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警衛隊 ジブチ海外派遣 日報問題
ULTIMATE〜SECRET 邦家の秘匿 第11話
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主要登場人物一覧
赤眞翔平(23)…11代目主人公 合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊付き研修士)2等隊士
成濱佑汰(23)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊付き研修士)2等隊士
前原裕季哉(22)…合同捜査 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊付き研修士)2等隊士
芦澤柊太(33)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属)3等士官
青村聡士(31)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属)3等士官
澤田新太(36) …合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属)3等士官
今西遙駕(49)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊 小隊管理官)1等士官
新城彪駕(31)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯統括官(東部地区警務中隊 刑事第1小隊 小隊長)1等隊尉
水谷悠心(34)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員 (警衛庁 警務隊 規律統制委員会 委員長)2等士官
椎津愛虎(28)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(警衛庁 警務隊 規律統制委員会 管理官)3等士官
大林隆陽(54)…合同捜査本部長 (国家機関厳正委員会 委員長)
翠谷敦也(30)…合同捜査本部 本部管理官(国家機関厳正委員会 統括官)
正随緋斗(27)…合同捜査本部員(警衛庁 警務隊 規律統制委員会) 3等士官
貴内伸介(38)…合同捜査本部員(警衛庁 警務隊 首席監察部 中央上級人事課 課長) 2等幹士
伊村零也(44)…合同捜査本部員 (警衛庁 警務隊 刑事課 第1小隊長)1等士官
奥木奨真(48)…警衛庁 幕僚官房室 理事官2等将士
栗坂啓二(41)…警衛庁 幕僚官房室所属 1等士官
菊池謙祐(47)…警衛庁 幕僚官房室所属 3等隊尉
寺淵蒋汏(50)…東部地区警務中隊長 1等将士
東崎亨也(43)…警衛庁 警務隊長(国家機関厳正委員会から出向中)
柿倉仁(36)…警衛庁 警務隊 管理官 (国家機関厳正委員会から出向中)
在暁舜也(28)…国家機関厳正委員会 統括官補佐
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
………………………………………………………………
「随分と遅かったな」
そう言いながら総隊長の高田はコーヒーをゆっくりとすすった。
「申し訳ありません」
そう言うと新濱は深々と頭を下げた。
「それでどうだった?東崎とは会ったんだろ?朝から無駄な大名行列して。参事官ごときが大名行列なんてするなよ」
「委員会から来た方ですので、そこまで何も感じませんでした」
「そうか。第一印象は?」
「そこら辺にいる何ら変わりのない人間かと。彼は元々警察官でしたか?」
「そうだな。人事調査書にはそう書かれている」
そう言いながら高田は1枚の書類に目をやった。
「目の動き、喋り方が警察官の動きがしてました。感じたのはそこぐらいですかね」
「なるほど。君を送り込んだのには訳がある」
「訳、ですか?」
新濱が呟くと奥木が部屋に入ってきた。
「失礼します」
奥木が言うと高田はその場に立ち上がった。
「この方は?」
「幕僚官房室の理事官だ」
高田が言うと新濱は軽く頭を下げた。
「今回、警務隊長に護衛依頼を出したのは私です。あなたには警務隊長の動向を逐一監視して欲しいと考えています」
「動向監視、ですか?」
新濱が言うと高田が口を開けた。
「警務隊は今、日報問題を明かそうと動いてるのは知ってるよな?」
「はい。こないだ警務隊幹部の護衛任務がありましてその時にその幹部の方がちらっと」
「隠蔽というのは俺はすごく嫌いなものだ。不正を隠蔽。絶対にしてはならない。だが今、俺の立ち位置は組織を守る立場です」
「日報問題について私はあまり詳しく知らない立場であり、ご説明して頂けますか?」
「説明は既に済んでる。総隊長の俺が知ってれば何も問題はない。だからもう帰ってくれ。今日の昼から動向監視だからな?」
高田が言うと新濱は軽く頭を下げた。
「では私はこれで」
総隊長室を出ると1人の隊員が新濱のもとに駆け寄ってきた。
「参事官お疲れ様です。どうでしたか?」
「動向監視を頼まれたよ」
「動向監視ですか?警務隊長ですよ?確か今、警務隊って」
「日報問題を調べてる最中だ」
「ですよね。日報となると管理は」
「幕僚官房室の管轄だな。その幕僚官房室から要請を受けたらしい。理事官直々からだ」
「怪しくないですか?それ。俺たち、不正の隠蔽に関与するって事ですよね?」
「幕僚護衛隊として俺たちは幹部の護衛が任務だ。その任務に動向監視という特務があるのが俺には理解できないが、不正の隠蔽はやる気は無い」
「でもどうやって?」
「まぁ見とけや」
そう言うと新濱はそのまま歩き始めた。
その頃
同じ警衛庁では国家機関厳選委員会幹部らが荷物をまとめていた。
「もう帰るんですか?」
正随に聞かれ翠谷は軽く頷いた。
「ATSBPの捜査をこれ以上進めることは困難とあんたらの上層部が決めたからな」
「困難?」
正随が呟くと翠谷は正随に顔を近づけた。
「今、日報問題をあんたらは調べてるみたいだが、俺は公務員の不正を取り締まる立場だ。その立場である以上、あんたら警衛隊が正式に不正を認めた場合、何人か幹部さんらを逮捕する羽目になる。だが今の段階では、不正があったと決めつけるのは不自然だと委員長が判断した。ま、そんなに調べるのはいいが、自分の進退も考えて慎重に行動しろよってあんたらの隊長に伝言しとけ」
「東崎 隊長ですか?」
「しかいないだろ」
そう言うと翠谷は正随の肩を軽く叩きその場を後にした。
「正随、お前ここにいたんか」
そう言いながら水谷が走ってきた。
「どうかされましたか?」
「市ヶ谷行くぞ。規律統制委員会、全員だ。隊長さんから呼び出されてな。だから今すぐに準備しろ。わかったか?荷物は、そうだな…」
「ちょっと待ってください」
「あ?なんだ?」
「え?これから市ヶ谷すか?俺たち」
「だからそう言ったろ?」
「なぜ市ヶ谷に」
「警務隊全隊に集合命令がかかったんだよ」
「全隊、ですか?」
「そうだ。だから行くんだよ。多分、日報問題の事だと思うけどな」
「なるほど」
「1時間後に第3駐車場に集合な?」
「わかりました」
正随が言うと水谷な軽く頷きそのままその場から足早に去っていった。
1時間後
スーツケースを持った正随は言われた通り、第3駐車場に向かった。
第3駐車場に着くと既に多くの警衛隊車両が集まっていた。
それを見て周りの隊員達は騒がしく噂話をしていた。
「あ、お疲れ様です」
近くにいた水谷を見て正随は軽く頭を下げた。
「おう、お疲れ。もう出発できるか?」
「はい」
「規律統制委員会の方、こちらにお願いします」
車列を整理していた守衛警備科の隊員が叫んだ。
その後、隊員らを乗せた車列はゆっくりと警衛庁を出発した。
同じ頃
市ヶ谷駐屯地では警務隊員らの受け入れ体制を整えるため、隊舎の清掃が行われていた。
「何人、泊まる気なんだよ。こんなにも」
駐屯地司令の丸上 幕僚官はそう言いながら清掃する隊員達を眺めていた。
「警務隊 全隊に集合命令出たって聞きましたよ」
副司令の牟井 隊将が言うと丸上は軽くため息を吐いた。
「なんでだ?日報か?」
「みたいですね。私も詳しくは知りませんが」
牟井が言うと丸上は軽く慌てる素振りを見せた。
「何かありました?」
牟井が聞くと丸上は軽く否定した。
「にしても最近、大きい動きが多いよな。警務隊」
「前任のヤクザ上がりから今の人に変わって、警務隊色がガラッと変わりましたもんね」
「変わりすぎなんだよ。来年で定年退官だ。そんな大きい事して不祥事が起きてみろ。これが無くなるんだよ。これが」
「これってなんすか?」
「退職金だよ。減るんだよ。無くなるって言うか今だと駐屯地司令だから大体、5000万ぐらいかな」
「ご、ご、ご、5000万すか」
牟井が叫ぶと清掃に当たっていた隊員達が手の動きを止めこちら側に顔を向けてきた。
「あー何もないよ。そのまま清掃を続けてくれたまえ」
そう言うと丸上は牟井を連れ近くの駐車場に向かった。
「なんすか?痛いですって」
「馬鹿野郎か。声でけーんだよ。現場組のあいつらは退職金なんて俺らとは桁が違ってくるからな。住む世界線が違うんだよ。わかるか?」
「は、はい」
「だからくれぐれも起こさせるな。収容所の件、大変だったんだぞ」
「みたいですね」
「もうあれで名前と顔が全国ネットに乗ったからな。あれ以上、不祥事が起きたら定年退官前に駐屯地司令から下ろされるかもしれん。そうなったら大変だぞ」
そう言うと丸上は足早に歩き出した。
2時間後
数十台の車列が市ヶ谷駐屯地前にやってきた。
「遂に来たか」
丸上が呟く中、駐屯地前では多くの守衛警備科隊員達が集結していた。
「警務隊です。車はどちらに停めれば?」
先頭車両にいた貴内はそう言うと警務隊手帳と通行許可書を見せた。
「どけどけ、」
そう言いながら1人の男が守衛警備科隊員らを押しのけながらやってきた。
「お待ちしておりました。東部地区警務中隊長の寺淵です」
「警務隊 首席監察部 中央上級人事課の貴内です」
「あ、なるほど。中央上級人事課から、ですか」
「はい。警務隊長に呼ばれて参りました」
「駐車場ですよね。こちらです」
寺淵はそう言うと深々と頭を下げた。
「行くぞ」
貴内が叫ぶと車列はゆっくりと動き出した。
赤眞翔平(23)…11代目主人公 合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊付き研修士)2等隊士
成濱佑汰(23)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊付き研修士)2等隊士
前原裕季哉(22)…合同捜査 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊付き研修士)2等隊士
芦澤柊太(33)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属)3等士官
青村聡士(31)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属)3等士官
澤田新太(36) …合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属)3等士官
今西遙駕(49)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊 小隊管理官)1等士官
新城彪駕(31)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯統括官(東部地区警務中隊 刑事第1小隊 小隊長)1等隊尉
水谷悠心(34)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員 (警衛庁 警務隊 規律統制委員会 委員長)2等士官
椎津愛虎(28)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(警衛庁 警務隊 規律統制委員会 管理官)3等士官
大林隆陽(54)…合同捜査本部長 (国家機関厳正委員会 委員長)
翠谷敦也(30)…合同捜査本部 本部管理官(国家機関厳正委員会 統括官)
正随緋斗(27)…合同捜査本部員(警衛庁 警務隊 規律統制委員会) 3等士官
貴内伸介(38)…合同捜査本部員(警衛庁 警務隊 首席監察部 中央上級人事課 課長) 2等幹士
伊村零也(44)…合同捜査本部員 (警衛庁 警務隊 刑事課 第1小隊長)1等士官
奥木奨真(48)…警衛庁 幕僚官房室 理事官2等将士
栗坂啓二(41)…警衛庁 幕僚官房室所属 1等士官
菊池謙祐(47)…警衛庁 幕僚官房室所属 3等隊尉
寺淵蒋汏(50)…東部地区警務中隊長 1等将士
東崎亨也(43)…警衛庁 警務隊長(国家機関厳正委員会から出向中)
柿倉仁(36)…警衛庁 警務隊 管理官 (国家機関厳正委員会から出向中)
在暁舜也(28)…国家機関厳正委員会 統括官補佐
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
………………………………………………………………
「随分と遅かったな」
そう言いながら総隊長の高田はコーヒーをゆっくりとすすった。
「申し訳ありません」
そう言うと新濱は深々と頭を下げた。
「それでどうだった?東崎とは会ったんだろ?朝から無駄な大名行列して。参事官ごときが大名行列なんてするなよ」
「委員会から来た方ですので、そこまで何も感じませんでした」
「そうか。第一印象は?」
「そこら辺にいる何ら変わりのない人間かと。彼は元々警察官でしたか?」
「そうだな。人事調査書にはそう書かれている」
そう言いながら高田は1枚の書類に目をやった。
「目の動き、喋り方が警察官の動きがしてました。感じたのはそこぐらいですかね」
「なるほど。君を送り込んだのには訳がある」
「訳、ですか?」
新濱が呟くと奥木が部屋に入ってきた。
「失礼します」
奥木が言うと高田はその場に立ち上がった。
「この方は?」
「幕僚官房室の理事官だ」
高田が言うと新濱は軽く頭を下げた。
「今回、警務隊長に護衛依頼を出したのは私です。あなたには警務隊長の動向を逐一監視して欲しいと考えています」
「動向監視、ですか?」
新濱が言うと高田が口を開けた。
「警務隊は今、日報問題を明かそうと動いてるのは知ってるよな?」
「はい。こないだ警務隊幹部の護衛任務がありましてその時にその幹部の方がちらっと」
「隠蔽というのは俺はすごく嫌いなものだ。不正を隠蔽。絶対にしてはならない。だが今、俺の立ち位置は組織を守る立場です」
「日報問題について私はあまり詳しく知らない立場であり、ご説明して頂けますか?」
「説明は既に済んでる。総隊長の俺が知ってれば何も問題はない。だからもう帰ってくれ。今日の昼から動向監視だからな?」
高田が言うと新濱は軽く頭を下げた。
「では私はこれで」
総隊長室を出ると1人の隊員が新濱のもとに駆け寄ってきた。
「参事官お疲れ様です。どうでしたか?」
「動向監視を頼まれたよ」
「動向監視ですか?警務隊長ですよ?確か今、警務隊って」
「日報問題を調べてる最中だ」
「ですよね。日報となると管理は」
「幕僚官房室の管轄だな。その幕僚官房室から要請を受けたらしい。理事官直々からだ」
「怪しくないですか?それ。俺たち、不正の隠蔽に関与するって事ですよね?」
「幕僚護衛隊として俺たちは幹部の護衛が任務だ。その任務に動向監視という特務があるのが俺には理解できないが、不正の隠蔽はやる気は無い」
「でもどうやって?」
「まぁ見とけや」
そう言うと新濱はそのまま歩き始めた。
その頃
同じ警衛庁では国家機関厳選委員会幹部らが荷物をまとめていた。
「もう帰るんですか?」
正随に聞かれ翠谷は軽く頷いた。
「ATSBPの捜査をこれ以上進めることは困難とあんたらの上層部が決めたからな」
「困難?」
正随が呟くと翠谷は正随に顔を近づけた。
「今、日報問題をあんたらは調べてるみたいだが、俺は公務員の不正を取り締まる立場だ。その立場である以上、あんたら警衛隊が正式に不正を認めた場合、何人か幹部さんらを逮捕する羽目になる。だが今の段階では、不正があったと決めつけるのは不自然だと委員長が判断した。ま、そんなに調べるのはいいが、自分の進退も考えて慎重に行動しろよってあんたらの隊長に伝言しとけ」
「東崎 隊長ですか?」
「しかいないだろ」
そう言うと翠谷は正随の肩を軽く叩きその場を後にした。
「正随、お前ここにいたんか」
そう言いながら水谷が走ってきた。
「どうかされましたか?」
「市ヶ谷行くぞ。規律統制委員会、全員だ。隊長さんから呼び出されてな。だから今すぐに準備しろ。わかったか?荷物は、そうだな…」
「ちょっと待ってください」
「あ?なんだ?」
「え?これから市ヶ谷すか?俺たち」
「だからそう言ったろ?」
「なぜ市ヶ谷に」
「警務隊全隊に集合命令がかかったんだよ」
「全隊、ですか?」
「そうだ。だから行くんだよ。多分、日報問題の事だと思うけどな」
「なるほど」
「1時間後に第3駐車場に集合な?」
「わかりました」
正随が言うと水谷な軽く頷きそのままその場から足早に去っていった。
1時間後
スーツケースを持った正随は言われた通り、第3駐車場に向かった。
第3駐車場に着くと既に多くの警衛隊車両が集まっていた。
それを見て周りの隊員達は騒がしく噂話をしていた。
「あ、お疲れ様です」
近くにいた水谷を見て正随は軽く頭を下げた。
「おう、お疲れ。もう出発できるか?」
「はい」
「規律統制委員会の方、こちらにお願いします」
車列を整理していた守衛警備科の隊員が叫んだ。
その後、隊員らを乗せた車列はゆっくりと警衛庁を出発した。
同じ頃
市ヶ谷駐屯地では警務隊員らの受け入れ体制を整えるため、隊舎の清掃が行われていた。
「何人、泊まる気なんだよ。こんなにも」
駐屯地司令の丸上 幕僚官はそう言いながら清掃する隊員達を眺めていた。
「警務隊 全隊に集合命令出たって聞きましたよ」
副司令の牟井 隊将が言うと丸上は軽くため息を吐いた。
「なんでだ?日報か?」
「みたいですね。私も詳しくは知りませんが」
牟井が言うと丸上は軽く慌てる素振りを見せた。
「何かありました?」
牟井が聞くと丸上は軽く否定した。
「にしても最近、大きい動きが多いよな。警務隊」
「前任のヤクザ上がりから今の人に変わって、警務隊色がガラッと変わりましたもんね」
「変わりすぎなんだよ。来年で定年退官だ。そんな大きい事して不祥事が起きてみろ。これが無くなるんだよ。これが」
「これってなんすか?」
「退職金だよ。減るんだよ。無くなるって言うか今だと駐屯地司令だから大体、5000万ぐらいかな」
「ご、ご、ご、5000万すか」
牟井が叫ぶと清掃に当たっていた隊員達が手の動きを止めこちら側に顔を向けてきた。
「あー何もないよ。そのまま清掃を続けてくれたまえ」
そう言うと丸上は牟井を連れ近くの駐車場に向かった。
「なんすか?痛いですって」
「馬鹿野郎か。声でけーんだよ。現場組のあいつらは退職金なんて俺らとは桁が違ってくるからな。住む世界線が違うんだよ。わかるか?」
「は、はい」
「だからくれぐれも起こさせるな。収容所の件、大変だったんだぞ」
「みたいですね」
「もうあれで名前と顔が全国ネットに乗ったからな。あれ以上、不祥事が起きたら定年退官前に駐屯地司令から下ろされるかもしれん。そうなったら大変だぞ」
そう言うと丸上は足早に歩き出した。
2時間後
数十台の車列が市ヶ谷駐屯地前にやってきた。
「遂に来たか」
丸上が呟く中、駐屯地前では多くの守衛警備科隊員達が集結していた。
「警務隊です。車はどちらに停めれば?」
先頭車両にいた貴内はそう言うと警務隊手帳と通行許可書を見せた。
「どけどけ、」
そう言いながら1人の男が守衛警備科隊員らを押しのけながらやってきた。
「お待ちしておりました。東部地区警務中隊長の寺淵です」
「警務隊 首席監察部 中央上級人事課の貴内です」
「あ、なるほど。中央上級人事課から、ですか」
「はい。警務隊長に呼ばれて参りました」
「駐車場ですよね。こちらです」
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