偽りの姿 ===騎士は月光の下で乙女を求める

夢のままで

文字の大きさ
30 / 37

30 ダレン驚愕する

しおりを挟む
団長の挨拶が終わり、騎士の位の高い者から挨拶し従者の紹介をしていった。


俺の順番が来て4人で団員達の前に行き挨拶を始めた。
最後のイーグルの順番になる。
イーグルの出身地と名前、年齢を言う頃には何故か静かになった。


「宜しくお願いします!」


イーグルが挨拶をしたとたん静かだった空気が一気に賑やかになった。「?!」どういうことだ。
俺が驚愕していると、ニースがそっと俺に近づき「ダレンさんこの事は俺から後で報告したす。」
と耳打ちしてきた。


ニースに顔を向け目を合わせると深く頷いた。
ニースはもう何か気が付いているようだ。
どんな報告があるのか...


その後、何事もなく全ての挨拶が終わり騎士達は騎士団に従者達は馬小屋へ馬の世話へと別れた。 
ニースから報告は早くても馬の世話の後になるな。


俺は知らず知らず難しい顔になってしまっていた。
そんな俺の所に団長が来て執務室に来るように言われた。
そのまま団長の後ろに従い団長の執務室にたどり着いた。


執務室に入ると、ドアと向かいの窓の前にドッシリと重厚な机が置いてある。
団長は窓を背にして椅子に座ると俺に顔を向けた。


「団長、何かご用でしょうか?」


俺が伺いを立てると団長はニヤリと口角を上げた。
俺はその様子に嫌な予感しかしない。


「おい、グロリスを見たか?」


「...?グロリスなら団長の挨拶が始まる前に会いましたが?」


団長は何が言いたいのだ?
グロリスは、おおむね何時もの無表情だったが、イーグルに対しておかしいような違和感があったぐらいか。


「俺はな、騎士団に入って30年はたってるんだよ。だから、色んなことに鼻も利(き)くし、目も利く。」


また団長はニヤリと口角を上げてニヤニヤ俺を見てくる。


「お前が今年連れてきたイーグルってガキはどうしたんだ?」


「私の知り合いの身内で騎士志望と言うことで従者に頼まれて預かった者です。」


「ふーん、そうか。
そのイーグルはちょっとした嵐の目になりそうだな。」


嵐?
イーグルが問題を起こすと言っているのか?
どうして?
ここはきちんと誤解を解いて置かなければ!
そう思い口を開こうとするが先に団長が話し出した。


「ダレン、イーグルが問題を起こさなくても、イーグルにその気がなくても勝手にイーグルを中心にして周りが問題を起こす事もあるぞ」


俺は驚いた。
団長はまるで俺の考えを見透かすように言って来る。
これも、団長になる資質なのか、年の功のなせる技か。


「ダレン言っておこう。
決して年の功だけではないぞ!」


団長に鋭い目で見据えて言われ不覚にも目が泳いでしまった。
団長 恐ろしや!


「ふん。まあいい。
話しを戻すがグロリスを見る限りイーグルに惚れたな。」


「はあ!!?」


俺は思わず大きな声を出してしまった。
グロリスがイーグルに惚れた?!
あいつ男色家だったのか?
俺が驚愕しいると団長が続けて話し出した。


「俺はグロリスが従者の頃から見ているが物事に興味が薄い奴で、今回イーグルが初恋だろう。」


「ッ!!」


初恋。まあ、あのグロリスだから頷けるか。考えてみたら俺も初恋さえまだだしな。


「ダレン。お前もまだ だろう。」


また、団長はニヤリと口角を上げて俺に目を合わせて言ってきた。
顔に血が昇るのを感じる。
団長は騎士時代グロリスを従者にしていたのでグロリスの事は良く知っている。
俺が従者をしていた騎士は団長の親友だったので俺の事もよく知っているのだ。


「ダレン、イーグルはどんな奴だ?」


団長の質問に俺は胸を張ってイーグルの説明をした。
笑顔がいい!
性格もいい!
努力家!
気立てもいい!
騎士になる素質も十分持っていることを話した。
そして団長から思いもよらない一言が返ってきた。


「お前、イーグルに惚れているな。」


今までの人生で一番の驚愕だった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

そう言うと思ってた

mios
恋愛
公爵令息のアランは馬鹿ではない。ちゃんとわかっていた。自分が夢中になっているアナスタシアが自分をそれほど好きでないことも、自分の婚約者であるカリナが自分を愛していることも。 ※いつものように視点がバラバラします。

追放された悪役令嬢は辺境にて隠し子を養育する

3ツ月 葵(ミツヅキ アオイ)
恋愛
 婚約者である王太子からの突然の断罪!  それは自分の婚約者を奪おうとする義妹に嫉妬してイジメをしていたエステルを糾弾するものだった。  しかしこれは義妹に仕組まれた罠であったのだ。  味方のいないエステルは理不尽にも王城の敷地の端にある粗末な離れへと幽閉される。 「あぁ……。私は一生涯ここから出ることは叶わず、この場所で独り朽ち果ててしまうのね」  エステルは絶望の中で高い塀からのぞく狭い空を見上げた。  そこでの生活も数ヵ月が経って落ち着いてきた頃に突然の来訪者が。 「お姉様。ここから出してさし上げましょうか? そのかわり……」  義妹はエステルに悪魔の様な契約を押し付けようとしてくるのであった。

皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜

百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。 「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」 ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!? ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……? サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います! ※他サイト様にも掲載

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

彼は亡国の令嬢を愛せない

黒猫子猫
恋愛
セシリアの祖国が滅んだ。もはや妻としておく価値もないと、夫から離縁を言い渡されたセシリアは、五年ぶりに祖国の地を踏もうとしている。その先に待つのは、敵国による処刑だ。夫に愛されることも、子を産むことも、祖国で生きることもできなかったセシリアの願いはたった一つ。長年傍に仕えてくれていた人々を守る事だ。その願いは、一人の男の手によって叶えられた。 ただ、男が見返りに求めてきたものは、セシリアの想像をはるかに超えるものだった。 ※同一世界観の関連作がありますが、これのみで読めます。本シリーズ初の長編作品です。 ※ヒーローはスパダリ時々ポンコツです。口も悪いです。 ※新作です。アルファポリス様が先行します。

二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました

三園 七詩
恋愛
私は一人娘の優里亜の母親だった。 優里亜は幼い頃から体が弱く病院でほとんどの時間を過ごしていた。 優里亜は本が好きでよく私にも本の話をしてくれた。 そんな優里亜の病状が悪化して幼くして亡くなってしまう。 絶望に打ちひしがれている時事件に巻き込まれ私も命を落とした。 そして気がつくと娘の優里亜が大好きだった本の世界に入り込んでいた。

完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました

らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。 そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。 しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような… 完結決定済み

処理中です...