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《海の章》
ある漁村の話①
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空の精霊の青と雲の精霊の梓が一緒に海の神殿の碧を訪ねてきました。
「碧、お元気。今帰りましたわ」
「まぁ、お久しぶり、青。おかえりなさい」
「今回はどちらに行かれていたの?」
「今回は碧の領域の海辺の方に行ってたの。ねぇ、梓」
「聞いて下さいよ碧様。もう姉様の無茶ぶりを。漁村に行ったんですが、人々に混ざって魚を摂ったり、罠を仕掛けたりしてたのです。その度にハラハラしていましたよ」
「そうなんですの?青、弟に心配かけてはダメよ。……それで人々の暮らしはどうでしたか?」
碧は神からの依頼を青に聞きました。
「そうね、これと言って変わりは無かったわ。……ただ皆、痩せていたわね」
「痩せていたの? 漁獲量は如何でしたか?」
「少ないって事はないわ。そうだったはよね、梓」
「ええ、姉の言う通りです」
碧は青と梓の話を聞いて可笑しいと思いました。魚介の漁獲量は少なく無いのに民が痩せているのは、何か他の原因が有るのでは無いか? 神から人々の暮らしを見守る様に言われてから初めてのことです。
「青、コレは可笑しいですね。すみませんが詳しく調査して頂けますか?」
「それは構わないけど、何か秘密があると思うのね?」
「ええ、魚介の漁獲量は減っている訳では無いのに、民が痩せているのは可笑しいわよ」
「そうですね。姉さん、もう一度あの漁村に行ってみましょう」
「わかったわ。じゃぁもう一度行ってくるわね。今度は早めに帰ってくるわ」
「ええ、よろしくお願いします」
こうして青と梓は前回行った漁村へ再度、調査に向かいました。
碧は再調査で原因がわかる事を期待しました。もし必要以上に税として取り立てていた時は神に報告をして民を虐げた者達に対して罰を行なって頂かなければいけないからです。碧は必要以上の取り立てがない事を願いました。
***************************************************
青と梓は漁村に急いで戻りました。そ~と岩場から姿が見えない様にして漁村を見ていました。そして漁村で行われている行為を目撃して仕舞いました。
そこで行われていたのは、ムチを持った役人が村人に必要以上魚介を取り立てている光景でした。村人が『コレを持って行かれては生きていけません。お慈悲を』と言っているのに弱い子どもにムチを使い取り立てているのです。正義感の強い青と梓の姉弟は、今すぐにでも出て行って村人を助けたいと思いましたが、今は調査で来ている為に手を出せば越権行為になってしまうのです。余りの歯痒さで二人はどうにかなって仕舞いそうになりました。
「梓、コレは……許せないですね」
「ええ、早く碧様にご報告しなければ」
青と梓はこの行為を碧に知らせる為に急いで海の神殿に戻りました。そこにはソワソワと部屋で待つ碧の姿がありました。
「碧!!お待たせしました。今見てきた事を報告するわ」
「碧様、役人が村人から必要以上に取り立てていました」
「そうなの!ムチを子どもに使って無理矢理奪っていくのよ。酷いわ」
「そうなんですね。……青、梓、ありがとうございました。今から神にご報告に行って参ります」
「わかったわ。神からのご沙汰を聞いてきて。梓と一緒にここで待っているわ」
「碧様、お待ちしておりますので、お願いいたします」
碧は青と梓の再調査でわかった事を神に報告をしてどう対処するかを聞きに向かいました。早く対処しなければ村人達が飢えて仕舞います。流行る気持ちとは裏腹に海の神殿にある神の間までの道のりが遠く感じていました。
神の間に着くと祈りを捧げ神がご降臨するのを待ちます。パーと神の間が光り、神が降臨しました。
