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派遣勇者の進む道
144.差し入れ
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■獣人の村
~第13次派遣1日目~
タケル達はリュックの荷物だけを持って獣人達の村に向かった。神殿から海は南側で村は少し西よりのはずだった。ダイスケのコンパスを頼りに密林の草に足を取られながら30分ほど進むと狼系の獣人達に出会った。
「勇者のみなさん!」
「ああ、丁度良かった。重たいから荷物を持ってください」
「これは何ですか?」
「皆さんへのお土産です。村はこっちで合っていますよね?」
「はい、もうすぐ密林を抜けられます」
背負っていたリュックを獣人達に渡して身軽になったタケル達は10分ほどで村に着くことが出来た。村に着くとそのまま集会所に連れて行かれて、すぐに族長達が集まって来た。
「お戻りいただいたのですな!?」
「ええ、霧はそのままですが、私たちだけなら霧の向こうへ行って戻って来ることが出来ました」
「そうですか、おかげさまで翼竜が出なくなったので、狩りも漁も安心してできるようになりました」
「それは良かった。それでも、火トカゲはまだ居るはずですから。武器を持ってきました」
「なんと!? ありがとうございます!」
タケルはリュックの中から剣を取り出して、虎系族長に手渡した。
「武器を渡すうえで、一つ約束をしてください」
「なんでしょうか? 我らはなんなりと言う通りにいたします」
「この武器で獣人や人を傷つけないと誓って欲しいのです。この武器は魔獣や獣を狩るときにだけ使ってください」
「わかりました、仰せの通りにいたしましょう」
3人の族長は顔を見合わせて頷いていた。
「それで、タケル様。私共からもお願いがあります。この村の長になっていただけないでしょうか?」
-前回帰る前にハンザがしていた話か・・・
「いえ、それは出来ないのですよ。私には霧の向こうでやるべきことがありますから。その代わり、武器以外の道具もたくさん持ってきます。皆さんの生活が良くなるように応援しますから、村は引き続き族長達が治めてください」
「ですが・・・」
「残念ですが、どうしようもないので」
族長達はあきらめきれない様子だったが、タケルはその話題を打ち切った。
「それよりも、武器以外で欲しいものは無いでしょうか? 包丁とか鍋それと鋸や斧を持ってこようと思っています」
「おお! それはありがたい! それ以外ですと・・・、他にも大工道具があれば人間たちの家を治してやるのが早くなるでしょう」
-大工道具、カンナとかノミ・・・、釘に金槌かな?
「わかりました。すぐに持ってきます。それと槍がまだ残っているので、2・3人で手助けをしてもらえますか?」
「わかりました。お前たちがついて行きなさい」
虎系族長はタケル達を見つけた三人の狼獣人達へ同行を命じた。タケル達は外に出ると集会所の前に転移用の聖教石を埋めて、その周りに大きな円を描いた。
「この石はここに埋めたまま触らせないでください。私たちは消がえますけど、すぐに戻ってきますから誰も円の中には入らないようにしてください」
「わかりました、見張りを立てておきます」
タケルはみんなを聖教石の中まで呼び寄せて光の神に祈りを捧げた。
「ジャンプ!」
魔法の力で一瞬で神殿前まで転移した。
「ウォッ!」
狼獣人達は周囲の景色が変わったことに驚いて、腰を落として、もらったばかりの剣を抜こうとしていた。
「落ち着いて。ここは村の北側にある場所だから。これを村まで持って行ってよ」
タケルは持ち切れなかった槍や剣等を狼獣人達に渡した。
「皆さんはどうされるのですか?」
「買い出しだね」
不思議そうな顔をしている3人を置いて、神殿の中に入ってヒメに声を掛ける。
「ヒメ、ずっと見ていてくれたんでしょ? 一度スタートスに戻りたいんだけど」
-ええ、判ったわ。
例のごとく突然頭上に現れたヒメはタケルの周りをぐるりと回って後ろからタケルに抱きついてきた。
「ねえ、ヒメはどうして抱きついて来るんだ?」
-あなたの願いを体で感じないと動けないのよ。イヤなの?
