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5歳児の家庭教師
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■リーブル皇国 皇帝ドレッシングルーム
「マリーよ。似合っておるか?」
「陛下、大変お似合いです。」
「やはり、先ほどの緑色のマントを羽織ったほうが良いのではないか?」
「それでも構いませんが、本日は公式な儀式ではございませんので、マントはない方がよろしいかと。」
「マリーよ。おかしくはないか? 5歳らしく見えるであろうか?」
「はい、とても可愛らしい5歳にお見えです。」
「マリーよ。」
「はい。陛下」
「・・・・いや、良い。」
今日はいまから家庭教師候補2名に会わねばならん。
11歳と15歳だそうだ。
ひょっとすると、、、、ひょっとするとだが、
俺の友達になってくれるやも知れん。
ヤツいわく、「ダイイチインショウ」 と言うのが大事らしい。
せめて、見た目だけでは嫌われたくはない。
やれる事は・・・、もうないな。
うむ。 潮時じゃ。行くとするか。
■リーブル皇帝 謁見の間
「余が第18代リーブル皇帝 エリック フォン ローエングラムである。苦しうない、面を上げよ。」
はあぁ、すでに悲しい。
白虎に跨って部屋へ入った瞬間に4つの黒玉が見えた。
これはあれだな、ダイイチインショウ以前のセンニュウカンと言うやつだな。
こいつらは、俺に合う前から俺のことが嫌いなのであろう。
だが、黒玉でも白に変わるやも知れん。
やれる事はやってみよう。。。
「陛下、お初にお目にかかれ光栄に存じます。私は公爵を拝受しております、ブッフバルトでございます。こちらは、三女のアリスでございます。」
「陛下。私は子爵を拝受しております、シュミットでございます。こちらは、次女のマリーナでございます。」
「陛下、両家のご令嬢ともに、才媛であり陛下の勉学にお力をお貸しいただけるとの申し出を得ております。」
「ブッフバルトならびにシュミットよ、申し出に感謝する。」
「「もったいないお言葉でございます」」
-アリスとマリーナは二人とも震えているではないか。
-まだ、挨拶もしてないと言うに。
「アリスとマリーナに余から声を掛けても良いであろうか?」
「勿論でございます、何なりと。」
-二人は、ビクっとしておるがな。
「アリス、マリーナよ。余はまだ5歳だ。あまり難しいことはわからぬ。特に文字がさっぱり覚えられぬ。余に力を貸してもらえるだろうか?」
「・・・」
「・・・」
「アリスお返事をしろ。」
「マリーナ、お前もだ。」
「良い、そなたたちは急かすでない。二人も皇帝に会うのは初めてで緊張しておるのだろう。」
-やはり、怖いのであろうか。
「安心せい。どのような発言をしようと、あるいは家庭教師を辞退したとしてもなんの処罰もせぬ。余の名にかけて約束しよう。」
「で、どうじゃ、そなたたちは余に力を貸してもらえるだろうか?」
「・・・み、身に余る光栄でございます。」
「わ、私も同じでございます。」
-やっと、いやいやで了解かよ。
「そうか、では両名に家庭教師を頼むこととしよう。早速だが、いつから来てくれるのじゃ?」
「陛下、両名は本日より宮殿住まいとする予定でございます。」
「ハンス、そうだったのか? なぜじゃ?」
「陛下はご多忙でございます。あらかじめ決まった時間に学習いただくのは難しいので、常に側(そば)に控えるよう、両家には申し伝えております。」
-いやー、それは可哀そうでしょ。
-お前が決裁回したいだけだろうに。
-そんなだから、みんな黒玉になるんじゃないの? ハンス君。
「ブッフバルトならびにシュミットよ。それで良いのか? 通いを希望するのであれば、ハンスの言にかかわらず、そのようにしても良いのだぞ。」
「いえ、わが領地からですと、宮殿までは往復で半日はかかりますので、当家といたしましても、宮殿住まいにしていただければ幸いでございます。」
「私の領地も同じように時間がかかりますので、同様に願います。」
-そうであったか? そこまで遠くない記憶だがのう。
「そうか、ならばこれ以上は申すまい。宮殿住まいとするが良い。・・・そうじゃ、ならば本日のディナーは一緒に食せぬか? どうであろう?」
「陛下、そのようなことは儀礼に反します。お慎みください。」
-なんだ、ハンスは俺の友達計画を邪魔しおって。
「そうか、ならば仕方ないのう。アリス、マリーナよ。会食は別の機会としよう。これからの宮殿生活で不自由があれば、何なりと余に申せ。遠慮は要らぬぞ。」
「ハァッ、過分なお言葉ありがとうございます」
ふむ、どうも公爵どもとハンスの態度が気になるな。
まぁ良い、取り敢えず家庭教師になってくれた。
