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Ⅱ-7 外交成果 軍事
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■リーブル宮殿 皇帝執務室
「陛下、軍務卿とハーマンが参りました」
「通せ、二人ともご苦労である。ハンスよ、軍事に関係のある外交交渉の結果を二人へ説明せよ。他の大臣も関係あるゆえに、聞いておけ」
「ハッ、では私よりご説明します。陛下のご尽力により・・・
ノットランドからは武器の生産提供を、
モンハルからは50名の騎兵隊と軍馬の提供を、
クローナとは同盟締結により兵の派遣を、
それぞれ、各国の王に快諾いただいておる」
-そうだ、俺のご尽力なのだ。
「軍務卿には必要となる武器の条件や、受け入れる他国の兵士について各国の公使と打ち合わせをしてもらわねばならぬ。特にクローナには武器の供給を約しておるゆえに、ラインハルトとも相談して、受け渡し方法を決めておくのじゃ」
「ハッ、承知いたしました。時に陛下、他国の兵でありますが指揮権等はいかがすればよろしいのでしょうか?」
「我が軍の指揮下に置いてかまわぬ。逆らえば、我が軍の兵として処断してよい。じゃが、モンハルの騎馬兵は馬上で弓を操るのが得意と聞いておる。ならば、その技を我が軍にも取り入れるようにして欲しいのじゃ」
「ハッ、承知いたしました」
-ふむ、気配りも必要か
「騎馬兵はハーマンの下で技術を覚えさせよ。我が騎馬兵達の力がついたころに、余が視察いたそう」
-馬車での遠方視察は御免だ、近衛隊なら問題なかろう。しかし、視察か・・・
「ありがたき幸せにございます」
「ケイジよ。モンハルからは馬を育てる牧草とやらの提供を求められておるのじゃ、そなたはどのようにすれば良いかわかるか?」
「陛下、このケイジめにお任せいただければ、ご用意してお届けするようにいたします」
「ならば、任せよう。詳しい話はモンハルの公使か族長の息子に聞くが良かろう」
-伝えるべきことは伝えたか。
「他に何か聞きたいことは無いか、遠慮せずに申してみよ」
「陛下、クローナとの軍事同盟はどのようなものを結ばれるのですか?」
「そうか、ハーマンには詳しく説明しておらなんだか。一つには、両国とも専守防衛に徹するがそれぞれが攻撃を受けた場合は挙兵し、敵の後背をつく。もう一つにはわが国から武器を提供すると言うものだ。じゃが、帝国領を経由して武器を運ぶのは難しいゆえに、兵をこちらに送ってもらうことにもしておる」
「承知いたしました」
「クローナからは第2王子が公使として駐在すると言うことだ、兵の受け入れで不都合があれば王子と直接交渉するが良い」
「かしこまりました」
「帝国は今のところは動いておらんが安心は出来ぬ。常に警戒をしながら、速やかに国力を強化せねばならぬ。そなた達も引き続き精励せよ!」
「「かしこまりました!」」
ふむ、白玉が随分と増えた。
唯一黒玉のエドガーも今のところは不信な動きが無い。
だが、この世に玉無しがいるのであれば俺の能力自体を疑うべきかも知れんがな・・・
「それから皆に告げておくが、余は近々、国内の視察巡幸へ出かけるつもりじゃ。宮殿を留守にするので、後のことはハンス、そなたに任せるぞ」
「「!」」
「陛下!」
「ハンス、これは決定じゃ」
「・・・承りました」
ふむ、全く納得はしておらんようだが、貴様は約束したからな。
余の命には従うと・・・
「陛下、軍務卿とハーマンが参りました」
「通せ、二人ともご苦労である。ハンスよ、軍事に関係のある外交交渉の結果を二人へ説明せよ。他の大臣も関係あるゆえに、聞いておけ」
「ハッ、では私よりご説明します。陛下のご尽力により・・・
ノットランドからは武器の生産提供を、
モンハルからは50名の騎兵隊と軍馬の提供を、
クローナとは同盟締結により兵の派遣を、
それぞれ、各国の王に快諾いただいておる」
-そうだ、俺のご尽力なのだ。
「軍務卿には必要となる武器の条件や、受け入れる他国の兵士について各国の公使と打ち合わせをしてもらわねばならぬ。特にクローナには武器の供給を約しておるゆえに、ラインハルトとも相談して、受け渡し方法を決めておくのじゃ」
「ハッ、承知いたしました。時に陛下、他国の兵でありますが指揮権等はいかがすればよろしいのでしょうか?」
「我が軍の指揮下に置いてかまわぬ。逆らえば、我が軍の兵として処断してよい。じゃが、モンハルの騎馬兵は馬上で弓を操るのが得意と聞いておる。ならば、その技を我が軍にも取り入れるようにして欲しいのじゃ」
「ハッ、承知いたしました」
-ふむ、気配りも必要か
「騎馬兵はハーマンの下で技術を覚えさせよ。我が騎馬兵達の力がついたころに、余が視察いたそう」
-馬車での遠方視察は御免だ、近衛隊なら問題なかろう。しかし、視察か・・・
「ありがたき幸せにございます」
「ケイジよ。モンハルからは馬を育てる牧草とやらの提供を求められておるのじゃ、そなたはどのようにすれば良いかわかるか?」
「陛下、このケイジめにお任せいただければ、ご用意してお届けするようにいたします」
「ならば、任せよう。詳しい話はモンハルの公使か族長の息子に聞くが良かろう」
-伝えるべきことは伝えたか。
「他に何か聞きたいことは無いか、遠慮せずに申してみよ」
「陛下、クローナとの軍事同盟はどのようなものを結ばれるのですか?」
「そうか、ハーマンには詳しく説明しておらなんだか。一つには、両国とも専守防衛に徹するがそれぞれが攻撃を受けた場合は挙兵し、敵の後背をつく。もう一つにはわが国から武器を提供すると言うものだ。じゃが、帝国領を経由して武器を運ぶのは難しいゆえに、兵をこちらに送ってもらうことにもしておる」
「承知いたしました」
「クローナからは第2王子が公使として駐在すると言うことだ、兵の受け入れで不都合があれば王子と直接交渉するが良い」
「かしこまりました」
「帝国は今のところは動いておらんが安心は出来ぬ。常に警戒をしながら、速やかに国力を強化せねばならぬ。そなた達も引き続き精励せよ!」
「「かしこまりました!」」
ふむ、白玉が随分と増えた。
唯一黒玉のエドガーも今のところは不信な動きが無い。
だが、この世に玉無しがいるのであれば俺の能力自体を疑うべきかも知れんがな・・・
「それから皆に告げておくが、余は近々、国内の視察巡幸へ出かけるつもりじゃ。宮殿を留守にするので、後のことはハンス、そなたに任せるぞ」
「「!」」
「陛下!」
「ハンス、これは決定じゃ」
「・・・承りました」
ふむ、全く納得はしておらんようだが、貴様は約束したからな。
余の命には従うと・・・
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