乱交パーティ会場のワケあり清掃員は、メガネ紳士に恋をする。

散りぬるを

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答え合わせ(1)

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 二人でベッドの上の方へと移動する。
 乙津さんは眼鏡を外し、ヘッドボードに置いた。
 眼鏡を外しただけで少し若返って見えたし、やっぱりすごくカッコいい。
 乙津さんはあぐらをかいて座り、その上に私が座った。横抱きをされるような体勢だ。

「乙津さん、見えてますか?」
「ええ。そこまで目が悪いわけではありません。運転する時に、一々眼鏡をかけるのが面倒なので、いっそかけたままでいようと」
「あ、なるほど」
「なので、立木さんの些細ささいな変化も見逃しませんよ」

 正面から見つめ合うと、かなり恥ずかしい。それなのに、目をらせなかった。
 見れば見るほど、いい男だな、と感慨にふける。

「ふっ、すごい見られてる」
「眼鏡を外すと雰囲気変わりますね」
「どちらが好きですか」
「どっちも好――素敵ですよ」
「残念。引っ掛からなかったか」

 乙津さんはクスクス笑って、私の手を握った。
 それから、私たちは手を繋いで他愛もない話をした。しばらくすると体の強張りも取れて、談笑できるほどリラックスしていた。

「唇や口の中も性感帯だって知っていますか?」

 話題が切り替わると同時に、私の肩を抱いていた大きな手が、流れるように腕から腰を撫でていった。
 乙津さんの手をぎゅっと握り、頭を横に振る。

「キスでも、感じられるんですか」
「はい。キスで気持ち良くなれたら、相性が良いとも言えますね。俺たちはどうでしょう。あとで、答え合わせをしましょうか」
「今じゃないんですか?」

 私の視線は、乙津さんの唇と目を行ったり来たりしている。早くキスしたくてウズウズしていた。
 私の心を見透かすように、乙津さんは目を細めた。

「まだ、ダメ」
「……焦らしプレイって、我慢大会ですね」
「そんな可愛い顔でねないでください。キス、したくなってしまうじゃないですか」
「……して、ください」
「いいですよ」

 繋いでいた手をほどき顎を持ち上げられ、自然と顔が近づく。唇が重なるのを期待してそっと瞼を下ろした。が、もう触れても良い頃合いなのに感触がない。と思ったら、耳先をパクリと口に含まれた。

「あっ」

 ジュッと吸いつかれて反射で首を縮めた。何度もねっとりと吸い上げられ、下腹部がきゅうっと反応してしまう。

「違っ……そっちじゃない……」

 快感にのけぞる私を乙津さんはしっかりと支えて、耳の中を舌先でくすぐってくる。

「こっちじゃなかった? じゃあ、こっち?」

 乙津さんは、わざとキスしそうな距離で顔を通過させて、今度は反対側の耳にしゃぶりつく。
 刺激を与えられているのは耳だけなのに、胸や腰、下腹部が甘く痺れてくる。
 乙津さんのゆったりとした鼻息さえも、私を興奮させた。
 これが気持ちいいって感覚なのか。どこもかしこも、疼いて仕方がない。

「ん、はぁ……乙津、さん」
「ん?」
「気持ちっ……いい、かも」
「嬉しいです。俺が、あなたを感じさせた初めての男ですね」

 優しく微笑まれるとくすぐったい気持ちになる。
 にやける唇を引き結んで、でも、感じられた嬉しさに耐えられなくなって笑ってしまった。

「こんなに簡単に感じちゃって、悩んでいたこの数年間はなんだったんだろって感じ」
「トラウマ克服ですね」
「はい。ありがとうございます」
「どういたしまして。……ここまでにしますか?」

 乙津さんが寂しげにいてくる。
 ここまで昂たかぶらせておいて、その確認はずるい。
 私は乙津さんの上から一度下りて、今度はあぐらの上にまたがって腰を落とした。
 乙津さんの首に腕を回して抱きつくと、乙津さんは私の背中に手を回してくれる。

「私、そこまで初心じゃないですよ……。それに、相性の答え合わせしてないし、そもそも他の愛撫で感じるかどうかは別問題だし……」
「そうでしたね。答え合わせ、しましょうか」
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