ひょっと、ひょっとすれば友達になれるやも知れんのだからな。
何事も一歩一歩よ。
「マリーよ。似合っておるか?」
「陛下、大変お似合いです。」
「やはり、先ほどの緑色のマントを羽織ったほうが良いのではないか?」
「それでも構いませんが、本日は公式な儀式ではございませんので、マントはない方がよろしいかと。」
「マリーよ。おかしくはないか? 5歳らしく見えるであろうか?」
「はい、とても可愛らしい5歳にお見えです。」
「マリーよ。」
「はい。陛下」
「・・・・いや、良い。」
今日はいまから家庭教師候補2名に会わねばならん。
11歳と15歳だそうだ。
ひょっとすると、、、、ひょっとするとだが、
俺の友達になってくれるやも知れん。
ヤツいわく、「ダイイチインショウ」 と言うのが大事らしい。
せめて、見た目だけでは嫌われたくはない。
やれる事は・・・、もうないな。
うむ。 潮時じゃ。行くとするか。
■リーブル皇帝 謁見の間
「余が第18代リーブル皇帝 エリック フォン ローエングラムである。苦しうない、面を上げよ。」
はあぁ、すでに悲しい。
白虎に跨って部屋へ入った瞬間に4つの黒玉が見えた。
これはあれだな、ダイイチインショウ以前のセンニュウカンと言うやつだな。
こいつらは、俺に合う前から俺のことが嫌いなのであろう。
だが、黒玉でも白に変わるやも知れん。
やれる事はやってみよう。。。
「陛下、お初にお目にかかれ光栄に存じます。私は公爵を拝受しております、ブッフバルトでございます。こちらは、三女のアリスでございます。」
「陛下。私は子爵を拝受しております、シュミットでございます。こちらは、次女のマリーナでございます。」
「陛下、両家のご令嬢ともに、才媛であり陛下の勉学にお力をお貸しいただけるとの申し出を得ております。」
「ブッフバルトならびにシュミットよ、申し出に感謝する。」
「「もったいないお言葉でございます」」
-アリスとマリーナは二人とも震えているではないか。
-まだ、挨拶もしてないと言うに。
「アリスとマリーナに余から声を掛けても良いであろうか?」
「勿論でございます、何なりと。」
-二人は、ビクっとしておるがな。
「アリス、マリーナよ。余はまだ5歳だ。あまり難しいことはわからぬ。特に文字がさっぱり覚えられぬ。余に力を貸してもらえるだろうか?」
「・・・」
「・・・」
「アリスお返事をしろ。」
「マリーナ、お前もだ。」
「良い、そなたたちは急かすでない。二人も皇帝に会うのは初めてで緊張しておるのだろう。」
-やはり、怖いのであろうか。
「安心せい。どのような発言をしようと、あるいは家庭教師を辞退したとしてもなんの処罰もせぬ。余の名にかけて約束しよう。」
「で、どうじゃ、そなたたちは余に力を貸してもらえるだろうか?」
「・・・み、身に余る光栄でございます。」
「わ、私も同じでございます。」
-やっと、いやいやで了解かよ。
「そうか、では両名に家庭教師を頼むこととしよう。早速だが、いつから来てくれるのじゃ?」
「陛下、両名は本日より宮殿住まいとする予定でございます。」
「ハンス、そうだったのか? なぜじゃ?」
「陛下はご多忙でございます。あらかじめ決まった時間に学習いただくのは難しいので、常に側(そば)に控えるよう、両家には申し伝えております。」
-いやー、それは可哀そうでしょ。
-お前が決裁回したいだけだろうに。
-そんなだから、みんな黒玉になるんじゃないの? ハンス君。
「ブッフバルトならびにシュミットよ。それで良いのか? 通いを希望するのであれば、ハンスの言にかかわらず、そのようにしても良いのだぞ。」
「いえ、わが領地からですと、宮殿までは往復で半日はかかりますので、当家といたしましても、宮殿住まいにしていただければ幸いでございます。」
「私の領地も同じように時間がかかりますので、同様に願います。」
-そうであったか? そこまで遠くない記憶だがのう。
「そうか、ならばこれ以上は申すまい。宮殿住まいとするが良い。・・・そうじゃ、ならば本日のディナーは一緒に食せぬか? どうであろう?」
「陛下、そのようなことは儀礼に反します。お慎みください。」
-なんだ、ハンスは俺の友達計画を邪魔しおって。
「そうか、ならば仕方ないのう。アリス、マリーナよ。会食は別の機会としよう。これからの宮殿生活で不自由があれば、何なりと余に申せ。遠慮は要らぬぞ。」
「ハァッ、過分なお言葉ありがとうございます」
ふむ、どうも公爵どもとハンスの態度が気になるな。
まぁ良い、取り敢えず家庭教師になってくれた。
ひょっと、ひょっとすれば友達になれるやも知れんのだからな。
何事も一歩一歩よ。
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