146 / 183
派遣勇者の進む道
144.差し入れ
しおりを挟む
■獣人の村
~第13次派遣1日目~
タケル達はリュックの荷物だけを持って獣人達の村に向かった。神殿から海は南側で村は少し西よりのはずだった。ダイスケのコンパスを頼りに密林の草に足を取られながら30分ほど進むと狼系の獣人達に出会った。
「勇者のみなさん!」
「ああ、丁度良かった。重たいから荷物を持ってください」
「これは何ですか?」
「皆さんへのお土産です。村はこっちで合っていますよね?」
「はい、もうすぐ密林を抜けられます」
背負っていたリュックを獣人達に渡して身軽になったタケル達は10分ほどで村に着くことが出来た。村に着くとそのまま集会所に連れて行かれて、すぐに族長達が集まって来た。
「お戻りいただいたのですな!?」
「ええ、霧はそのままですが、私たちだけなら霧の向こうへ行って戻って来ることが出来ました」
「そうですか、おかげさまで翼竜が出なくなったので、狩りも漁も安心してできるようになりました」
「それは良かった。それでも、火トカゲはまだ居るはずですから。武器を持ってきました」
「なんと!? ありがとうございます!」
タケルはリュックの中から剣を取り出して、虎系族長に手渡した。
「武器を渡すうえで、一つ約束をしてください」
「なんでしょうか? 我らはなんなりと言う通りにいたします」
「この武器で獣人や人を傷つけないと誓って欲しいのです。この武器は魔獣や獣を狩るときにだけ使ってください」
「わかりました、仰せの通りにいたしましょう」
3人の族長は顔を見合わせて頷いていた。
「それで、タケル様。私共からもお願いがあります。この村の長になっていただけないでしょうか?」
-前回帰る前にハンザがしていた話か・・・
「いえ、それは出来ないのですよ。私には霧の向こうでやるべきことがありますから。その代わり、武器以外の道具もたくさん持ってきます。皆さんの生活が良くなるように応援しますから、村は引き続き族長達が治めてください」
「ですが・・・」
「残念ですが、どうしようもないので」
族長達はあきらめきれない様子だったが、タケルはその話題を打ち切った。
「それよりも、武器以外で欲しいものは無いでしょうか? 包丁とか鍋それと鋸や斧を持ってこようと思っています」
「おお! それはありがたい! それ以外ですと・・・、他にも大工道具があれば人間たちの家を治してやるのが早くなるでしょう」
-大工道具、カンナとかノミ・・・、釘に金槌かな?
「わかりました。すぐに持ってきます。それと槍がまだ残っているので、2・3人で手助けをしてもらえますか?」
「わかりました。お前たちがついて行きなさい」
虎系族長はタケル達を見つけた三人の狼獣人達へ同行を命じた。タケル達は外に出ると集会所の前に転移用の聖教石を埋めて、その周りに大きな円を描いた。
「この石はここに埋めたまま触らせないでください。私たちは消がえますけど、すぐに戻ってきますから誰も円の中には入らないようにしてください」
「わかりました、見張りを立てておきます」
タケルはみんなを聖教石の中まで呼び寄せて光の神に祈りを捧げた。
「ジャンプ!」
魔法の力で一瞬で神殿前まで転移した。
「ウォッ!」
狼獣人達は周囲の景色が変わったことに驚いて、腰を落として、もらったばかりの剣を抜こうとしていた。
「落ち着いて。ここは村の北側にある場所だから。これを村まで持って行ってよ」
タケルは持ち切れなかった槍や剣等を狼獣人達に渡した。
「皆さんはどうされるのですか?」
「買い出しだね」
不思議そうな顔をしている3人を置いて、神殿の中に入ってヒメに声を掛ける。
「ヒメ、ずっと見ていてくれたんでしょ? 一度スタートスに戻りたいんだけど」
-ええ、判ったわ。
例のごとく突然頭上に現れたヒメはタケルの周りをぐるりと回って後ろからタケルに抱きついてきた。
「ねえ、ヒメはどうして抱きついて来るんだ?」
-あなたの願いを体で感じないと動けないのよ。イヤなの?
