7 / 18
ULTIMATE〜THE CROSS
ULTIMATE〜THE CROSSプロローグ
しおりを挟む
2153年、基地司令としての着任期間を終え続行を希望しなかった中野凱翔を受け内閣府防衛統合監察局は空いた礁耶島特別合同守衛総合基地司令の座に新たに高塚を就任させた。
高塚は礁耶島出身ということもあり就任式では、隊員そして島民を集め、礁耶島の良さは誰よりもわかる。礁耶島ならではの自然と住民を守りひいては日本防衛の拠点にもなる重要なこの島を命をかけ守っていきたい。
そう述べた。
就任後、最初に行ったのは司令を補佐するはずの補佐官と基地の警備、人事、任務の全てを仕切る基地管理官の兼務をしていた紫藤を管理官に専念させる事だった。
仕事量の多さ責任から来る疲労や、権力の集中化を避ける狙いだと後に語った。
そして、空いた補佐官の座は警衛庁島嶼防衛総監部に決定権を委ねた。
委ねられた警衛庁島嶼防衛総監部長の本庄は、部隊運用部から2人の男を選出しどちらに任せるか悩んでいた。
…………………………………………………………………
主要人物一覧
峡睦也(36)…7代目主人公 警衛庁島嶼防衛総監部 中央司令部 連絡官 2等幹士 (警衛庁から出向中)
大倉奨(36)…警衛庁島嶼防衛総監部 部隊運用部 運用企画室長 警視正 (警察庁から出向中)
…………………………………………………………………
「つまり、有事の際、海上保安庁、警察の機能が停止された時、我々が独自に動く必要がある。いわばこの部隊はオールスターチームと言ってもよい。次年度からの活動次第ではそのまま日本防衛の中核となる部隊に成長できるのではないか。そう考えています。そして…………」
定例会議で企画室長の大倉は次年度から新たに設置予定の島嶼機動巡回連隊についての説明を行っていた。
その横では、中央司令部 連絡官の峡が大倉の話すことをパソコンにまとめていた。
「な?聞いたか?」
「何を?」
「次の礁耶島特別合同守衛総合基地司令補佐官を高塚さんが探してるって。」
「まじ?紫藤とかいう人いたんじゃなかたっけ?」
「仕事の兼務を禁ずるとかって言い出したらしいぜ。それで今、探してるって」
「まじかよ。」
「それで、それで面白いのはこっからで、今その補佐官の候補に峡さんと大倉さんが入ってるって」
「まじ?」
「どうなるのかねー。楽しみだな」
「面白そうだな。お前はどっちがなると思ってんだ?」
「んー。実績で見たら峡さんなんじゃないのか?階級で見たら官僚の大倉さんだと思うけど。上が何を重視するかだな」
「高塚さんの補佐だろ?そんなの実績とかなんじゃないのか?あの人、基地司令としては全くの素人なんだから」
「まーそうか」
会議中、一部の隊員の中では補佐官についての話題でもちきりだった。
その頃
総監部長らが出席していた内閣府防衛統合監察局との合同会議では、今まさに補佐官についての任命が決まろうとしていた。
「やはり、私としては峡くんを使命したいと考えています」
そう言うと本庄は机の上に置いてあったパソコンで峡の経歴が記されたファイルをクリックした。
「幹部経験としては大倉くんの大勝だ。だが彼は去年、大きなミスをしている。」
内閣府防衛統合監察局 統合副監察室長の度会が言った。
去年、海上保安庁、米海軍との人質拉致を想定した合同訓練中に大倉が指揮する島嶼防衛総監部所属の直轄部隊 海上警備群が米海軍の戦艦を拉致船と誤認し攻撃をしてしまうという事態が発生した。
不幸中の幸いでレーザーだったため、負傷者は出なかったが、これに対して米軍は激しく日本政府に対して抗議するという事態に陥った。
「今、国内で連続行方不明事件が発生している。一部では天湾工作員による拉致なのではないかと言われている。もしも拉致であれば必然的に大倉ではなく、峡を指揮官として部隊を動かすのがセオリーとなってくるだろう」
内閣府防衛統合監察局長の池永が言った。
「そうなると、やはり峡で決まりということですか?」
本庄が聞くと度会が口を開けた。
「そうとも言えん。峡もやらかしてるのは知ってるだろ?あれも去年だっけ?」
去年、喜界島特別合同守衛総合基地で中央司令部長として指揮をとっていた峡は、領域内に侵入してきた船舶を領海侵犯してきた中国船と誤認。
