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ULTIMATE〜E.O.D 不発の憎しみ
ULTIMATE〜E.O.D 不発の憎しみ 第4話
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主要登場人物一覧
嶹津舜(23)…10代目主人公 警衛庁 3類職員(嘱託)
耀阪榮臣(24)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
夢丸奎大(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
高梨樹李(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 1等隊士
冴浪透也(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長
佐塚真弥(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
松石海翔(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
吉瀬淳也(27)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長
来島琉季弥(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官補佐 2等士官
今西遙駕(46)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官 1等士官
藤浦恭介(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官
栗坂啓二(38)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官
千景将(51)…警衛庁 公安科 統括官兼 別働隊長 1等幹士
関口智也(28)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長
河木涼(25)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長
奥木奨真(45)…警衛庁 幕僚官房室 理事官 2等将士
幸崎晃平(43)…警衛庁 公安科 科長 3等将士
菊池謙祐(44)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官 2等士官
泉井皓太(43)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官2等士官
鳥島信孝(57)…警衛庁 14代目 幕僚総監
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
………………………………………………………………
来島に連れてこられたのは市ヶ谷駐屯地近くにある隠れ名店として知られる和食レストランだった。
「好きな物何でも食えや。奢ったるけ」
そう言いながら来島は軽く欠伸をした。
「狙いはなんだ?いきなり嘱託って。理解できねーよ。理解できねーのに世話になって溜まるかよ。」
「変な意地ばっか張るなや。」
「んだと?」
嶹津が軽く立ちあがうとすると横に座っていた千景が軽くなだめた。
「来島、早く本題に入ろう。飯はその後でもいいだろ?」
「そうだな」
そう言うと来島は軽く足を組んだ。
「まず、ここまでお前が変わった理由教えてくれ。それがわかんねーとお前をこれからの任務につけることはできない。」
「任務?」
嶹津が聞くと来島は千景に目をやった。
「お前の横にいる奴が総監からの願い断り切れなくてな。あのおっさんに怯むってよっぽどだろ?笑」
「あ?」
千景が言うと来島は爆笑しながら嶹津に目をやった。
「で、何がどーなって今にいたる?」
「向こうから手を出してきたんだ。それを俺が100悪いかのように処理して、」
「向こうから手を出してきた?」
千景が呟くと来島は周囲に目をやりながら少し声を潜めた。
「あのデモの件か?お前が陸上科に異動になったっていう、」
「知ってんのかよ」
「お前の同僚から聞いたよ。お前がボコした奴、警衛官だったんだろ?現職の警衛官が警衛隊の反対デモに参加しとったって。」
