164 / 183
派遣勇者の進む道
161.新しい神?
しおりを挟む
■バーン 南方大教会
~第15次派遣4日目~
「グランドウォール!」
タケルは叫びと共に手のひらから地面にエネルギーが伝わるのを感じた。目の前の地面がいきなり隆起して、タケルがイメージした通りの2メートル四方の土壁が綺麗に立ち上がった。
「な、なんと!? 見ただけでできるのか?」
フィリップは驚いて両ひざを地面に着いてしまった。だが、タケルにとってはいつもの事だった。特に何かをしているわけではない、神がタケルの願いを叶えてくれる。ただそれだけの事だった。
「ガイン様にも私の声は届いたようですね」
「真四角の綺麗な壁だね」
アキラさんが言う通り縦横2メートル厚さ50㎝の壁が地面から垂直に立ち上がっている。
「ええ、角も直線にできるか試してみたんですけど、イメージ通りにできました。氷の壁でもいいですけど、土の方が加工しやすいような気がしています」
「加工って何をするの?」
タケルは土の壁に手を当てて目を瞑り壁の中央に四角い窓のような開口部を作った。
「これなら、ここから弓を撃ったり火炎風を放ったりも出来るでしょう?」
「なるほどね、お城の銃眼みたいなものだね」
「ええ、他にもいくつかアイディアがあるので、やってみましょう」
タケルはもう一度地面に聖教石を置いて作った土壁を地面に戻してから、土の神に祈りを捧げた。
-ガイン様、土の階段をお願いします。
「グランドウォール!」
叫び声に併せてタケルがイメージした土の階段が目の前から一段ずつ立ち上がって行き、10メートル上まで登れる大きな土の階段が出来た。
「何処かに上る時にも便利ですし、上から攻撃することも出来るはずです。だけど・・・」
自分で作った階段を強化するために、もう一度地面に聖教石を置いて階段の一番上に立てる足場と3方向に銃眼のある土壁を追加した。
「この方が良いですね、即席の矢倉の役割が果たせそうです」
「お、お前は一体何をやっているのだ!?」
「土魔法を使って実際に魔竜と戦う方法を考えているんですよ。まずは防御の道具として使う方法が良さそうなので、色々試しています」
フィリップは驚きよりタケルがやっていることに恐怖を感じているようだ。
「し、しかし、どうやればそこまで土を操れるようになるのだ!?」
「それは・・・、神様に聞かないと判らないですね。私はフィリップさんが見せてくれた魔法を応用しているだけです。壁が出来るなら階段も出来るし、他にもいろいろできると思っているんですが・・・、土で動く人形は作れませんか?」
「!? 一体どうして・・・!?」
フィリップが驚いた反応をみせたと言う事は既に作れる人が居るのだろう。現世のアニメやゲームなら土のゴーレムは定番だろうが、この世界では思いつく人間は少ないはずだ。
「ひょっとして誰かの固有魔法ですか? 司教? いや副司教ですね?」
「どうして、そこまでわかるのだ!?」
半分はあてずっぽうだが、確率は高いとタケルは思って副司教の名前を出してみたが、図星だったようだ。
「土人形を作れるとして、どうやって動かすのか? いや、操るのでしょうか?」
「それは私からも説明できない。副司教が自分で考えた魔法だからな」
「副司教はどちらに居るのでしょうか? その魔法を教えてもらう事は出来ますか?」
「それは・・・、難しいだろうな。副司教は外の世界の勇者を認めておらん。お前がどれだけ凄い魔法を使えたとしても、お前に何かを教えることは無いだろう」
副司教はかなり頑なな人物のようだが、会ってみないと確実なことは言えない。
「直接お会いしてお願いしてみたいのですが、今日は教会には戻って来られないのですか?」
「うむ。副司教のビジョンは東の荒野に土魔法の研究をするための塔を建てた。今は其処にこもって新しい魔法の研究を・・・」
「新しい魔法? 土魔法を応用したものでしょうか?」
「そうとも言えるが、まったく違う魔法ともいえる。ビジョンは自らの手で勇者を復活させてようとしておるのだ」
-勇者の復活!? まさか・・・
「復活と言うと、死んだ勇者を生き返らせるつもりなんですか!?」
「うむ、生き返らせると言うべきか、むしろ魔法でもう一度同じ勇者を生み出すと言うべきだろうな」
「それには土魔法と土人形が関係していると?」
