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第4羽 日頃の恨みを込めて
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いやー、実の親に殺されるところだった。危ない、危ない。
さて、外に出たはいいものの、何をすればいいか分からない。
ぐぅーと音を立てて腹がなる。そうか、カラスになったといっても、お腹は空くのか。
よし、朝食とするか。それはいいんだけど、カラスって何を食べるの? やっぱり生ゴミ? それだけは勘弁してほしい。
しかも、今日は可燃ごみの回収日ではない。つまり、生ゴミを漁ろうにも漁れないのだ。
「おい、貴様何をしている?」
声のした方向を見ると、片方の目を潰された歴戦の猛者らしきカラスが電線にいた。どうやらカラスになったことで、カラス語が分かるようになったらしい。
「何って、エサを探しているんですが」
「貴様、ここが俺の縄張りと知っていて、エサを横取りするつもりか!」
いや、そんなの知らんわ!
「そうか、それならば……」
猛者のくちばしが怪しく光る。
「失礼しました」
俺はそう言うと、羽を羽ばたかせて電線から離れる。
生ゴミがダメなら昆虫か? でも、カラスになりたての俺に狩ることが出来るのだろうか。
そんな風にボケーと考えていると、目の前で小さな子供がビスケットを食べているではないか!
これはチャンス、あの子供からビスケットを奪って……いや、それはやめよう。さすがにかわいそうだ。
だが、あの子が落としたビスケットのくずを食べることは許されるだろう。うん、そうに違いない。
俺はジッーと子供を見張り、いつ食べ終わるか待っていた。しかし、邪魔が入った。どこからか石が飛んでくる。俺はとっさに避ける。
「おい、カラス! 向こう行けよ」
どうやら友達でガキ大将らしい子供が投げたらしい。危うく翼に当たるところだった。自分が人間だったら、同じことをしたに違いない。
さて、どうしたものか。このまま公園でエサを待っても同じだろう。得られるものはなさそうだ。
「お前、何をしているんだ?」
そこにはさっきの猛者とは違うカラスがいた。まさか、また縄張りを荒らしたとか言われるのか?
「いや、俺はカラスになりたてで、なかなかエサにありつけなくて」
「カラスになりたて? なんだそりゃ。お前、すでに大人だろうに。仕方がない、こっちについてこい」
カラスについていくと――そういえば俺もカラスだった――ハトにエサをやっているおばあさんがいた。まさか、横取りするのか?
「いいか、しばらく待つんだ」
数十分経つとハトは満足したのかおばあさんの元から去っていった。すかさずカラスはおばあさんの元に羽ばたく。
「あらまあ、またお前さんかい。そうか、今日は可燃ごみの日じゃないねぇ。エサを取るのも大変だねぇ。ほら、ごはんだよ」
おばあさんはそう言うと、パンくずを地面にばら撒く。
「あれ、今日はお友達もいるのね。ほら、いらっしゃい」
どうやら、このおばあさんはかなりのお人よしらしい。カラスにエサをやるなんて、他の人からしたらいい迷惑だろう。
まあ、それは置いとこう。エサがもらえるのだ、文句は言うまい。
俺はたらふくパンくずを食べると、電線に戻る。
「おい、お前。まさかタダで飯を食べれると思っているのか? おばあさんにお礼をするのが礼儀というものだ」
カラスは飛び立つと空を旋回する。何かを見つけたのか、急降下すると口に咥えておばあさんの元に舞い戻る。くちばしには小銭を咥えていた。
「まあ、そんなものいらないのよ」
しかし、カラスは小銭を落とす。なるほど、そういうことか。エサをもらう代わりに人間のお金でお礼をする。こいつ、カラスにしては賢いぞ。
「しょうがないわねぇ。これは募金に使おうかしら」
独り言をつぶやきながら、おばあさんは去っていった。
「今度あのおばあさんからエサをもらったら、お前もちゃんとお礼をすべきだ」
俺はうなずく。
「じゃあな。次は自力でエサを見つけるんだな」
「ちょっと待ってくれ。お前の名前は?」
「名乗るほどでもないさ」
そう言うと、カラスは去っていった。
カラスにも優しい奴がいるのか。人間に戻ったら、あいつにパンくずをご馳走しよう。人間に戻れれば、だが。
しかし、カラスはすごく暇だな。エサを取る以外はカァーカーと鳴くくらいだ。昼食は自分で用意しなければならない。さて、どうしたものか。
おや、あそこにいるのは同僚の成田じゃないか。奴は上司の目を盗んでは手を抜き――いや、上司も見て見ぬ振りかもしれないが――俺をいじめるという悪趣味を持っている。
カラスになったことで、奴と会わなくて済むというのもおかしな話だ。待てよ、向こうは俺がカラスだとは知らない。こんなチャンスを見逃すのはもったいない。何かやり返す方法はないだろうか。
お、ちょうど成田の進路に誰かの飲みかけのジュースがある。俺は急いでペットボトルに近づくと、くちばしを器用に使ってフタを外す。そして、成田の方向にペットボトルを倒す。ジュースは見事に成田の靴に飛び散った。
「うわ、何しやがる! この靴高かったんだぞ」
成田はそう言うと俺の方に向かってくる。何か追撃をしたいが、さすがにつつくのはやりすぎだろう。では、誘導して次なる攻撃を仕掛けるのみ。
俺は成田の攻撃をひらりとかわすと、カァカーと成田を馬鹿にするように鳴きながら進路を南に向ける。そして、俺を追ってきた成田は見事にトラップに引っかかった。路上に落ちたガムを踏むという罠に。
「くそ、なんてこった。ガムのねばねばは取り除きづらいんだぞ!」
成田はそう怒鳴るが、カラスの正体が俺だと知るまい。他のカラスなら成田の言葉の意味は分からないだろう。ふふふ、これ程愉快なことはない。
この調子で今まで俺を馬鹿にしてきた奴らに仕返しをしてやろう。そして、この街の噂を独占してやる。「ずる賢いカラスがイタズラをして迷惑している」という噂で。
さて、外に出たはいいものの、何をすればいいか分からない。
ぐぅーと音を立てて腹がなる。そうか、カラスになったといっても、お腹は空くのか。
よし、朝食とするか。それはいいんだけど、カラスって何を食べるの? やっぱり生ゴミ? それだけは勘弁してほしい。
しかも、今日は可燃ごみの回収日ではない。つまり、生ゴミを漁ろうにも漁れないのだ。
「おい、貴様何をしている?」
声のした方向を見ると、片方の目を潰された歴戦の猛者らしきカラスが電線にいた。どうやらカラスになったことで、カラス語が分かるようになったらしい。
「何って、エサを探しているんですが」
「貴様、ここが俺の縄張りと知っていて、エサを横取りするつもりか!」
いや、そんなの知らんわ!
「そうか、それならば……」
猛者のくちばしが怪しく光る。
「失礼しました」
俺はそう言うと、羽を羽ばたかせて電線から離れる。
生ゴミがダメなら昆虫か? でも、カラスになりたての俺に狩ることが出来るのだろうか。
そんな風にボケーと考えていると、目の前で小さな子供がビスケットを食べているではないか!
これはチャンス、あの子供からビスケットを奪って……いや、それはやめよう。さすがにかわいそうだ。
だが、あの子が落としたビスケットのくずを食べることは許されるだろう。うん、そうに違いない。
俺はジッーと子供を見張り、いつ食べ終わるか待っていた。しかし、邪魔が入った。どこからか石が飛んでくる。俺はとっさに避ける。
「おい、カラス! 向こう行けよ」
どうやら友達でガキ大将らしい子供が投げたらしい。危うく翼に当たるところだった。自分が人間だったら、同じことをしたに違いない。
さて、どうしたものか。このまま公園でエサを待っても同じだろう。得られるものはなさそうだ。
「お前、何をしているんだ?」
そこにはさっきの猛者とは違うカラスがいた。まさか、また縄張りを荒らしたとか言われるのか?
「いや、俺はカラスになりたてで、なかなかエサにありつけなくて」
「カラスになりたて? なんだそりゃ。お前、すでに大人だろうに。仕方がない、こっちについてこい」
カラスについていくと――そういえば俺もカラスだった――ハトにエサをやっているおばあさんがいた。まさか、横取りするのか?
「いいか、しばらく待つんだ」
数十分経つとハトは満足したのかおばあさんの元から去っていった。すかさずカラスはおばあさんの元に羽ばたく。
「あらまあ、またお前さんかい。そうか、今日は可燃ごみの日じゃないねぇ。エサを取るのも大変だねぇ。ほら、ごはんだよ」
おばあさんはそう言うと、パンくずを地面にばら撒く。
「あれ、今日はお友達もいるのね。ほら、いらっしゃい」
どうやら、このおばあさんはかなりのお人よしらしい。カラスにエサをやるなんて、他の人からしたらいい迷惑だろう。
まあ、それは置いとこう。エサがもらえるのだ、文句は言うまい。
俺はたらふくパンくずを食べると、電線に戻る。
「おい、お前。まさかタダで飯を食べれると思っているのか? おばあさんにお礼をするのが礼儀というものだ」
カラスは飛び立つと空を旋回する。何かを見つけたのか、急降下すると口に咥えておばあさんの元に舞い戻る。くちばしには小銭を咥えていた。
「まあ、そんなものいらないのよ」
しかし、カラスは小銭を落とす。なるほど、そういうことか。エサをもらう代わりに人間のお金でお礼をする。こいつ、カラスにしては賢いぞ。
「しょうがないわねぇ。これは募金に使おうかしら」
独り言をつぶやきながら、おばあさんは去っていった。
「今度あのおばあさんからエサをもらったら、お前もちゃんとお礼をすべきだ」
俺はうなずく。
「じゃあな。次は自力でエサを見つけるんだな」
「ちょっと待ってくれ。お前の名前は?」
「名乗るほどでもないさ」
そう言うと、カラスは去っていった。
カラスにも優しい奴がいるのか。人間に戻ったら、あいつにパンくずをご馳走しよう。人間に戻れれば、だが。
しかし、カラスはすごく暇だな。エサを取る以外はカァーカーと鳴くくらいだ。昼食は自分で用意しなければならない。さて、どうしたものか。
おや、あそこにいるのは同僚の成田じゃないか。奴は上司の目を盗んでは手を抜き――いや、上司も見て見ぬ振りかもしれないが――俺をいじめるという悪趣味を持っている。
カラスになったことで、奴と会わなくて済むというのもおかしな話だ。待てよ、向こうは俺がカラスだとは知らない。こんなチャンスを見逃すのはもったいない。何かやり返す方法はないだろうか。
お、ちょうど成田の進路に誰かの飲みかけのジュースがある。俺は急いでペットボトルに近づくと、くちばしを器用に使ってフタを外す。そして、成田の方向にペットボトルを倒す。ジュースは見事に成田の靴に飛び散った。
「うわ、何しやがる! この靴高かったんだぞ」
成田はそう言うと俺の方に向かってくる。何か追撃をしたいが、さすがにつつくのはやりすぎだろう。では、誘導して次なる攻撃を仕掛けるのみ。
俺は成田の攻撃をひらりとかわすと、カァカーと成田を馬鹿にするように鳴きながら進路を南に向ける。そして、俺を追ってきた成田は見事にトラップに引っかかった。路上に落ちたガムを踏むという罠に。
「くそ、なんてこった。ガムのねばねばは取り除きづらいんだぞ!」
成田はそう怒鳴るが、カラスの正体が俺だと知るまい。他のカラスなら成田の言葉の意味は分からないだろう。ふふふ、これ程愉快なことはない。
この調子で今まで俺を馬鹿にしてきた奴らに仕返しをしてやろう。そして、この街の噂を独占してやる。「ずる賢いカラスがイタズラをして迷惑している」という噂で。
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