「上からそう言われたよ。俺は通常通り、門の警戒役にまわっていた。その時に、無許可でのデモ行為を現認した。そいつら、調子に乗りやがってどんどん距離を詰めてくるんだ。んで、ついに何人かが門番を突破して敷地に入ってきた。俺はすぐにそいつらを止めに入った。そしたら1人の野郎が短刀を取り出した。俺は防衛のために警棒を構えた。そっから無我夢中でそいつを制圧した。過剰防衛ならまだわかるぜ?それが蓋を開けてみればあいつが短刀を取りだしたことも何もかもが供述調書から消えてんだわ。そんで何故か俺は人事異動になって。」
「無許可でのデモ行為、」
そう呟くと千景はiPadを鞄から取り出した。
「どした?」
来島が聞くと千景は軽く頷きながらiPadを操作し始めた。
「同例の事案が関東圏内の駐屯地で報告があがってる。緊急事案速報で」
「まじかよ。」
来島が呟くと千景はiPadをその場に置いた。
「これだ。十字架のネックレスを付けた、真っ黒の上下スーツ集団。ワイシャツ、ネクタイ、ズボン、背広、靴、何もかもが真っ黒で統一されてるって証言だ」
「んだよ。それ。葬式終わりの集団じゃねーんだから」
「嶹津、そいつらの特徴何か覚えてるか?」
「真っ黒だったのは確かだった。だけど年齢層もバラバラで、短刀持ってる奴もいれば何も持ってない奴もいた。」
「統制が取れてない組織って事か?」
来島が呟いた。
「その真っ黒の集団ってのが気になるな」
千景が言うとレストランにスーツを着込んだ体のごつい3人組やってきた。
「お、おいこいつら、」
来島が言うと千景は思わず男たちを2度見した。
「着てるスーツが似てるな。格好もだ。」
嶹津が呟くと来島は男達にバレないように目線をずらしながら少し距離をつめた。
「で?どうなってんだ?状況なんもこっちに来とらんだろ?」
「すいません」
中央に座っている口周りに髭を蓄えた男が怒鳴ると向かい側に座っていた男たちが軽く頭を下げた。
「な?お前ら、一生ついてくるんじゃねーのかよ?あ?な?そう言ったろ?」
「は、はい」
「なら責任持てよ。おら」
そう怒鳴ると男は店員が置いた水の入ったコップを近くの壁に向かって投げつけた。
「あいつら、」
嶹津が立ち上がると来島はすかさず嶹津を座らせた。
「もうちょい我慢だ。な?まだ何もわかんねーだろ?そう焦んなや。何か分かったら存分暴れさせてやるからよ。な?」
来島が言うと嶹津は軽く口を鳴らしその場に腰掛けた。
「すいません。これが報告書です。遅れて申し訳ありません」
男はそう言うと向かい側に座っていた男に書類を渡した。
「最初からすぐに持ってこいや。ほんま、仕事できねークズ野郎だよな?何ができるんだよ」
そう言うと男は軽く足を組みながら書類に目を通した。
「ほぉー、いいじゃねーか。これで行くんだな?」
「はい。これで都内はすぐに支配下におけます。」
「国が機能しなくなれば必然と落ちてるくらからな。こんぐらい派手にやんねーとだもんな。発想はいいじゃねーのか?」
そう言うと男は持っていた書類を机の上に置いた。
「おい、」
「あ?」
目の前に立つ嶹津を見ながら男はつけていたサングラスを軽くずらしながら嶹津を睨みつけた。
「この書類、見た感じ、やばそうな匂いぷんぷんすっけど。」
そう言いながら嶹津は机の上に広げられた書類を手に取った。
「勝手に触ってんじゃねーぞ」
そう怒鳴ると男は嶹津を蹴り飛ばした。
飛ばされた嶹津は書類を手に持ったまま近くの席でご飯を食べていた2人組の客に体を強くぶつけた。
「応援行くか」
来島が言うと千景はその場に立ち上がった。
「なかなかいい蹴りすんじゃねーかよ。」
嶹津はそう言いながらその場に立ち上がった。
「んだよ。お前何者だ?今の蹴りで立てるんだな。なら、いけるところまでいってやるよ」
そう怒鳴ると男は警棒を構えた。
「警棒か、」
そう呟くと嶹津は近くにあったメニュー表を手に取った。
「ふざけてんのか?笑 そんなんで俺をやろうってか?随分と舐められたもんだよな、」
そう叫びながら男は嶹津に襲いかかった。
嶹津はすぐに近くの机に登ると回し蹴りで男をその場に倒した。
「おら、さっきのお返しだよ。」
そう怒鳴ると嶹津は男の首を絞めあげた。
「馬鹿が。こんなんでやられっかよ」
男は嶹津の腕を捻り上げると勢いよく反対側に曲げた。
「いってぇ、」
嶹津は腕を押えながらその場に倒れ込んだ。
「おら、おら、さっきまでの威勢。どこ行ったのかな?あ?へこたれてんじゃねーぞ。ごら」
