上 下
3 / 32
ULTIMATE〜SEALs 精鋭無比

ULTIMATE〜SEALs 精鋭無比 プロローグ

しおりを挟む
佐倉綾斗(21)…6代目主人公 警視庁新宿中央警察署地域課 新宿駅東口交番勤務 巡査長
…………………………………………………………………
俺は幼い頃、両親からの虐待に合っていた。
みんな、見て見ぬふりをするし、全ては自分が悪いんだ。そう言い聞かせて耐えてきた。
教師も友達も皆、俺からまるで逃げるようにして遠ざかっていく。
この世に俺の居場所は無いのか。そう何度も思い悩んだ。
しかし、ある人は違った。
何かあればどんなに忙しくても話を聞いてくれたし、たわいもない話をしに何度もその人のところへ行っても笑顔で受け入れてくれる。
俺にとってその人はヒーローだった。
泣いていたら静かに寄り添ってくれるし腹を空かせれば飯を奢ってくれた。
そして、高校の時に少しグレた俺にその人は幼少期の頃と変わらぬ態度で接してくれた。
でもそれが高校生だった俺には鬱陶しかった。
そんなある日、友達と夜遊んでいた時だった、近くで物凄い音が耳に飛び込んできた。
興味本位で俺は音がした方向に友達と一緒に向かった。
音がしたところに行くとフロントが粉々になったパトカーとフロントガラスが粉々になった1台の白いワンボックスカーを見つけた。
俺らは直ぐにスマホを向け
「ポリが事故った。やらかしよったー。よ、税金泥棒ーー」
と叫び続け大声で笑った。
しかし俺はあることに気がついた。
パトカーの運転席にいた警察官がビクとも動かないことに、助手席にいた警察官は何とか、歩けていた。
それを見て俺らは直ぐに事の重大さに気づき運転席に向かった。
運転席に行くと、見た事のある顔があった。
「おっさん………」
「…………佐倉か……。何してる?」
「ダチと遊んでた」
「そうか」
「おっさん事故ったのか?」
「まーな。見りゃわかるだろ?」
「なんで事故った?前方不注意とか?」
「なんだってええだろ。」
そう言うと警察官は静かに目をつぶった。
「ちょ、おっさん。おいなんか言えって。おい、」
俺がいくら声をかけても何も反応はなかった。
後からわかったことだが、(警察官)おっさんが不審車両を見つけ追跡、職質をかけようと止まるよう呼びかけると車両は一気に加速。十字路に入り込み、パトカーからの追跡を逃れると何を思ったのか、そのまま方向を変え、パトカーの方に向かった。
街灯が少なく真っ暗な中、車両はそのまま加速していき、おっさんらが乗るパトカーへとぶつかったのだ。
後から事情をニュースで知った俺はおっさんの意志を継ぐと勝手に思い、考え、警察官になることを決めた。
地元だった兵庫を飛び出し俺は東京に行き、警視庁警察官採用試験を受験したのだ。
警視庁を志望した理由?
そんなの日本最大だからに決まってんだろ?
日本を守りたい、そんな大雑把な気持ちを抱いていた俺には警視庁警察官が天職だった。
体力は特に自信があり、自慢のコミュ力で面接、独学でやった座学、文章作成能力を高く持っていた俺は見事、警視庁警察官になった
しおりを挟む

処理中です...