初恋の行方

サラ

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9. 小話 結婚式

 リーン、ゴーン、晴れ渡った青空に鐘の音が鳴り響く。
 今日は私とカンジーン様の結婚式。皆に祝福されて幸せな花嫁になる事が出来た。

「リリアージュ、おめでとう」
「良かったな。リリアージュ、幸せにおなり」
「リリアージュ、本当に良かった。貴女の花嫁姿を見られるなんて」

 家族が嬉しそうにお祝いの言葉を投げかけてくれる。

「正直、リリアージュの抜ける穴は大きいが娘の幸せのためには仕方がない」
「リリアージュの初恋だから、な」
「えっ!? お兄様!」
「なんだ、まさか、気がつかれていないとでも」
「えっ、だって」
「リリアージュは隠していたつもりだったんだよな。でも、カンジーンを見る目が違っていたから、勘の良い奴は気がついていたんじゃないか。カンジーンも隠していたけど」

「えっ? まさか?」
「二人は両想いに見えたけど、流石に身分差があり過ぎて一緒にはできない、と思っていたんだが、リリアージュの額のケガのおかげで結ばれる事ができた、と言える」
「えっ……じゃぁ」
「お前の元婚約者はリリアージュを傷つけた憎い奴だけど、おかげでリリアージュは初恋を実らせる事が出来たわけだ。あいつを焚きつけたのはウンデだけど」
「まぁ」
「お前たちは結ばれるべきして結ばれたのだから、良かったな。幸せになれよ」
「ありがとうお兄様」

 本当にもし、私の額に傷がつかなければ、例え婚約が解消された令嬢だとしても侯爵家だから、次の婚約が決まってしまっても仕方がなかったのかもしれない。元婚約者とウンデさんに感謝しなくてはいけないかも。
 私の初恋、カンジーン様。貴方に会えて本当に良かった。


 結婚式はつつがなく行われ、結婚の書類は前の日に提出されたので名実共に私達は夫婦になった。
 これからはカンジーン様の事を私の旦那様と呼べる。と思ったら嬉しくて教会の出口で花々を投げかけられている時に、来てくれた皆さんに感謝の祝福を、と願い祈ったら私とカンジーン様の身体が光ってまわりに光の粒が煌めいた。

 後ろに居た神官長様が驚いたように「聖女様」と呟いたけどどういう事かしら。
 私は聖女ではないけど、神様が私達の結婚を祝福してくれた、という事よね。

 皆があっけにとられた顔をしたけど、家族が「おめでとう」と声をかけてくれたのでその声に呼応して「おめでとうございます」との声がアチコチからかかり、大きな拍手が起こった。

 そのままお披露目の会場に向かったけど、神殿から「聖女様の可能性が高いので結婚の凍結をして下さい」との連絡が入ったそうだ。でも、神官長からの連絡だったので連絡は不手際で届かなかった事にしたらしい。

 神殿からの連絡を知った時、私達は本当の夫婦になっていたのでもう、彼らにはどうしようもなかった。
 カンジーン様は「タッチの差で結婚出来て良かった」と言っていたけど、あの時、私達が光ったのは本当に神様からの贈り物だと思うから、特に問題はないと思う。

 カンジーン様、これからもよろしくお願いします。
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