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第1部 アーケードカードゲーム史
アーケードカードゲーム戦国時代の到来と古代王者の栄枯
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ムシキング・ラブ&ベリーのヒットを境に、2005年前後からゲームメーカー各社が続々とアーケードカードゲーム市場に参入。
既存の人気キャラを起用したものから、子供に人気の題材を用いたオリジナルまで、世はまさに「アーケードカードゲーム戦国時代」となった。
今回はそんな時期に登場したアーケードカードゲームのなかからセガがその戦場に送り込んだ第三の刺客を考察してみよう。
そう、「古代王者恐竜キング」だ。今回はこの作品を自分なりに分析してみる。
ムシキング・ラブ&ベリーに続くセガが放った第三の矢。それはムシと並んで子供たちに人気の恐竜。
システムはムシキングのものを踏襲しているために「ムシキングの二番煎じ」だとか「ムシキングのムシを恐竜に変えただけ」なんて評価をされがちだが(そもそも元はムシキングの後継機になる予定だったものを、ムシキング人気継続中だったためにムシキングとともに市場に並べる結果となったという経緯がある)、恐竜キングも独自の要素を設けている。
大きなものがムシキングにはない「属性」の存在だ。炎・水・雷・土・草・風の基本6属性(さらに「秘」属性もある)が存在し、それぞれに相性がある。恐竜にもいろいろ種類があるわけだから、例えばトリケラトプスなどの角竜系は雷属性といった風に恐竜の分類ごとに属性分けがされているのも特徴的である。
さらにムシキングの究極必殺技に当たる「超わざ」も恐竜ごとではなく属性ごとにカテゴライズされており、ネーミングも漢字にカタカナの当て字を使うなどムシキングの技とは差別化を図っている。
僕としては当時「漢字にカタカナをあてた名前がカッコイイ」と思った。漢字にカタカナの当て字はいつの時代も少年少女の心をつかむネーミングだとおもっている。
そしてムシキングでは3つしかないキャラごとの性格(タイプ)も、恐竜キングでは実に32種類も存在。ムシキングに比べてより戦略性が重視されている。決してただの「ムシキングの恐竜版」ではなかったのだ。
ストーリー面でもムシキングは善玉の人型キャラは主人公のポポひとり、悪玉側もアダーひとりであるのに対し(アニメ版は両サイドもっとキャラがいるけど)、恐竜キングは善玉側はリュウタとレックスのダブル主人公でさらに途中からマルムも加わって3人になり、悪玉側も「アクト団」という悪の組織。すなわち個人ではなくグループである。
どのステージでもずっとアダー相手にしか戦わないムシキングに対し、恐竜キングはステージごとに異なるアクト団メンバーが登場するのが新鮮だった。敵を組織化してより勧善懲悪色を強め、ムシキングとの差別化を図っていたのが見て取れる。そのメンバーを見ても王道の悪の科学者なボスのソーノイダ、おばさん呼ばわりされるとキレがちな(アニメでは特にそのシーンが多かった)ウサラパ、悪の組織としては珍しい子供メンバーであるロトとロアなどメンバー1人1人に個性が際立っていた。ロトとロアは当時のプレイヤーであった自分としても、悪の組織に自分に近い年齢のキャラが入ってるのは斬新で面白いと思っていたし、悪役とはいえ同世代の子供たちには感情移入しやすかっただろう。一方で自分は「まだ未来ある子供なのに悪事を働かされるのはちょっとかわいそう」とも思っていた。
恐竜キングはムシキング同様アニメ化もされ、全盛期は緑色のムシキングやピンクのラブ&ベリーと並んでオレンジの恐竜キングの筐体が設置という光景がこれまたゲーセンの名物となっていたが、5年ほどでその幕は降ろされることとなった。5年は入れ替わりの激しいこの業界では生き延びたほうだが、稼働終了のアナウンスがあったムシキングやラブ&ベリーと違い、恐竜キングは何のアナウンスもなくひっそりと終了してしまった。アニメ化もした作品としては何とも悲しい最期なのだろう。
ムシキングブーム継続中のさなかによく似たコンセプトの恐竜キングを導入してしまったことがムシキングの寿命を縮めてしまったとの評価も存在するが、そもそもアーケードカードゲーム戦国時代。僕は恐竜キングが仮にあのタイミングで登場しなかったとしても他に各社から多数のアーケードカードが登場してたのだからムシキングの低迷期はそこまで変わらない時期に訪れていたと思う。
だが僕が経験した話として実際周りの友達のアーケードカードの話題の中心はムシキングから恐竜キングへと時がたつにつれ徐々にシフトしていったのは確かだった。
恐竜キングのアニメが放送開始した2007年にはアーケードの話は恐竜キングかドラゴンボールかこの年稼働したポケモンバトリオかといった感じになり、ムシキングの「ム」の字も誰の口からも次第に聞かれなくなってしまった。
そして一度は頂点に立ったかと思えた恐竜キングもアニメ終了あたりから低迷していき、上記のバトリオやガンバライド、ドラゴンボールヒーローズなどといった新勢力に飲まれる形でひっそりと消えていった。まさにかつてこの地球上で隆盛を誇った恐竜たちが儚く絶滅していった様を体現しているかのようだった。
