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警衛隊 ジブチ海外派遣 日報問題
ULTIMATE〜SECRET 邦家の秘匿 第13話
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主要登場人物一覧
赤眞翔平(23)…11代目主人公 合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊付き研修士)2等隊士
成濱佑汰(23)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊付き研修士)2等隊士
前原裕季哉(22)…合同捜査 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊付き研修士)2等隊士
芦澤柊太(33)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属)3等士官
青村聡士(31)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属)3等士官
澤田新太(36) …合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属)3等士官
今西遙駕(49)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊 小隊管理官)1等士官
新城彪駕(31)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯統括官(東部地区警務中隊 刑事第1小隊 小隊長)1等隊尉
水谷悠心(34)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員 (警衛庁 警務隊 規律統制委員会 委員長)2等士官
椎津愛虎(28)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(警衛庁 警務隊 規律統制委員会 管理官)3等士官
大林隆陽(54)…合同捜査本部長 (国家機関厳正委員会 委員長)
翠谷敦也(30)…合同捜査本部 本部管理官(国家機関厳正委員会 統括官)
正随緋斗(27)…合同捜査本部員(警衛庁 警務隊 規律統制委員会) 3等士官
貴内伸介(38)…合同捜査本部員(警衛庁 警務隊 首席監察部 中央上級人事課 課長) 2等幹士
伊村零也(44)…合同捜査本部員 (警衛庁 警務隊 刑事課 第1小隊長)1等士官
奥木奨真(48)…警衛庁 幕僚官房室 理事官2等将士
栗坂啓二(41)…警衛庁 幕僚官房室所属 1等士官
菊池謙祐(47)…警衛庁 幕僚官房室所属 3等隊尉
寺淵蒋汏(50)…東部地区警務中隊長 1等将士
東崎亨也(43)…警衛庁 警務隊長(国家機関厳正委員会から出向中)
柿倉仁(36)…警衛庁 警務隊 管理官 (国家機関厳正委員会から出向中)
在暁舜也(28)…国家機関厳正委員会 統括官補佐
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
………………………………………………………………
取り調べ室前に着くと今西は軽くため息を吐いた。
「どうしたんすか?」
成濱が聞くと今西は成濱に目をやった。
「え?あ?あーううん。何もねーよ」
そう言うと今西は部屋のドアを開けた。
部屋に入ると既に新城が席に腰掛けていた。
「遅かったな」
新城が言うと今西は軽く頭を下げた。
「も、申し訳ありません。芦澤の野郎が武器庫でちんたらしてまして」
今西が言うと後ろにいた芦澤が口を開けた。
「すいません。チャカ触るの久しぶりで点検要領が頭から抜けてて」
「そういうのも予習するのが仕事のうちだろ。さっさと始めろ」
「わ、わかりました」
そう言うと今西は新城が立ち上がると新城が座っていた席にそのまま腰掛けた。
「持ち物検査はしたのか?」
新城が言うと前原と成濱が座っている男の両脇に立った。
「何だよ。触んなや」
男はそう怒鳴ると軽く机を蹴った。
「まずは名前そしてなぜ駐屯地に不法侵入したのか。それから教えて貰えるか?」
