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ヒェーバーゴールデンウォータ!
しおりを挟む──────クッ! 殺せ!! こんな辱しめを受けるなら死んだ方がましだ!」
鬼の形相で竜をにらめつけ、勘違いするようなことをわめくノヴァ。
今、ノヴァは椅子に頑丈なロープでぐるぐる巻きにされていた。
そんなノヴァを竜は頭を抱えて見ていた。
ここは宿屋『ボコボット』の借り部屋の一室である。
そして、その一室でカエデたちは竜の後ろに立っていた。
なぜ、こんな状況になったのかは少し前まで遡る。
遡ること先程の竜が殺されかけた時間まで。
竜は顔面の痛みを我慢しながらもヴぅッと悶絶をしながらもなんとか立ち上がった。
そして、先程の謎女を見下げる。
「痛つつ、.......いったいなんだったんだ? おい、ノエ大丈夫か?」
見下げはついで。立ち上がった本当の目的はノエの安否を確認するためだった。
「うぇえん、ひっグっ 怖かったよぉ」
抱き抱えるノアに、ノエはひとしきりに抱きつきながら嗚咽していた。
これでは話せそうにない。だが、身の安全は杞憂だったので竜はホッと胸を撫で下ろした。
「おい、ノア。この人いったいなんなんだ? て言うかどうやって知り合ったんだ?」
安心した次に、竜はもっともな疑問をノアに向けた。
ノアの話によると、こうだった。
ノアたちは優雅にティータイムをしていたと言う。そして、そんな時おりに見知らぬ青年たちがノアたちをナンパしたと、この時点で竜はキレそうになった。
話しをつづけよう。
ノアたちはそれを丁重にお断りしていた言う。しかし、青年たちは何故かデッドヒート。
無理矢理にでもノアたちを引き連れようとした。
その時だった。彼女が現れたのは。
颯爽と現れた彼女───ノヴァは、バッタバッタとその青年たちを投げては倒し、それは大層痛快だったとノアは言った。
そして、ノアたちはそのお礼にノヴァにお茶をご一緒し、奢らせてくれと頼んだのである。
しかし、ノヴァは当然のことをしたまでだ。と言ってやんわり断られていたのだと言う。しかし、礼をしたいノアたちはノヴァをなんとか説得し、結局お茶を一緒にしたということだった。
そこで、少し竜の話になり、自慢していたら、何故か会わせてくれないかとノアたちは問われた。
助けてくれたノヴァならば良いだろうとノアたは許諾(きょだく)した。ノアはここで少し神官がノヴァに惚れないか心配だったが、まぁ、神官様は変態ロリコンなので大丈夫だろうと見越し、良いだろうと判断を下したと言う。
そして一向たちはノヴァに竜を会わせるため竜を探しにいって、ついぞこうなったとノアは話した。
「まさか、お前、俺をその、じ、『自慢』していた時に何か変なこと言ったんじゃないのか?」
竜は少し「自慢」の部分を恥ずかしげに言って、ノアに聞いた。
「いえ! 私たちは真実を言ったまでです!」
真面目な態度に竜は呆気にとられたが、その分、ノアの言葉を信じてしまった。
「そ、そうか、ならいいんだが」
そして、竜は気絶しているノヴァを見て、
「これ、どうしようか?」
と、なやんだ挙げ句、ノアたちを自分の不手際の結果から助けてくれたんだ。そう思った竜は無下にこれを無視することをせずに、今から行く『ボコボット』という宿につれていこうと判断した。
そして、また暴れまわると危険なので、縛ったという結果になった。
時は戻ってボコボット宿屋。
「えーっと、で、なんで俺を殺そうとしたの?」
竜はしゃがみながら言った。
「そんなの、貴様がノアちゃんたちを、幼いことを良いことにあれこれ鬼畜調教していたからだ! 私は断じて許さんぞ! そんな羨ま、違う。 そんな非人道的な行い見過ごすわけにはいかない!」
(ええ!? いまコイツノアたちを調教するのが羨ましいって言おうとしたぞ!? いや、俺調教してないし!!)