「イヤってことは無いけど・・・」
そう、嫌ではないがマリンダに叱られる。
-もう大丈夫よ、扉を開けてごらんなさい。
「着いたらしいよ。行こうか」
コーヘイが開いた扉の外はスタートスの泉だった。そこにも転移ポイントを作って、その場所から皇都セントレアの大教会に転移した。教会の事務局に顔を出して教皇に会いたいと伝えたが、今は祈りの時間で夕方までは無理のようだった。
タケル達は手分けして、調理用具と大工用具を買いに町へ繰り出した。タケルとコーヘイは調理用具を買いに町を歩いていると大きな雑貨店を見つけた。調理道具以外にも服等もたくさん置いてあった。
-服も何とかしないといけないな・・・、だが最初は鉄製品中心で。
まずは調理道具と言う事で、包丁を店にあった全て-40本ぐらい?と小さめの鍋を10個に大きい鍋を2個買った。鍋はもっと必要なのだが、重くてそれ以上持つのが難しそうだった。それ以外にハサミと綿や麻の生地が売っていたのでリュックに入る範囲で買っておいた。店員たちは大量に包丁を買ったので驚いていたが、大銀貨(約100万円)を見せると他にもいろいろな物を勧めてきたが、持ち切れないのでいずれも断った。
教会前でマユミ達と合流して、皇都大教会→スタートス→神殿で密林へ→獣人の村と移動した。移動距離は長いがそれぞれの所要時間は1秒ほどだ。店から教会まで鉄製品を運ぶのが最も困難だった。
「ウォォー!!」
タケル達が獣人の村に戻ると地面に書いた円の周りには杭が打たれて縄張りがしてあった。そして、その周りに多くの獣人が集まって歓声を上げている。突然消えて、突然現れる。獣人達はタケルを神のように思っているのかもしれない。
「これを皆さんで仲良く使ってください。取り合って喧嘩しないように」
持ってきた調理道具と大工道具を族長達の前に置いてやった。
「わかりました。しかし、一体どうやって・・・」
「魔法ですよ。魔法、密林の中からここがつながっていると思ってください。それで今日は帰りますけど明日来ます。引き続き誰もこの中に入れないようにしてくださいね。それと、他に欲しいものがあったらみんなで相談しておいてください」
「もう行ってしまわれるのですか!?」
「ええ、他にも差し入れが必要な村があるんですよ」
タケルはエルフの村にも物資が不足しているのを思い出していた。まずは焼酎を持って行かないとノルドとの約束が果たせない。
エルフ達には鉄よりも珍しい食い物だろうな・・・。
タケルはエルフと飲む夜の宴会を想像して笑みがこぼれていた。
~第13次派遣1日目~
タケル達はリュックの荷物だけを持って獣人達の村に向かった。神殿から海は南側で村は少し西よりのはずだった。ダイスケのコンパスを頼りに密林の草に足を取られながら30分ほど進むと狼系の獣人達に出会った。
「勇者のみなさん!」
「ああ、丁度良かった。重たいから荷物を持ってください」
「これは何ですか?」
「皆さんへのお土産です。村はこっちで合っていますよね?」
「はい、もうすぐ密林を抜けられます」
背負っていたリュックを獣人達に渡して身軽になったタケル達は10分ほどで村に着くことが出来た。村に着くとそのまま集会所に連れて行かれて、すぐに族長達が集まって来た。
「お戻りいただいたのですな!?」
「ええ、霧はそのままですが、私たちだけなら霧の向こうへ行って戻って来ることが出来ました」
「そうですか、おかげさまで翼竜が出なくなったので、狩りも漁も安心してできるようになりました」
「それは良かった。それでも、火トカゲはまだ居るはずですから。武器を持ってきました」
「なんと!? ありがとうございます!」
タケルはリュックの中から剣を取り出して、虎系族長に手渡した。
「武器を渡すうえで、一つ約束をしてください」
「なんでしょうか? 我らはなんなりと言う通りにいたします」
「この武器で獣人や人を傷つけないと誓って欲しいのです。この武器は魔獣や獣を狩るときにだけ使ってください」
「わかりました、仰せの通りにいたしましょう」
3人の族長は顔を見合わせて頷いていた。
「それで、タケル様。私共からもお願いがあります。この村の長になっていただけないでしょうか?」
-前回帰る前にハンザがしていた話か・・・
「いえ、それは出来ないのですよ。私には霧の向こうでやるべきことがありますから。その代わり、武器以外の道具もたくさん持ってきます。皆さんの生活が良くなるように応援しますから、村は引き続き族長達が治めてください」
「ですが・・・」
「残念ですが、どうしようもないので」
族長達はあきらめきれない様子だったが、タケルはその話題を打ち切った。
「それよりも、武器以外で欲しいものは無いでしょうか? 包丁とか鍋それと鋸や斧を持ってこようと思っています」
「おお! それはありがたい! それ以外ですと・・・、他にも大工道具があれば人間たちの家を治してやるのが早くなるでしょう」
-大工道具、カンナとかノミ・・・、釘に金槌かな?
