神官様は今日も協会の子達のために奮闘する。

なかたか

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目指せ冒険者ギルド。

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 竜はこのあと、すぐにノヴァの拘束を外し、なき散らす彼女を必死に介抱した。その介抱をするなかで竜は自分の無実潔白を必死にノヴァに告げ続けた。それをノアたちは椅子に座りながら物静かに見守っていた。
 そして、やっとで泣き止み、少し冷静になるノヴァ。
 目にはまだ涙あとが残っていた。

 この介抱の結果、ノヴァはまだまだ竜に不遜心を抱いていたが、信じてみようレベルまでには達していた。
 ノヴァはベッドの上に一人座っている。
 竜はそんなノヴァに聞いてみた。なぜ、自分を殺そうとしたのかと。

「私は彼女たちから聞いたんだぞ。貴方がどうしようもない鬼畜なロリコンで、ノアちゃんたちを蹂躙する変態だと」

 はて? 竜は見に覚えのない事に首を傾げた。そして、瞬時に後ろを向く。

「お前ら、本当になにもいってないのか?」

 疑い深く、竜はじとめでノアたちをみた。

「.........」「...........」「...........」「.........」

 そらす視線。そむける顔。うつむく体制。竜は察した。こいつらは何か言ったのだと。
 
「はぁー、なんかすみません。こんなことをしてしまって。そ、その、先程のことは騎士団に報告は控えてほしいのですが、だめ、でしょうか?」

 竜は誠心誠意を不馴れながらも示し、ノヴァに向かいながら、謝る体制をしていた。
 
「い、いや。それなら私のほうが悪いのだ。私の勘違いで貴方を殺そうとし、それに五里霧中だったとはいえ、貴方を蹴った。 そ、それと......//」

 竜の誠意を見せられたノヴァは、自分の謝りを公認するとともに、前回のお漏らしの件を思いだし頬を赤らめた。

「先程の、その、先程の私の失態は他言無用でお願いできないだろうか?」

 耳まで真っ赤にし、目をそらしなら言うノヴァは、その風雅な姿とは裏腹にギャップ萌でかわいかった。
 
「あ、はい。お漏らしのことですね。安心してください。絶対にいいません。お漏らしをしたってのは」

 至って真面目に竜は言った。しかし、ノヴァは自分の気持ちを汲み取ってくれない竜に顔をさらに赤くする。

「そ、その。できれば、もうお漏らしのことも口にしないではくれないか? わ、わたしの前でも、だ//」

 きゅっと自分の太もも部分のズボンに両手でつかみながらも、恥ずかしいと体で表現するノヴァ。
 竜は「わ、わかりました」とその姿にたじろぎながら言った。

 すると、その後ろにいたノアがいきなり竜に抱きついてきた。

「うあおっ!」

 いきなりの衝撃に竜は声をあげた。

「神官様! それ以上はダメです! なんだかダメです!」

 一生懸命な表情のノアに、竜はなにがダメなのかが分からなかったが、「わかった、わかったってば」とノアをあしらった。

「わかってません! なんかモヤモヤします!」

 ぎしゃーと身をうじうじさせるノア。その様子にノヴァは少しだけ目を見開いていた。

「というか、新刊様は今日、こんな羞恥プレイをするためにここにきたんじゃないじゃないですか!」

「いや、お前さっきまで何か楽しがってたじゃん! てか羞恥プレイいうな!」

「まるっきり羞恥プレイだったじゃないですか! その羞恥プレイまでのは楽しかったです! でもこんないい雰囲気は私的に楽しくありません! むしろ不愉快です!」

「あ″ー分かったって! もう、こんないい雰囲気を醸し出さないから! っていい雰囲気か?」

 めんどくさい竜はノアが納得してくれるように、有無を言わせずノアの言葉に同調した。しかし、少しかえりみてみると、そんないい雰囲気だったか? と、竜は自問自答をするようにそう思った。

「.....分かりました」

 ノアは竜にじとめで答えた。
 
「あぁ、わかってもらえたようで何よりだよ」

 納得のいかない所が多いが、頭をがしがしとかきながら竜は言った。

「はははは、貴方たちは仲が本当に良いのだな...マッタク、シットスルジャナイカ」

 ノヴァは少し、よろしくない事を言ったような気もするが、竜たちはそれに気づきはしなかった。

「どうだろうか? 話を聞く以上、どうやら仕事を探しているそうじゃないか。私でよければ相談にのるぞ?」

 竜はノヴァの言葉にすこし驚く。
 ハッキリ言って、竜は分からなかったのだ。自分を縛った相手になんで助けてくれのか? と。

「あ、あの。ありがたいんですが。いいんですか? さっき和解したとはいえノヴァさんを縛った奴なんですよ? 普通なら即刻ここから逃げたい。とは思わないんですか?」

 すこし、ストレートな質問だったのかもしれない。竜は自分のそんな口下手さに嫌気がさしながらも、真っ直ぐとノヴァをみて言った。

「いや、ノアちゃんたちがかわいいから一緒にいたいだけだ」

 ノアたちを恍惚な表情で見つめるノヴァを見て、竜はこういう事か。と内心で納得した。
 
(この人あれだ。百合なんだ) 

 竜は薄々感づいていた。縛られていてもイヤらしい瞳でノアたちを時々見ていたからだ。もしかしたらショタロリ属性もあるかもしれない。

「そういうことなら助かります」

 にっこりと、これだけ竜は言って、薄い表情でノヴァを見やった。これ以上なにも言うまい。

「で、どこに働こうか、決まっているのか?」

「えぇ、いちおう今から冒険者ギルドに行こうかと思ってまして」

 それを聞いて、ノヴァは少し目を見開いた。

「ほぉ、そう言う事なら、全面的に手伝えるかもしれないぞ」

 自信ありげにノヴァは言った。
 竜はそんなノヴァに疑問の眼差しを向ける。

「どういう、ことですか?」

「私が冒険者だからだよ」

 淡々とノヴァは言った。

「ほ、本当ですか!? あの、じゃあよろしくお願いします!」

 嬉しげに竜はもうけものをしたと、喜んだ。

「じゃあ、案内しよう。 もちろんノアちゃんたちも来るのだろ?」

 チラっチラっと物欲しげにノアたちに目を向けるノヴァ。

「はい! 行きますよ!」

 ノアは元気にそう答えた。

(やっぱりどうしようもない人なんだな)と竜は残念に思いながらも、許容した。

 かくして、一行が向かうのは冒険者ギルドである。



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