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第4部 漫画・出版史
コロコロ読者が登場した漫画
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00年代、でんぢゃらすじーさんとペンギンの問題というコロコロの2大ギャグに公募で選ばれた読者が登場したことがある。今回はその2作品を分析しよう。
まずはじーさん。月刊コロコロコミック2006年5月号の袋とじ付録として初出し、絶体絶命でんぢゃらすじーさん単行本10巻に収録された「美しいキャラクターの登場じゃっ!」である。
この回はじーさんからの「突然だが新キャラを出す!」とのいきなりの爆弾発言からスタート。曰く「今までこのマンガのキャラたちは気持ち悪い奴らばかりだった」(ちなみにその例として最強さんとりゅぬぁってゃが挙げられているが、ふたりの前でそんなこと言ったら命の保証はないぞ)「わしはそんなヘンな奴らよりも美しいキャラに出会いたい」とのことで美しい新キャラが登場…ページをめくって見開き2ページで表したその姿はとてつもなくリアルな少年…というより実写である。読者から送られてきた写真をそのままマンガに使ったのだ。
その読者の写真は「体を前に突き出し、右手は右目のところに持ってきてピース、左手は指を三本たてて斜め上に突き出す」という独特のポーズを決めている。執筆にあたって読者から10枚ぐらい写真を送ってもらったそうだが、「1枚を使いまわせばいいや」としてこの一枚の写真だけでひとつの話が作られている。イラストを描くのではなく写真。それも1枚だけ。これは曽山先生が人の似顔絵を描くのが苦手と公言していることも影響しているだろう。だがその写真1枚を使いまわすという驚愕のアイデアが物語を面白くしていく。実際あの写真だけでも十分おもしろいと思う。
続いて読者がじーさんに会えてテンション爆あがりの様子で、すっかり仲良しに…と思いきや唐突にマンガの主役の座をかけてじーさんに勝負を挑む。じーさんは読者に対して「ワシが勝ったらお前の小遣いを全部いただく」という条件で売られた勝負を買うことに。
ここでピースをしている読者の写真にちなんで読者が「キサマをこの2本の指だけで倒してやる」「しかも2秒でケリをつけてやる」「骨を2本は折ってやる」とじーさんに宣戦布告。ひとつの写真でここまでギャグが広げられるところに脱帽。
最終的にじーさんが勝利し、読者から全財産をいただくこととなったが、「お前はいくら持ってるんじゃ~!?」といった次のコマでまたも読者のピースが強調され、最後はじーさんが「2円!?」とショックを受けるところで終了。ピースから着想を得て、全財産が2円というまさかのオチ。
次にペンギンの問題。読者が登場するのは初出月刊コロコロコミック2008年7月号別冊付録、単行本4巻収録の「勇者ベッカムの問題」。ペン問ホビー「面白大図鑑プレート」の第1弾発売に会わせて執筆された漫画で、プレートの主人公である勇者ベッカムが元の姿に戻るためにおなじみの仲間たちとともにプレート集めの旅に出るというストーリーだが、なおとくんをはじめとするおなじみの面々に混じって読者が登場している。
この話では勇者ベッカムとプレートの世界観(ただし本エピソードは通常エピソードと同じく現実世界の街が舞台)にあわせてなおとくんたちもファンタジーRPG風の衣装で登場するが、読者も例にもれず勇者風の格好をしている。
ちなみにじーさんとは違ってイラストで登場している。
読者はこの回の扉絵にも登場しているが、後半まで特に言及はなくあたかもいつものメンバーに溶け込むかのようにベッカムたちと冒険をしている。多くの読者は何の説明もなく登場した彼がいったい何者なのか気になって仕方なかったであろう。
彼が読者であることが判明するのは後半。プレートが残り1枚となったところでベッカムが一緒に冒険してくれた仲間たちにひとりひとりお礼を言っていくのだが、そこで見ず知らずの少年=読者の存在に気づき、「キミは誰!?」と驚きながら聞くと、読者は自己紹介し「コロコロの銀はがし懸賞でマンガ出演権に当選したためこうして出演した」と説明。このマンガが掲載される半年ほど前のコロコロで当時の連載陣が用意した特別なプレゼントが当たる銀はがし懸賞が行われたのだが、ペン問からの商品がマンガ出演権だったのだ。
読者はベッカムに「僕も活躍したいから仕事をください!」とお願いすると、すぐさま荷物持ちに。せっかくの出演なのに雑用係になってしまった読者だが、なおとくんは「わけのわからないあの人たち(=ベッカムたち)と自ら関わろうとするなんて相当勇気あるね」と驚いていた。
この話のオチはすべてのプレートを手にしてもとに戻ったベッカムの元の姿がなぜかカエルだったというオチだが、ベッカムがカエルになる直前のシーンではベッカムが元に戻れることに対して読者は「初登場でこんな場面に立ち会えるなんて感動」と涙を流していた。
