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おこぼれ話41 リョーマのクソせまい史~リザーブ給食史~

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小・中学校時代、不定期に「リザーブ給食」なるものが行われていた。
これは給食のメニューを選択肢の中から好きなものを選ぶというものだ。全員共通のメニューに加え、選択式のメニューが2~3種類用意され、実施の数週間前に配布されるプリントにどれがいいかを丸つけして先生に提出するのだ。
今回はこの給食で印象的だったメニューを語ってみよう。

まずは1年生の1学期の中盤ごろに行われた最初のリザーブ給食だ。
小学校の頃はプリントが低学年用と高学年用に分かれており、メニューの違いはないが、習う漢字に合わせて振り仮名等に違いがみられる。また、低学年用には「リザーブ」という単語の意味を知らない子たちに向けて「リザーブ」の文字の上に「せんたく(選択)・よやく」というひらがなの注釈がついていた。僕もリザーブという言葉の意味をこの時知った。
この時の選択メニューは「白米」と「コッペパン」の2種類。ごはんVSパン。我々に課された記念すべき初のリザーブはいきなりのライバル対決だ。
いきなり課された究極の選択。僕は悩みに悩んだ末にパンを選ぶこととした。なんやかんや言って僕はパン派だから。
それから数週間後の実施日。悩みぬいた末に選んだパンの味は格別であった。
しかし白米を選んだ班の仲間の女子が「このお米なんかもち米みたいで美味しい!」なんか言ってるのを耳にして「オレも米にしときゃよかったかねぇ…」とちょっぴり後悔もしたが。見た目はいつもの給食の白米なんだけどねえ…たまたま違う触感に感じたのかな…
時を同じくして配られた学級だよりには「”日本人ならやっぱりお米だ”なんて声もあがっていた。」との記述が。「誰が言ったのか知らないがカッコイイセリフ言ってくれるじゃないか!こちとらパンを選んだ理由何ぞ単に「パンが好きだから」だぞ!それ以上も以下もねーんだぞ!そんなセリフ聴けばチープなコメントしか出せないこっちが恥ずかしくなるわ!」…なんて思ったもんだ。

次にご紹介するのは2年生の1学期に行われたもの。
この時は丼の上に載せる具材を「かき揚げ(かき揚げ丼)」か「味噌カツ(味噌カツ丼)」かで選んだ。
前者はかき揚げに甘だれをかけて、後者はトンカツにみそだれ(赤みそ)をかけていただくのだ。
前者はかき揚げなので野菜がたっぷり入っているが、後者は肉なので野菜は一切なし。健康バランス的には前者のほうがよろしいのだが、一応共通メニューに野菜が入ったものが用意されているので後者を選んだとしても栄養バランスは補えるように考慮されている。プリントにも「味噌カツ丼は野菜が入ってないので共通の献立をしっかり食べて補いましょう」とのコメントがあった。
上記のような配慮があったとはいえ、僕は単品での栄養バランスの良い前者を選ぶのがお利口ってもんだろう。なんて子供ごごろに考え、僕はかき揚げ丼に丸を付けた。
同じくかき揚げ丼を選んだリュウくんは僕に「やっぱかき揚げのほうがいいよな?」なんて声をかけていた。僕も「やっぱそうだよな!」と返した。
その後、かき揚げ丼は予想通りのうまさであったが(というかかき揚げ本体よりたれがうまかった。たれが絡んだごはん好きなんだよね)、それからしばらくして通常の給食で食べた味噌カツ丼も美味であり(というかこっちもカツ本体よりたれがうまかった)、「こっちも十分うまいじゃん」なんて思ったのはいい思い出。

最後に紹介するのは5年生の時(詳細な時期失念)に行われた甘口と辛口、2種類のカレーを選ぶというもの。
辛いもの好きの僕が選んだのは迷いもなく後者だ。学校で辛いものを口にできる機会はめったにないという理由もある。というか給食に辛口カレーが登場したことが驚きであった。
僕はその日から実施日を今か今かと待ち続ける日々を送っていった。人生でこんなにも楽しみなリザーブ給食は初めてだ。
そして実施日当日、いよいよ辛口カレーを実食。しかしそのお味は…
「あれ?このカレー全然辛くないじゃねーか!」
僕だけじゃない、辛口カレーを選んだ他の子も…
「これ本当に辛口カレーなの!?」「まったく辛くねーな…」
カレーの容器にはちゃんと区別のために「甘口」「辛口」との張り紙がしてあったし、甘口のカレーを食べた子からの「辛い」というコメントも一切聞かれなかったので入れ違いというワケではなさそうだが…どっちも甘口をいれてしまったのか!?真相は闇の中である…
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