「わかりました。すぐに持ってきます。それと槍がまだ残っているので、2・3人で手助けをしてもらえますか?」
「わかりました。お前たちがついて行きなさい」
虎系族長はタケル達を見つけた三人の狼獣人達へ同行を命じた。タケル達は外に出ると集会所の前に転移用の聖教石を埋めて、その周りに大きな円を描いた。
「この石はここに埋めたまま触らせないでください。私たちは消がえますけど、すぐに戻ってきますから誰も円の中には入らないようにしてください」
「わかりました、見張りを立てておきます」
タケルはみんなを聖教石の中まで呼び寄せて光の神に祈りを捧げた。
「ジャンプ!」
魔法の力で一瞬で神殿前まで転移した。
「ウォッ!」
狼獣人達は周囲の景色が変わったことに驚いて、腰を落として、もらったばかりの剣を抜こうとしていた。
「落ち着いて。ここは村の北側にある場所だから。これを村まで持って行ってよ」
タケルは持ち切れなかった槍や剣等を狼獣人達に渡した。
「皆さんはどうされるのですか?」
「買い出しだね」
不思議そうな顔をしている3人を置いて、神殿の中に入ってヒメに声を掛ける。
「ヒメ、ずっと見ていてくれたんでしょ? 一度スタートスに戻りたいんだけど」
-ええ、判ったわ。
例のごとく突然頭上に現れたヒメはタケルの周りをぐるりと回って後ろからタケルに抱きついてきた。
「ねえ、ヒメはどうして抱きついて来るんだ?」
-あなたの願いを体で感じないと動けないのよ。イヤなの?
「イヤってことは無いけど・・・」
そう、嫌ではないがマリンダに叱られる。
-もう大丈夫よ、扉を開けてごらんなさい。
「着いたらしいよ。行こうか」
コーヘイが開いた扉の外はスタートスの泉だった。そこにも転移ポイントを作って、その場所から皇都セントレアの大教会に転移した。教会の事務局に顔を出して教皇に会いたいと伝えたが、今は祈りの時間で夕方までは無理のようだった。
タケル達は手分けして、調理用具と大工用具を買いに町へ繰り出した。タケルとコーヘイは調理用具を買いに町を歩いていると大きな雑貨店を見つけた。調理道具以外にも服等もたくさん置いてあった。
-服も何とかしないといけないな・・・、だが最初は鉄製品中心で。
まずは調理道具と言う事で、包丁を店にあった全て-40本ぐらい?と小さめの鍋を10個に大きい鍋を2個買った。鍋はもっと必要なのだが、重くてそれ以上持つのが難しそうだった。それ以外にハサミと綿や麻の生地が売っていたのでリュックに入る範囲で買っておいた。店員たちは大量に包丁を買ったので驚いていたが、大銀貨(約100万円)を見せると他にもいろいろな物を勧めてきたが、持ち切れないのでいずれも断った。
教会前でマユミ達と合流して、皇都大教会→スタートス→神殿で密林へ→獣人の村と移動した。移動距離は長いがそれぞれの所要時間は1秒ほどだ。店から教会まで鉄製品を運ぶのが最も困難だった。
「ウォォー!!」
タケル達が獣人の村に戻ると地面に書いた円の周りには杭が打たれて縄張りがしてあった。そして、その周りに多くの獣人が集まって歓声を上げている。突然消えて、突然現れる。獣人達はタケルを神のように思っているのかもしれない。
「これを皆さんで仲良く使ってください。取り合って喧嘩しないように」
持ってきた調理道具と大工道具を族長達の前に置いてやった。
「わかりました。しかし、一体どうやって・・・」
「魔法ですよ。魔法、密林の中からここがつながっていると思ってください。それで今日は帰りますけど明日来ます。引き続き誰もこの中に入れないようにしてくださいね。それと、他に欲しいものがあったらみんなで相談しておいてください」
「もう行ってしまわれるのですか!?」
「ええ、他にも差し入れが必要な村があるんですよ」
タケルはエルフの村にも物資が不足しているのを思い出していた。まずは焼酎を持って行かないとノルドとの約束が果たせない。
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