ULTIMATE〜M・S・O 海上警備行動 highest command (2154)THE CROSS

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ULTIMATE〜THE CROSS

ULTIMATE〜THE CROSSプロローグ

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2153年、基地司令としての着任期間を終え続行を希望しなかった中野凱翔を受け内閣府防衛統合監察局は空いた礁耶島特別合同守衛総合基地司令の座に新たに高塚を就任させた。
高塚は礁耶島出身ということもあり就任式では、隊員そして島民を集め、礁耶島の良さは誰よりもわかる。礁耶島ならではの自然と住民を守りひいては日本防衛の拠点にもなる重要なこの島を命をかけ守っていきたい。
そう述べた。
就任後、最初に行ったのは司令を補佐するはずの補佐官と基地の警備、人事、任務の全てを仕切る基地管理官の兼務をしていた紫藤を管理官に専念させる事だった。
仕事量の多さ責任から来る疲労や、権力の集中化を避ける狙いだと後に語った。
そして、空いた補佐官の座は警衛庁島嶼防衛総監部に決定権を委ねた。
委ねられた警衛庁島嶼防衛総監部長の本庄は、部隊運用部から2人の男を選出しどちらに任せるか悩んでいた。
…………………………………………………………………
主要人物一覧
峡睦也(36)…7代目主人公 警衛庁島嶼防衛総監部 中央司令部 連絡官 2等幹士 (警衛庁から出向中) 
大倉奨(36)…警衛庁島嶼防衛総監部 部隊運用部 運用企画室長 警視正 (警察庁から出向中)
…………………………………………………………………
「つまり、有事の際、海上保安庁、警察の機能が停止された時、我々が独自に動く必要がある。いわばこの部隊はオールスターチームと言ってもよい。次年度からの活動次第ではそのまま日本防衛の中核となる部隊に成長できるのではないか。そう考えています。そして…………」
定例会議で企画室長の大倉は次年度から新たに設置予定の島嶼機動巡回連隊についての説明を行っていた。
その横では、中央司令部 連絡官の峡が大倉の話すことをパソコンにまとめていた。
「な?聞いたか?」
「何を?」
「次の礁耶島特別合同守衛総合基地司令補佐官を高塚さんが探してるって。」
「まじ?紫藤とかいう人いたんじゃなかたっけ?」
「仕事の兼務を禁ずるとかって言い出したらしいぜ。それで今、探してるって」
「まじかよ。」
「それで、それで面白いのはこっからで、今その補佐官の候補に峡さんと大倉さんが入ってるって」
「まじ?」
「どうなるのかねー。楽しみだな」
「面白そうだな。お前はどっちがなると思ってんだ?」
「んー。実績で見たら峡さんなんじゃないのか?階級で見たら官僚の大倉さんだと思うけど。上が何を重視するかだな」
「高塚さんの補佐だろ?そんなの実績とかなんじゃないのか?あの人、基地司令としては全くの素人なんだから」
「まーそうか」
会議中、一部の隊員の中では補佐官についての話題でもちきりだった。
その頃
総監部長らが出席していた内閣府防衛統合監察局との合同会議では、今まさに補佐官についての任命が決まろうとしていた。
「やはり、私としては峡くんを使命したいと考えています」
そう言うと本庄は机の上に置いてあったパソコンで峡の経歴が記されたファイルをクリックした。
「幹部経験としては大倉くんの大勝だ。だが彼は去年、大きなミスをしている。」
内閣府防衛統合監察局 統合副監察室長の度会が言った。
去年、海上保安庁、米海軍との人質拉致を想定した合同訓練中に大倉が指揮する島嶼防衛総監部所属の直轄部隊 海上警備群が米海軍の戦艦を拉致船と誤認し攻撃をしてしまうという事態が発生した。
不幸中の幸いでレーザーだったため、負傷者は出なかったが、これに対して米軍は激しく日本政府に対して抗議するという事態に陥った。
「今、国内で連続行方不明事件が発生している。一部では天湾工作員による拉致なのではないかと言われている。もしも拉致であれば必然的に大倉ではなく、峡を指揮官として部隊を動かすのがセオリーとなってくるだろう」
内閣府防衛統合監察局長の池永が言った。
「そうなると、やはり峡で決まりということですか?」
本庄が聞くと度会が口を開けた。
「そうとも言えん。峡もやらかしてるのは知ってるだろ?あれも去年だっけ?」
去年、喜界島特別合同守衛総合基地で中央司令部長として指揮をとっていた峡は、領域内に侵入してきた船舶を領海侵犯してきた中国船と誤認。
その船舶に対して警告射撃の実施に踏み込んだ。
しかしその船舶は警衛隊海上科の船舶であり誤認であったのだ。
「お互いに似たり寄ったりってところだな」
池永が言うと本庄が軽く咳払いをした。
「こうなると後は本人の意向次第ということですか?」
「本人の意向?」
度会が聞いた。
「えぇー。実は昨日、高塚 司令から峡への補佐官就任推薦状が届いていまして総監部としては保留扱いにしてたのですが、一応、内閣府防衛統合監察局にお伝えしましたが」
そう言うと本庄は池永に目をやった。
「人事でこんなに悩むとはな。官僚と素人の幹部候補生が似たり寄ったりとは問題だぞ」
そう怒鳴ると池永は軽く目をつぶったあと、立ち上がった。
「2人を呼んでくれ。今ここで指名してやる。」
池永に言われ本庄はすぐに2人がいる第4会議室に電話を入れた。
数分後
連絡を受けた峡と大倉が第1会議室に入ってきた。
「来たか。」
そう言うと池永は一呼吸入れ、続けた。
「礁耶島特別合同守衛総合基地司令補佐官が決まった。君たちから選ばれることは噂とかで聞いてるだろ?」
「ま、まぁー」
そう言うと峡は軽く下を俯いた。
「なんだ?自信無いのか?」
池永に聞かれ峡は軽く頷いた。
「去年のこともありますし、やっぱ俺には補佐官とか指揮官とかそういうの向いてないんかなーって。そう思って」
「なるほど。下手に長引かせるつもりは無い。今ここで発表してやる。補佐官には、峡君。君を指名する」
「え?俺」
峡が言うと大倉は軽く目を見開いた。
「何か文句はあるのか?来年から補佐官として礁耶島特別合同守衛総合基地に向かってくれ。」
そう言うと池永は机に置いてあったコーヒーを飲んだあとそのまま会議室から出ていった。
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