――まさかの男!?
酔った勢いで一夜を共にしてしまう……。
けれど、彼の本当の姿はモデルではなく――
(モデル)御曹司×駆け出しデザイナー
【サクセスシンデレラストーリー!】
清中琉永(きよなかるな)新人デザイナー
麻王理世(あさおりせ)麻王グループ御曹司(モデル)
初出2021.11.26
改稿2023.10
不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました
入海月子
恋愛
有本瑞希
仕事に燃える設計士 27歳
×
黒瀬諒
飄々として軽い一級建築士 35歳
女たらしと嫌厭していた黒瀬と一緒に働くことになった瑞希。
彼の言動は軽いけど、腕は確かで、真摯な仕事ぶりに惹かれていく。
ある日、同僚のミスが発覚して――。
推しを愛でるモブに徹しようと思ったのに、M属性の推し課長が私に迫ってくるんです!
寺原しんまる
恋愛
成人してから母親の影響でBLに目覚めた西浦瑠璃子。そんな時、勤務先の東京本社に浮田卓課長が大阪支社から移動してくる。浮田課長は流行のイケオジで、自分のBL推しキャラクター(生もの)にそっくりだった。瑠璃子はBL世界のモブに徹しようと、課長に纏わり付く女子社員を蹴散らしていくのだが、どうやら浮田課長はその男前な性格の瑠璃子にある秘めた感情を寄せていく。
浮田課長はSMのM属性。理想の女王様を探していた。そんな時に部下である瑠璃子の物事をハッキリ言う性格に惹かれ、尚且つヒーロー的に自分を助けてくれる瑠璃子に理想の女王様像を重ねていく。
そんなチグハグな思いを内に秘めた二人が繰り広げる、どこかすれ違っているお話。
この作品はムーンライトノベルズ、魔法のIらんどにも掲載しています。
~ベリーズカフェさんに載せているものを大幅改稿して投稿しています~
地味系秘書と氷の副社長は今日も仲良くバトルしてます!
楓乃めーぷる
恋愛
見た目はどこにでもいそうな地味系女子の小鳥風音(おどりかざね)が、ようやく就職した会社で何故か社長秘書に大抜擢されてしまう。
秘書検定も持っていない自分がどうしてそんなことに……。
呼び出された社長室では、明るいイケメンチャラ男な御曹司の社長と、ニコリともしない銀縁眼鏡の副社長が風音を待ち構えていた――
地味系女子が色々巻き込まれながら、イケメンと美形とぶつかって仲良くなっていく王道ラブコメなお話になっていく予定です。
ちょっとだけ三角関係もあるかも?
・表紙はかんたん表紙メーカーで作成しています。
・毎日11時に投稿予定です。
・勢いで書いてます。誤字脱字等チェックしてますが、不備があるかもしれません。
・公開済のお話も加筆訂正する場合があります。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる