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3、次の婚約者
⑤
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その時、遠くから聞こえたのは、鋭く裂ける風の音。
「待った!!」
高らかな男の声が、静寂を破った。
会場がざわつく。扉が――勢いよく開かれる。
光の中、砂塵を巻き上げて現れたのは、漆黒の騎士服に身を包んだ一人の男。
剣を腰に携え、真っ直ぐな瞳で私を見つめていた。
「……グレイブ」
私の頬を涙が伝った。
「アーリンを返してもらう。」
そう言ってグレイブは祭壇の前に進み出た。
その眼差しには一点の迷いもなかった。
会場にいた誰もが言葉を失い、ただ彼の姿を見つめていた。
だが、静寂を破ったのは、ベンジャミン王子だった。
「やすやすと妻を渡すものか!」
鋭い声と共に、腰の剣を抜く。
その光は、まるで王族の誇りそのもの。
「護衛を呼べ!」
誰かが叫んだが、ベンジャミンは手で制した。
「この男は俺が倒す。」
空気が張り詰め、ついに二人の剣がぶつかり合う。
金属音が響き、会場の装飾が震える。
一撃、一撃が重く、鋭く、ただの剣戟ではなかった。
グレイブは騎士団長としての技量を余すことなく披露し、王子は王族として鍛え抜かれた強さを誇示する。
「さすがは次期国王だな……」
グレイブが息を吐きつつ言った。
「当然だ。私にかかってくる者など、誰であろうと打ちのめす!」
ベンジャミン王子の剣がグレイブの肩をかすめる。血がにじむ。
会場にどよめきが走る。
誰もが、王子の勝利を確信した瞬間だった。
――その時。
「グレイブ!!」
私はありったけの声で叫んだ。
それは言葉以上の力を持っていた。
私の心からの願いが、その名に込められていた。
その瞬間、グレイブの目に、炎が宿った。
彼の剣が鋭く閃き、まるで風を切り裂くように、ベンジャミンの防御を貫いた。
「ぐっ……!」
王子の剣が吹き飛び、膝をつく。
会場が静まり返る。
「……勝負はついた。」
グレイブは静かに言った。
私の元に歩み寄ると、彼女の手を取り、しっかりと握る。
「君を、取り戻しに来た。もう誰にも渡さない。」
私は震える声で応えた。
「……来てくれて、ありがとう。」
その姿を見て、誰もがもう何も言えなかった。
私の目には、もう迷いなどひとかけらもなかったのだから。
「待った!!」
高らかな男の声が、静寂を破った。
会場がざわつく。扉が――勢いよく開かれる。
光の中、砂塵を巻き上げて現れたのは、漆黒の騎士服に身を包んだ一人の男。
剣を腰に携え、真っ直ぐな瞳で私を見つめていた。
「……グレイブ」
私の頬を涙が伝った。
「アーリンを返してもらう。」
そう言ってグレイブは祭壇の前に進み出た。
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会場にいた誰もが言葉を失い、ただ彼の姿を見つめていた。
だが、静寂を破ったのは、ベンジャミン王子だった。
「やすやすと妻を渡すものか!」
鋭い声と共に、腰の剣を抜く。
その光は、まるで王族の誇りそのもの。
「護衛を呼べ!」
誰かが叫んだが、ベンジャミンは手で制した。
「この男は俺が倒す。」
空気が張り詰め、ついに二人の剣がぶつかり合う。
金属音が響き、会場の装飾が震える。
一撃、一撃が重く、鋭く、ただの剣戟ではなかった。
グレイブは騎士団長としての技量を余すことなく披露し、王子は王族として鍛え抜かれた強さを誇示する。
「さすがは次期国王だな……」
グレイブが息を吐きつつ言った。
「当然だ。私にかかってくる者など、誰であろうと打ちのめす!」
ベンジャミン王子の剣がグレイブの肩をかすめる。血がにじむ。
会場にどよめきが走る。
誰もが、王子の勝利を確信した瞬間だった。
――その時。
「グレイブ!!」
私はありったけの声で叫んだ。
それは言葉以上の力を持っていた。
私の心からの願いが、その名に込められていた。
その瞬間、グレイブの目に、炎が宿った。
彼の剣が鋭く閃き、まるで風を切り裂くように、ベンジャミンの防御を貫いた。
「ぐっ……!」
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私の元に歩み寄ると、彼女の手を取り、しっかりと握る。
「君を、取り戻しに来た。もう誰にも渡さない。」
私は震える声で応えた。
「……来てくれて、ありがとう。」
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