12 / 21
ジブチ駐屯地再建作戦 第1次ジブチ派遣
ULTIMATE〜SECRET 邦家の秘匿 第10話
しおりを挟む
主要登場人物一覧
赤眞翔平(27)…11代目主人公 近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 副班長 隊士長
垣内淕也(22)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 1等隊士
駒田勝生(23)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 1等隊士
塩崎柊斗(25)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 副班長 3等士官
吉瀬淳也(34)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 班長 2等士官
高濵翔盛(26)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 隊士長
樋樫柊臣(26)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 隊士長
成濱佑汰(27)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
伊敷煌大(23)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
崇眞稜大(23)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
前原裕季哉(26)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
芦澤柊太(37)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 2等士官
青村聡士(35)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 2等士官
澤田新太(40) …東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 1等士官
今西遙駕(53)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊 小隊長 士官長
新城彪駕(35)…警衛庁 警務隊長 2等幹士
藤浦恭介(52)…警衛庁 警務隊 総務管理官 衛幹
椎津愛虎(32)…警衛庁 警務隊 中央警務班所属 2等士官
貴内伸介(42)…警衛庁 警務隊 中央警務班 管理官 1等幹士
正随緋斗(31)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 2等士官
比嘉晃斗(25)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 隊士長
河城蒼空(29)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
天辻慶斗(31)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
夢丸奎大(29)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
浅木零(33)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班 管理官 2等士官
伏垨綉梧(39)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班長 1等士官
猪俣繁倖(49)…警衛庁 駐屯科長 3等将士
大須賀敦晴(46)…警衛庁 駐屯科 副科長 1等幹士
国藤尚崇(45)…警衛庁 駐屯科 巡回機動連絡部隊 部隊長 1等隊尉
坂浦聡磨(39)…警衛庁 駐屯科 巡回機動連絡部隊 管理官 3等隊尉
皇山誠士郎(31)…警衛庁 幕僚総監 秘書室 第2秘書官 2等隊尉
東奥崇伍(35)…警衛庁 幕僚総監 秘書室 第1秘書官 1等隊尉
籐洲猛靖(54)…警衛庁 17代目幕僚総監
能敦紀(50)…警衛庁 東部方面隊 方面総監 1等将士
新濱恭吾(49)…警衛庁 東部方面隊 副総監 3等将士
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
………………………………………………………………
「わかった」
電話を切ると貴内は軽くため息を吐いた。
「どうかしましたか?」
横にいた椎津に聞かれ貴内は軽く頷きながら言った。
「日本人村が襲撃されたらしい。それで今、ジブチ駐屯地から部隊が派遣されてるようだ」
「マジすか?誰の指揮下で?」