竜は心のなかでこんがらがる。そして、その意を伝えるため、口を開いた。
「聞き過ごせないこと聞いてしまったが、それはおいておこう」
竜は淡々と、立ち上がりながら言った。
そして、話をつづける。
「なにか勘違いしてないか? 俺はノアたちを、そ、その、ち、ちょ、調教なんてしてしていないぞ」
竜はここで人前では「調教」もろくに言えぬ無駄な乙女さとシャイさを見せつけた。しかし、そんなのはノヴァには関係ない。
「うるさい! 変態の言うことなど聞けるか!
くそッ! まさか貴様、私にこれから、あんなことや、こんなこと、ハッ! まさかそんなことまでして私を恥辱する気だな!? 貴様に私の純潔をあげてやるくらいなら、いっそオークに強姦された方がましだぁ!」
いったい彼女の妄想はどこまで暴走するのか、まるで走りやむ気配がないノヴァ。竜は少し苛立ってしまう。
竜はその結果、怒気を含ませ、なおかつ静かに言った。
「ほう? ならこのままオークの巣に置いていってやろうか?」
それは静かな迫力を帯びており、ノヴァは「ヒッ!」とらしくない怯えかたをした。そして、涙目になりながら、自分の「オークの方がまし」発言に妄想してみて後悔した。
「嘘です! 嘘です! オークはいやぁぁあ! モンスターに犯されるぐらいなら人間に犯された方がマシぃぃー!! だからごめんなさい! やめて、それだけはやめてぇ」
人間はこんなにも簡単に崩れるのか。竜は人のそんな状況をみて、そう思わざるおえなかった。
「神官様。最低。ノヴァが可哀想」
後ろで様子を見ていたキャロが言葉を紡いだ。
「そうですよ! 乙女をこんなにまで泣かせるなんて。鬼畜です!」
(イヤ、なんで嬉しそうに言うんだよ)
続いて何故か鼻息を荒くしながら言うノア。
そして、発言こそしなかったが、ノエ、カエデはめちゃくちゃひいていた。
「いやいやいや、お前ら、俺はそんなことしないから!」
弁明を必死に竜は行った。そして、頭をがしがしかいて、そう言えばこの少女たちに弁明はいらなかったなと諦める竜。
なんだか腑に落ちないが、竜は前を見直した。
「...最後に聞く、なんで俺を殺そうとしたんだ?」
できる限り、優しく、泣かせず、柔らかい声をめざし、竜は言った。
これも目の前にいる、泣いているノヴァのためだ。
しかし、
「ごべんなさい いゃ、ひっぐっ、うぅ、オークだけはいゃ、うぅ」
なんだか罪悪感にさいなわれる竜。
「だから、神官様ヒドイ」
また、後ろからの声だ。静かに言ったのはやはりキャロだった。
「ヒューヒュー神官様キッチクゥ」
(いや、だからお前はなんで嬉しそうにしかも煽るように言うんだよ!)
「し、神官様、ノヴァが可哀想ですよ」
ノエも参戦してきた。
「流石に、これではノヴァ殿もいたましいです」
オロオロと言うカエデ。
そして、泣き止まぬノヴァ。
しかも、それからは神官様やめろコールがキャロを中心になりやまない。
中にはもっとやれぇと言う声もあったが竜はそれを無視して、ただ立ち尽くす。
そして、竜は流石に堪忍袋の緒が切れた。
「お前らァ! うるせぇんだよ!!!」
ダァン!と、足を地面に蹴りながら竜はそう言いはなった。
それを聞き、ぐっとおし静まるキャロたち一同。
ノアは「キャ、神官様こわぁい」と、やはり興奮ぎみに煽る。
そしえ、ノヴァはビックリしすぎて失禁をしていた。
プシャア、と聖なる黄金水が、椅子を溢れていた。
「は?」
そのノヴァの光景を見て、一同は驚いた。
そして、その中で驚いて声を発したのは竜だった。
「あ、ぁあ、見ないで、見ないでぇ、いゃ! みないでぇ!!」
叫ぶと、我慢できなかったのかさらに黄金水が溢れかえる。ぴちゃぴちゃと落ちる聖水がノヴァをさらに恥辱の渦へと落としていた。
「え、えぇぇ?」
もう、竜は困惑の声をあげるしかできない。
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