一から十までの距離・弐:一方的な矢印の春~オレがストーカーを守るまで~

森崎こはん

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終盤

46.終盤14(大吾視点)※強姦

 実質のクビ宣言を出された翌日、大吾は会社を休んだ。漆野からは職場で近寄ることを許されず、玖音からは職場に不要とハッキリと言われてしまった。そんな仕事場に行く意味も無かろう。

 シャツが肌にへばりつく蒸し暑い夕方だった。大吾は路地裏で薄暗く光るスマホを見ていた。

「確か、漆野さんが今日泊まるホテルはこの道が最短だから……ここを通るはず。」
スマホに映る漆野の位置情報をじっと目で追う。この角を曲がれば、大吾が今いる通りだ。けれども漆野は、手前の角を曲がり、大吾から遠ざかる。

(裏切られた!)

 視界が急に狭まる。呼吸が荒くなり、居ても立ってもいられない。大吾は漆野のもとへ急ぎ、漆野の腕を無言で掴む。一瞬漆野と目が合ったと思うと、漆野は何も言わない。何も見ない。ただ、悪質なキャッチに遭ったときのように腕を振るう。

(僕から逃げたい、見たくもないんだ……でも……裏切ったのは漆野さんが先だし……)
大吾は力ずくで漆野を路地裏に連れ込む。嫌われてもいい。 嫌われるくらいなら、まだ繋がっている。

「どうして裏切ったんですか?玖音さんの命令ですか?」
目すら合わせてくれない漆野の腕をさらに力を込めて握る。痛がっているのに、手が離れない。裏切りを問い詰めなければ。

「裏切ってない。離して。君のやってることは犯罪だよ。」
漆野は目を斜め下に逸らしながら震える声で抵抗する。「犯罪」との言葉に反応した大吾は自分に恐怖を覚えて、なんとかごまかそうと漆野を地面に押し倒す。自分が何をしているのか、一瞬だけ分かった。だからこそ、分からないふりをした。

 ポツリポツリと夕立が降り始めたと思えば、いつの間にかざあざあと大吾の身体を濡らしていく。

「漆野さん、そんな犯罪だなんて……拒絶しないでください。」
「全部事実でしょ?もう離して。離さなかったら警察を呼ぶ。」
漆野は腹を括ったのか、真っ直ぐに怒りを灯した目で五藤を見つめていた。

「ねぇ、漆野さん。ボク、漆野さんに拒絶されたら、本当に死んじゃいそうなんです。どうして拒絶するんですか?」
「犯罪者だから。」
漆野の強烈なひと言に大吾は身体のバランスを崩す。自分が犯罪者?ただ漆野のことが好きなだけだったのに?恋人として振る舞いたかっただけなのに?

「離して。」
漆野が立ち上がろうとうつ伏せになった途端、大吾の欲望も立ち上がる。恋人らしいことをすれば漆野も分かってくれるはず。触れ合えば、きっと分かる。だって好きなんだから。

 大吾は漆野のスラックスを強引に下ろすと、恐怖による興奮で膨れ上がった大吾の欲望の象徴を、漆野のナカにねじ込もうとする。

「やめてっ!ごと……う……」
大吾は漆野の顔を無理やり上げて、噛みつかんとばかりに唇を奪う。漆野の唇はひどく冷めきっていた。

「漆野さん、大好きです。」
「オレは……だいっ……きら……」
「漆野さん、今、声を出したらどうなるかわかりますよね?」
都合の悪い言葉を遮る為に、ナイフのような声で脅す。漆野は目をギュッと瞑って苦虫を噛み潰したような顔をしていた。

「漆野さん、力抜いてください。ナカに入れますから……。」
それでも漆野の肛門は固く閉ざされていた。大吾は仕方なく指を入れると、「グッ……」と堪える音と共に漆野は地面を叩いていた。それでも尚拒絶するのか。大吾の指が漆野のどこかを傷つけてしまったようで、漆野のナカから抜いた大吾の指にはベットリと血が付いていた。

「はぁ……はぁ……」
苦しそうに息する漆野のナカに大吾のモノを入れる。血のおかげか滑りが良く、大吾はモノを漆野の血まみれにしながら気持ちよく出し入れしていた。

「漆野さん、出しますよ?」
大吾は漆野のナカに自分の分身を流し込む。これで漆野は分かってくれたはず。スッと身なりを整えて、漆野を見下ろすと、急に罪悪感が襲ってくる。

 血まみれの下半身に雨に濡れた上半身、顔は涙と唾液でぐちゃぐちゃになっていた。
「でも、これは、漆野さんが拒絶したせいですからね。」
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