倒れた嶹津に襲いかかろうと男が立ち上がったと同時に来島は机の上にあった水の入ったコップを男に向かって投げつけた。
「クソが、せっかくの綺麗な綺麗なスーツをびしょ濡れにしやがって」
男は来島を睨みつけると警棒をその場に放り投げ変わりに拳銃を構えた。
「水かけられてチャカか。笑わせやがって」
来島が言うと男は銃口を嶹津に向けた。
「お前、この腐った野郎の仲間だろ?それ以上動いたらこいつ撃つぞ?」
「撃てんのか?」
「あ?」
「こいつは、そんな単純じゃねーぜ?笑」
来島が言うと同時に嶹津は片手で男の足を掴むとそのまま勢いよく近くの机に向かって押し付けた。
脛を抑えながら軽く男が体勢を崩すと同時に嶹津はその場に立ち上がると男の頭を鷲掴みにし机に押付けた。
「こんなんでいいか?それかもっとやられてーのか?あ?」
嶹津が怒鳴るともう2人の男が警棒を構えた。
「お前らはこんな奴と一緒の人間じゃねーだろ?さっきも人格否定されとったろ?そんな奴を助けようとすんな」
そう言うと千景は男たちの手首を捻り上げ警棒を落とさせるとそのまま近くの壁に押し付けた。
「来島、後は頼んだぞ」
「わかった」
来島に男たちを預けると千景は周囲にいた店員と客に目をやった。
「すいません。この割れたコップ代と、あと諸々、こちらに請求してください」
そう言うと千景は自分の名刺を近くの店員に渡した。
「え、警衛官?」
店員が呟くと千景は軽く笑った。
「見えないでしょ?笑 とにかくこれだと、相場は、1億行かないぐらいですかね?」
「い、1億、ですか?」
「はい。まぁ後ほど、お願いします。請求するとなればそちらの電話番号に。」
「わ、わかりました」
店員が言うと千景は軽く一礼し来島に目をやった。
「とりま、そいつらを車に入れようか」
千景が言うと来島は軽く頷きながら男たちを歩かせた。
「このでっかいおっさんもだろ?」
嶹津は男の襟足を掴みながら言った。
「お前、それ骨折れたんじゃねーのか?」
「かもな笑 感触がいつもと違うからな」
「そいつ、俺に任せろ。病院行ってこいよ」
そう言いながら千景は男の顔を上げさせた。
「病院なんて、俺、今無保険っしょ?」
「あ、そうか。知り合いに医者居るからそいつに任せるか。ま、そのまま着いてこいよ」
「あいよ」
嶹津らが店から去ると店員たちはただ唖然とするしか無かった。
嶹津舜(23)…10代目主人公 警衛庁 3類職員(嘱託)
耀阪榮臣(24)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
夢丸奎大(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
高梨樹李(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 1等隊士
冴浪透也(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長
佐塚真弥(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
松石海翔(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
吉瀬淳也(27)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長
来島琉季弥(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官補佐 2等士官
今西遙駕(46)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官 1等士官
藤浦恭介(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官
栗坂啓二(38)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官
千景将(51)…警衛庁 公安科 統括官兼 別働隊長 1等幹士
関口智也(28)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長
河木涼(25)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長
奥木奨真(45)…警衛庁 幕僚官房室 理事官 2等将士
幸崎晃平(43)…警衛庁 公安科 科長 3等将士
菊池謙祐(44)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官 2等士官
泉井皓太(43)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官2等士官
鳥島信孝(57)…警衛庁 14代目 幕僚総監
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
………………………………………………………………
来島に連れてこられたのは市ヶ谷駐屯地近くにある隠れ名店として知られる和食レストランだった。
「好きな物何でも食えや。奢ったるけ」
そう言いながら来島は軽く欠伸をした。
「狙いはなんだ?いきなり嘱託って。理解できねーよ。理解できねーのに世話になって溜まるかよ。」
「変な意地ばっか張るなや。」
「んだと?」
嶹津が軽く立ちあがうとすると横に座っていた千景が軽くなだめた。
「来島、早く本題に入ろう。飯はその後でもいいだろ?」
「そうだな」
そう言うと来島は軽く足を組んだ。
「まず、ここまでお前が変わった理由教えてくれ。それがわかんねーとお前をこれからの任務につけることはできない。」
「任務?」
嶹津が聞くと来島は千景に目をやった。
「お前の横にいる奴が総監からの願い断り切れなくてな。あのおっさんに怯むってよっぽどだろ?笑」
「あ?」
千景が言うと来島は爆笑しながら嶹津に目をやった。
「で、何がどーなって今にいたる?」
「向こうから手を出してきたんだ。それを俺が100悪いかのように処理して、」
「向こうから手を出してきた?」
千景が呟くと来島は周囲に目をやりながら少し声を潜めた。
「あのデモの件か?お前が陸上科に異動になったっていう、」
「知ってんのかよ」
「お前の同僚から聞いたよ。お前がボコした奴、警衛官だったんだろ?現職の警衛官が警衛隊の反対デモに参加しとったって。」
「上からそう言われたよ。俺は通常通り、門の警戒役にまわっていた。その時に、無許可でのデモ行為を現認した。そいつら、調子に乗りやがってどんどん距離を詰めてくるんだ。んで、ついに何人かが門番を突破して敷地に入ってきた。俺はすぐにそいつらを止めに入った。そしたら1人の野郎が短刀を取り出した。俺は防衛のために警棒を構えた。そっから無我夢中でそいつを制圧した。過剰防衛ならまだわかるぜ?それが蓋を開けてみればあいつが短刀を取りだしたことも何もかもが供述調書から消えてんだわ。そんで何故か俺は人事異動になって。」
「無許可でのデモ行為、」
そう呟くと千景はiPadを鞄から取り出した。
「どした?」
来島が聞くと千景は軽く頷きながらiPadを操作し始めた。
「同例の事案が関東圏内の駐屯地で報告があがってる。緊急事案速報で」
「まじかよ。」
来島が呟くと千景はiPadをその場に置いた。
「これだ。十字架のネックレスを付けた、真っ黒の上下スーツ集団。ワイシャツ、ネクタイ、ズボン、背広、靴、何もかもが真っ黒で統一されてるって証言だ」
「んだよ。それ。葬式終わりの集団じゃねーんだから」
「嶹津、そいつらの特徴何か覚えてるか?」
「真っ黒だったのは確かだった。だけど年齢層もバラバラで、短刀持ってる奴もいれば何も持ってない奴もいた。」
「統制が取れてない組織って事か?」
来島が呟いた。
「その真っ黒の集団ってのが気になるな」
千景が言うとレストランにスーツを着込んだ体のごつい3人組やってきた。
「お、おいこいつら、」
来島が言うと千景は思わず男たちを2度見した。
「着てるスーツが似てるな。格好もだ。」
嶹津が呟くと来島は男達にバレないように目線をずらしながら少し距離をつめた。
「で?どうなってんだ?状況なんもこっちに来とらんだろ?」
「すいません」
中央に座っている口周りに髭を蓄えた男が怒鳴ると向かい側に座っていた男たちが軽く頭を下げた。
「な?お前ら、一生ついてくるんじゃねーのかよ?あ?な?そう言ったろ?」
「は、はい」
「なら責任持てよ。おら」
そう怒鳴ると男は店員が置いた水の入ったコップを近くの壁に向かって投げつけた。
「あいつら、」
嶹津が立ち上がると来島はすかさず嶹津を座らせた。
「もうちょい我慢だ。な?まだ何もわかんねーだろ?そう焦んなや。何か分かったら存分暴れさせてやるからよ。な?」
来島が言うと嶹津は軽く口を鳴らしその場に腰掛けた。
「すいません。これが報告書です。遅れて申し訳ありません」
男はそう言うと向かい側に座っていた男に書類を渡した。
「最初からすぐに持ってこいや。ほんま、仕事できねークズ野郎だよな?何ができるんだよ」
そう言うと男は軽く足を組みながら書類に目を通した。
「ほぉー、いいじゃねーか。これで行くんだな?」
「はい。これで都内はすぐに支配下におけます。」
「国が機能しなくなれば必然と落ちてるくらからな。こんぐらい派手にやんねーとだもんな。発想はいいじゃねーのか?」
そう言うと男は持っていた書類を机の上に置いた。
「おい、」
「あ?」
目の前に立つ嶹津を見ながら男はつけていたサングラスを軽くずらしながら嶹津を睨みつけた。
「この書類、見た感じ、やばそうな匂いぷんぷんすっけど。」
そう言いながら嶹津は机の上に広げられた書類を手に取った。
「勝手に触ってんじゃねーぞ」
そう怒鳴ると男は嶹津を蹴り飛ばした。
飛ばされた嶹津は書類を手に持ったまま近くの席でご飯を食べていた2人組の客に体を強くぶつけた。
「応援行くか」
来島が言うと千景はその場に立ち上がった。
「なかなかいい蹴りすんじゃねーかよ。」
嶹津はそう言いながらその場に立ち上がった。
「んだよ。お前何者だ?今の蹴りで立てるんだな。なら、いけるところまでいってやるよ」
そう怒鳴ると男は警棒を構えた。
「警棒か、」
そう呟くと嶹津は近くにあったメニュー表を手に取った。
「ふざけてんのか?笑 そんなんで俺をやろうってか?随分と舐められたもんだよな、」
そう叫びながら男は嶹津に襲いかかった。
嶹津はすぐに近くの机に登ると回し蹴りで男をその場に倒した。
「おら、さっきのお返しだよ。」
そう怒鳴ると嶹津は男の首を絞めあげた。
「馬鹿が。こんなんでやられっかよ」
男は嶹津の腕を捻り上げると勢いよく反対側に曲げた。
「いってぇ、」
嶹津は腕を押えながらその場に倒れ込んだ。
「おら、おら、さっきまでの威勢。どこ行ったのかな?あ?へこたれてんじゃねーぞ。ごら」
倒れた嶹津に襲いかかろうと男が立ち上がったと同時に来島は机の上にあった水の入ったコップを男に向かって投げつけた。
「クソが、せっかくの綺麗な綺麗なスーツをびしょ濡れにしやがって」
男は来島を睨みつけると警棒をその場に放り投げ変わりに拳銃を構えた。
「水かけられてチャカか。笑わせやがって」
来島が言うと男は銃口を嶹津に向けた。
「お前、この腐った野郎の仲間だろ?それ以上動いたらこいつ撃つぞ?」
「撃てんのか?」
「あ?」
「こいつは、そんな単純じゃねーぜ?笑」
来島が言うと同時に嶹津は片手で男の足を掴むとそのまま勢いよく近くの机に向かって押し付けた。
脛を抑えながら軽く男が体勢を崩すと同時に嶹津はその場に立ち上がると男の頭を鷲掴みにし机に押付けた。
「こんなんでいいか?それかもっとやられてーのか?あ?」
嶹津が怒鳴るともう2人の男が警棒を構えた。
「お前らはこんな奴と一緒の人間じゃねーだろ?さっきも人格否定されとったろ?そんな奴を助けようとすんな」
そう言うと千景は男たちの手首を捻り上げ警棒を落とさせるとそのまま近くの壁に押し付けた。
「来島、後は頼んだぞ」
「わかった」
来島に男たちを預けると千景は周囲にいた店員と客に目をやった。
「すいません。この割れたコップ代と、あと諸々、こちらに請求してください」
そう言うと千景は自分の名刺を近くの店員に渡した。
「え、警衛官?」
店員が呟くと千景は軽く笑った。
「見えないでしょ?笑 とにかくこれだと、相場は、1億行かないぐらいですかね?」
「い、1億、ですか?」
「はい。まぁ後ほど、お願いします。請求するとなればそちらの電話番号に。」
「わ、わかりました」
店員が言うと千景は軽く一礼し来島に目をやった。
「とりま、そいつらを車に入れようか」
千景が言うと来島は軽く頷きながら男たちを歩かせた。
「このでっかいおっさんもだろ?」
嶹津は男の襟足を掴みながら言った。
「お前、それ骨折れたんじゃねーのか?」
「かもな笑 感触がいつもと違うからな」
「そいつ、俺に任せろ。病院行ってこいよ」
そう言いながら千景は男の顔を上げさせた。
「病院なんて、俺、今無保険っしょ?」
「あ、そうか。知り合いに医者居るからそいつに任せるか。ま、そのまま着いてこいよ」
「あいよ」
嶹津らが店から去ると店員たちはただ唖然とするしか無かった。
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