あくまでもゲストということもあり、そこまでゴリゴリストーリーには関わらなかったが、それでもメインで描かれているコマもあったので読者にとっては嬉しかっただろう。
自分の好きなマンガに出してもらえるなんてそうそうできない経験。マンガの中でボケたり働いたり…読者にとっては嬉しい経験であっただろう。
まずはじーさん。月刊コロコロコミック2006年5月号の袋とじ付録として初出し、絶体絶命でんぢゃらすじーさん単行本10巻に収録された「美しいキャラクターの登場じゃっ!」である。
この回はじーさんからの「突然だが新キャラを出す!」とのいきなりの爆弾発言からスタート。曰く「今までこのマンガのキャラたちは気持ち悪い奴らばかりだった」(ちなみにその例として最強さんとりゅぬぁってゃが挙げられているが、ふたりの前でそんなこと言ったら命の保証はないぞ)「わしはそんなヘンな奴らよりも美しいキャラに出会いたい」とのことで美しい新キャラが登場…ページをめくって見開き2ページで表したその姿はとてつもなくリアルな少年…というより実写である。読者から送られてきた写真をそのままマンガに使ったのだ。
その読者の写真は「体を前に突き出し、右手は右目のところに持ってきてピース、左手は指を三本たてて斜め上に突き出す」という独特のポーズを決めている。執筆にあたって読者から10枚ぐらい写真を送ってもらったそうだが、「1枚を使いまわせばいいや」としてこの一枚の写真だけでひとつの話が作られている。イラストを描くのではなく写真。それも1枚だけ。これは曽山先生が人の似顔絵を描くのが苦手と公言していることも影響しているだろう。だがその写真1枚を使いまわすという驚愕のアイデアが物語を面白くしていく。実際あの写真だけでも十分おもしろいと思う。
続いて読者がじーさんに会えてテンション爆あがりの様子で、すっかり仲良しに…と思いきや唐突にマンガの主役の座をかけてじーさんに勝負を挑む。じーさんは読者に対して「ワシが勝ったらお前の小遣いを全部いただく」という条件で売られた勝負を買うことに。
ここでピースをしている読者の写真にちなんで読者が「キサマをこの2本の指だけで倒してやる」「しかも2秒でケリをつけてやる」「骨を2本は折ってやる」とじーさんに宣戦布告。ひとつの写真でここまでギャグが広げられるところに脱帽。
最終的にじーさんが勝利し、読者から全財産をいただくこととなったが、「お前はいくら持ってるんじゃ~!?」といった次のコマでまたも読者のピースが強調され、最後はじーさんが「2円!?」とショックを受けるところで終了。ピースから着想を得て、全財産が2円というまさかのオチ。
次にペンギンの問題。読者が登場するのは初出月刊コロコロコミック2008年7月号別冊付録、単行本4巻収録の「勇者ベッカムの問題」。ペン問ホビー「面白大図鑑プレート」の第1弾発売に会わせて執筆された漫画で、プレートの主人公である勇者ベッカムが元の姿に戻るためにおなじみの仲間たちとともにプレート集めの旅に出るというストーリーだが、なおとくんをはじめとするおなじみの面々に混じって読者が登場している。
この話では勇者ベッカムとプレートの世界観(ただし本エピソードは通常エピソードと同じく現実世界の街が舞台)にあわせてなおとくんたちもファンタジーRPG風の衣装で登場するが、読者も例にもれず勇者風の格好をしている。
ちなみにじーさんとは違ってイラストで登場している。
読者はこの回の扉絵にも登場しているが、後半まで特に言及はなくあたかもいつものメンバーに溶け込むかのようにベッカムたちと冒険をしている。多くの読者は何の説明もなく登場した彼がいったい何者なのか気になって仕方なかったであろう。
彼が読者であることが判明するのは後半。プレートが残り1枚となったところでベッカムが一緒に冒険してくれた仲間たちにひとりひとりお礼を言っていくのだが、そこで見ず知らずの少年=読者の存在に気づき、「キミは誰!?」と驚きながら聞くと、読者は自己紹介し「コロコロの銀はがし懸賞でマンガ出演権に当選したためこうして出演した」と説明。このマンガが掲載される半年ほど前のコロコロで当時の連載陣が用意した特別なプレゼントが当たる銀はがし懸賞が行われたのだが、ペン問からの商品がマンガ出演権だったのだ。
読者はベッカムに「僕も活躍したいから仕事をください!」とお願いすると、すぐさま荷物持ちに。せっかくの出演なのに雑用係になってしまった読者だが、なおとくんは「わけのわからないあの人たち(=ベッカムたち)と自ら関わろうとするなんて相当勇気あるね」と驚いていた。
この話のオチはすべてのプレートを手にしてもとに戻ったベッカムの元の姿がなぜかカエルだったというオチだが、ベッカムがカエルになる直前のシーンではベッカムが元に戻れることに対して読者は「初登場でこんな場面に立ち会えるなんて感動」と涙を流していた。
あくまでもゲストということもあり、そこまでゴリゴリストーリーには関わらなかったが、それでもメインで描かれているコマもあったので読者にとっては嬉しかっただろう。
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