ふわっとした読者感想

雨宮 徹

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失敗の本質 日本軍の組織論的研究

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 今回取り上げるのは『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』です。どんな本かと言うと「太平洋戦争の作戦の失敗を組織としての失敗ととらえ、現代の組織論の教訓にする」です。

 本書は戦時中の諸作戦を説明しながら、組織的問題点を指摘する構造となっています。諸作戦についてかなり詳細が書かれているので、戦時中の悲惨さが伝わってきますし、歴史の勉強にもなります。本書ではかなりの数の作戦について記述があるので、ここは重要だと個人的に思った箇所を抜粋します。

 まずは「ノモンハン事件」です。本書では作戦の失敗理由を「作戦目的があいまいだった」と指摘しています。

 次に「ガダルカナル作戦」。有名なので聞いたことがあるのではないでしょうか。この作戦においての失敗原因は「陸軍・海軍の連携が取れていなかった」と指摘されています。

 さて、上記の二つの作戦の失敗原因、現代の日本の社会によく当てはまるのではないでしょうか。

 まずは「あいまいな戦略目的」について。例えば会社でとある部に所属しているとします。そこの部長が「うちの部は会社に貢献するぞ」なんてぼんやりとした目標を掲げられては、部下は何をすればいいのか分かりませんね。「会社はこういう方針だから、ここの部分を推進するために、こうしよう」とあるべきです。

 次に「各軍の連携不足」について。これも会社で例をあげましょう。会社には色々な部署がありますね。営業部に総務部、経理部など。大抵の会社では官庁みたいに縦系統の組織図になっており、横との連携が弱いことが多いです。「これは営業部の仕事だ」「これは経理部の仕事だから、まずそうだけど放っておこう」など、ありがちですね。自分の管轄外だから手をつけない。面倒に巻き込まれるのは誰しも望まないでしょう。

 ここまで本書をもとに現代社会の組織的問題について取り上げました。実は本書が出版されたのはなんと千九百八十四年です。今から四十年前の本です。この四十年間、この国は組織的に進歩したのでしょうか。私の答えはノーです。悲しいことに日本はもうすぐ戦後八十年なのに戦争での失敗を分析せず、進んできてしまったのです。

 私としては本書を読む方が増えて少しづつでも日本が良くなることを願います。
 
 今回はこの辺で。
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