今西が聞くと新城が口を開けた。
「こいつは、俺らと同じ警衛官だ」
「え?」
今西は目を大きく開きながら新城の顔を見た。
「こんなものが落ちてた」
そう言うと新城は男の警衛官証を出した。
「名前は桑田。階級は2等将士。いわば高幹だな。そんな貴方がどうして?」
新城が聞くと今西は新城に目をやった後、男に目線を移した。
「何も話す気は無いぞ?くそが」
そう怒鳴ると桑田は腕を組み顔を下に向けた。
その頃
横にある取り調べ映像分析室(取り調べ室内にある監視カメラ映像で取り調べ室内で何が起きているか分かる部屋)では新濱がいた。
「失礼します。参事官」
そう言いながら1人の隊員が部屋に入ってきた。
「どうした?」
「この桑田という男ですが、幕僚官房室の隊員だと判明しました」
「幕僚官房室?なんで幕僚の人間が不法侵入なんか?」
そう言いながら新濱は軽く腕を組んだ。
「幕僚官房室に同期が何人かいるんですけどそいつらからの情報で」
「そうか。他に何の情報を聞けた?」
「え?他の情報ですか?」
「そうだ。幕僚官房室の幹部がなぜ駐屯地の不法侵入したのか。1人の判断じゃないと思う」
「え?てことは、まさか幕僚官房室長が関与してるって事ですか?」
「わからんが、その可能性は高いと思う。でもなぜ幕僚官房室が駐屯地に侵入させたのか」
そう言いながら新濱は軽くため息を吐いた。
その時だった1本の電話が鳴り響いた。
「お疲れ様です。新濱です」
「高田だ。お前今どこに?」
「市ヶ谷です。駐屯地に不法侵入事案があったのは総隊長の耳にも既に入っていると思いますが、その不法侵入の事情聴取を見学してるところです」
「そうか。見学とかよく分かんねーけど、もう護衛はいいよ。戻ってこい。君には新しい対象者が待ってる。財務科の幹部だ」
「ちょっと待ってください。護衛はもういいってどういう事ですか?」
「あ?上からのお達しだよ。理由なんぞ知らん。今すぐに戻ってこい。いいか?」
そう言うと高田はそのまま電話を切った。
「どうかなさいましたか?」
電話を終え呆然と立ち尽くす新濱を見て隊員が聞いた。
「護衛は終了。次は財務科の幹部だとよ」
「財務科ですか?」
「そうだ。いきなりの配置変更どういうつもりなのか」
「何か裏があるんですかね」
「裏、日報を調べている警務隊の動向を監視するため俺たちはここに派遣された。それがいきなり配置変更。交代連絡も来てない」
「てことは、もう警務隊の動向監視は無くなったという事ですか?」
「日報問題に変化が起きたということか。それか別でスパイのような奴ができたか」
そう言いながら新濱は部屋のドアを開けた。
「参事官、まさか部屋から出るんですか?もう帰るんですか?日報問題を明かそうって言ってたじゃないですか?」
「言ってたな」
「それならその、なんて言うか、ここで素直に帰るのは違うんじゃないかって俺は思います」
「ここで逆らえば俺たちは少なくとも降格、それか部隊異動。いくらだって考えられる」
「立ち位置大事ですよね。幹部の人ってみんなそう言いますよね。俺、幹部候補生で入って出て最初の部隊がここなんです。なんかこう俺が夢見てたのって守るために誰よりも泥臭くって言うか、そういうのを想像してたんですけど。幹部候補生の時の班長は誰よりも熱い人だったんです。その班長が、お前らは部隊を動かせる数少ない人材だ。そのため現場で動く隊員よりも多くの給料を貰ってる。だからこそ自分の立ち位置とか気にしてたら腐るところまで腐るぞって」
「その班長さん、心透き通ってるな」
「え?」
「お前、名前は?まだ同じ部隊なのに顔すらあんまり見た事無かったなって思って」
「皇山誠志郎です」
「皇山誠志郎か。俺が幕僚総監になったら副総監に推薦してやる」
「え?本当ですか?」
皇山が言うと新濱は軽く上を向いた。
「東崎隊長のもとに行くぞ」
「え?警務隊長ですか?」
「急げ。お前も一緒にだ」
「なぜ隊長のもとに?」
「思いついた事がある。とにかく急げ」
そう言うと新濱はそのまま廊下を歩き出した。
それを見て皇山も慌てるようにして部屋のドアを閉めると廊下を歩き出した。
会議室に着くと東崎が俯いているのが目に入った。
「隊長、あれ」
そう言いながら横にいた柿倉は新濱と皇山を指さした。
「あ?あーボディーガードか。お前が対応しといてくれ。俺は疲れた」
「わかりました」
そう言うと柿倉は新濱のもとに向かった。
それを見て新濱は柿倉を無視し東崎のもとに向かった。
「え?え?む、無視?」
柿倉が言うと皇山は軽く頭を下げ東崎のもとに向かった。
「なんだ?柿倉に話せよ。俺は疲れたんだよ。一向に日報の捜査が進まん。ストレスが溜まりに溜まって、まともに家も帰れないし。あぁー」
そう怒鳴ると東崎は軽く頭を掻きむしった。
「警務隊への動向監視の目的で我々はここに派遣されてました」
「動向監視だと?」
東崎が叫ぶと新濱は皇山に目をやった。
「お前とあそこの若造と2人が中心メンバーか?」
「あ、あーいえ。私は平の隊員です」
「先に話を進めてもよろしいでしょうか?」
新濱が言うと東崎は新濱に目線を戻した。
「しかし先程、総隊長から帰隊命令が出ました。帰ってこいと」
「つまり動向監視は終われと」
東崎が聞くと新濱は頷いた。
「日報問題に関して上層部で何か動きがあったと。そう言う事では無いかと判断しました」
「日報問題に関して動きがあった?」
東崎の言葉に窓の景色を見ていた正随が軽く慌てるような様子をとっているのが目に入った。
「つまり?何が言いたいんだ?はっきり言ってくれよ」
東崎が言うと新濱は軽く目をつぶったあとすぐに目を開け答えた。
「日報問題は少なくとも動いている。そしてそれは動向監視をさせなくてもいい方向に。上層部にとって日報は不安なものから安心できるものに変わった。そういう事です」
そう言うと新濱はポケットに入っていた無線機を手に取るとその場に置いた。
「今この駐屯地にいる護衛隊員は全てあなたの指揮下に入ります。自由に使ってください」
新濱が言うと数十人の護衛隊員らが会議室に入ってきた。
「それと」
新濱が言うと皇山は慌てるようにして新濱に目をやった。
「皇山、今日から参事官補佐だ」
「え?え、」
皇山が言うと新濱は皇山に目をやった。
「お前みたいな組織染まってないクリーンな幹部を俺たちは必要としている。年齢、階級なんて役職に関係ない。お前に参事官補佐を任せれると考えた結果だ」
新濱が言うと皇山はその場で深々と頭を下げた。
「自由に、か」
東崎が言うと柿倉は急いで東崎のもとに駆け寄った。
「わかった、ならこれからボディーガードでは無く、捜査員としてよろしく。早速だが、日報問題に関してあなたは、安心出来るものに変わったと言った。それについて詳しく貴方の見解をまずは聞きたいと考えています」
そう言いながら東崎が席から立ち上がったその時、新城と今西が会議室に入ってきた。
「あ、取り調べ終わったか?」
東崎が聞くと新城は今西に耳打ちをした。
耳打ちが終わると今西はその場から歩き始めた。
「あ?無視か?」
東崎が聞くと新城は東崎のもとに向かった。
「正随緋斗 3等士官だな?」
「え?」
正随が呟くと今西は新城に目をやった。
「正随緋斗 3等士官は、我々の方で事情聴取を行いたいんですがよろしいですか?」
「は?うちの隊員を?なぜ?」
東崎が聞いた。
「情報漏洩の疑いです。詳しくはこれから調べたいと考えています。彼がここにいる限り、貴方が指揮されてる捜査は何も前進しない。即刻、排除すべきだと判断しました」
新城が言うと今西は正随の肩に軽く触れた。
「俺は、ただ伊村さんに」
そう言うと正随は今西の手を振り払い走り出した。
「制圧」
新城が叫ぶと会議室に芦澤が入ってきた。
芦澤は正随の進路に跨ると手錠を手に持った。
「大人しくしろ。これをかけられたくなければ」
芦澤の言葉に正随は涙を浮かべながらその場に膝から崩れ落ちた。
「連行だ」
今西が言うと芦澤は崩れ落ちた正随を無理やり立たせた。
立った正随に新城は軽く鼻で笑うとそのまま正随の胸ぐらを掴んだ。
「警務隊舐めんなよ。お前に邪魔されて溜まるかよ」
そう言うと新城は正随の胸ぐらから手を離した。
赤眞翔平(23)…11代目主人公 合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊付き研修士)2等隊士
成濱佑汰(23)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊付き研修士)2等隊士
前原裕季哉(22)…合同捜査 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊付き研修士)2等隊士
芦澤柊太(33)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属)3等士官
青村聡士(31)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属)3等士官
澤田新太(36) …合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊所属)3等士官
今西遙駕(49)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(東部地区警務中隊 刑事第1小隊 小隊管理官)1等士官
新城彪駕(31)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯統括官(東部地区警務中隊 刑事第1小隊 小隊長)1等隊尉
水谷悠心(34)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員 (警衛庁 警務隊 規律統制委員会 委員長)2等士官
椎津愛虎(28)…合同捜査本部 市ヶ谷駐屯員(警衛庁 警務隊 規律統制委員会 管理官)3等士官
大林隆陽(54)…合同捜査本部長 (国家機関厳正委員会 委員長)
翠谷敦也(30)…合同捜査本部 本部管理官(国家機関厳正委員会 統括官)
正随緋斗(27)…合同捜査本部員(警衛庁 警務隊 規律統制委員会) 3等士官
貴内伸介(38)…合同捜査本部員(警衛庁 警務隊 首席監察部 中央上級人事課 課長) 2等幹士
伊村零也(44)…合同捜査本部員 (警衛庁 警務隊 刑事課 第1小隊長)1等士官
奥木奨真(48)…警衛庁 幕僚官房室 理事官2等将士
栗坂啓二(41)…警衛庁 幕僚官房室所属 1等士官
菊池謙祐(47)…警衛庁 幕僚官房室所属 3等隊尉
寺淵蒋汏(50)…東部地区警務中隊長 1等将士
東崎亨也(43)…警衛庁 警務隊長(国家機関厳正委員会から出向中)
柿倉仁(36)…警衛庁 警務隊 管理官 (国家機関厳正委員会から出向中)
在暁舜也(28)…国家機関厳正委員会 統括官補佐
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
………………………………………………………………
取り調べ室前に着くと今西は軽くため息を吐いた。
「どうしたんすか?」
成濱が聞くと今西は成濱に目をやった。
「え?あ?あーううん。何もねーよ」
そう言うと今西は部屋のドアを開けた。
部屋に入ると既に新城が席に腰掛けていた。
「遅かったな」
新城が言うと今西は軽く頭を下げた。
「も、申し訳ありません。芦澤の野郎が武器庫でちんたらしてまして」
今西が言うと後ろにいた芦澤が口を開けた。
「すいません。チャカ触るの久しぶりで点検要領が頭から抜けてて」
「そういうのも予習するのが仕事のうちだろ。さっさと始めろ」
「わ、わかりました」
そう言うと今西は新城が立ち上がると新城が座っていた席にそのまま腰掛けた。
「持ち物検査はしたのか?」
新城が言うと前原と成濱が座っている男の両脇に立った。
「何だよ。触んなや」
男はそう怒鳴ると軽く机を蹴った。
「まずは名前そしてなぜ駐屯地に不法侵入したのか。それから教えて貰えるか?」
今西が聞くと新城が口を開けた。
「こいつは、俺らと同じ警衛官だ」
「え?」
今西は目を大きく開きながら新城の顔を見た。
「こんなものが落ちてた」
そう言うと新城は男の警衛官証を出した。
「名前は桑田。階級は2等将士。いわば高幹だな。そんな貴方がどうして?」
新城が聞くと今西は新城に目をやった後、男に目線を移した。
「何も話す気は無いぞ?くそが」
そう怒鳴ると桑田は腕を組み顔を下に向けた。
その頃
横にある取り調べ映像分析室(取り調べ室内にある監視カメラ映像で取り調べ室内で何が起きているか分かる部屋)では新濱がいた。
「失礼します。参事官」
そう言いながら1人の隊員が部屋に入ってきた。
「どうした?」
「この桑田という男ですが、幕僚官房室の隊員だと判明しました」
「幕僚官房室?なんで幕僚の人間が不法侵入なんか?」
そう言いながら新濱は軽く腕を組んだ。
「幕僚官房室に同期が何人かいるんですけどそいつらからの情報で」
「そうか。他に何の情報を聞けた?」
「え?他の情報ですか?」
「そうだ。幕僚官房室の幹部がなぜ駐屯地の不法侵入したのか。1人の判断じゃないと思う」
「え?てことは、まさか幕僚官房室長が関与してるって事ですか?」
「わからんが、その可能性は高いと思う。でもなぜ幕僚官房室が駐屯地に侵入させたのか」
そう言いながら新濱は軽くため息を吐いた。
その時だった1本の電話が鳴り響いた。
「お疲れ様です。新濱です」
「高田だ。お前今どこに?」
「市ヶ谷です。駐屯地に不法侵入事案があったのは総隊長の耳にも既に入っていると思いますが、その不法侵入の事情聴取を見学してるところです」
「そうか。見学とかよく分かんねーけど、もう護衛はいいよ。戻ってこい。君には新しい対象者が待ってる。財務科の幹部だ」
「ちょっと待ってください。護衛はもういいってどういう事ですか?」
「あ?上からのお達しだよ。理由なんぞ知らん。今すぐに戻ってこい。いいか?」
そう言うと高田はそのまま電話を切った。
「どうかなさいましたか?」
電話を終え呆然と立ち尽くす新濱を見て隊員が聞いた。
「護衛は終了。次は財務科の幹部だとよ」
「財務科ですか?」
「そうだ。いきなりの配置変更どういうつもりなのか」
「何か裏があるんですかね」
「裏、日報を調べている警務隊の動向を監視するため俺たちはここに派遣された。それがいきなり配置変更。交代連絡も来てない」
「てことは、もう警務隊の動向監視は無くなったという事ですか?」
「日報問題に変化が起きたということか。それか別でスパイのような奴ができたか」
そう言いながら新濱は部屋のドアを開けた。
「参事官、まさか部屋から出るんですか?もう帰るんですか?日報問題を明かそうって言ってたじゃないですか?」
「言ってたな」
「それならその、なんて言うか、ここで素直に帰るのは違うんじゃないかって俺は思います」
「ここで逆らえば俺たちは少なくとも降格、それか部隊異動。いくらだって考えられる」
「立ち位置大事ですよね。幹部の人ってみんなそう言いますよね。俺、幹部候補生で入って出て最初の部隊がここなんです。なんかこう俺が夢見てたのって守るために誰よりも泥臭くって言うか、そういうのを想像してたんですけど。幹部候補生の時の班長は誰よりも熱い人だったんです。その班長が、お前らは部隊を動かせる数少ない人材だ。そのため現場で動く隊員よりも多くの給料を貰ってる。だからこそ自分の立ち位置とか気にしてたら腐るところまで腐るぞって」
「その班長さん、心透き通ってるな」
「え?」
「お前、名前は?まだ同じ部隊なのに顔すらあんまり見た事無かったなって思って」
「皇山誠志郎です」
「皇山誠志郎か。俺が幕僚総監になったら副総監に推薦してやる」
「え?本当ですか?」
皇山が言うと新濱は軽く上を向いた。
「東崎隊長のもとに行くぞ」
「え?警務隊長ですか?」
「急げ。お前も一緒にだ」
「なぜ隊長のもとに?」
「思いついた事がある。とにかく急げ」
そう言うと新濱はそのまま廊下を歩き出した。
それを見て皇山も慌てるようにして部屋のドアを閉めると廊下を歩き出した。
会議室に着くと東崎が俯いているのが目に入った。
「隊長、あれ」
そう言いながら横にいた柿倉は新濱と皇山を指さした。
「あ?あーボディーガードか。お前が対応しといてくれ。俺は疲れた」
「わかりました」
そう言うと柿倉は新濱のもとに向かった。
それを見て新濱は柿倉を無視し東崎のもとに向かった。
「え?え?む、無視?」
柿倉が言うと皇山は軽く頭を下げ東崎のもとに向かった。
「なんだ?柿倉に話せよ。俺は疲れたんだよ。一向に日報の捜査が進まん。ストレスが溜まりに溜まって、まともに家も帰れないし。あぁー」
そう怒鳴ると東崎は軽く頭を掻きむしった。
「警務隊への動向監視の目的で我々はここに派遣されてました」
「動向監視だと?」
東崎が叫ぶと新濱は皇山に目をやった。
「お前とあそこの若造と2人が中心メンバーか?」
「あ、あーいえ。私は平の隊員です」
「先に話を進めてもよろしいでしょうか?」
新濱が言うと東崎は新濱に目線を戻した。
「しかし先程、総隊長から帰隊命令が出ました。帰ってこいと」
「つまり動向監視は終われと」
東崎が聞くと新濱は頷いた。
「日報問題に関して上層部で何か動きがあったと。そう言う事では無いかと判断しました」
「日報問題に関して動きがあった?」
東崎の言葉に窓の景色を見ていた正随が軽く慌てるような様子をとっているのが目に入った。
「つまり?何が言いたいんだ?はっきり言ってくれよ」
東崎が言うと新濱は軽く目をつぶったあとすぐに目を開け答えた。
「日報問題は少なくとも動いている。そしてそれは動向監視をさせなくてもいい方向に。上層部にとって日報は不安なものから安心できるものに変わった。そういう事です」
そう言うと新濱はポケットに入っていた無線機を手に取るとその場に置いた。
「今この駐屯地にいる護衛隊員は全てあなたの指揮下に入ります。自由に使ってください」
新濱が言うと数十人の護衛隊員らが会議室に入ってきた。
「それと」
新濱が言うと皇山は慌てるようにして新濱に目をやった。
「皇山、今日から参事官補佐だ」
「え?え、」
皇山が言うと新濱は皇山に目をやった。
「お前みたいな組織染まってないクリーンな幹部を俺たちは必要としている。年齢、階級なんて役職に関係ない。お前に参事官補佐を任せれると考えた結果だ」
新濱が言うと皇山はその場で深々と頭を下げた。
「自由に、か」
東崎が言うと柿倉は急いで東崎のもとに駆け寄った。
「わかった、ならこれからボディーガードでは無く、捜査員としてよろしく。早速だが、日報問題に関してあなたは、安心出来るものに変わったと言った。それについて詳しく貴方の見解をまずは聞きたいと考えています」
そう言いながら東崎が席から立ち上がったその時、新城と今西が会議室に入ってきた。
「あ、取り調べ終わったか?」
東崎が聞くと新城は今西に耳打ちをした。
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「え?」
正随が呟くと今西は新城に目をやった。
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「は?うちの隊員を?なぜ?」
東崎が聞いた。
「情報漏洩の疑いです。詳しくはこれから調べたいと考えています。彼がここにいる限り、貴方が指揮されてる捜査は何も前進しない。即刻、排除すべきだと判断しました」
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「制圧」
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「大人しくしろ。これをかけられたくなければ」
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「連行だ」
今西が言うと芦澤は崩れ落ちた正随を無理やり立たせた。
立った正随に新城は軽く鼻で笑うとそのまま正随の胸ぐらを掴んだ。
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「弓術士? ああ、あの器用貧乏な最弱職のことか」
剣と魔法が全てを決める世界において、弓は「射程は魔法に及ばず、威力は剣に劣る」不遇の武器と蔑まれていた。
若き冒険者リアンは、亡き叔父から譲り受けた一振りの弓「ストーム・ウィスパー」を手に、冒険者の門を叩く。周囲の嘲笑を余所に、彼が秘めていたのは、世界をナノ単位で解析する「化け物じみた集中力」だった。
リアンの放つ一矢は、もはや単なる遠距離攻撃ではない。
風を読み、空間を計算し、敵の急所をミリ単位で射抜く精密射撃。
弓本体に仕込まれたブレードを操り、剣士を圧倒する近接弓術。
そして、魔力の波長を読み取り、呪文そのものを撃ち落とす対魔法技術。
「近距離、中距離、遠距離……俺の射程に逃げ場はない」
孤独な修行の末に辿り着いた「全距離対応型弓術」は、次第に王道パーティやエリート冒険者たちの常識を塗り替えていく。
しかし、その弓には叔父が命を懸けて守り抜いた**「世界の理(ことわり)」を揺るがす秘密**が隠されていた――。
最弱と笑われた少年が、一張の弓で最強へと駆け上がる、至高の異世界アクションファンタジー、開幕!
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
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