ULTIMATE〜RISING SUN 防衛の極限へ(2170) Ground - Force 大地の守り人

甲府駐屯地 奪還作戦 偵察編

ULTIMATE〜Ground - Force 大地の守り人 第3話

主要登場人物一覧
真城大暉(23)…8代目主人公 警衛庁中部方面隊 愛知地区自衛科保安中隊 陸上科 第3区域機動第1作戦班 第3陸上小隊所属 2等隊士
有邊翔（31）…警衛庁中部方面隊 愛知地区自衛科保安中隊 陸上科 第3区域機動第1作戦班 第3陸上小隊 小隊統括 隊士官
北丸魁真(51)…警衛庁中部方面隊 愛知地区自衛科保安中隊 陸上科 第3区域機動第1作戦班 第3陸上小隊 小隊長 1等幹士
辰巳愛斗(26)…警衛庁中部方面隊 山梨地区自衛科保安中隊 陸上科 第3区域機動第1作戦班 第3陸上小隊所属 2等隊士
生島亮秦（41）…警衛庁中部方面隊 山梨地区自衛科保安中隊 陸上科 第3区域機動第1作戦班 第3陸上小隊 小隊長 2等幹士
會澤桂司(56) …警衛庁運用科 部隊運用室 理事官 2等将士
清塚翔(29)…警衛庁自衛科方面隊統括本部　第1連絡中隊所属 2等隊士
阿藤仁(26)…警衛庁自衛科方面隊統括本部　第1連絡中隊所属 2等隊士
基淳人（44）…警衛庁自衛科方面隊統括本部　第1連絡中隊 管理官 隊尉
新野敦（51）…警衛庁自衛科方面隊統括本部　第1連絡中隊長1等幹士
一織将太(46)…警衛庁運用科 部隊運用室 運用訓練幹部付き運用訓練員 3等士官
相模恭介(46)…警衛庁運用科 部隊運用室 運用訓練幹部付き運用訓練員  3等士官
仲原賢都（29）…警衛庁運用科 部隊運用室 運用訓練幹部付き運用訓練員 助教補佐 隊士長
鷹原宏也（48）…警衛庁運用科 部隊運用室 運用訓練幹部 3等隊尉
西 寿梨(38)…警衛庁警務大隊 刑事課 課長兼 警務大隊 統括代理 3等将士
沖矢蒼真(33)…警衛庁警務大隊 刑事課 総務統括管理官 2等幹士

階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
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「間もなく甲府駐屯地、到着します」
操縦席から無線が入り有邊は軽く頷いた。
「わかった。」
そう言うと有邊は銃の点検を軽く始めた。
「俺らの任務はあくまで偵察だからな？そこんとこ履き違えんなよ」
有邊が言うと真城が質問をした。
「もし、敵との交戦を避けられない状態になった場合にはどうしたら？今ある装備で戦えますかね？」
「今ある装備でか？まぁ数的にも厳しくなる事の方が多いかもしれん。まぁけど心配すんな。どうせ、駐屯地の連絡ケーブルでも壊れてんだろ。よくある事だからな。連絡が取れないってのは。それに、新政府軍が本土に来てる情報はまだ上がってないだろ？大丈夫だ」
そう言いながら有邊は窓から下を見下ろした。
「にしてもなんか気になるな。」
「何かありました？」
「いや、警備の隊員が見当たらねーんだよな。」
そう言うと有邊は無線機を手に取った。
「操縦席、もうちょい高度下げれるか？」
「今の段階でってことですか？」
「あぁー。そうだよ。下げてくれ」
「了解しました」
パイロットは応答すると慎重に高度を下げて行った。
その時だった、数発の弾丸が機内を襲いヘリはバランスを崩した。
「被弾。被弾しました。緊急降下の準備を」
無線越しにパイロットは叫び続けた。
「被弾したか。頭上のロープを手にとれ」
有邊が怒鳴ると隊員らは降下用ベルトに降下用ロープを括りつけた。
だがタイミングは悪くヘリはそのまま何発も被弾し炎上しながらさらに急加速して近くの駐屯地隊舎に目掛けて落下した。
「真城、無事か？」
有邊が聞くと真城は顔の切り傷を手で拭いながら答えた。
「何とか。」
「何とかか。」
「他の3人は？」
「見ての通りだな」
そう言いながら有邊は顔と頭、首から出血して倒れる隊員らに目をやった。
「パイロットは？」
そう言いながら真城はドアの窓ガラスを壊しそのまま外に出た。
次の瞬間、向こうから武装した銃弾がこちら側に走ってくるのが見えた。
「有邊さん。危ないです。」
そう叫ぶと真城はすぐに機内に避難した。
「どうした？」
「攻撃受けてます。俺ら」
「攻撃？誰からだよ。」
「わかんないすけど、装備品見る限りかなり揃ってる感じでした。動きにも無駄が無かったような」
「戦闘のプロ集団が俺ら以外に居てたまるかよ」
そう言うと有邊は銃を構えながら慎重に機内の外に目をやった。
「ガスマスク付けてんな。顔バレ防止か？」
「有邊さん。退路の確保が先決です」
「黙れよ。この状態で確保できると思ってんのか？」
「しかしせめて方角を確保しないと、このまま応戦し続けても俺らが負けることは明らかでしょ？」
「かもな。俺が囮になる。お前はこのまま退路を見つけてそこに避難しろ。そして今この現状を報告しろ」
「囮って、それじゃあ有邊さんは？」
「片付いたら俺もそっちに向かう。お前のGPSここにあるからな。それを頼りに行くよ」
「俺の想像ですけど、この駐屯地は占拠されてます。駐屯地を占拠するほどの規模のプロ戦闘集団がここにいるって訳ですよね？そんなの有邊さんだけで何とかならないですよ。この場で大人しくしときましょう」
「死んだフリってか？」
「応援が来るまでの間だけです。」
「俺ら警衛官に死んだフリなんて通用しねーんだよ。もうちょい警衛官としての経験がお前には必要だってことがよくわかったよ」
「でも、」
「黙ってろ。それならお前はこの場で大人しくしとけ。俺がここを何とかするからよ」
そう言うと有邊はそのまま機内の外に出た。
複数の発砲音が耳に入ってくる。
真城は目を瞑りながら何度も何度も息を吸い込んだ。
「ここで俺も応戦しねーと100負けるってことは明らかだよな。」
そう呟くと真城は銃を構えながら慎重に機内の外に目をやった。
その時だった、腕と足に被弾した有邊がその場に倒れた。
武装集団はそのまま倒れた有邊に容赦なく銃を乱射し続けた。
「真城、逃げろー。」
有邊は最後の声をふりしぼり叫んだ。
「有邊さん、」
「早く逃げろよ。俺はもう助からねー…………からよ。見ればわかるってか？笑」
そう言うと有邊は機内に顔を向けながら軽く微笑んだ。
そして有邊はそのまま目を瞑った。
「有邊さん、有邊………さん。有邊さん」
真城は何度も涙を浮かべながら有邊の名前をただ口にし続けた。