「神よ、海の幸を頂く民が酷い取り立てを受けております。どうかこの民をお救いくださいませ」
「碧よ。どの様に取り立てておるのか?」
「はい、ムチを無抵抗の子ども達に使い魚介を取り立てております」
「なんと、子ども達にムチを使っておるだと!」
子ども達にムチを使っている事に神は激怒していました。子どもは未来の架け橋になる者達。そして子ども達は未来を作る事が出来る宝になるのですから、神が激怒するのも頷けるのです。
「神よ、どう対処致しましょうか?」
「そうよな、そのムチを子ども達に使った者達には同じ処罰を行う事にしよう。全く同じでは罰にならぬな。碧よ、そなたならどうするか」
「はい。私ならムチの使用者は最初に滝行を行わせ、ムチに弱い雷を纏わせて尻を打つ。これで如何でしょうか?」
「そうか。まずは滝行か。雷がよく効く様にだな」
「そうで御座います」
「では碧よ。其の方の案で対処せよ」
「わかりました。処罰の実行者は『青と梓』に頼もうと思っておりますが宜しいでしょうか?」
「よいぞ。其の方に一任する」
「では、すぐに実行致します。失礼いたします」
碧は神が空にある神の神殿に帰られると、すぐに神の間から青と梓が待つ部屋へと戻りました。そして神からの処罰について話しました。
「青、梓、お待たせしました。今回の処罰については私に一任されました。そして処罰の実行者は青、梓、あなた達になりました」
「まあ、そうなのね。処罰はどんなものかしら」
「処罰は最初に滝行を行わせます。その後、ムチに弱い雷を纏わせて尻を打ちます」
「あはは、それはいい。姉さん、楽しめそうだね」
「そうね。それでいつ処罰を行う?」
「そうね、神託をまずは授けてからになるから一週間後でどうかしら」
「わかったわ。それまでに村に向かうわね」
「ええ、お願いね」
「じゃぁ姉さん、行こうか」
碧は青と梓の姉弟と打ち合わせを行なってから、漁村の神殿に神託を授けました。曰く【一週間後にムチを使い民を虐げた者達に神罰が落ちるだろう】と。
「碧、お元気。今帰りましたわ」
「まぁ、お久しぶり、青。おかえりなさい」
「今回はどちらに行かれていたの?」
「今回は碧の領域の海辺の方に行ってたの。ねぇ、梓」
「聞いて下さいよ碧様。もう姉様の無茶ぶりを。漁村に行ったんですが、人々に混ざって魚を摂ったり、罠を仕掛けたりしてたのです。その度にハラハラしていましたよ」
「そうなんですの?青、弟に心配かけてはダメよ。……それで人々の暮らしはどうでしたか?」
碧は神からの依頼を青に聞きました。
「そうね、これと言って変わりは無かったわ。……ただ皆、痩せていたわね」
「痩せていたの? 漁獲量は如何でしたか?」
「少ないって事はないわ。そうだったはよね、梓」
「ええ、姉の言う通りです」
碧は青と梓の話を聞いて可笑しいと思いました。魚介の漁獲量は少なく無いのに民が痩せているのは、何か他の原因が有るのでは無いか? 神から人々の暮らしを見守る様に言われてから初めてのことです。
「青、コレは可笑しいですね。すみませんが詳しく調査して頂けますか?」
「それは構わないけど、何か秘密があると思うのね?」
「ええ、魚介の漁獲量は減っている訳では無いのに、民が痩せているのは可笑しいわよ」
「そうですね。姉さん、もう一度あの漁村に行ってみましょう」
「わかったわ。じゃぁもう一度行ってくるわね。今度は早めに帰ってくるわ」
「ええ、よろしくお願いします」
こうして青と梓は前回行った漁村へ再度、調査に向かいました。
碧は再調査で原因がわかる事を期待しました。もし必要以上に税として取り立てていた時は神に報告をして民を虐げた者達に対して罰を行なって頂かなければいけないからです。碧は必要以上の取り立てがない事を願いました。
