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陸衛 編
ULTIMATE〜E.O.D 不発の憎しみ 第16話
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主要登場人物一覧
嶹津舜(23)…10代目主人公 警衛庁 3類職員(嘱託)
耀阪榮臣(24)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
夢丸奎大(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
高梨樹李(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 1等隊士
冴浪透也(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長
佐塚真弥(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
松石海翔(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
吉瀬淳也(27)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長
来島琉季弥(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官補佐 2等士官
今西遙駕(46)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官 1等士官
藤浦恭介(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官
栗坂啓二(38)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官
千景将(51)…警衛庁 公安科 統括官兼 別働隊長 1等幹士
関口智也(28)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長
河木涼(25)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長
奥木奨真(45)…警衛庁 幕僚官房室 理事官 2等将士
幸崎晃平(43)…警衛庁 公安科 科長 3等将士
菊池謙祐(44)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官 2等士官
泉井皓太(43)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官2等士官
鳥島信孝(57)…警衛庁 14代目 幕僚総監
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
………………………………………………………………
「ねみーな」
吉瀬は時折、欠伸をしながら駐屯地の周りを巡回していた。
「な?聞いたか、本隊(警衛庁)の受付嬢のさ、美咲ちゃんいんじゃん?」
共に巡回していた冴浪に言われ吉瀬は軽く頷いた。
「告ったけど俺のこと振りやがった奴だよな。あのボディーラインとか全てがまじで完璧なんだよな笑」
「キモイな。まぁいいわ。そんでさ、美咲ちゃん、愛人疑惑あるの知ってるか?」
「愛人疑惑?」
「そうそう。そんでさその相手、俺わかっちゃったんよなー」
「え?相手?誰?誰?」
「知りたい?笑」
「あったりめーだろ。早く教えろや」
吉瀬が怒鳴った時、1本の無線が入ってきた。関口からだった。
「吉瀬、聞こえるか?俺だ」
「あ?関口か?今いいところだったんだけど。何?」
「巡回中にいい所とかあるかよ。んな事より、東門に向かってくれ。センサーが反応してるんだ?」
「センサー?」
「そうそう。対人センサーだよ。」
「あー23時以降に設置されるってやつか。わかった。見に行ってくるよ」
吉瀬が言うと同時に冴浪はその場から走り出した。
「は?お前、おい教えろって。愛人をよー。な?おい」
吉瀬はそう叫びながら冴浪を追いかけた。
しばらく走っていくと、吉瀬は冴浪が東門の前で立ち尽くしている姿があった。
「おい、冴浪、お前さそこまで言って走るとかズルいって」
そう言いながら吉瀬は軽く速度を落としながら走った。
次の瞬間、冴浪が東門の先にいた黒須真に銃口を向けられてるのが目に入った。
「ま、まじかよ。」
吉瀬が呟くと冴浪は手を上げながら言った。
「見たらわかるだろ?ちょっとやばい状況よな。これは」
「いや、まじのヤバいやつじゃん」
そう言い吉瀬は無線機に手を触れた。
それを見るなりすかさず嶹津は吉瀬の足に向け発砲した。
「いってぇ、」
その場に倒れると吉瀬は嶹津を睨みつけた。
「おい、いてーだろ。な?」
「うるせー。そのまま何も動かず立ってろ」
嶹津に怒鳴られ吉瀬は冴浪に目をやった。
「吉瀬、落ち着くんだ。わかってるだろ?カッとすんなよ。」
冴浪が言うと黒須真はニヤリと笑いながら嶹津に目をやった。
「んだよ。おっさん。こっち見んなや」
嶹津が言うと黒須真はそのまま嶹津に銃口を向け直した。
「あ?おっさん。俺に何してるかわかってんのか?」
嶹津が怒鳴ると黒須真は鼻で笑った。
「お前、こいつらの仲間だろ?」
「あ?」
「潜入だな?警衛隊が何やってんだよ。ショックだよ。まさか君が潜入だったなんて。君、逸材になれると思ったのに」
「やべー、バレてんじゃん」
吉瀬が呟くと銃声を聞きつけ走ってきた耀阪ら別働隊メンバーらは嶹津に向け銃を構えた。
「おーなんだ、なんだ、仲間割れか?」
黒須真が怒鳴ると耀阪は藤浦に目をやった。
「どういう事だ?」
藤浦が聞くと黒須真は声を荒らげた。
「仲間なんだろ?こいつと。」
「仲間?何言ってるんだよ。こいつが仲間な訳ねーだろ?」
藤浦が言う後ろで高梨はすかさず足につけた防刃タイツを静かに見せた。
それを見て嶹津は黒須真を押しのけ、別働隊メンバーらに向け発砲を始めた。
「んな馬鹿な事言うんだったらあんたも殺すぞ?」
「ほぉー笑 そうか、そうか。」
そう言うと黒須真は監視カメラに向け発砲しそのまま駐屯地内に入っていった。
「おい、お前、バックアップだ。さっさとやれや」
黒須真に言われ嶹津は乱射を始めた。
その頃、待機していた菅原のもとに1人の隊員が走ってきた。
「失礼します。東門にて別働隊が不審者と交戦。そのまま不審者が駐屯地内に侵入したとの事です。以上、別働隊から上がってきた情報です」
「ついに来たか、」
菅原が呟くと陸衛中央連隊メンバーらはその場に立ち上がった。
「総員、そのまま臨戦態勢に。あくまで狙うのは黒須真本人だ。嶹津は制圧ではなく、生け捕り、怪我ひとつ負わせるな。わかったか?」
「はい」
隊員らが返事すると菅原はスマホを手に取り、警衛庁に設置されてる作戦指揮本部に電話をかけた。
「あ、もしもし。菅原です。先程、入電しました情報によると交戦の後、別働隊が全滅。不審者が駐屯地内に入ってきたとの情報がおりてきました。」
「全滅、というのは?」
奥木に聞かれ菅原は軽く頷いた。
「まだ入電の段階ですので詳細は調査中ですが、恐らくは最悪の事態も想定せねばといったところでは無いかと」
「そうか。」
奥木が言うと菊池が口を開けた。
「そのまま、部隊は東門に向け前進。速やかに黒須真の制圧。これを最大目標にして動くのがベストでしょう」
「いや、嶹津もこの際、制圧しよう。あいつに潜入を任せたのは、大きな誤算だったようだ」
そう言うと来島は持っていたiPadをその場に音を立てながら乱暴に置いた。
「嶹津には内緒で鞄につけている盗聴機能付きの発信機だ。さっき、黒須真に正体がバレていた。ま、咄嗟に藤浦達がカバーしてくれたおかげで、何とかなったが、このまま死なれては洒落にならんからな」
来島が言うと千景が口を開けた。
「公安科としてはこれが総意です。」
千景が言うと鳥島は、軽く咳払いをしながら来島に目をやった。
「そうなんか。幸崎、君も同意見か?さっきから一言も話してないように思えるが、」
「部下の意見を尊重します。私はそれが意見です」
「そうか」
そう言うと鳥島は無線機を手に持った。
「黒須真の他に嶹津も確保だ。潜入は中止。ただちに嶹津をこちら側に戻してこい。やれるか?」
「わかりました。ではそのようにします」
応答すると菅原は軽く目をつぶりながらその場に立ち上がった。
「これより、黒須真、嶹津の2名を確保する。あくまで生け捕り。作戦変更はなし。」
菅原が怒鳴ると隊員らは装備品を装着し部屋から出て行った。
「菅原さん、大丈夫すか?嶹津も確保して。」
小鹿島が聞くと菅原は近くにあったメモ用紙に何かを記入し始めた。
「これを読め」
そう言われ、菅原から渡されたメモ用紙には、こう書かれていた。
盗聴器が近くにつけられてる。それを今から探してくれ
「え、」
小鹿島がつぶやくと菅原は近くにいた陸衛中央連隊 連隊指揮班 隊員らに目をやった。
「あいつらにも伝えろ。そして今すぐに見つけ出すんだ」
菅原に言われ小鹿島は急いで連隊指揮班のもとに向かった。
数分後
小鹿島は菅原に小さな黒の塊のようなものを渡した。
「これか、」
そう呟くと菅原は勢いよく塊を壁に向かって投げつけた。
「よくもこんな汚い真似しやがって」
菅原が呟くと小鹿島は口を開けた。
「誰が、やったんですかね?」
「決まってるだろ。公安の連中だ。俺たちの動向を監視してたんだ。おかしいと思ったんだよ。いきなり、嶹津も確保だって。潜入は中止。あんなに潜入に拘ってたのに、あんなあっさりと決まるなんて。」
「そ、そうですか」
小鹿島が言うと菅原は軽く咳払いをした。
「嶹津は俺たちの手で確保する。確保の後、取り調べを実施、奴に真実を吐かせろ。それしか無い」
「わかりました」
連隊指揮班隊員らが出ていくと小鹿島は菅原に声をかけた。
「あの、どうしてそこま潜入に拘るんですか?確かに、違法行為ですけど、」
「警務隊への恩売だ。俺は、この組織でてっぺんを取るために幹部候補生で入隊してきた。てっぺん取るには、どこかの段階で警務隊を経験する必要がある。ここで俺は1発逆転するんだよ。」
そう言うと菅原はそのまま部屋を後にした。
嶹津舜(23)…10代目主人公 警衛庁 3類職員(嘱託)
耀阪榮臣(24)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
夢丸奎大(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
高梨樹李(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 1等隊士
冴浪透也(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長
佐塚真弥(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
松石海翔(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士
吉瀬淳也(27)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長
来島琉季弥(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官補佐 2等士官
今西遙駕(46)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官 1等士官
藤浦恭介(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官
栗坂啓二(38)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官
千景将(51)…警衛庁 公安科 統括官兼 別働隊長 1等幹士
関口智也(28)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長
河木涼(25)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長
奥木奨真(45)…警衛庁 幕僚官房室 理事官 2等将士
幸崎晃平(43)…警衛庁 公安科 科長 3等将士
菊池謙祐(44)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官 2等士官
泉井皓太(43)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官2等士官
鳥島信孝(57)…警衛庁 14代目 幕僚総監
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
………………………………………………………………
「ねみーな」
吉瀬は時折、欠伸をしながら駐屯地の周りを巡回していた。
「な?聞いたか、本隊(警衛庁)の受付嬢のさ、美咲ちゃんいんじゃん?」
共に巡回していた冴浪に言われ吉瀬は軽く頷いた。
「告ったけど俺のこと振りやがった奴だよな。あのボディーラインとか全てがまじで完璧なんだよな笑」
「キモイな。まぁいいわ。そんでさ、美咲ちゃん、愛人疑惑あるの知ってるか?」
「愛人疑惑?」
「そうそう。そんでさその相手、俺わかっちゃったんよなー」
「え?相手?誰?誰?」
「知りたい?笑」
「あったりめーだろ。早く教えろや」
吉瀬が怒鳴った時、1本の無線が入ってきた。関口からだった。
「吉瀬、聞こえるか?俺だ」
「あ?関口か?今いいところだったんだけど。何?」
「巡回中にいい所とかあるかよ。んな事より、東門に向かってくれ。センサーが反応してるんだ?」
「センサー?」
「そうそう。対人センサーだよ。」
「あー23時以降に設置されるってやつか。わかった。見に行ってくるよ」
吉瀬が言うと同時に冴浪はその場から走り出した。
「は?お前、おい教えろって。愛人をよー。な?おい」
吉瀬はそう叫びながら冴浪を追いかけた。
しばらく走っていくと、吉瀬は冴浪が東門の前で立ち尽くしている姿があった。
「おい、冴浪、お前さそこまで言って走るとかズルいって」
そう言いながら吉瀬は軽く速度を落としながら走った。
次の瞬間、冴浪が東門の先にいた黒須真に銃口を向けられてるのが目に入った。
「ま、まじかよ。」
吉瀬が呟くと冴浪は手を上げながら言った。
「見たらわかるだろ?ちょっとやばい状況よな。これは」
「いや、まじのヤバいやつじゃん」
そう言い吉瀬は無線機に手を触れた。
それを見るなりすかさず嶹津は吉瀬の足に向け発砲した。
「いってぇ、」
その場に倒れると吉瀬は嶹津を睨みつけた。
「おい、いてーだろ。な?」
「うるせー。そのまま何も動かず立ってろ」
嶹津に怒鳴られ吉瀬は冴浪に目をやった。
「吉瀬、落ち着くんだ。わかってるだろ?カッとすんなよ。」
冴浪が言うと黒須真はニヤリと笑いながら嶹津に目をやった。
「んだよ。おっさん。こっち見んなや」
嶹津が言うと黒須真はそのまま嶹津に銃口を向け直した。
「あ?おっさん。俺に何してるかわかってんのか?」
嶹津が怒鳴ると黒須真は鼻で笑った。
「お前、こいつらの仲間だろ?」
「あ?」
「潜入だな?警衛隊が何やってんだよ。ショックだよ。まさか君が潜入だったなんて。君、逸材になれると思ったのに」
「やべー、バレてんじゃん」
吉瀬が呟くと銃声を聞きつけ走ってきた耀阪ら別働隊メンバーらは嶹津に向け銃を構えた。
「おーなんだ、なんだ、仲間割れか?」
黒須真が怒鳴ると耀阪は藤浦に目をやった。
「どういう事だ?」
藤浦が聞くと黒須真は声を荒らげた。
「仲間なんだろ?こいつと。」
「仲間?何言ってるんだよ。こいつが仲間な訳ねーだろ?」
藤浦が言う後ろで高梨はすかさず足につけた防刃タイツを静かに見せた。
それを見て嶹津は黒須真を押しのけ、別働隊メンバーらに向け発砲を始めた。
「んな馬鹿な事言うんだったらあんたも殺すぞ?」
「ほぉー笑 そうか、そうか。」
そう言うと黒須真は監視カメラに向け発砲しそのまま駐屯地内に入っていった。
「おい、お前、バックアップだ。さっさとやれや」
黒須真に言われ嶹津は乱射を始めた。
その頃、待機していた菅原のもとに1人の隊員が走ってきた。
「失礼します。東門にて別働隊が不審者と交戦。そのまま不審者が駐屯地内に侵入したとの事です。以上、別働隊から上がってきた情報です」
「ついに来たか、」
菅原が呟くと陸衛中央連隊メンバーらはその場に立ち上がった。
「総員、そのまま臨戦態勢に。あくまで狙うのは黒須真本人だ。嶹津は制圧ではなく、生け捕り、怪我ひとつ負わせるな。わかったか?」
「はい」
隊員らが返事すると菅原はスマホを手に取り、警衛庁に設置されてる作戦指揮本部に電話をかけた。
「あ、もしもし。菅原です。先程、入電しました情報によると交戦の後、別働隊が全滅。不審者が駐屯地内に入ってきたとの情報がおりてきました。」
「全滅、というのは?」
奥木に聞かれ菅原は軽く頷いた。
「まだ入電の段階ですので詳細は調査中ですが、恐らくは最悪の事態も想定せねばといったところでは無いかと」
「そうか。」
奥木が言うと菊池が口を開けた。
「そのまま、部隊は東門に向け前進。速やかに黒須真の制圧。これを最大目標にして動くのがベストでしょう」
「いや、嶹津もこの際、制圧しよう。あいつに潜入を任せたのは、大きな誤算だったようだ」
そう言うと来島は持っていたiPadをその場に音を立てながら乱暴に置いた。
「嶹津には内緒で鞄につけている盗聴機能付きの発信機だ。さっき、黒須真に正体がバレていた。ま、咄嗟に藤浦達がカバーしてくれたおかげで、何とかなったが、このまま死なれては洒落にならんからな」
来島が言うと千景が口を開けた。
「公安科としてはこれが総意です。」
千景が言うと鳥島は、軽く咳払いをしながら来島に目をやった。
「そうなんか。幸崎、君も同意見か?さっきから一言も話してないように思えるが、」
「部下の意見を尊重します。私はそれが意見です」
「そうか」
そう言うと鳥島は無線機を手に持った。
「黒須真の他に嶹津も確保だ。潜入は中止。ただちに嶹津をこちら側に戻してこい。やれるか?」
「わかりました。ではそのようにします」
応答すると菅原は軽く目をつぶりながらその場に立ち上がった。
「これより、黒須真、嶹津の2名を確保する。あくまで生け捕り。作戦変更はなし。」
菅原が怒鳴ると隊員らは装備品を装着し部屋から出て行った。
「菅原さん、大丈夫すか?嶹津も確保して。」
小鹿島が聞くと菅原は近くにあったメモ用紙に何かを記入し始めた。
「これを読め」
そう言われ、菅原から渡されたメモ用紙には、こう書かれていた。
盗聴器が近くにつけられてる。それを今から探してくれ
「え、」
小鹿島がつぶやくと菅原は近くにいた陸衛中央連隊 連隊指揮班 隊員らに目をやった。
「あいつらにも伝えろ。そして今すぐに見つけ出すんだ」
菅原に言われ小鹿島は急いで連隊指揮班のもとに向かった。
数分後
小鹿島は菅原に小さな黒の塊のようなものを渡した。
「これか、」
そう呟くと菅原は勢いよく塊を壁に向かって投げつけた。
「よくもこんな汚い真似しやがって」
菅原が呟くと小鹿島は口を開けた。
「誰が、やったんですかね?」
「決まってるだろ。公安の連中だ。俺たちの動向を監視してたんだ。おかしいと思ったんだよ。いきなり、嶹津も確保だって。潜入は中止。あんなに潜入に拘ってたのに、あんなあっさりと決まるなんて。」
「そ、そうですか」
小鹿島が言うと菅原は軽く咳払いをした。
「嶹津は俺たちの手で確保する。確保の後、取り調べを実施、奴に真実を吐かせろ。それしか無い」
「わかりました」
連隊指揮班隊員らが出ていくと小鹿島は菅原に声をかけた。
「あの、どうしてそこま潜入に拘るんですか?確かに、違法行為ですけど、」
「警務隊への恩売だ。俺は、この組織でてっぺんを取るために幹部候補生で入隊してきた。てっぺん取るには、どこかの段階で警務隊を経験する必要がある。ここで俺は1発逆転するんだよ。」
そう言うと菅原はそのまま部屋を後にした。
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