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シャワーヘッドソムリエ
しおりを挟むむかーしむかし(3年前)あるところに、ゆきなという少女がいました。
ゆきなは生活費を稼ぐために毎晩ガールズバーでせっせと働いていました。
ある晩、ゆきなは3時にバイトをあがったが、店長の車のエンジンがつかなくて家まで送迎できないからこれで始発まで時間潰してと1000円を渡され夜の街に放り出されてしまいました。
時期は11月、微妙にクソ寒いからマックで暖を取ろうとしたが絶妙な田舎なので24時間営業ではなくしまっている....
..他に時間潰せそうな場所も無いし困り果てたゆきなはドンキホーテで家電でも見て時間を潰すことにしました。適当に家電コーナーをうろつき、ふとシャワーヘッドコーナーで足を止め様々なシャワーヘッドを物色していたら背後からふと話しかけられた。
「俺シャワーヘッドソムリエなんだけどよかったら選ぶの手伝ってあげようか?」
第一声でこいつはやべぇと思える発言ってなかなか無いよね。恐る恐る振り返ると中肉中背の30代前半くらいの男性が立っていた。
私「マジすか!何がおススメですか?」
後日、他の人にソムリエの話をするとみんな「シカトして逃げろよ笑」と口を揃えて言ってくるが当時の私は面白そうな事についつい首を突っ込んでしまう節があり、なおかつ適応力もゴリゴリだった。そして何より始発まで2時間弱あり暇すぎて会話に応じてしまった。
ソムリエ「これとかいいんじゃない高水圧だし70%節水って書いてあるし」
自称シャワーヘッドソムリエなのにパッケージに書いてある情報しか言わない!
私「お兄さん何歳っすか?お仕事は何されてるんですか?
」
彼を知り、己を知れば百戦して危うからず。かの有名な孫子が言った言葉だ。戦いにおいて敵と味方について熟知していれば負ける心配は無い。
ソムリエ「32歳だよ。仕事はアパレルの服とか仕分けする倉庫で働いている。」
私「32にもなって自称シャワーヘッドソムリエ名乗って深夜に女ナンパして何やってるんすか。同年代の人は結婚して子供もいるでしょ。」
ソムリエ「生きる希望も無いし50歳になったら自殺するつもり」
さすが自称シャワーヘッドソムリエ名乗って深夜に女ナンパする人間だけある、クセが強い。
しばらく雑談を交わしているうちにようやくソムリエが本題を切り出した。
ソムリエ「じゃあさ、シャワーヘッド買ってあげるからえっちさせてよ。」
シャワーヘッドは高くてもまぁ7000円くらい。ホ別7kは立ちんぼ価格や。
私「マグロなんで大丈夫です。」
ソムリエ「えー、いいじゃん」
こんな感じのくそしょーもない交渉で2時間も話し込んでいた。時は金なり。いい暇つぶしになったし始発も動く時間になったので私はお礼を言ってガチで立ち去ろうとした。そしたらソムリエが折れて「きみ面白いからえっちしなくともいいからシャワーヘッド買ってあげるよ。」と言ってきた。
私は迷わず7000円のシャワーヘッドを指差したがソムリエは「それはえっちさせてくれないと買えないなぁ、こっちならいいよ。」と1500円のシャワーヘッドを買ってくれた。そういうとこだよ。
シャワーヘッドをお買い上げ、ソムリエと一緒に駅まで歩いていたが途中に松屋があり朝ごはん食べるかということでソムリエに松屋を奢ってもらった。で、改札まで送ってもらって解散した。あれから3年、ソムリエは今幸せに暮らしているのだろうか。ふとたまに思い出す。
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