「そうだ。勇者の亡骸と土人形を使って不死の勇者を作ろうとしているのだ」
-なんだかとんでもない話をさらっと言ったな。
「それはアシーネ様やガイン様の力で実現できるのでしょうか?」
「いや、アシーネ様の力では難しい。だが、ビジョンは新たな神の神託を受けたのだ。その神の力を使えば死者の魂を土魔法によって、死んだ勇者をもう一度生み出すことが出来る・・・、ビジョンはそう信じた。そして、わしもそれを信じたいと思って、ビジョンに研究を任せたのだ」
-新たな神! 以前、西條が冗談っぽく言っていたが・・・、神にも始まりがあるはずと・・
「しかし・・・、本当にそんなことが出来るのでしょうか? 死んだ人間は生き返りませんし、土人形で勇者を作ることも出来ないでしょう」
「土が動くなら亡骸も動くはずだと・・・、そしてそこに勇者の魂が戻れば・・・」
-死体に魂を戻そうと!? だけど、そんな大昔の死体って・・・白骨化してるんじゃないか!?
フィリップが語る話は荒唐無稽に聞えたが、嘘や冗談でこんな話をするはずが無い。ビジョンと言う副司教は真剣に考えているのだろう。
タケルはどうすれば良いのか判らなくなった。タケル達には直接関係ない話のような気もするが、死者を動かすと言う人間の理に反する事を見過ごして良いのだろうか?
やはり、一度会って話をする方が良いはずだ。
「フィリップ司教、副司教とも私が会って話をした方が良いと思います。今日は時間の関係でお会いできないでしょうが、5日後にまた来ますので、副司教のいる塔まで案内してもらえますか?」
「それは・・・、わかった。だが、塔はここから馬車で三日はかかるぞ」
また、長時間の馬車移動か・・・、良し! 次回の派遣は空飛ぶ船を何とか完成させてから行くことにしよう!
~第15次派遣4日目~
「グランドウォール!」
タケルは叫びと共に手のひらから地面にエネルギーが伝わるのを感じた。目の前の地面がいきなり隆起して、タケルがイメージした通りの2メートル四方の土壁が綺麗に立ち上がった。
「な、なんと!? 見ただけでできるのか?」
フィリップは驚いて両ひざを地面に着いてしまった。だが、タケルにとってはいつもの事だった。特に何かをしているわけではない、神がタケルの願いを叶えてくれる。ただそれだけの事だった。
「ガイン様にも私の声は届いたようですね」
「真四角の綺麗な壁だね」
アキラさんが言う通り縦横2メートル厚さ50㎝の壁が地面から垂直に立ち上がっている。
「ええ、角も直線にできるか試してみたんですけど、イメージ通りにできました。氷の壁でもいいですけど、土の方が加工しやすいような気がしています」
「加工って何をするの?」
タケルは土の壁に手を当てて目を瞑り壁の中央に四角い窓のような開口部を作った。
「これなら、ここから弓を撃ったり火炎風を放ったりも出来るでしょう?」
「なるほどね、お城の銃眼みたいなものだね」
「ええ、他にもいくつかアイディアがあるので、やってみましょう」
タケルはもう一度地面に聖教石を置いて作った土壁を地面に戻してから、土の神に祈りを捧げた。
-ガイン様、土の階段をお願いします。
「グランドウォール!」
叫び声に併せてタケルがイメージした土の階段が目の前から一段ずつ立ち上がって行き、10メートル上まで登れる大きな土の階段が出来た。
「何処かに上る時にも便利ですし、上から攻撃することも出来るはずです。だけど・・・」
自分で作った階段を強化するために、もう一度地面に聖教石を置いて階段の一番上に立てる足場と3方向に銃眼のある土壁を追加した。
「この方が良いですね、即席の矢倉の役割が果たせそうです」
「お、お前は一体何をやっているのだ!?」
「土魔法を使って実際に魔竜と戦う方法を考えているんですよ。まずは防御の道具として使う方法が良さそうなので、色々試しています」
フィリップは驚きよりタケルがやっていることに恐怖を感じているようだ。
「し、しかし、どうやればそこまで土を操れるようになるのだ!?」
「それは・・・、神様に聞かないと判らないですね。私はフィリップさんが見せてくれた魔法を応用しているだけです。壁が出来るなら階段も出来るし、他にもいろいろできると思っているんですが・・・、土で動く人形は作れませんか?」
