幼馴染み(♀)がプレイするMMORPGはどうしてか異世界に影響を与えている

坂森大我

文字の大きさ
171 / 226
第四章 穏やかな生活の先に

四日が過ぎて

しおりを挟む
 四日が過ぎていた。初日こそ八万ナールを売り上げた諒太だが、二日目以降は落ち込んでおり、これまでの六日間で十五万ナールしか稼いでいなかった。

「リョウ様、今日は母の誕生パーティーです。高額商品を販売し、何とか百万ナールを達成いたしましょう」
 ロークアットが話すように、本日はセシリィ女王陛下の誕生パーティーが催される。
 これまで上位変換に否定的であったロークアットも、流石に危ないと感じたのか在庫品の上位変換に了承していた。許可を得た諒太は店舗にあった高級品だけでなく、新たに大量の高級品を錬成している。語るまでもなく、回復の兆しを見せていたリナンシーの魔力は再び底を突いていた。

「正直にヤバいよな……」
「きっと沢山購入いただけるかと。聖王国の貴族だけでなく、皇国や王国の貴族様もいらっしゃいますし」
 本当に頼みの綱となってしまった。初日は借金完済に自信を深めていたけれど、今やその自信も風前の灯火である。

「リョウ様も出席いただきますので、お店の方はお休みしてください。色々と準備もございますし」
 六日目の営業は中止するようにと言われてしまう。開店さえできたのであれば、一万ナールくらいにはなったというのに。

「マスター、それでしたら私がお手伝いしましょうか?」
 ここでソラが店番を買って出た。しかし、彼女は聖王城のメイドとして働いており、給金も与えられている。よって職務を投げ出すような話には同意できない。

「ソラ、気持ちは嬉しいけど、流石にメイドの仕事をしなきゃいけないよ。パーティーの準備とかいつも以上に仕事があるだろ?」
「それでしたら、ソラさんには夕方までお店番をしていただき、早めにお店を閉めて会場の方を手伝っていただきましょうか」
 諒太的には駄目だと考えていたというのに、ロークアットがソラに許可を出した。
 ロークアットが問題ないというのなら、諒太はお願いするべきだろう。ソラの給金は一日当たり五千ナールであるし、アトリエの売り上げは恐らくそれ以上になるはずだ。

「じゃあ、頼むよ。値段は陳列ごとに書いてあるから分かるな?」
「もちろんでございます! 身も心も商品も売って参ります!」
「商品だけにしろ。寧ろ前二つは売るな……」
 一抹の不安を覚えつつも、諒太はソラに店番を任せることに。

 あと75万ナール。高級品はロークアットの提案で一個あたり二万ナールに設定している。従って用意した四十個を完売すれば諒太は借金完済ができた。

「ロークアット、高級品は裸で売るものじゃないよな?」
 ここで気になることがあった。一般市民用のアクセサリーは商品を袋に入れるだけ。しかし、二万ナールという高級アクセサリーを箱にも入れずに販売するのはどうかと思う。

「そうですねぇ。見本品以外は箱に入っていた方がよろしいかと存じます。一万ナールでも相場より高めですから……」
 相場の倍額にしたのは王家御用達としての格だとロークアットは話していた。だからこそ気になる。包装や入れ物にも付加価値が必要ではないかと。

「しょうがない。作るか……」
「それでしたら、わたくしの部屋で錬成しましょう。木材や布があればよろしいですか?」
「頼む。古い紙でもボロ雑巾でも構わん。上位変換するから……」
『や、やめるのじゃ……』
 いつものように反応があり、諒太はホッとしている。上位変換を追加で行っていたから、少しばかり気になっていたのだ。

「よし、商品の数だけ上位変換するぞ!」
『婿殿はど畜生なのじゃ……』
 これより諒太は大一番に向け準備に入る。王家御用達に相応しいパッケージを製作してやろうと思った。

 正直に女王陛下の誕生パーティーだなんて気が引けるイベントであったけれど、ここまで来てしまってはやるしかない。何としてでもゴールデンウイーク中に借金を完済すべく、諒太は動き始めていた……。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 連日に亘って迷子イベントを消化しつつも、レベリングに精を出したマヌカハニー戦闘狂旗団。予定通りに彩葉のレベルは90を超え、今や95という立派な大魔道士となっていた。

「やっぱ90からは上がりにくいね……」
「でもさ、ナッちゃんがいてくれたから、90までは超高速だっただろ? あんなにハピルが湧くなんてビビったぞ……」
 レベル90から110は今のところ適切なダンジョンがない。よって三日を費やしても彩葉のレベルは5しか上がっていなかった。

「ここからはレベリングメインじゃ無理だ。戦闘貢献度は下がるが、寄生レベリングしかあるまい?」
 タルトが意見する。戦闘貢献度が下がると取得経験値は下がってしまう。けれど、適切な狩り場がない以上はメリットがある戦いをすべきだと。

「ならドロップも狙うってこと?」
「勇者ナツよ、珍しく察しがいいな! 聖王騎士イロハに合わせても得られるものは少ない。ならば我々にも利のある方が効率的といえよう。此度の寄生プレイは仕方がないことだ!」
 概ね廃プレイヤーは寄生プレイを嫌がる。戦闘に参加してこそ醍醐味であるのだと。

「まあ、タルトの言う通りかもな。寄生したとして、今よりもレベルは上がるはず。俺らに合わせた方が手っ取り早い」
「うーん、仕方ないかぁ。四日も付き合わせてきたし……」
 彩葉としても早く三桁に乗りたかった。日々有名になっていくマヌカハニー戦闘狂旗団にあって、自分のレベルだけが二桁であるのは割と精神的にきつかったのだ。

「じゃあ、どこにするん? イロハちゃんは希望とかある? 超高難度ダンジョンはわたしも行ったことないねんけど……」
 基本的に僧兵使いのチカは最新の超高難度ダンジョンを攻略できなかった。レベルキャップが100である僧兵を幾ら連れていようが戦えないのだ。

「できたらSランクスクロールが欲しいんだよね。この前、アアアアさんが自慢げにSランク魔法を唱えててムカついたからさ!」
「ムカついたはねぇだろ? んじゃ、お前の得意属性は何だよ?」

「私に得意も不得意もない! 前回も今回も平均的な冒険者なんだわ!」
 彩葉の初期ステータスはほぼ全て3である。基本的に何でもこなせる器用貧乏であり、彼女が得意とするものもない。強いて言えば初期値が4に上がった賢さくらいである。

「ならば聖王騎士イロハ、悪魔公爵クロケルはどうだ? クロケルならスクロールをドロップするかもしれない。それに新ダンジョン『サンセットヒル』はまだ誰も攻略していないのだ。我らマヌカハニー戦闘狂旗団が先陣を切るべきだろう?」
 タルトが話す悪魔公爵クロケルは実装された新ダンジョンのボスであると発表されている。また新ダンジョン『サンセットヒル』は以前の大型アップデートに含まれていたものの、未解放のままであった。

 未解放であったのは先日まで残り二つ。その内の一つがサンセットヒルであって、ゴールデンウイークイベントの目玉として昨日解放されたばかりだ。

 スバウメシア聖王国にできたという新ダンジョン。サンセットヒルは超高難度となっており、激レアアイテムが手に入るらしい。

「タルトさん、サンセットヒルに氷スクロールあると思う? まだ氷属性はどのダンジョンでもドロップしてないんでしょ?」
「恐らくは新ダンジョンにあるからだろう。サンセットヒルは実装されたばかり。ボスであるクロケルは水を操る悪魔だ。ならば水の派生属性である氷属性がドロップしてもおかしくはない。またスクロールがドロップする確率は高いと踏んでおる。なぜなら現状は物理攻撃が魔法攻撃よりも有利。雷属性と同じようにスクロールから実装されるのが筋だ」

 タルトの予想に彩葉はなるほどと返す。前衛ジョブは種別ごとに熟練度が設定されている。従って剣士が剣を替えたとして剣術の熟練度に変化はない。対してスクロールは単体での熟練度が設定されているため、魔道士は剣士よりも育成が困難となった。

「仮に物理武器がドロップアイテムに含まれていたとしても、そのドロップ確率は最低だろう。スクロールのドロップ確率より低く設定してあるはずだ。魔道士にはそれくらいの優遇があると考えている」
「よっしゃ、ならサンセットヒルに決定だな! 氷属性スクロールゲットだぜ!」
「アアアアさん、言っとくけど、私もサイコロ振るからね? 冷血の悪役令嬢には氷属性が必須なのよ!」

「じゃあ、後腐れはなしな? 俺が勝っても文句言うなよ?」
「はん! こちとらナツ以外に負けるとは考えてない!」
 ドロップアイテムの争奪戦。割と彩葉は自信があった。平均的なステータスを持つ彼女。一般的にラックは上がりにくいというのに、幸運値は他のステータス並に上がっているのだ。

「ふはは! 皆の者、盛り上がってきたな! では向かうとしよう。目的地はサンセットヒルだっ!」
 これにて目的地が決定した。全員が意気込んでいたけれど、どうしてか申し訳なさそうに夏美が手を挙げる。

「どこにあんの? サンセットヒル……」
 言われて初めて気付く。そういえば誰も行ったことがない。夏美の疑問を受けて、四人共がお知らせを開くけれど、そこに明確な情報はなかった。

『新ダンジョン実装のお知らせ』
 五月三日より新ダンジョン【サンセットヒル】を解放いたします。スバウメシア聖王国にある新ダンジョンでは新属性のアイテムが手に入るかも!?
【超高難度ダンジョン】推奨レベル120(パーティー平均110必須)

「ええ? 嘘だろ? 運営馬鹿すぎねぇ?」
 アアアアが溜め息と共に言った。皆が属性アイテムしか気にしていなかったのだ。スバウメシア聖王国にあるのだけは分かったけれど、明確な位置は記されていない。

「聖王国って広すぎんだろ? どこにあんだよ?」
 アルカナのゲーム世界は一つの大陸を三つのエリアに分けていたのだが、大陸の南東にアクラスフィア王国があり、大陸の西に細長く伸びるのがガナンデル皇国であった。ダリヤ山脈を隔てた北側は概ねスバウメシア聖王国である。

「あ、掲示板立ってるわ! えーっと……」
 チカが掲示板をチェックするとサンセットヒルに関するスレッドが立っていた。昨日実装されたのだから、もう場所くらいは判明しているのかもしれない。

「あっ、あかんわ! スレッド伸びてないし、愚痴ばっかしなんよ!」
「本当!? チカちゃん、よく見てよ!」
 夏美がチカに情報を求めるも、顔を振るだけだ。掲示板には運営の悪口があるだけで、一つとして情報はなかった。

「ふはは! それでこそ冒険じゃないか! よし、ならば我らマヌカハニー戦闘狂旗団の仕事だ! 一番乗りを果たすぞ!」
 諦めるのかと思いきや、そこは廃プレイヤークラン。誰も見つけていないというのなら、探し出すだけである。余計にやる気を出していたのは間違いなかった。

「よっしゃ、ワイバーンを借りて上空から探そう! チカちゃんのお金で!」
「いいな! チカのお金でワイバーンを借りるぞ!」
「まあええけど、感謝しいよ?」
 笑い合う五人。まるで新しいフィールドが開放されたかのように昂ぶっていた。前人未踏の大地へと真っ先に降り立つのだと。

 マヌカハニー戦闘狂旗団は一番手であることを疑わない……。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~

カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。 気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。 だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう―― ――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

処理中です...