その船舶に対して警告射撃の実施に踏み込んだ。
しかしその船舶は警衛隊海上科の船舶であり誤認であったのだ。
「お互いに似たり寄ったりってところだな」
池永が言うと本庄が軽く咳払いをした。
「こうなると後は本人の意向次第ということですか?」
「本人の意向?」
度会が聞いた。
「えぇー。実は昨日、高塚 司令から峡への補佐官就任推薦状が届いていまして総監部としては保留扱いにしてたのですが、一応、内閣府防衛統合監察局にお伝えしましたが」
そう言うと本庄は池永に目をやった。
「人事でこんなに悩むとはな。官僚と素人の幹部候補生が似たり寄ったりとは問題だぞ」
そう怒鳴ると池永は軽く目をつぶったあと、立ち上がった。
「2人を呼んでくれ。今ここで指名してやる。」
池永に言われ本庄はすぐに2人がいる第4会議室に電話を入れた。
数分後
連絡を受けた峡と大倉が第1会議室に入ってきた。
「来たか。」
そう言うと池永は一呼吸入れ、続けた。
「礁耶島特別合同守衛総合基地司令補佐官が決まった。君たちから選ばれることは噂とかで聞いてるだろ?」
「ま、まぁー」
そう言うと峡は軽く下を俯いた。
「なんだ?自信無いのか?」
池永に聞かれ峡は軽く頷いた。
「去年のこともありますし、やっぱ俺には補佐官とか指揮官とかそういうの向いてないんかなーって。そう思って」
「なるほど。下手に長引かせるつもりは無い。今ここで発表してやる。補佐官には、峡君。君を指名する」
「え?俺」
峡が言うと大倉は軽く目を見開いた。
「何か文句はあるのか?来年から補佐官として礁耶島特別合同守衛総合基地に向かってくれ。」
そう言うと池永は机に置いてあったコーヒーを飲んだあとそのまま会議室から出ていった。
高塚は礁耶島出身ということもあり就任式では、隊員そして島民を集め、礁耶島の良さは誰よりもわかる。礁耶島ならではの自然と住民を守りひいては日本防衛の拠点にもなる重要なこの島を命をかけ守っていきたい。
そう述べた。
就任後、最初に行ったのは司令を補佐するはずの補佐官と基地の警備、人事、任務の全てを仕切る基地管理官の兼務をしていた紫藤を管理官に専念させる事だった。
仕事量の多さ責任から来る疲労や、権力の集中化を避ける狙いだと後に語った。
そして、空いた補佐官の座は警衛庁島嶼防衛総監部に決定権を委ねた。
委ねられた警衛庁島嶼防衛総監部長の本庄は、部隊運用部から2人の男を選出しどちらに任せるか悩んでいた。
…………………………………………………………………
主要人物一覧
峡睦也(36)…7代目主人公 警衛庁島嶼防衛総監部 中央司令部 連絡官 2等幹士 (警衛庁から出向中)
大倉奨(36)…警衛庁島嶼防衛総監部 部隊運用部 運用企画室長 警視正 (警察庁から出向中)
…………………………………………………………………
「つまり、有事の際、海上保安庁、警察の機能が停止された時、我々が独自に動く必要がある。いわばこの部隊はオールスターチームと言ってもよい。次年度からの活動次第ではそのまま日本防衛の中核となる部隊に成長できるのではないか。そう考えています。そして…………」
定例会議で企画室長の大倉は次年度から新たに設置予定の島嶼機動巡回連隊についての説明を行っていた。
その横では、中央司令部 連絡官の峡が大倉の話すことをパソコンにまとめていた。
「な?聞いたか?」
「何を?」
「次の礁耶島特別合同守衛総合基地司令補佐官を高塚さんが探してるって。」
「まじ?紫藤とかいう人いたんじゃなかたっけ?」
「仕事の兼務を禁ずるとかって言い出したらしいぜ。それで今、探してるって」
「まじかよ。」
「それで、それで面白いのはこっからで、今その補佐官の候補に峡さんと大倉さんが入ってるって」
「まじ?」
「どうなるのかねー。楽しみだな」
「面白そうだな。お前はどっちがなると思ってんだ?」
「んー。実績で見たら峡さんなんじゃないのか?階級で見たら官僚の大倉さんだと思うけど。上が何を重視するかだな」
「高塚さんの補佐だろ?そんなの実績とかなんじゃないのか?あの人、基地司令としては全くの素人なんだから」
「まーそうか」
会議中、一部の隊員の中では補佐官についての話題でもちきりだった。
その頃
総監部長らが出席していた内閣府防衛統合監察局との合同会議では、今まさに補佐官についての任命が決まろうとしていた。
「やはり、私としては峡くんを使命したいと考えています」
そう言うと本庄は机の上に置いてあったパソコンで峡の経歴が記されたファイルをクリックした。
「幹部経験としては大倉くんの大勝だ。だが彼は去年、大きなミスをしている。」
内閣府防衛統合監察局 統合副監察室長の度会が言った。
去年、海上保安庁、米海軍との人質拉致を想定した合同訓練中に大倉が指揮する島嶼防衛総監部所属の直轄部隊 海上警備群が米海軍の戦艦を拉致船と誤認し攻撃をしてしまうという事態が発生した。
不幸中の幸いでレーザーだったため、負傷者は出なかったが、これに対して米軍は激しく日本政府に対して抗議するという事態に陥った。
「今、国内で連続行方不明事件が発生している。一部では天湾工作員による拉致なのではないかと言われている。もしも拉致であれば必然的に大倉ではなく、峡を指揮官として部隊を動かすのがセオリーとなってくるだろう」
内閣府防衛統合監察局長の池永が言った。
「そうなると、やはり峡で決まりということですか?」
本庄が聞くと度会が口を開けた。
「そうとも言えん。峡もやらかしてるのは知ってるだろ?あれも去年だっけ?」
去年、喜界島特別合同守衛総合基地で中央司令部長として指揮をとっていた峡は、領域内に侵入してきた船舶を領海侵犯してきた中国船と誤認。
その船舶に対して警告射撃の実施に踏み込んだ。
しかしその船舶は警衛隊海上科の船舶であり誤認であったのだ。
「お互いに似たり寄ったりってところだな」
池永が言うと本庄が軽く咳払いをした。
「こうなると後は本人の意向次第ということですか?」
「本人の意向?」
度会が聞いた。
「えぇー。実は昨日、高塚 司令から峡への補佐官就任推薦状が届いていまして総監部としては保留扱いにしてたのですが、一応、内閣府防衛統合監察局にお伝えしましたが」
そう言うと本庄は池永に目をやった。
「人事でこんなに悩むとはな。官僚と素人の幹部候補生が似たり寄ったりとは問題だぞ」
そう怒鳴ると池永は軽く目をつぶったあと、立ち上がった。
「2人を呼んでくれ。今ここで指名してやる。」
池永に言われ本庄はすぐに2人がいる第4会議室に電話を入れた。
数分後
連絡を受けた峡と大倉が第1会議室に入ってきた。
「来たか。」
そう言うと池永は一呼吸入れ、続けた。
「礁耶島特別合同守衛総合基地司令補佐官が決まった。君たちから選ばれることは噂とかで聞いてるだろ?」
「ま、まぁー」
そう言うと峡は軽く下を俯いた。
「なんだ?自信無いのか?」
池永に聞かれ峡は軽く頷いた。
「去年のこともありますし、やっぱ俺には補佐官とか指揮官とかそういうの向いてないんかなーって。そう思って」
「なるほど。下手に長引かせるつもりは無い。今ここで発表してやる。補佐官には、峡君。君を指名する」
「え?俺」
峡が言うと大倉は軽く目を見開いた。
「何か文句はあるのか?来年から補佐官として礁耶島特別合同守衛総合基地に向かってくれ。」
そう言うと池永は机に置いてあったコーヒーを飲んだあとそのまま会議室から出ていった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました
グミ食べたい
ファンタジー
現実に疲れた俺が辿り着いたのは、自由度抜群のVRMMORPG『アナザーワールド・オンライン』。
選んだ職業は“料理人”。
だがそれは、戦闘とは無縁の完全な負け組職業だった。
地味な日々の中、レベル上げ中にネームドモンスター「猛き猪」が出現。
勝てないと判断したアタッカーはログアウトし、残されたのは三人だけ。
熊型獣人のタンク、ヒーラー、そして非戦闘職の俺。
絶体絶命の状況で包丁を構えた瞬間――料理スキルが覚醒し、常識外のダメージを叩き出す!
そこから始まる、料理人の大逆転。
ギルド設立、仲間との出会い、意外な秘密、そしてVチューバーとしての活動。
リアルでは無職、ゲームでは負け組。
そんな男が奇跡を起こしていくVRMMO物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる