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闇からの声
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今のうちだ、とフランは思った。
マーガレッタ王女がローマリウス王を嬲りに地下部屋に向かった。王女は王に取られることを警戒しているから、足枷の鍵を身に着けていくはずはない。
私室のどこかにあるはずだ。
そう、あるとしたらあそこだ。
フランは側近として王女に仕えているので、ある程度マーガレッタ王女のことは分かっている。
王女はいつも大切なものを隠すのに秘密の小箱を使っている。小物細工職人に特別に作らせたもので、仕掛けがしてあって、その開け方は王女しか知らない。
でも、仕掛けなど関係ない、箱ごと壊せばいい。
フランは覚悟をしていた。王女にばれないでローマリウス王を助けるのは無理だ。なら、潔く自分が犠牲になってもいい。故郷にいる愛する弟や妹たちのためなら、命は捨ててもいいと思った。
マーガレッタ王女には他人のために命を捨てる覚悟など理解できないだろう。だから、処刑すると脅せば皆が自分の命令をきくと思っている。
ローマリウス王がレーナ女王のために命を賭す覚悟でいることも理解はできていない。肉体的な魅力だけで人の心が奪えるはずもないのに、それがわからない。
王女はいないと分かっていても、自然と息を殺し、忍び足になりながらフランは秘密の小箱を探した。
クローゼットの中、文机の中、ベッドの下・・・およそ隠し場所になりそうなところは片端から探した。それでも四方が15㎝ほどの箱は見つからない。
時間だけが過ぎていき、フランは焦った。
私室には置いてないのか?いや、そんなほずはない。誰も信用していない王女が大切な小箱を自分の傍から離すはずがない。
どこだ。どこだ。
あと、探していないところは・・・
部屋を注意深く見渡して、フランは違和感を覚えた。
今の季節に暖房など必要ないはずなのに、暖炉の外柵が外され灰が詰まれていた。
まさか。
フランは暖炉に近づき、火かき棒を灰の中に差し込んでみた。コツンと何かに当たった。
手で灰をかきわけると、中からモザイク模様の小箱が出てきた。
これだ!
これを持って帰って箱を壊せば。フランが嬉々として小箱を手に立ち上がろうとしたとき、大きな衝撃音がした。
床に倒れてフランは衝撃音は自分の頭が殴られた音だと分かった。薄れゆく意識のなかで、大きな花瓶を手にニンマリと赤い唇と歪ませた悪魔のような女の姿を見た。
薄暗い牢獄のような地下部屋の中でうずくまり、キリウスは頭だけは忙しく働かせていた。
フランというマーガレッタ王女の側近が自分を逃がすために足枷の鍵を探して持ってくる、と言った。
キリウスはそれで安心したわけではなかった。むしろ、不安材料は増えた。
万が一マーガレッタ王女にばれたらフランは殺されてしまうだろう。そうなったら、自分の責任だ。あの時はここから出たい一心だったが、フランを巻き込むべきではなかった。と、キリウスは後悔していた。
フランが水と食べ物を持ってきてくれたおかげで、まだマーガレッタ王女に屈せずにすんでいる。
しかし、とキリウスはマーガレッタ王女の様子を思い出した。
王女は怪しんではいなかったか?俺がいつまでも水も食糧も無しで耐えていることを。
誰かが与えたとしたら、ここのことを知るフランだけだと、王女は感づいたのではないか。疑いで半眼になった王女の目を思い出し、キリウスはフランの無事を確かめる手段すらない苦渋を噛みしめた。
レーナと別れて、いったい何日たったのだろう。
もう、ベネジクトはローマリウスに帰ってしまっただろうか。そして、レーナに俺がマーガレッタ王女を愛して、レーナの元には戻らないのだと伝えてしまっただろうか。
レーナは、どうしているだろう。
飢えと渇きが治まるとキリウスが思い出すのは愛する女王のことだけだった。
ベネジクトの言葉だけをレーナが信じるとも思えない。
堂々巡りの思考が果て無く続く。
地下部屋の扉が唐突に開いた。
フランかと勢い顔を上げたキリウスの目に映ったのは、禍々しく見える笑みを浮かべたマーガレッタ王女だった。
王女はツカツカと部屋に入ってくると膝を抱えて座っているキリウスの目の前に立ち言葉を放った。
「いけない男ね。私の側近をたぶらかすなんて」
王女の言葉がまるで死刑宣告のようにキリウスには聞こえた。
「足枷の鍵を探させたの?ここから逃げようとしたのね。でも、残念ね。失敗だったわ」
