それ行け!! 派遣勇者(候補)。33歳フリーターは魔法も恋も超一流?

初老の妄想

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勇者候補たちの想い

45.旅の準備は整った?

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■西方州都ムーア レンブラント商会 応接室 ~第4次派遣1日目~

「ようこそ、タケル様。今日はどのようなご用件でしょうか?」

「いくつかあるんですが、まずはお願いした旅支度は用意してもらえましたか?」
「もちろんです、荷馬車と旅道具一式をご用意しておりますので、今からでも出立(しゅったつ)できます。」

「ありがとうございます、追加でもう1つご相談なのですが、御者をつけてもらうことは可能ですか?」
「今回の荷馬車は最初から御者も手配済みです。勇者様は馬車で旅をされるのがはじめてだと思いまして、先ほどのアランがご一緒させていただく予定です。」
(さすが、デキる男 レンブラント!)
(アランは取り次ぎの金髪ボーイか)

「アランは若いですが、信頼できる男です。存分に使ってやってください。」
「ありがとうございます、では、お言葉に甘えさせてもらいます。」

「ボルケーノまでの地図もご用意しております。」

レンブラントはテーブルの上に、皮製の地図を広げた。
大きな皮にイレズミのようなインクで配置と文字が書いてある。
(うん、やっぱり文字が読めないと地図も役に立たない)

「レンブラントさん、申し訳ないですが我々はこの国の文字が読めません。ムーアからボルケーノ火山までの道筋を示してもらえますか? 目印になる場所の名前も教えてください。」

ダイスケを同行したのはこれが目的だった。
レンブラントの説明内容を持ってきた無地の用紙に鉛筆で書き込んでもらう。
ダイスケは地図上の配置をどんどん写していく。
やはり、この手の才能に長けているのだろう。ダイスケの紙の方がもともとの地図よりわかりやすい気がする。

レンブラントの説明によると・・・
ムーアの町を北から出て、道なりに進むと大きな川にぶつかる。
川をを越えて、二股を左に行くと村が二つある。
二つ目の村まで馬車で1日。
二つ目の村からボルケーノ火山のふもとまで1日。
馬車なら明後日の夕方には目的地周辺に着くはず。
火山の手前までは街道沿いなので迷うことは無いだろう。

川や村の名前、所要時間をダイスケが聞き取った日本語でメモを取ってくれた。
アランもいるなら何の問題も無い気がする。

礼を言って、明日の朝旅立つことを伝えて去ろうとしたが、
レンブラントにはまだ用事があるようだ。

「それで、勇者様、先日の話なんですが・・・」
「先日の?」
「聖教石の件でございます。ランプの方はまだ出来上がってないのですが、風の石を早速使わせていただきました。」
「木と皮で作った筒の中に入れて帆に風を送ったのですが、勇者様の仰るとおり、向かい風を苦にせず船がどんどん進みます。」
「上りでも下りでも、今までの半分以下の時間で荷が運べますし、これがあればさらに下流の町まで商いを広げることが出来そうです。」

「そうですか、お役に立てそうで何よりです。では、値段もつけられそうですか?」
「はい、無限の価値があるとは思いますが、金貨2枚でいかがでしょうか?」

「それで、いいですよ。但し、他の目的では使用しないことをお約束してください。」

「もちろんです、アシーネ様に誓って。ところで、おいくつ作っていただけるでしょうか?」
「できれば、全ての船につけたいのです。まずはあと7個・・・、その後に船を倍にするつもりですので、もう8個。納期限はお任せしますが、お預かりした1個と合わせて、計16個をいただけるとありがたいのです。」

(16個×金貨2枚(2000万円)=3億2000万円!?)

「わかりました、まずは7個出来たらお持ちします。1週間ぐらいで大丈夫だと思います。」
(酔ってなかったら、今晩作ろう)

帰り際にアランに挨拶して、レンブラント商会を後にした。

■ムーアの町 ハリス武具工房

「ああ、今日も来てくださったんですか。勇者様」
「はい、明日ボルケーノ火山へ旅立とうと思うのですが、ハリスさんにお願いがあって・・」
「そうですか、でしたら師匠のパパス宛には、この手紙を用意したんで、こちらを渡してください。」
(ハリスもデキる男だった!)

「早速ありがとうございます、もう1つは地図で詳しい場所を教えてもらえますか?」

地図を使って、ハリスに詳しい話を聞くと・・・

二つ目の村を過ぎて半日ぐらい行くと、大きな杉が2本立っている。
杉を通り過ぎてしばらく行くと、ボルケーノ山に向かう細い道(荷馬車のワダチ)がある。
細い道をしばらく行くと、小さな小屋と大きな小屋が二軒並んでいる。
そこが師匠の家と作業場。
(しばらくって言うのがあいまいだけど1~2時間ぐらい?)

「ハリスさん、色々ありがとうございます。何か恩返しがしたいのですが、困っていることとかは無いですか?」
「とんでもねぇ、勇者様のお役に立てるならこれほど嬉しいことは無いですよ。ただ、出来上がった武具を一度見せに来てもらえると嬉しいですかね。」
「必ず来ます、お約束します。」

ハリスの店を出て、肉屋へ向かった。

「タケルさん、金貨2枚って大体2000万なんですよね?」
「そうだね。 金貨要る? みんなのお金だから要るなら渡すけど。」
「いや、そうじゃないスけど。スゴイなって思って。」

「全てが上手くいきすぎだよね。これは多分神の恩恵なんだと思ってる。」
「神の恩恵?」

「俺は魔竜退治をするつもりだし、聖教石を売ったりお風呂作ったりするのも、全部必要だからやってるつもり。神様がそれを理解して協力してるんだと思うよ。」
「反対に、魔竜退治に関係ない私利私欲にお金を使い出したら、反動が怖いね。」

ダイスケは顎に手をやって、考えている。

「信じて、真面目にやっているうちは大丈夫ってことですか?」
「その通り、だからあの教会士ガールズには手を出しちゃダメだよ。」
ニヤリと笑みをうかべてダイスケを見る。

「俺はそんなことはしませんよ!」
「そうなの? 俺は自分に自信ないけどね。3人とも可愛かったでしょ?」
「それは、・・・はい。」
「で、ダイスケは3人の中なら誰が良いの?」
「俺は・・・」

男子トークで盛り上がりながら、ソーセージを買ってスタートスに戻った。
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