さて、次回はこの戦国時代に恐竜キングとしのぎを削った作品の中から代表的なものをいくつか分析してみよう。
既存の人気キャラを起用したものから、子供に人気の題材を用いたオリジナルまで、世はまさに「アーケードカードゲーム戦国時代」となった。
今回はそんな時期に登場したアーケードカードゲームのなかからセガがその戦場に送り込んだ第三の刺客を考察してみよう。
そう、「古代王者恐竜キング」だ。今回はこの作品を自分なりに分析してみる。
ムシキング・ラブ&ベリーに続くセガが放った第三の矢。それはムシと並んで子供たちに人気の恐竜。
システムはムシキングのものを踏襲しているために「ムシキングの二番煎じ」だとか「ムシキングのムシを恐竜に変えただけ」なんて評価をされがちだが(そもそも元はムシキングの後継機になる予定だったものを、ムシキング人気継続中だったためにムシキングとともに市場に並べる結果となったという経緯がある)、恐竜キングも独自の要素を設けている。
大きなものがムシキングにはない「属性」の存在だ。炎・水・雷・土・草・風の基本6属性(さらに「秘」属性もある)が存在し、それぞれに相性がある。恐竜にもいろいろ種類があるわけだから、例えばトリケラトプスなどの角竜系は雷属性といった風に恐竜の分類ごとに属性分けがされているのも特徴的である。
さらにムシキングの究極必殺技に当たる「超わざ」も恐竜ごとではなく属性ごとにカテゴライズされており、ネーミングも漢字にカタカナの当て字を使うなどムシキングの技とは差別化を図っている。
僕としては当時「漢字にカタカナをあてた名前がカッコイイ」と思った。漢字にカタカナの当て字はいつの時代も少年少女の心をつかむネーミングだとおもっている。
そしてムシキングでは3つしかないキャラごとの性格(タイプ)も、恐竜キングでは実に32種類も存在。ムシキングに比べてより戦略性が重視されている。決してただの「ムシキングの恐竜版」ではなかったのだ。
ストーリー面でもムシキングは善玉の人型キャラは主人公のポポひとり、悪玉側もアダーひとりであるのに対し(アニメ版は両サイドもっとキャラがいるけど)、恐竜キングは善玉側はリュウタとレックスのダブル主人公でさらに途中からマルムも加わって3人になり、悪玉側も「アクト団」という悪の組織。すなわち個人ではなくグループである。
どのステージでもずっとアダー相手にしか戦わないムシキングに対し、恐竜キングはステージごとに異なるアクト団メンバーが登場するのが新鮮だった。敵を組織化してより勧善懲悪色を強め、ムシキングとの差別化を図っていたのが見て取れる。そのメンバーを見ても王道の悪の科学者なボスのソーノイダ、おばさん呼ばわりされるとキレがちな(アニメでは特にそのシーンが多かった)ウサラパ、悪の組織としては珍しい子供メンバーであるロトとロアなどメンバー1人1人に個性が際立っていた。ロトとロアは当時のプレイヤーであった自分としても、悪の組織に自分に近い年齢のキャラが入ってるのは斬新で面白いと思っていたし、悪役とはいえ同世代の子供たちには感情移入しやすかっただろう。一方で自分は「まだ未来ある子供なのに悪事を働かされるのはちょっとかわいそう」とも思っていた。
恐竜キングはムシキング同様アニメ化もされ、全盛期は緑色のムシキングやピンクのラブ&ベリーと並んでオレンジの恐竜キングの筐体が設置という光景がこれまたゲーセンの名物となっていたが、5年ほどでその幕は降ろされることとなった。5年は入れ替わりの激しいこの業界では生き延びたほうだが、稼働終了のアナウンスがあったムシキングやラブ&ベリーと違い、恐竜キングは何のアナウンスもなくひっそりと終了してしまった。アニメ化もした作品としては何とも悲しい最期なのだろう。
ムシキングブーム継続中のさなかによく似たコンセプトの恐竜キングを導入してしまったことがムシキングの寿命を縮めてしまったとの評価も存在するが、そもそもアーケードカードゲーム戦国時代。僕は恐竜キングが仮にあのタイミングで登場しなかったとしても他に各社から多数のアーケードカードが登場してたのだからムシキングの低迷期はそこまで変わらない時期に訪れていたと思う。
だが僕が経験した話として実際周りの友達のアーケードカードの話題の中心はムシキングから恐竜キングへと時がたつにつれ徐々にシフトしていったのは確かだった。
恐竜キングのアニメが放送開始した2007年にはアーケードの話は恐竜キングかドラゴンボールかこの年稼働したポケモンバトリオかといった感じになり、ムシキングの「ム」の字も誰の口からも次第に聞かれなくなってしまった。
そして一度は頂点に立ったかと思えた恐竜キングもアニメ終了あたりから低迷していき、上記のバトリオやガンバライド、ドラゴンボールヒーローズなどといった新勢力に飲まれる形でひっそりと消えていった。まさにかつてこの地球上で隆盛を誇った恐竜たちが儚く絶滅していった様を体現しているかのようだった。
さて、次回はこの戦国時代に恐竜キングとしのぎを削った作品の中から代表的なものをいくつか分析してみよう。
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