「伏垨 1等士官。班長だな。どうしようか。河城の捜索で俺ら派遣されてんのにこれじゃあ河城の捜索なんてやってる暇ねーぞ」
貴内が話していると椎津は機内無線機のボタンを押した。
「後、何分で到着予定ですか?」
「副操縦士です。えー、後5分ですね」
「わかりました」
無線を切ると椎津は貴内に目をやった。
「とりあえずこのまま行きましょう。俺たちに出来ることは向こう着いてからですよ」
「わかってるよ」
貴内は窓の景色に目をやりながら言った。
5分後
貴内ら中央警務班の隊員らを乗せたヘリはゆっくりとジブチ駐屯地 仮ヘリポートに向け着陸した。
「機長、ありがとう」
貴内はそう叫ぶとそのまま隊舎の中に向け走り出した。
隊舎の中に着くと、多くの隊員が集まっていた。
「お疲れ様です」
今西は貴内らの姿を見るなり声をかけた。
「中央警務班 管理官の貴内です。日本人村襲撃、ですか?」
「はい。今、隊員を派遣してますが、派遣した段階で既に、敵襲は確認できませんでした」
「敵襲無しか」
「はい。そのまま調査を始めてます」
「日本人村だろ?その調査もいいけど河城の捜索は?それもやんねーとだろ?」
「河城の捜索は、そうですね。まだ手を打ててないですね」
「さっさとやるぞ。全員が同じ方向に向いてても何も始まらねーからな。俺と椎津とお前で河城の捜索を行う。いいか?」
「はい」
今西が返事した時、赤眞と塩崎がこちら側にやってくるのが目に入った。
「あ、あのー」
塩崎に声をかけられ貴内は2人に目をやった。
「何か?」
椎津が聞くと赤眞が口を開けた。
「河城 3等士官の捜索をしに来たんすよね?」
「そうだが、何か知ってるのか?」
貴内が聞くと2人は互いに目を合わせた。
「知ってることがあるなら何でもいい。話してくれ」
今西に言われ赤眞は塩崎を後ろに下がらせそのまま前に出てきた。
「河城 3等士官は撃たれた。今はもうこの世にいません」
赤眞の言葉に貴内は思わず唖然とした。
「撃たれたというのは?どこで誰に?」
今西が聞いた。
「多分、河城さんを殺ったのは日本人村を襲撃した連中で間違いないかと」
塩崎が言った。
「間違いない?なぜそう言い切れる?」
椎津が聞くと塩崎は赤眞に目をやりながら話した。
「恐らく、日本人に対してまたは警衛隊、日本人の両方に対して何らかの恨みを持っている現地住民による襲撃。赤眞さんと俺はそういう風に推察しました」
塩崎の言葉に貴内は軽く首を傾げた。
「なるほど?で、今、河城の遺体は?」
「まだ分かりません。今、探してるんですけど」
塩崎が言うと貴内は椎津に目をやった。
「とりあえずそれを探すか。遺体を見つけねーと、その死んだ、死んでないの話の真相が分からない。そしてもしその事実が本当だとするなら、駐屯地再建を中断せねばならない。それはお前らもわかるか?理由は」
そう言うと貴内は赤眞と塩崎の顔に目をやった。
「民間人がいるから、ですよね?」
赤眞が言うと貴内は頷いた。
「そうだ。俺たちが民間人を守れるなんて保証どこにも無い。むしろ今ここにある武器類は必要最低限だ。コンディションの問題もある。100パーの力を出せるとは思えない。それも踏まえて俺は言ってる。とりあえず河城の遺体を見つけ出せ」
「わかりました」
そう言うと赤眞は塩崎と共に走り出した。
その頃
浅木は日本人村への派遣から帰り、状況の伝令を伏垨にした後、隊舎の中で軽く休憩を取っていた。
その時、日本人村の生存者を数人連れながら数人の隊員が浅木のもとにやってきた。
「管理官、医務室って今、満室なんですか?」
「満室?満室とか無いだろ。医務室に」
そう言いながら浅木はその場に立ち上がった。
「ですがどこも空いてなくて」
「空いてない?この奥にある医務室は試したのか?」
「鍵が閉まってて、」
「鍵が?」
浅木はそう呟くと医務室に向かって歩き出した。
「本当だな。あかねーわ」
そう言うと浅木は業務用スマホに目をやった。
「とりあえず今お前が連れてきたその生存者は外にあるテントに連れていけ。衛生科の隊員らが待機本部で使ってるテントが近くにあったと思う」
「わかりました」
そう言うと隊員は浅木に一礼しその場を後にした。
その後、浅木は医務室のドアを何度も蹴り上げた。
数秒後、ドアが少しがたつくのを見ると浅木はそのままドアを勢いよく蹴り倒した。
「やっと開いたな。クソが」
そう呟きながら浅木は部屋の中に入った。
すると、とあるベットだけ不自然に毛布がかけられていた。
「あ?」
浅木はそのベットのもとに駆け寄るとゆっくりと毛布を取った。
すると、そこには目を開けたまま息のしてない河城の姿があった。
「なんなんだよ、これ」
浅木はただただその姿に呆然としていた。
その時だった、赤眞と塩崎が医務室に入ってきた。
「浅木さん」
塩崎が呟くと浅木はすぐに後ろをふりかえった。
「まじかよ」
赤眞はベットで横たわる河城の姿を見て呆然と立ち尽くした。
「くそが、赤眞、塩崎」
「え?は、はい」
塩崎がすぐに返事した。
「警務隊呼んでこい。ここに。俺はちょっと行くところがある。警務隊がここに来たらそのまま隊庭にある指揮用テントに来て欲しいと言っておいてくれ」
「わ、わかりました」
赤眞が言うと浅木は急いでその場を後にした。
その頃
隊庭にある指揮用テントでは、伏垨を含む指揮官役の隊員達が慌ただしく動き回っていた。
「班長、調査から帰ってきました」
そう言ってテントに入ってきたのは正随だった。
「そうか。終わったか?どうだった?」
伏垨が聞くと正随は後ろにいた隊員らに目をやりながら答えた。
「調査結果ですが、何も分かりませんでした。しかし、一つだけ不自然に焼かれてる箇所がありまして」
正随が言うと後ろにいた比嘉がスマホの写真を見せた。
「これは、ジブチに日本人村ができるきっかけとなったとある紛争による慰霊碑です。その紛争では、PKOで警衛隊が派遣されてました。その時に紛争に巻き込まれ亡くなった警衛官の名前がその慰霊碑に刻まれているのですが、この慰霊碑が不自然に燃やされているのを確認しました。恐らく、日本人村を襲撃した者は日本、そして警衛隊に恨みを持った連中では無いかと思われます。私たちから報告出来ることはこれだけです」
「警衛隊に恨みを持った、人間、、」
伏垨が呟いているとテントに浅木が入ってきた。
「どこにいたんだ?サボりか?さっさと合流しろ」
そう言いながら伏垨は日本人村の地図に目をやった。
次の瞬間、浅木は机を蹴飛ばすとそのまま伏垨の胸ぐらを掴んだ。
「おい、なんで隠蔽した?なぁー。正直に言えよ。なんで河城の殉職を隠蔽した?」
「何してるんだ?離せ」
テントに向かって走る貴内が叫ぶと正随がすかさず浅木を羽交い締めにした。
「離せよ。おら」
浅木はそう叫ぶと正随を投げ倒した。
「おい、落ち着けって。これ以上したらお前を傷害で逮捕しないといけなくなる。冷静になれ」
貴内は浅木を後ろから抱きしめるとそう言った。
「伏垨班長、今お時間あります?」
椎津が聞くと伏垨は軽く目を見開いた。
「何か?」
「先程、第1隊舎の第3医務室で河城 3等士官の遺体を発見しました。彼の直属の上司であるあなたに死亡しました河城 3等士官について聞きたいと思いまして。よろしいですか?」
「あ?なんも知らねーよ。何?俺が殺したとでもいいたいのか?」
「先程、赤眞 隊士長からある事を耳にしました。あなたが河城 3等士官の殉職を隠蔽するように命じたと。なぜか?それは駐屯地の工事を中断させない為に、と」
「んなの、デタラメだ。ふざけるな。隊士長ごときの野郎と1等士官である俺とどっちを信じるんだ?お前は馬鹿じゃ無さそうに見える。わかるだろ?」
「真実を信じるまでです」
椎津が言うと貴内は後ろにいた中央警務班の隊員に浅木を渡すと伏垨の前に進んだ。
「ここじゃあ、あれなんで。別室でお話出来ます?ここで断ったら、面倒なことになるっすよ?そんぐらい分かるっすよね?」
「クソが」
伏垨が呟くと貴内は伏垨を連れそのまま隊舎に向かった。
赤眞翔平(27)…11代目主人公 近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 副班長 隊士長
垣内淕也(22)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 1等隊士
駒田勝生(23)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 1等隊士
塩崎柊斗(25)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 副班長 3等士官
吉瀬淳也(34)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 班長 2等士官
高濵翔盛(26)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 隊士長
樋樫柊臣(26)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 隊士長
成濱佑汰(27)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
伊敷煌大(23)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
崇眞稜大(23)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
前原裕季哉(26)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
芦澤柊太(37)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 2等士官
青村聡士(35)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 2等士官
澤田新太(40) …東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 1等士官
今西遙駕(53)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊 小隊長 士官長
新城彪駕(35)…警衛庁 警務隊長 2等幹士
藤浦恭介(52)…警衛庁 警務隊 総務管理官 衛幹
椎津愛虎(32)…警衛庁 警務隊 中央警務班所属 2等士官
貴内伸介(42)…警衛庁 警務隊 中央警務班 管理官 1等幹士
正随緋斗(31)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 2等士官
比嘉晃斗(25)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 隊士長
河城蒼空(29)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
天辻慶斗(31)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
夢丸奎大(29)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
浅木零(33)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班 管理官 2等士官
伏垨綉梧(39)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班長 1等士官
猪俣繁倖(49)…警衛庁 駐屯科長 3等将士
大須賀敦晴(46)…警衛庁 駐屯科 副科長 1等幹士
国藤尚崇(45)…警衛庁 駐屯科 巡回機動連絡部隊 部隊長 1等隊尉
坂浦聡磨(39)…警衛庁 駐屯科 巡回機動連絡部隊 管理官 3等隊尉
皇山誠士郎(31)…警衛庁 幕僚総監 秘書室 第2秘書官 2等隊尉
東奥崇伍(35)…警衛庁 幕僚総監 秘書室 第1秘書官 1等隊尉
籐洲猛靖(54)…警衛庁 17代目幕僚総監
能敦紀(50)…警衛庁 東部方面隊 方面総監 1等将士
新濱恭吾(49)…警衛庁 東部方面隊 副総監 3等将士
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
………………………………………………………………
「わかった」
電話を切ると貴内は軽くため息を吐いた。
「どうかしましたか?」
横にいた椎津に聞かれ貴内は軽く頷きながら言った。
「日本人村が襲撃されたらしい。それで今、ジブチ駐屯地から部隊が派遣されてるようだ」
「マジすか?誰の指揮下で?」
「伏垨 1等士官。班長だな。どうしようか。河城の捜索で俺ら派遣されてんのにこれじゃあ河城の捜索なんてやってる暇ねーぞ」
貴内が話していると椎津は機内無線機のボタンを押した。
「後、何分で到着予定ですか?」
「副操縦士です。えー、後5分ですね」
「わかりました」
無線を切ると椎津は貴内に目をやった。
「とりあえずこのまま行きましょう。俺たちに出来ることは向こう着いてからですよ」
「わかってるよ」
貴内は窓の景色に目をやりながら言った。
5分後
貴内ら中央警務班の隊員らを乗せたヘリはゆっくりとジブチ駐屯地 仮ヘリポートに向け着陸した。
「機長、ありがとう」
貴内はそう叫ぶとそのまま隊舎の中に向け走り出した。
隊舎の中に着くと、多くの隊員が集まっていた。
「お疲れ様です」
今西は貴内らの姿を見るなり声をかけた。
「中央警務班 管理官の貴内です。日本人村襲撃、ですか?」
「はい。今、隊員を派遣してますが、派遣した段階で既に、敵襲は確認できませんでした」
「敵襲無しか」
「はい。そのまま調査を始めてます」
「日本人村だろ?その調査もいいけど河城の捜索は?それもやんねーとだろ?」
「河城の捜索は、そうですね。まだ手を打ててないですね」
「さっさとやるぞ。全員が同じ方向に向いてても何も始まらねーからな。俺と椎津とお前で河城の捜索を行う。いいか?」
「はい」
今西が返事した時、赤眞と塩崎がこちら側にやってくるのが目に入った。
「あ、あのー」
塩崎に声をかけられ貴内は2人に目をやった。
「何か?」
椎津が聞くと赤眞が口を開けた。
「河城 3等士官の捜索をしに来たんすよね?」
「そうだが、何か知ってるのか?」
貴内が聞くと2人は互いに目を合わせた。
「知ってることがあるなら何でもいい。話してくれ」
今西に言われ赤眞は塩崎を後ろに下がらせそのまま前に出てきた。
「河城 3等士官は撃たれた。今はもうこの世にいません」
赤眞の言葉に貴内は思わず唖然とした。
「撃たれたというのは?どこで誰に?」
今西が聞いた。
「多分、河城さんを殺ったのは日本人村を襲撃した連中で間違いないかと」
塩崎が言った。
「間違いない?なぜそう言い切れる?」
椎津が聞くと塩崎は赤眞に目をやりながら話した。
「恐らく、日本人に対してまたは警衛隊、日本人の両方に対して何らかの恨みを持っている現地住民による襲撃。赤眞さんと俺はそういう風に推察しました」
塩崎の言葉に貴内は軽く首を傾げた。