「!? 一体どうして・・・!?」
フィリップが驚いた反応をみせたと言う事は既に作れる人が居るのだろう。現世のアニメやゲームなら土のゴーレムは定番だろうが、この世界では思いつく人間は少ないはずだ。
「ひょっとして誰かの固有魔法ですか? 司教? いや副司教ですね?」
「どうして、そこまでわかるのだ!?」
半分はあてずっぽうだが、確率は高いとタケルは思って副司教の名前を出してみたが、図星だったようだ。
「土人形を作れるとして、どうやって動かすのか? いや、操るのでしょうか?」
「それは私からも説明できない。副司教が自分で考えた魔法だからな」
「副司教はどちらに居るのでしょうか? その魔法を教えてもらう事は出来ますか?」
「それは・・・、難しいだろうな。副司教は外の世界の勇者を認めておらん。お前がどれだけ凄い魔法を使えたとしても、お前に何かを教えることは無いだろう」
副司教はかなり頑なな人物のようだが、会ってみないと確実なことは言えない。
「直接お会いしてお願いしてみたいのですが、今日は教会には戻って来られないのですか?」
「うむ。副司教のビジョンは東の荒野に土魔法の研究をするための塔を建てた。今は其処にこもって新しい魔法の研究を・・・」
「新しい魔法? 土魔法を応用したものでしょうか?」
「そうとも言えるが、まったく違う魔法ともいえる。ビジョンは自らの手で勇者を復活させてようとしておるのだ」
-勇者の復活!? まさか・・・
「復活と言うと、死んだ勇者を生き返らせるつもりなんですか!?」
「うむ、生き返らせると言うべきか、むしろ魔法でもう一度同じ勇者を生み出すと言うべきだろうな」
「それには土魔法と土人形が関係していると?」
「そうだ。勇者の亡骸と土人形を使って不死の勇者を作ろうとしているのだ」
-なんだかとんでもない話をさらっと言ったな。
「それはアシーネ様やガイン様の力で実現できるのでしょうか?」
「いや、アシーネ様の力では難しい。だが、ビジョンは新たな神の神託を受けたのだ。その神の力を使えば死者の魂を土魔法によって、死んだ勇者をもう一度生み出すことが出来る・・・、ビジョンはそう信じた。そして、わしもそれを信じたいと思って、ビジョンに研究を任せたのだ」
-新たな神! 以前、西條が冗談っぽく言っていたが・・・、神にも始まりがあるはずと・・
「しかし・・・、本当にそんなことが出来るのでしょうか? 死んだ人間は生き返りませんし、土人形で勇者を作ることも出来ないでしょう」
「土が動くなら亡骸も動くはずだと・・・、そしてそこに勇者の魂が戻れば・・・」
-死体に魂を戻そうと!? だけど、そんな大昔の死体って・・・白骨化してるんじゃないか!?
フィリップが語る話は荒唐無稽に聞えたが、嘘や冗談でこんな話をするはずが無い。ビジョンと言う副司教は真剣に考えているのだろう。
タケルはどうすれば良いのか判らなくなった。タケル達には直接関係ない話のような気もするが、死者を動かすと言う人間の理に反する事を見過ごして良いのだろうか?
やはり、一度会って話をする方が良いはずだ。
「フィリップ司教、副司教とも私が会って話をした方が良いと思います。今日は時間の関係でお会いできないでしょうが、5日後にまた来ますので、副司教のいる塔まで案内してもらえますか?」
「それは・・・、わかった。だが、塔はここから馬車で三日はかかるぞ」
また、長時間の馬車移動か・・・、良し! 次回の派遣は空飛ぶ船を何とか完成させてから行くことにしよう!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!
ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。
ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!?
「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」
理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。
これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる