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第2部
フェーズ7.9-20
土日は学会でろくに休めなかったのに、今日からまた仕事だ。涼の体調が心配になる。せめて早く帰ってこられるといいのだけど。
昼休みにカフェを訪れた涼は、案の定疲れた顔をしていた。
「おねーさん、濃いめのくれる?」
大丈夫だろうか。それにカフェインの摂りすぎも気になる。今朝も家で飲んでいた。
「エスプレッソショットを追加しますね。はちみつも入れてみます?」
濃くて苦いコーヒーばかり飲んでないで、少し甘みも足してほっとしてほしい。
「まかせるよ」
無理しないで。体調が気にかかるが、私には見守ることしかできない。それも涼がカフェに来店するほんの束の間の時間だけだ。
「今日のイケメンドクターはお疲れみたいね」
客足が落ち着いたタイミングで店長が声をかけてきた。
「そうですね。ちょっと心配です」
本音はちょっとどころではない。
「お医者さんって華やかに見える職業だけど、忙しいし責任は重いし、本当に大変なお仕事よね。ちゃんと休めてるのかしら」
今日の外科の面々は疲れている。同じく学会に参加したはずの澄先生は、私の勤務時間内では姿を見なかった。外科部長だし、仕事が溜まっていたのかもしれない。
気になったのが麗子さんだ。彼女もさぞ疲れ気味かと思いきや、午後になって来店した彼女は髪も肌もつやつやで、にこやかにフレーバーティーを注文していた。何かいいことでもあったのだろうか。
晩ご飯の支度をしている最中、カウンターの上にある携帯電話が鳴った。涼からだ。
「もしもし? もう帰ってくる?」
「ああ。今、駐車場の車の中だ。帰る前に聞かせたいことがあるから、切らずにこのまま聞いてて」
「聞かせたいこと?」
不思議に思いながらも、言われた通りそのまま待った。少し経ってから、車のドアが開く音と女性の声が聞こえてきた。
「せんせぇ~! やっと応えてくれる気になったんですね?」
この媚びを含んだ声には聞き覚えがある。私が涼に携帯電話を届けたときに彼を呼びにきた、女子アナに似た看護師さんの声だ。車に乗せたの? どうして? それに「やっと応えてくれた」って、涼のことを誘ってくる人というのはやっぱりあの看護師さんだったの?
「病院に伝えてあるうちの電話番号は、ああいうことに使うためではないだろ」
「なんのことです?」
「土曜日にうちに電話しただろう。俺がいない日を狙って」
「えー? 私がですかあ?」
本当にこの人なのだろうか。改めて聞いてみても、電話の人とは声が違うと思う。こういうかわいい感じの喋り方ではなかった。
「師長から聞いたよ。君がドクターの電話帳の前で何やらこそこそしてたのを見たって」
看護師さんが黙った。図星か。
「ああいう電話をされると、やきもち焼きな上に心配性な奥さんはセックスどころかキスすらしてくれなくなるから、やめてくれる?」
昨日はおかえりのキスをしていない。気分ではなかったから。そのことを言っているんだろう。他にも引っかかる点はあるものの、今はおとなしく二人の会話に耳を傾けるしかない。
「奥さんが怒ってる間は私が楽しませてあげます」
「機嫌はすぐ直してくれるし、怒ってるのもかわいいから。それに、君で体力を消耗するのはもったいない」
「はあ? 何よそれ」
急に低い声色に変わり、私ははっとした。電話で聞いたのはこの声だ。全然違うからわからなかった。
「うちの奥さんより君のほうが年上なのに子どもっぽいな」
「嫉妬深くて心配性な女より、私のどこが子どもっぽいっていうの?」
「彼女はこんなことは絶対にしないよ。誰かを傷つけてまで自分の気持ちを押しつけるようなことは。俺が留守の間にあんな電話を受けて、彼女が二日間どんな気持ちで俺の帰りを待ってたと思う?」
「そんなの、私の知ったことじゃないし」
すごく怒らせてしまっているようだけど、平気だろうか。聞いてることしかできないからハラハラする。
「俺は思いやりのある女が好きだからさ。ついでに言うと、君みたいに色気を振りまいて誘惑するタイプは苦手なんだ。ちなみに俺の奥さんは、飾らなくても自然体のままでかわいいタイプ」
彼女が鼻を鳴らしたのがわかった。
「とにかく、君は対象外。そもそも俺は奥さんに夢中だから、他の女性を抱く気はないんだ。悪いけど、あきらめてくれる?」
再び車のドアが開く音がして、すぐに乱暴に閉められた。看護師さんが何も言わずに車を降りたようだ。彼女が相当怒っていることが電話越しでも伝わってきた。涼は大丈夫かな。引っ叩かれるような音はしなかったから、危害は加えられてないはず。
「聞いてた?」
涼の声に安心する。それはいいんだけど。
「やきもち焼きじゃないもん」
電話越しで涼が笑う。
「悪かったよ。今から帰る」
「うん。気をつけてね」
病院は目と鼻の先だから、涼はすぐに帰ってきた。玄関で出迎えた私はもう一度抗議した。
「ねえ、やきもち焼きじゃないよ?」
心配性なのは認める。
「ごめんごめん」
また笑って、私を抱きしめた。私も涼の背中に腕を回す。やっと、やっと安心できた。
「私に夢中なの?」
「今さら答えるまでもないだろ?」
それでもうれしくて、私はさらにぎゅっと強く抱き着いた。
「疑ってごめんね」
「もういいよ。本当は信じてくれてるのはわかってる」
涼は私のこと信じてくれてるんだね。私も信じよう。不安に負けることなく、どんなときでも。
「涼、あの人にけっこう怒ってた?」
珍しく刺々しい口調だったから、相当怒ってる気がした。
「そりゃあ怒るよ。お前にあんな顔させたんだから。帰ったら天使みたいな笑顔で出迎えてくれるはずが、この世の終わりみたいな顔して落ち込んでるんだからな」
いつも冷静な涼が、私のために怒ってくれたのがうれしい。
「来年は一緒に行こうか、学会」
今回のようなことはもう起こらないと思いたい。それでも単純に二泊三日も離れるのがつらい。一緒に行けるのならついていきたい。
「来年の開催地はもう決まってるの?」
去年は北陸で今年は関西だった。だんだん西に遠くなっている。来年は九州あたりかもしれない。
「うちから車で十分くらいのとこ」
「ちょっと!」
怒ると涼は笑った。十分くらいというと、国際会議やコンサートなどが開かれる大きなホールのことだろう。本当にすぐ近くだ。泊まりがけで行く必要なし。じゃあ来年は離れ離れにならずに済むのね。
「今夜こそは燃えるように激しく、だな」
「ダメだよ。土日は休めてないんだから。昼間も疲れた顔してたし、早く寝ないと倒れちゃうよ?」
「その前に、何日かぶりのおかえりのチューは?」
私の身長に合わせて涼が身をかがめた。私は軽く口づけた。
結局、涼にお願いされて一度だけしてしまった。彼の疲れが取れる日はいつなのか。ある意味ではすっきりした顔をしていたけど。
昼休みにカフェを訪れた涼は、案の定疲れた顔をしていた。
「おねーさん、濃いめのくれる?」
大丈夫だろうか。それにカフェインの摂りすぎも気になる。今朝も家で飲んでいた。
「エスプレッソショットを追加しますね。はちみつも入れてみます?」
濃くて苦いコーヒーばかり飲んでないで、少し甘みも足してほっとしてほしい。
「まかせるよ」
無理しないで。体調が気にかかるが、私には見守ることしかできない。それも涼がカフェに来店するほんの束の間の時間だけだ。
「今日のイケメンドクターはお疲れみたいね」
客足が落ち着いたタイミングで店長が声をかけてきた。
「そうですね。ちょっと心配です」
本音はちょっとどころではない。
「お医者さんって華やかに見える職業だけど、忙しいし責任は重いし、本当に大変なお仕事よね。ちゃんと休めてるのかしら」
今日の外科の面々は疲れている。同じく学会に参加したはずの澄先生は、私の勤務時間内では姿を見なかった。外科部長だし、仕事が溜まっていたのかもしれない。
気になったのが麗子さんだ。彼女もさぞ疲れ気味かと思いきや、午後になって来店した彼女は髪も肌もつやつやで、にこやかにフレーバーティーを注文していた。何かいいことでもあったのだろうか。
晩ご飯の支度をしている最中、カウンターの上にある携帯電話が鳴った。涼からだ。
「もしもし? もう帰ってくる?」
「ああ。今、駐車場の車の中だ。帰る前に聞かせたいことがあるから、切らずにこのまま聞いてて」
「聞かせたいこと?」
不思議に思いながらも、言われた通りそのまま待った。少し経ってから、車のドアが開く音と女性の声が聞こえてきた。
「せんせぇ~! やっと応えてくれる気になったんですね?」
この媚びを含んだ声には聞き覚えがある。私が涼に携帯電話を届けたときに彼を呼びにきた、女子アナに似た看護師さんの声だ。車に乗せたの? どうして? それに「やっと応えてくれた」って、涼のことを誘ってくる人というのはやっぱりあの看護師さんだったの?
「病院に伝えてあるうちの電話番号は、ああいうことに使うためではないだろ」
「なんのことです?」
「土曜日にうちに電話しただろう。俺がいない日を狙って」
「えー? 私がですかあ?」
本当にこの人なのだろうか。改めて聞いてみても、電話の人とは声が違うと思う。こういうかわいい感じの喋り方ではなかった。
「師長から聞いたよ。君がドクターの電話帳の前で何やらこそこそしてたのを見たって」
看護師さんが黙った。図星か。
「ああいう電話をされると、やきもち焼きな上に心配性な奥さんはセックスどころかキスすらしてくれなくなるから、やめてくれる?」
昨日はおかえりのキスをしていない。気分ではなかったから。そのことを言っているんだろう。他にも引っかかる点はあるものの、今はおとなしく二人の会話に耳を傾けるしかない。
「奥さんが怒ってる間は私が楽しませてあげます」
「機嫌はすぐ直してくれるし、怒ってるのもかわいいから。それに、君で体力を消耗するのはもったいない」
「はあ? 何よそれ」
急に低い声色に変わり、私ははっとした。電話で聞いたのはこの声だ。全然違うからわからなかった。
「うちの奥さんより君のほうが年上なのに子どもっぽいな」
「嫉妬深くて心配性な女より、私のどこが子どもっぽいっていうの?」
「彼女はこんなことは絶対にしないよ。誰かを傷つけてまで自分の気持ちを押しつけるようなことは。俺が留守の間にあんな電話を受けて、彼女が二日間どんな気持ちで俺の帰りを待ってたと思う?」
「そんなの、私の知ったことじゃないし」
すごく怒らせてしまっているようだけど、平気だろうか。聞いてることしかできないからハラハラする。
「俺は思いやりのある女が好きだからさ。ついでに言うと、君みたいに色気を振りまいて誘惑するタイプは苦手なんだ。ちなみに俺の奥さんは、飾らなくても自然体のままでかわいいタイプ」
彼女が鼻を鳴らしたのがわかった。
「とにかく、君は対象外。そもそも俺は奥さんに夢中だから、他の女性を抱く気はないんだ。悪いけど、あきらめてくれる?」
再び車のドアが開く音がして、すぐに乱暴に閉められた。看護師さんが何も言わずに車を降りたようだ。彼女が相当怒っていることが電話越しでも伝わってきた。涼は大丈夫かな。引っ叩かれるような音はしなかったから、危害は加えられてないはず。
「聞いてた?」
涼の声に安心する。それはいいんだけど。
「やきもち焼きじゃないもん」
電話越しで涼が笑う。
「悪かったよ。今から帰る」
「うん。気をつけてね」
病院は目と鼻の先だから、涼はすぐに帰ってきた。玄関で出迎えた私はもう一度抗議した。
「ねえ、やきもち焼きじゃないよ?」
心配性なのは認める。
「ごめんごめん」
また笑って、私を抱きしめた。私も涼の背中に腕を回す。やっと、やっと安心できた。
「私に夢中なの?」
「今さら答えるまでもないだろ?」
それでもうれしくて、私はさらにぎゅっと強く抱き着いた。
「疑ってごめんね」
「もういいよ。本当は信じてくれてるのはわかってる」
涼は私のこと信じてくれてるんだね。私も信じよう。不安に負けることなく、どんなときでも。
「涼、あの人にけっこう怒ってた?」
珍しく刺々しい口調だったから、相当怒ってる気がした。
「そりゃあ怒るよ。お前にあんな顔させたんだから。帰ったら天使みたいな笑顔で出迎えてくれるはずが、この世の終わりみたいな顔して落ち込んでるんだからな」
いつも冷静な涼が、私のために怒ってくれたのがうれしい。
「来年は一緒に行こうか、学会」
今回のようなことはもう起こらないと思いたい。それでも単純に二泊三日も離れるのがつらい。一緒に行けるのならついていきたい。
「来年の開催地はもう決まってるの?」
去年は北陸で今年は関西だった。だんだん西に遠くなっている。来年は九州あたりかもしれない。
「うちから車で十分くらいのとこ」
「ちょっと!」
怒ると涼は笑った。十分くらいというと、国際会議やコンサートなどが開かれる大きなホールのことだろう。本当にすぐ近くだ。泊まりがけで行く必要なし。じゃあ来年は離れ離れにならずに済むのね。
「今夜こそは燃えるように激しく、だな」
「ダメだよ。土日は休めてないんだから。昼間も疲れた顔してたし、早く寝ないと倒れちゃうよ?」
「その前に、何日かぶりのおかえりのチューは?」
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