ULTIMATE〜season13 (2053) 国防最前線

壱暉

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ULTIMATE〜国防最前線

ULTIMATE 〜国防最前線第9話

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主要登場人物一覧
望月輝人(27)…3代目主人公 近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班所属準隊員
片倉陵(22)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班所属準隊員
河内慶六(24)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班所属準隊員
松山和也(22)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班所属準隊員
新島雄士(20)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班所属準隊員
森田瑛人(19)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班所属準隊員
伊山新介(19)…近畿方面隊警備科所属
松浦風雅(34)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班主任
水島慶太(31)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班所属正隊員
赤木龍一(48)…近畿方面隊警備科第4区域機動第1作戦班班長
三島和志(51)…近畿方面隊長
岸田正龍(39)…国家保安庁2代目長官
 ……………………………………………………………
「勝手な捜査で殉職者を1名出した。出るはずがなかった殉職者を出した。これについて首席監察部の怒りは頂点に達しているみたいだ」
「そうか。」
朝から赤木は岸田に呼び出され長官室にいた。
「長内さんなら赤木さんへの処分など撤回するだろう。でも俺はそうはいかない。俺は長内さんとは違うんだ。赤木さんには世話になったが、ここはきちんと国保の頭として仕事をしたいと思う」
そう言うと岸田は机に置いてあった電話に手をかけた。
「俺だ。中に入れろ」
岸田が言うと長官室にスーツを着た男たちがやってきた。
「首席監察部首席監察官の宮脇だ。赤木で間違いないな?」
「そうだ」
「お前に度重なる規律違反の疑いがある。警衛隊の頃からのも全てここに入っている。思い当たりあるだろ?」
「随分昔のことだな」
「お前にはその度重なる規律違反の疑いで除隊勧告を出しに来た。この処分を撤回する場合は1週間以内に首席監察部に出頭しろ。その場合は最長72時間の取り調べを経てお前の処分を再度検討する。このまま除隊するか、出頭するか自分で決めろ」
そう言うと宮脇はスマホを耳に近づけた。
「俺だ。そっちも実行してくれ」
この頃
近畿方面隊第4区域機動第1作戦班には業務停止命令が出ており待機室で待機していた。
「俺らこれからどうなるんだろう」
片倉が呟いた。
「謹慎とかなったら準隊員教育はどうなるんだろう」
河内がつぶやくと水島がすぐに反応した。
「その場合は準隊員教育を一時停止し正隊員共に同じ職務にあたってもらう。準隊員教育一時停止期間が1年であれば1年後、2年であれば2年後に準隊員教育を再開する」
水島が言うと松山が軽く口を鳴らした。
「幹部の試験は受けれねーな。衛生の試験を受けるか」
その時、部屋にスーツを着た男たちが入ってきた。
「近畿地区監察隊の者だ。第4区域機動第1作戦班で間違いないな?」
「はい」
水島が返事した。
「規律違反の件でお前らに2年間の謹慎処分を命ずる。尚その2年間の間教育隊での勤務を行ってもらう。教官補佐、校舎の守衛など裏方を担当してもらう。処分は、1ヶ月後から正式に始める。以上だ」
そう言うと監察隊は、部屋を後にした。
しばらくして、望月らが喋っていると赤木が戻ってきた。
「赤木班長、お疲れ様です。処分聞きましたか?」
水島が聞いた。
水島からの問いかけに赤木は何も答えずただ荷物をまとめた。
「ちょっと赤木さん。何をしてるんですか?」
水島が聞くと赤木は静かに振り向いた。
「短い間だったがありがと。」
「えっ」
「除隊勧告を受けた。俺はこのまま除隊する。1週間だけは自由の身だが今日ここを出ていく。」
赤木が言った時1本の無線が入った。
「大阪府警から国保近隊」
「国保近隊だ。」
「バスジャックされたバスが近くの公立中学校に侵入。人質の数は少なくとも1000人と想定。速やかな現場急行を要請する」
「国保近隊、了解」
水島は無線を切るとそのまま赤木に目をやった。
「赤木さん。最後の事件。最後の仕事やってください。現場指揮頼めますか?」
「わかった。規模は中規模と断定。機動第1作戦班総動員で現場に向かうぞ」
「了解」
機動第1作戦班は総動員(33人)で現場に向かった。
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