***************************************************
青と梓は漁村に急いで戻りました。そ~と岩場から姿が見えない様にして漁村を見ていました。そして漁村で行われている行為を目撃して仕舞いました。
そこで行われていたのは、ムチを持った役人が村人に必要以上魚介を取り立てている光景でした。村人が『コレを持って行かれては生きていけません。お慈悲を』と言っているのに弱い子どもにムチを使い取り立てているのです。正義感の強い青と梓の姉弟は、今すぐにでも出て行って村人を助けたいと思いましたが、今は調査で来ている為に手を出せば越権行為になってしまうのです。余りの歯痒さで二人はどうにかなって仕舞いそうになりました。
「梓、コレは……許せないですね」
「ええ、早く碧様にご報告しなければ」
青と梓はこの行為を碧に知らせる為に急いで海の神殿に戻りました。そこにはソワソワと部屋で待つ碧の姿がありました。
「碧!!お待たせしました。今見てきた事を報告するわ」
「碧様、役人が村人から必要以上に取り立てていました」
「そうなの!ムチを子どもに使って無理矢理奪っていくのよ。酷いわ」
「そうなんですね。……青、梓、ありがとうございました。今から神にご報告に行って参ります」
「わかったわ。神からのご沙汰を聞いてきて。梓と一緒にここで待っているわ」
「碧様、お待ちしておりますので、お願いいたします」
碧は青と梓の再調査でわかった事を神に報告をしてどう対処するかを聞きに向かいました。早く対処しなければ村人達が飢えて仕舞います。流行る気持ちとは裏腹に海の神殿にある神の間までの道のりが遠く感じていました。
神の間に着くと祈りを捧げ神がご降臨するのを待ちます。パーと神の間が光り、神が降臨しました。
「神よ、海の幸を頂く民が酷い取り立てを受けております。どうかこの民をお救いくださいませ」
「碧よ。どの様に取り立てておるのか?」
「はい、ムチを無抵抗の子ども達に使い魚介を取り立てております」
「なんと、子ども達にムチを使っておるだと!」
子ども達にムチを使っている事に神は激怒していました。子どもは未来の架け橋になる者達。そして子ども達は未来を作る事が出来る宝になるのですから、神が激怒するのも頷けるのです。
「神よ、どう対処致しましょうか?」
「そうよな、そのムチを子ども達に使った者達には同じ処罰を行う事にしよう。全く同じでは罰にならぬな。碧よ、そなたならどうするか」
「はい。私ならムチの使用者は最初に滝行を行わせ、ムチに弱い雷を纏わせて尻を打つ。これで如何でしょうか?」
「そうか。まずは滝行か。雷がよく効く様にだな」
「そうで御座います」
「では碧よ。其の方の案で対処せよ」
「わかりました。処罰の実行者は『青と梓』に頼もうと思っておりますが宜しいでしょうか?」
「よいぞ。其の方に一任する」
「では、すぐに実行致します。失礼いたします」
碧は神が空にある神の神殿に帰られると、すぐに神の間から青と梓が待つ部屋へと戻りました。そして神からの処罰について話しました。
「青、梓、お待たせしました。今回の処罰については私に一任されました。そして処罰の実行者は青、梓、あなた達になりました」
「まあ、そうなのね。処罰はどんなものかしら」
「処罰は最初に滝行を行わせます。その後、ムチに弱い雷を纏わせて尻を打ちます」
「あはは、それはいい。姉さん、楽しめそうだね」
「そうね。それでいつ処罰を行う?」
「そうね、神託をまずは授けてからになるから一週間後でどうかしら」
「わかったわ。それまでに村に向かうわね」
「ええ、お願いね」
「じゃぁ姉さん、行こうか」
碧は青と梓の姉弟と打ち合わせを行なってから、漁村の神殿に神託を授けました。曰く【一週間後にムチを使い民を虐げた者達に神罰が落ちるだろう】と。
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