「イヤってことは無いけど・・・」
そう、嫌ではないがマリンダに叱られる。
-もう大丈夫よ、扉を開けてごらんなさい。
「着いたらしいよ。行こうか」
コーヘイが開いた扉の外はスタートスの泉だった。そこにも転移ポイントを作って、その場所から皇都セントレアの大教会に転移した。教会の事務局に顔を出して教皇に会いたいと伝えたが、今は祈りの時間で夕方までは無理のようだった。
タケル達は手分けして、調理用具と大工用具を買いに町へ繰り出した。タケルとコーヘイは調理用具を買いに町を歩いていると大きな雑貨店を見つけた。調理道具以外にも服等もたくさん置いてあった。
-服も何とかしないといけないな・・・、だが最初は鉄製品中心で。
まずは調理道具と言う事で、包丁を店にあった全て-40本ぐらい?と小さめの鍋を10個に大きい鍋を2個買った。鍋はもっと必要なのだが、重くてそれ以上持つのが難しそうだった。それ以外にハサミと綿や麻の生地が売っていたのでリュックに入る範囲で買っておいた。店員たちは大量に包丁を買ったので驚いていたが、大銀貨(約100万円)を見せると他にもいろいろな物を勧めてきたが、持ち切れないのでいずれも断った。
教会前でマユミ達と合流して、皇都大教会→スタートス→神殿で密林へ→獣人の村と移動した。移動距離は長いがそれぞれの所要時間は1秒ほどだ。店から教会まで鉄製品を運ぶのが最も困難だった。
「ウォォー!!」
タケル達が獣人の村に戻ると地面に書いた円の周りには杭が打たれて縄張りがしてあった。そして、その周りに多くの獣人が集まって歓声を上げている。突然消えて、突然現れる。獣人達はタケルを神のように思っているのかもしれない。
「これを皆さんで仲良く使ってください。取り合って喧嘩しないように」
持ってきた調理道具と大工道具を族長達の前に置いてやった。
「わかりました。しかし、一体どうやって・・・」
「魔法ですよ。魔法、密林の中からここがつながっていると思ってください。それで今日は帰りますけど明日来ます。引き続き誰もこの中に入れないようにしてくださいね。それと、他に欲しいものがあったらみんなで相談しておいてください」
「もう行ってしまわれるのですか!?」
「ええ、他にも差し入れが必要な村があるんですよ」
タケルはエルフの村にも物資が不足しているのを思い出していた。まずは焼酎を持って行かないとノルドとの約束が果たせない。
エルフ達には鉄よりも珍しい食い物だろうな・・・。
タケルはエルフと飲む夜の宴会を想像して笑みがこぼれていた。
~第13次派遣1日目~
タケル達はリュックの荷物だけを持って獣人達の村に向かった。神殿から海は南側で村は少し西よりのはずだった。ダイスケのコンパスを頼りに密林の草に足を取られながら30分ほど進むと狼系の獣人達に出会った。
「勇者のみなさん!」
「ああ、丁度良かった。重たいから荷物を持ってください」
「これは何ですか?」
「皆さんへのお土産です。村はこっちで合っていますよね?」
「はい、もうすぐ密林を抜けられます」
背負っていたリュックを獣人達に渡して身軽になったタケル達は10分ほどで村に着くことが出来た。村に着くとそのまま集会所に連れて行かれて、すぐに族長達が集まって来た。
「お戻りいただいたのですな!?」
「ええ、霧はそのままですが、私たちだけなら霧の向こうへ行って戻って来ることが出来ました」
「そうですか、おかげさまで翼竜が出なくなったので、狩りも漁も安心してできるようになりました」
「それは良かった。それでも、火トカゲはまだ居るはずですから。武器を持ってきました」
「なんと!? ありがとうございます!」
タケルはリュックの中から剣を取り出して、虎系族長に手渡した。
「武器を渡すうえで、一つ約束をしてください」
「なんでしょうか? 我らはなんなりと言う通りにいたします」
「この武器で獣人や人を傷つけないと誓って欲しいのです。この武器は魔獣や獣を狩るときにだけ使ってください」
「わかりました、仰せの通りにいたしましょう」
3人の族長は顔を見合わせて頷いていた。
「それで、タケル様。私共からもお願いがあります。この村の長になっていただけないでしょうか?」
-前回帰る前にハンザがしていた話か・・・
「いえ、それは出来ないのですよ。私には霧の向こうでやるべきことがありますから。その代わり、武器以外の道具もたくさん持ってきます。皆さんの生活が良くなるように応援しますから、村は引き続き族長達が治めてください」
「ですが・・・」
「残念ですが、どうしようもないので」
族長達はあきらめきれない様子だったが、タケルはその話題を打ち切った。
「それよりも、武器以外で欲しいものは無いでしょうか? 包丁とか鍋それと鋸や斧を持ってこようと思っています」
「おお! それはありがたい! それ以外ですと・・・、他にも大工道具があれば人間たちの家を治してやるのが早くなるでしょう」
-大工道具、カンナとかノミ・・・、釘に金槌かな?
「わかりました。すぐに持ってきます。それと槍がまだ残っているので、2・3人で手助けをしてもらえますか?」
「わかりました。お前たちがついて行きなさい」
虎系族長はタケル達を見つけた三人の狼獣人達へ同行を命じた。タケル達は外に出ると集会所の前に転移用の聖教石を埋めて、その周りに大きな円を描いた。
「この石はここに埋めたまま触らせないでください。私たちは消がえますけど、すぐに戻ってきますから誰も円の中には入らないようにしてください」
「わかりました、見張りを立てておきます」
タケルはみんなを聖教石の中まで呼び寄せて光の神に祈りを捧げた。
「ジャンプ!」
魔法の力で一瞬で神殿前まで転移した。
「ウォッ!」
狼獣人達は周囲の景色が変わったことに驚いて、腰を落として、もらったばかりの剣を抜こうとしていた。
「落ち着いて。ここは村の北側にある場所だから。これを村まで持って行ってよ」
タケルは持ち切れなかった槍や剣等を狼獣人達に渡した。
「皆さんはどうされるのですか?」
「買い出しだね」
不思議そうな顔をしている3人を置いて、神殿の中に入ってヒメに声を掛ける。
「ヒメ、ずっと見ていてくれたんでしょ? 一度スタートスに戻りたいんだけど」
-ええ、判ったわ。
例のごとく突然頭上に現れたヒメはタケルの周りをぐるりと回って後ろからタケルに抱きついてきた。
「ねえ、ヒメはどうして抱きついて来るんだ?」
-あなたの願いを体で感じないと動けないのよ。イヤなの?
「イヤってことは無いけど・・・」
そう、嫌ではないがマリンダに叱られる。
-もう大丈夫よ、扉を開けてごらんなさい。
「着いたらしいよ。行こうか」
コーヘイが開いた扉の外はスタートスの泉だった。そこにも転移ポイントを作って、その場所から皇都セントレアの大教会に転移した。教会の事務局に顔を出して教皇に会いたいと伝えたが、今は祈りの時間で夕方までは無理のようだった。
タケル達は手分けして、調理用具と大工用具を買いに町へ繰り出した。タケルとコーヘイは調理用具を買いに町を歩いていると大きな雑貨店を見つけた。調理道具以外にも服等もたくさん置いてあった。
-服も何とかしないといけないな・・・、だが最初は鉄製品中心で。
まずは調理道具と言う事で、包丁を店にあった全て-40本ぐらい?と小さめの鍋を10個に大きい鍋を2個買った。鍋はもっと必要なのだが、重くてそれ以上持つのが難しそうだった。それ以外にハサミと綿や麻の生地が売っていたのでリュックに入る範囲で買っておいた。店員たちは大量に包丁を買ったので驚いていたが、大銀貨(約100万円)を見せると他にもいろいろな物を勧めてきたが、持ち切れないのでいずれも断った。
教会前でマユミ達と合流して、皇都大教会→スタートス→神殿で密林へ→獣人の村と移動した。移動距離は長いがそれぞれの所要時間は1秒ほどだ。店から教会まで鉄製品を運ぶのが最も困難だった。
「ウォォー!!」
タケル達が獣人の村に戻ると地面に書いた円の周りには杭が打たれて縄張りがしてあった。そして、その周りに多くの獣人が集まって歓声を上げている。突然消えて、突然現れる。獣人達はタケルを神のように思っているのかもしれない。
「これを皆さんで仲良く使ってください。取り合って喧嘩しないように」
持ってきた調理道具と大工道具を族長達の前に置いてやった。
「わかりました。しかし、一体どうやって・・・」
「魔法ですよ。魔法、密林の中からここがつながっていると思ってください。それで今日は帰りますけど明日来ます。引き続き誰もこの中に入れないようにしてくださいね。それと、他に欲しいものがあったらみんなで相談しておいてください」
「もう行ってしまわれるのですか!?」
「ええ、他にも差し入れが必要な村があるんですよ」
タケルはエルフの村にも物資が不足しているのを思い出していた。まずは焼酎を持って行かないとノルドとの約束が果たせない。
エルフ達には鉄よりも珍しい食い物だろうな・・・。
タケルはエルフと飲む夜の宴会を想像して笑みがこぼれていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!
ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。
ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!?
「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」
理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。
これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる