上 下
7 / 7
ULTIMATE 〜INFECTION

ULTIMATE 〜INFECTION第7話

しおりを挟む
主要登場人物一覧
蔵島壱成(21)…2代目主人公ULTIMATE中央指令部員
中島佑紀弥(21)…元警衛官 亜細亜連合メンバー
松浦風雅(21)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊所属
長内貴也(54)…ULTIMATE中央指令部長
水崎一躍(25)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊長
室口翔平(44)…ULTIMATE3代目総監
福良啓示(31)…ULTIMATE総監秘書
岸田正龍(27)…警衛局中央監察部首席監察官
工藤哲也(47)…6代目総統
赤木龍一(35)…警衛局最高監察部主任
大野勝之(48)…警衛局航空警戒部隊隊長
 ……………………………………………………………
上空からの誘導通り進んで行くと走る有藤の後ろ姿が目に入った。
「有藤、そこまでだ。手を挙げてゆっくりと手を上げろ」
そう言うと蔵島は弾切れの銃を構えた。弾切れとバレないよう充分に気をつけながら銃を構えた。
有藤はにやりと笑うと銃を構えながら振り向いた。
「早かったな。待ってたよ」
「有藤、お前の目的は何だ?」
「目的か?そうだな。この国の統治だ。いやこの国の浄化だ。今の日本は汚い金でしか動かん。多半数の国民は下級に属していてその国民たちはただ政治家などといった上級国民に従い時には理不尽な差別などを受ける羽目になる。俺もそうだった。学生時代はずっといじめられていた。そんな俺を拾ってくれたのがこの亜細亜連合だった。俺は上妻さんを最初は信頼していた。こんな俺に初めて優しく接してくれた。でもあの人は違った。あの人は、IFウイルスを使って日本を統治しようとした。最初は、この国を変えるためだと思った。でも違った。彼は、下級国民を減らすことでこの国の地位を底上げしようとしていた。殺された元総理大臣、吉井達也
(season6後編を参考)に命じられて上妻はこの国にウイルスをばらまいた。」
そう言うと有藤は銃口を自分の頭に突きつけた。
「俺は革命を起こすために上妻そして上妻派を亜連から追放した。でももう終わりだ。」
「死ぬのは違うだろ?てか1つ聞いていいか?」
「何だ?」
「なぜお前は下級国民って自分を決めつけるんだ?」
「俺の両親は共に前科者だ。元ヤン、元犯罪者。2人のせいで俺は生まれた時から下級国民だった。いや下級国民のさらに下だ。」
「人って簡単には変われない。でも人は変わろうと努力をする。どんな人間でもだ。それに生まれた時から下級国民などは俺は違うと思う。生まれた時は皆平等だ。何かありそれによってその人の位置づけは変わっていく。俺はそう思う。有藤、お前がこれまでにやってきたことは下級国民に相当する事ばかりだ。それをこれから償っていき、いつか普通の人間になろう。」
そう言うと蔵島は持っていた銃を下に置き防弾マスクも下に置いた。
「有藤、生きて生きて罪を償え。」
そう言いながらゆっくりと有藤のもとに近づいた。
その時だった、蔵島の胸に1発の銃弾が命中した。
同時に有藤の頭にも銃弾が命中した。
「殺せ。殺せ」
後からわかったことだが亜細亜連合内で新たにリーダーの座を狙っていた男による攻撃だった。
その男は蔵島と有藤を撃つとそのまま持っていた短刀で有藤の首を切りつけた。
そして血まみれになりながら奇声を上げ走り回った。
「ギャハハは。やったぞ。次の総長はこの俺だ。うほほほほほ」
男が叫んでいると航空隊から応援要請を受け、待機中だった部隊がやってきた。先頭には赤木の姿もあった。
「手を上げろ」
赤木達は男に銃を突きつけた。
男は赤木達を見ると笑いながら手を挙げた。
「確保だ。」
「待て」
男の確保に動き出した隊員達を制止すると赤木は防弾マスクを取りゆっくりと男に近づいた。
「蔵島をやったのはお前か?」
「は?誰だよそいつ」
「こいつだよ」
そう言うと赤木は倒れた蔵島の体を足でさすった。
「あーそいつか。なんかいたから殺した」
「お前はそんな理由で人を……」
赤木は怒鳴りながら男の言葉を頭の中で復唱した。
「殺した…お前今そう言ったか?」
「言ったけど何?」
男が言うと赤木は急いで蔵島のもとに駆け寄った。
「おい、蔵島しっかりしろ」
そう言いながら首に手をやった。脈はもう動いていなかった…………
「くそ……すまん蔵島。助けてやれなくて」
そう呟くと赤木はその場で涙を流した。
「確保だ。」
隊員達は急いで男を取り押さえた。
その後
男は警衛局に身柄が移り取り調べ中に隠し持っていた短刀で自らの腹を切り裂き自殺した。
蔵島と有藤はすぐに死亡が確認され、数日後、警衛隊主導で蔵島の葬式が行われた。そして亜細亜連合の収容施設で拘束されていた中島だが瀕死の状態であったが無事、警衛隊により救出された。
腹部に銃弾を受けた松浦も無事だった。
有藤の死を受けて警亜戦争は終結。
亜細亜連合内は次のリーダー争いなどで抗争などが頻繁に起きるようになり亜細亜連合内は酷く荒れていた。
警亜戦争から10年後………
封鎖区域となっていた西日本全域は封鎖前の光景を取り戻しつつあった。
その頃
国会では新たな法律の改正、警備業法の改正が行われていた。それを受け警衛隊でもとある案が出されその案について決定が下されようとしていた。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...