「フランは・・・彼はどうなった」
恐ろしい想像をして、キリウスは声を荒げながら王女を睨みつけた。
「あら、そんな怖い顔しないで。側近なら牢獄にいるわよ。まだ、生きてるわ・・・まだ、だけどね」
王女が楽しそうに笑う。
「彼に何をした」
「私を裏切った者はね・・・体を少しずつ切り取ってあげるの。きょうは耳、明日は指、明後日は・・・」
キリウスは胸が悪くなり、吐きそうになった。戦場でもそんな残酷なことはしない。殺すならひと思いにやるのが情けというものだ。
「彼は・・・ただ、この国の為を思ってやっただけだ。俺を助けたかったわけじゃない」
悲痛な彼の声が耳に快かったのか、王女は機嫌よくコロコロと笑った。
「そんなことはどうでもいいわ。私を裏切ったことに変わりはないもの」
王女は笑いながら冷淡に言い捨て、キリウスを見下ろして「貴方だって、本当は切り刻みたいのよ。こんなに私を待たせるのだもの。でもね指を切り落としちゃったら、愛撫のとき困るでしょう?」
キリウスは信じられない思いで絶句した。
こんなになってまで、まだ体の関係を結ぼうというのか、と。
「どんなに待っても俺がお前を愛することはない。睦み合うこともない」
断言するキリウスの言葉を聞いている気配もない王女は、胸元から折りたたんだ手紙のような紙を取り出して広げた。
「貴方は愛してるかもしれないけど、レーナ女王はどうかしら?これと同じ手紙をレーナ女王に渡すように貴方のお国の大臣に頼んだの。大臣は持って帰ったわ。レーナ女王にもうとっくに渡してしまってるわね」
自分の目の前にひらひらとさせた手紙をひったくるようにして、キリウスはその中身に目を通した。
そこにはキリウス本人の文字で書かれてあった。
『貴女との結婚は過ちだった。私は真に愛する女性と巡り逢ってしまった。どうか、身勝手な私を許して欲しい。貴女の幸せを祈っている』
レーナに別れを言い渡す丁寧で冷酷非情な手紙だった。
「筆記の贋作者がいるの。報酬は高いけど、誰の文字でもマネできるのよ。この手紙を読んだら、女王様はきっとお怒りになるわね。貴方を嫌いになるわ」
マーガレッタ王女の言葉など、もうキリウスの耳には届いていなかった。
レーナが泣いている。
肩を震わせて、悲しみに耐えている。
あの美しい琥珀色の瞳を涙で溢れさせている。
はやく、帰って伝えなくては。
抱きしめて、
俺が愛してる女性は貴女だけだと。
早く伝えなくては。
はやく
ココカラダシテヤロウカ
闇の中から嘲笑を含んだ黒い声がした。
キリウスはその声に応えた。
諾、と。
マーガレッタ王女がローマリウス王を嬲りに地下部屋に向かった。王女は王に取られることを警戒しているから、足枷の鍵を身に着けていくはずはない。
私室のどこかにあるはずだ。
そう、あるとしたらあそこだ。
フランは側近として王女に仕えているので、ある程度マーガレッタ王女のことは分かっている。
王女はいつも大切なものを隠すのに秘密の小箱を使っている。小物細工職人に特別に作らせたもので、仕掛けがしてあって、その開け方は王女しか知らない。
でも、仕掛けなど関係ない、箱ごと壊せばいい。
フランは覚悟をしていた。王女にばれないでローマリウス王を助けるのは無理だ。なら、潔く自分が犠牲になってもいい。故郷にいる愛する弟や妹たちのためなら、命は捨ててもいいと思った。
マーガレッタ王女には他人のために命を捨てる覚悟など理解できないだろう。だから、処刑すると脅せば皆が自分の命令をきくと思っている。
ローマリウス王がレーナ女王のために命を賭す覚悟でいることも理解はできていない。肉体的な魅力だけで人の心が奪えるはずもないのに、それがわからない。
王女はいないと分かっていても、自然と息を殺し、忍び足になりながらフランは秘密の小箱を探した。
クローゼットの中、文机の中、ベッドの下・・・およそ隠し場所になりそうなところは片端から探した。それでも四方が15㎝ほどの箱は見つからない。
時間だけが過ぎていき、フランは焦った。
私室には置いてないのか?いや、そんなほずはない。誰も信用していない王女が大切な小箱を自分の傍から離すはずがない。
どこだ。どこだ。
あと、探していないところは・・・
部屋を注意深く見渡して、フランは違和感を覚えた。
今の季節に暖房など必要ないはずなのに、暖炉の外柵が外され灰が詰まれていた。
まさか。
フランは暖炉に近づき、火かき棒を灰の中に差し込んでみた。コツンと何かに当たった。
手で灰をかきわけると、中からモザイク模様の小箱が出てきた。
これだ!
これを持って帰って箱を壊せば。フランが嬉々として小箱を手に立ち上がろうとしたとき、大きな衝撃音がした。
床に倒れてフランは衝撃音は自分の頭が殴られた音だと分かった。薄れゆく意識のなかで、大きな花瓶を手にニンマリと赤い唇と歪ませた悪魔のような女の姿を見た。
薄暗い牢獄のような地下部屋の中でうずくまり、キリウスは頭だけは忙しく働かせていた。
フランというマーガレッタ王女の側近が自分を逃がすために足枷の鍵を探して持ってくる、と言った。
キリウスはそれで安心したわけではなかった。むしろ、不安材料は増えた。
万が一マーガレッタ王女にばれたらフランは殺されてしまうだろう。そうなったら、自分の責任だ。あの時はここから出たい一心だったが、フランを巻き込むべきではなかった。と、キリウスは後悔していた。
フランが水と食べ物を持ってきてくれたおかげで、まだマーガレッタ王女に屈せずにすんでいる。
しかし、とキリウスはマーガレッタ王女の様子を思い出した。
王女は怪しんではいなかったか?俺がいつまでも水も食糧も無しで耐えていることを。
誰かが与えたとしたら、ここのことを知るフランだけだと、王女は感づいたのではないか。疑いで半眼になった王女の目を思い出し、キリウスはフランの無事を確かめる手段すらない苦渋を噛みしめた。
レーナと別れて、いったい何日たったのだろう。
もう、ベネジクトはローマリウスに帰ってしまっただろうか。そして、レーナに俺がマーガレッタ王女を愛して、レーナの元には戻らないのだと伝えてしまっただろうか。
レーナは、どうしているだろう。
飢えと渇きが治まるとキリウスが思い出すのは愛する女王のことだけだった。
ベネジクトの言葉だけをレーナが信じるとも思えない。
堂々巡りの思考が果て無く続く。
地下部屋の扉が唐突に開いた。
フランかと勢い顔を上げたキリウスの目に映ったのは、禍々しく見える笑みを浮かべたマーガレッタ王女だった。
王女はツカツカと部屋に入ってくると膝を抱えて座っているキリウスの目の前に立ち言葉を放った。
「いけない男ね。私の側近をたぶらかすなんて」
王女の言葉がまるで死刑宣告のようにキリウスには聞こえた。
「足枷の鍵を探させたの?ここから逃げようとしたのね。でも、残念ね。失敗だったわ」
「フランは・・・彼はどうなった」
恐ろしい想像をして、キリウスは声を荒げながら王女を睨みつけた。
「あら、そんな怖い顔しないで。側近なら牢獄にいるわよ。まだ、生きてるわ・・・まだ、だけどね」
王女が楽しそうに笑う。
「彼に何をした」
「私を裏切った者はね・・・体を少しずつ切り取ってあげるの。きょうは耳、明日は指、明後日は・・・」
キリウスは胸が悪くなり、吐きそうになった。戦場でもそんな残酷なことはしない。殺すならひと思いにやるのが情けというものだ。
「彼は・・・ただ、この国の為を思ってやっただけだ。俺を助けたかったわけじゃない」
悲痛な彼の声が耳に快かったのか、王女は機嫌よくコロコロと笑った。
「そんなことはどうでもいいわ。私を裏切ったことに変わりはないもの」
王女は笑いながら冷淡に言い捨て、キリウスを見下ろして「貴方だって、本当は切り刻みたいのよ。こんなに私を待たせるのだもの。でもね指を切り落としちゃったら、愛撫のとき困るでしょう?」
キリウスは信じられない思いで絶句した。
こんなになってまで、まだ体の関係を結ぼうというのか、と。
「どんなに待っても俺がお前を愛することはない。睦み合うこともない」
断言するキリウスの言葉を聞いている気配もない王女は、胸元から折りたたんだ手紙のような紙を取り出して広げた。
「貴方は愛してるかもしれないけど、レーナ女王はどうかしら?これと同じ手紙をレーナ女王に渡すように貴方のお国の大臣に頼んだの。大臣は持って帰ったわ。レーナ女王にもうとっくに渡してしまってるわね」
自分の目の前にひらひらとさせた手紙をひったくるようにして、キリウスはその中身に目を通した。
そこにはキリウス本人の文字で書かれてあった。
『貴女との結婚は過ちだった。私は真に愛する女性と巡り逢ってしまった。どうか、身勝手な私を許して欲しい。貴女の幸せを祈っている』
レーナに別れを言い渡す丁寧で冷酷非情な手紙だった。
「筆記の贋作者がいるの。報酬は高いけど、誰の文字でもマネできるのよ。この手紙を読んだら、女王様はきっとお怒りになるわね。貴方を嫌いになるわ」
マーガレッタ王女の言葉など、もうキリウスの耳には届いていなかった。
レーナが泣いている。
肩を震わせて、悲しみに耐えている。
あの美しい琥珀色の瞳を涙で溢れさせている。
はやく、帰って伝えなくては。
抱きしめて、
俺が愛してる女性は貴女だけだと。
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諾、と。
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