「なるほど?で、今、河城の遺体は?」
「まだ分かりません。今、探してるんですけど」
塩崎が言うと貴内は椎津に目をやった。
「とりあえずそれを探すか。遺体を見つけねーと、その死んだ、死んでないの話の真相が分からない。そしてもしその事実が本当だとするなら、駐屯地再建を中断せねばならない。それはお前らもわかるか?理由は」
そう言うと貴内は赤眞と塩崎の顔に目をやった。
「民間人がいるから、ですよね?」
赤眞が言うと貴内は頷いた。
「そうだ。俺たちが民間人を守れるなんて保証どこにも無い。むしろ今ここにある武器類は必要最低限だ。コンディションの問題もある。100パーの力を出せるとは思えない。それも踏まえて俺は言ってる。とりあえず河城の遺体を見つけ出せ」
「わかりました」
そう言うと赤眞は塩崎と共に走り出した。
その頃
浅木は日本人村への派遣から帰り、状況の伝令を伏垨にした後、隊舎の中で軽く休憩を取っていた。
その時、日本人村の生存者を数人連れながら数人の隊員が浅木のもとにやってきた。
「管理官、医務室って今、満室なんですか?」
「満室?満室とか無いだろ。医務室に」
そう言いながら浅木はその場に立ち上がった。
「ですがどこも空いてなくて」
「空いてない?この奥にある医務室は試したのか?」
「鍵が閉まってて、」
「鍵が?」
浅木はそう呟くと医務室に向かって歩き出した。
「本当だな。あかねーわ」
そう言うと浅木は業務用スマホに目をやった。
「とりあえず今お前が連れてきたその生存者は外にあるテントに連れていけ。衛生科の隊員らが待機本部で使ってるテントが近くにあったと思う」
「わかりました」
そう言うと隊員は浅木に一礼しその場を後にした。
その後、浅木は医務室のドアを何度も蹴り上げた。
数秒後、ドアが少しがたつくのを見ると浅木はそのままドアを勢いよく蹴り倒した。
「やっと開いたな。クソが」
そう呟きながら浅木は部屋の中に入った。
すると、とあるベットだけ不自然に毛布がかけられていた。
「あ?」
浅木はそのベットのもとに駆け寄るとゆっくりと毛布を取った。
すると、そこには目を開けたまま息のしてない河城の姿があった。
「なんなんだよ、これ」
浅木はただただその姿に呆然としていた。
その時だった、赤眞と塩崎が医務室に入ってきた。
「浅木さん」
塩崎が呟くと浅木はすぐに後ろをふりかえった。
「まじかよ」
赤眞はベットで横たわる河城の姿を見て呆然と立ち尽くした。
「くそが、赤眞、塩崎」
「え?は、はい」
塩崎がすぐに返事した。
「警務隊呼んでこい。ここに。俺はちょっと行くところがある。警務隊がここに来たらそのまま隊庭にある指揮用テントに来て欲しいと言っておいてくれ」
「わ、わかりました」
赤眞が言うと浅木は急いでその場を後にした。
その頃
隊庭にある指揮用テントでは、伏垨を含む指揮官役の隊員達が慌ただしく動き回っていた。
「班長、調査から帰ってきました」
そう言ってテントに入ってきたのは正随だった。
「そうか。終わったか?どうだった?」
伏垨が聞くと正随は後ろにいた隊員らに目をやりながら答えた。
「調査結果ですが、何も分かりませんでした。しかし、一つだけ不自然に焼かれてる箇所がありまして」
正随が言うと後ろにいた比嘉がスマホの写真を見せた。
「これは、ジブチに日本人村ができるきっかけとなったとある紛争による慰霊碑です。その紛争では、PKOで警衛隊が派遣されてました。その時に紛争に巻き込まれ亡くなった警衛官の名前がその慰霊碑に刻まれているのですが、この慰霊碑が不自然に燃やされているのを確認しました。恐らく、日本人村を襲撃した者は日本、そして警衛隊に恨みを持った連中では無いかと思われます。私たちから報告出来ることはこれだけです」
「警衛隊に恨みを持った、人間、、」
伏垨が呟いているとテントに浅木が入ってきた。
「どこにいたんだ?サボりか?さっさと合流しろ」
そう言いながら伏垨は日本人村の地図に目をやった。
次の瞬間、浅木は机を蹴飛ばすとそのまま伏垨の胸ぐらを掴んだ。
「おい、なんで隠蔽した?なぁー。正直に言えよ。なんで河城の殉職を隠蔽した?」
「何してるんだ?離せ」
テントに向かって走る貴内が叫ぶと正随がすかさず浅木を羽交い締めにした。
「離せよ。おら」
浅木はそう叫ぶと正随を投げ倒した。
「おい、落ち着けって。これ以上したらお前を傷害で逮捕しないといけなくなる。冷静になれ」
貴内は浅木を後ろから抱きしめるとそう言った。
「伏垨班長、今お時間あります?」
椎津が聞くと伏垨は軽く目を見開いた。
「何か?」
「先程、第1隊舎の第3医務室で河城 3等士官の遺体を発見しました。彼の直属の上司であるあなたに死亡しました河城 3等士官について聞きたいと思いまして。よろしいですか?」
「あ?なんも知らねーよ。何?俺が殺したとでもいいたいのか?」
「先程、赤眞 隊士長からある事を耳にしました。あなたが河城 3等士官の殉職を隠蔽するように命じたと。なぜか?それは駐屯地の工事を中断させない為に、と」
「んなの、デタラメだ。ふざけるな。隊士長ごときの野郎と1等士官である俺とどっちを信じるんだ?お前は馬鹿じゃ無さそうに見える。わかるだろ?」
「真実を信じるまでです」
椎津が言うと貴内は後ろにいた中央警務班の隊員に浅木を渡すと伏垨の前に進んだ。
「ここじゃあ、あれなんで。別室でお話出来ます?ここで断ったら、面倒なことになるっすよ?そんぐらい分かるっすよね?」
「クソが」
伏垨が呟くと貴内は伏垨を連れそのまま隊舎に向かった。
0
あなたにおすすめの小説
ULTIMATE〜season42(2212)SECRET 邦家の秘匿
〓Mr.鷹党〓
ファンタジー
日報問題から3年後、またもや問題が…!?
ジブチ派遣中の隊員から突如、連絡が取れなくなる。
警衛庁は毎日送られる日報をもとにジブチに捜索部隊を派遣
そこで見えてきた新たな問題とは!?
主要登場人物一覧
赤眞翔平(26)…11代目主人公 近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 副班長 隊士長
塩崎柊斗(24)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 副班長 3等士官
吉瀬淳也(33)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班 班長 2等士官
高濵翔盛(25)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 隊士長
樋樫柊臣(25)…近畿方面隊 陸上科 第4区域機動第3作戦班所属 隊士長
成濱佑汰(26)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
伊敷煌大(22)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
崇眞稜大(22)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
前原裕季哉(25)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 隊士長
芦澤柊太(36)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 2等士官
青村聡士(34)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 2等士官
澤田新太(39) …東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属 1等士官
今西遙駕(52)…東部地区警務中隊 刑事第1小隊 小隊長 士官長
新城彪駕(34)…警衛庁 警務隊長 2等幹士
藤浦恭介(51)…警衛庁 警務隊 総務管理官 衛幹
椎津愛虎(31)…警衛庁 警務隊 中央警務班所属 2等士官
貴内伸介(41)…警衛庁 警務隊 中央警務班 管理官 1等幹士
正随緋斗(30)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 2等士官
中森蓮仁(28)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 隊士長
河城蒼空(28)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
天辻慶斗(30)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
夢丸奎大(28)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班所属 3等士官
河木涼(31)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班 管理官 2等士官
伏垨綉梧(38)…警衛庁 駐屯科 ジブチ警戒遊撃班長 1等士官
猪俣繁倖(48)…警衛庁 駐屯科長 3等将士
大須賀敦晴(45)…警衛庁 駐屯科 副科長 1等幹士
国藤尚崇(44)…警衛庁 駐屯科 巡回機動連絡部隊 部隊長 1等隊尉
坂浦聡磨(38)…警衛庁 駐屯科 巡回機動連絡部隊 管理官 3等隊尉
皇山誠士郎(30)…警衛庁 幕僚総監 第1秘書官 2等隊尉
新濱恭吾(48)…警衛庁 16代目幕僚総監
籐洲猛靖(53)…警衛庁 幕僚官房室長 幕僚補
翠谷敦也(33)…内閣府行政人事院 警衛隊総監局 局管
在暁舜也(28)…内閣府行政人事院 警衛隊総監局 局員
本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います
こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。
※「小説家になろう」にも投稿しています
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる